永山祐子(永山祐子建築設計)の杉並区の自邸「杉並のいえ」を見学してきました。
ルーフバルコニーは93m2、全面デッキ張り。植栽は荻野寿也景観設計が手掛けた。人工土壌に実の生る植物を多く植え、子どもたちが楽しめるようにしながら、キッチンの近くにはハーブを植え、直ぐ料理に使えるようにした。
自邸ならではの、自己責任ディテールだ。
ぴたっと全てが納まっている。それをリノベーションで実現。
永山祐子さん。「家族の気配が常に感じられるように生活の場を、寝室含めてワンルームとしました。既存の太い2本の独立柱を起点に、寝室、リビング+ダイニング、キッチンの各ゾーンが緩やかに分けられています。マンションだと子どもが走り回るのは気を使いますが、ここでは下階も自室なので戸建てのような気楽さがあり、そして "庭"を持つことができたのが何よりも良かったです。」
【杉並のいえ】
・設計監理:永山祐子建築設計/永山祐子、山岸大助(元所員)
・施 工:濱田崇裕、大迫未来雄
1974年竣工の8階建てマンションの最上階、メゾネットになった一室をリノベーションした(2層で188m2)。
光量を落とした玄関を抜けると、むき出しの荒々しい梁と、モルタルで滑らかに仕上げられた柱・壁、そこにアッシュ材の床とシナ合板の建具で設えられたギャラリースペースが現れる。はつられた梁はそのままではなく、特殊塗装をし、コンクリートの剥がれを抑え、周囲と色を馴染ませてある。
廊下には川久保ジョイのアートが掛かる。ギャラリースペースは、その非日常な場所として昔の記憶を持ったままの場所とした。
左の壁の裏はオフィス。
オフィスは将来的な永山事務所のアネックスを想定されているが、まだ稼働していない。
オフィスでは、はつられた躯体も白で塗装した。床はラーチ合板にUV塗装。
部屋を出ようとしたところで気付いた、一手間かけた扉の手がかりは内側にステンレス板が貼られアクセントとなっている。
上階へ。階段室を見上げるとさらに川久保ジョイの作品。3枚セットの2枚がこちらに掛かる。
上階は125m2、二面に大きく開口したLDK。こちらでは梁もモルタル、天井は木毛セメント板で仕上げた。
階段室は合わせガラスで間仕切り、引戸で開閉。
既存はオフィス利用で、いくつかの部屋に分割されていたが、雑壁を取り払いワンルーム空間とした。ダイニングテーブルはオリジナル。
中央に陣取るのはSANCALのソファ。
ダイニングの脇には藤元明のアートが掛かる。奥はキッチン。キッチンはなかったので一から作った。システムキッチンはLIXILを導入。
照明は左に調光式のアッパーライトで間接照明に。ダイニングのペンダントライトはGERVASONIの「BRASS95」。スライドレールに付くのは青色発光ダイオードでノーベル賞を受賞した中村修二らが開発した「SORAA」の紫LED。ほかキッチンでは埋め込みのダウンライトが付く。
反対側。可動間仕切りの左奥が寝室。右奥はウォークインクローゼット。その右側が水回り。
西向きに横連の開口と、造り付けのデスク。
デスクはリビングから寝室まで約10m。家族皆が自由に使うデスクで、裏にコンセントが多数備わっている。
床置きのエアコンには、永山さんらしい編み込みのワイヤーチェーンでカバーが掛けられている。冬場は床暖房を利用(ガスと電気のハイブリッド式)。
西側の幹線道路の騒音と、西日を遮るのはAGBが新開発したブラインド内蔵トリプルガラス「スラティア」。外側の空気層内をブラインドが上下する。操作は据え付けのタッチパネルのほかスマホ(Wi-fi)でも可能で、各面の下げ具合や透過具合も個別に調整出来る。内側の2枚はLow-Eガラスで、断熱性能も非常に高い。
