第123回建築家フォーラムは槇文彦 (Fumihiko Maki) による建築夜話。
会場は西新宿のLIXILギャラリー。(LIXIL GINZAより5月に移転)
企画進行は国広ジョージ氏。聴講者は約80人満席だ。
50年代アメリカでの活動から、世界中の建築家との交流、現在進行中のプロジェクトまでユーモアたっぷりに話され会場からは笑いが絶えなかった。
アルド・ファン・アイク (Aldo Van Eyck) に教会のプロジェクトを説明されたときの話。
ルシオ・コスタ (Lucio Costa) にブラジリアの都市設計はその後40年近く経ってどうなったかをインタビュー。
スパイラルでは展示や企画は様々に変化しているが、この廊下に都市における個人の場を提供した椅子に佇む人の姿は25年前と全く変わらない。
ニューヨークの世界貿易センターNo.4ビルは、センターのビル群に先駆けて11月16日オープンする。「この建築は前WTCビルを設計したミノル・ヤマサキへのリアクションです。」と話す。
「東京体育館は周辺環境や人の目線を考慮したスケールで設計した。」
「ところが同じエリアにこのような巨大な怪物が造られようとしている。この先50年100年この建築が本当にここに造られていいのだろうか。」
「周辺がどうなるのか、人の目線からはどのような物になるのかといった情報が全く提供されていない。」
「このような問題に対する声や議論が起きないのは危険なことだ。」という槇氏の提起を受け多くの建築家によって '新国立競技場を考えるシンポジウム実行委員会' が設立され、10月にシンポジウムが開催される。www.facebook.com/kokuritsu.wo.kangaeru
また聴講者から「東京をどのようにすれば良いですか?」との質問に、難しい質問だとしながらも「素敵な居場所を作っていくこと、それもできるだけ沢山。」と答えた。
近代建築の世界遺産登録はアジアにまだない。丹下健三生誕100周年ということもあり、代々木体育館を世界遺産にする活動も開始した。
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