通常集合住宅ではサッシュは共用部であるため独自の交換はできないが、管理組合と交渉し、クレーンを使って付け替えたという。
寝室とWICを閉じた状態。シナの木目を丁寧に選んでヘリンボーン張りに。
寝室。今は家族4人で川の字で休んでいるが、将来は子ども室とする予定で、長机はそのまま学習机になる。
可動仕切りは普段はオープンにしているため、ウォークインクローゼットは収納に引戸がつく。キッチン以外に収納はこのコーナーに集約されている格好だ。
水回り。浴室は珍しいガラス引戸で、ジョー・プリンスの戸車で吊られてる。浴槽奥の間接照明が効いている。前述のようにオフィスだったため、この水回りも一から作った。
トイレ。こちらの照明も凝っている。
引戸の端、手掛かりは透明アクリルで設え、使用中の明かりが透過する。
LDKの端は特注スチールサッシュの大開口で、ルーフバルコニーの植栽が入り込むようなデザイン。
光量を落とした玄関を抜けると、むき出しの荒々しい梁と、モルタルで滑らかに仕上げられた柱・壁、そこにアッシュ材の床とシナ合板の建具で設えられたギャラリースペースが現れる。はつられた梁はそのままではなく、特殊塗装をし、コンクリートの剥がれを抑え、周囲と色を馴染ませてある。
廊下には川久保ジョイのアートが掛かる。ギャラリースペースは、その非日常な場所として昔の記憶を持ったままの場所とした。
左の壁の裏はオフィス。
オフィスは将来的な永山事務所のアネックスを想定されているが、まだ稼働していない。
オフィスでは、はつられた躯体も白で塗装した。床はラーチ合板にUV塗装。
部屋を出ようとしたところで気付いた、一手間かけた扉の手がかりは内側にステンレス板が貼られアクセントとなっている。
上階へ。階段室を見上げるとさらに川久保ジョイの作品。3枚セットの2枚がこちらに掛かる。
上階は125m2、二面に大きく開口したLDK。こちらでは梁もモルタル、天井は木毛セメント板で仕上げた。
階段室は合わせガラスで間仕切り、引戸で開閉。
既存はオフィス利用で、いくつかの部屋に分割されていたが、雑壁を取り払いワンルーム空間とした。ダイニングテーブルはオリジナル。
中央に陣取るのはSANCALのソファ。
ダイニングの脇には藤元明のアートが掛かる。奥はキッチン。キッチンはなかったので一から作った。システムキッチンはLIXILを導入。
照明は左に調光式のアッパーライトで間接照明に。ダイニングのペンダントライトはGERVASONIの「BRASS95」。スライドレールに付くのは青色発光ダイオードでノーベル賞を受賞した中村修二らが開発した「SORAA」の紫LED。ほかキッチンでは埋め込みのダウンライトが付く。
反対側。可動間仕切りの左奥が寝室。右奥はウォークインクローゼット。その右側が水回り。
西向きに横連の開口と、造り付けのデスク。
デスクはリビングから寝室まで約10m。家族皆が自由に使うデスクで、裏にコンセントが多数備わっている。
床置きのエアコンには、永山さんらしい編み込みのワイヤーチェーンでカバーが掛けられている。冬場は床暖房を利用(ガスと電気のハイブリッド式)。
西側の幹線道路の騒音と、西日を遮るのはAGBが新開発したブラインド内蔵トリプルガラス「スラティア」。外側の空気層内をブラインドが上下する。操作は据え付けのタッチパネルのほかスマホ(Wi-fi)でも可能で、各面の下げ具合や透過具合も個別に調整出来る。内側の2枚はLow-Eガラスで、断熱性能も非常に高い。
通常集合住宅ではサッシュは共用部であるため独自の交換はできないが、管理組合と交渉し、クレーンを使って付け替えたという。
寝室とWICを閉じた状態。シナの木目を丁寧に選んでヘリンボーン張りに。
寝室。今は家族4人で川の字で休んでいるが、将来は子ども室とする予定で、長机はそのまま学習机になる。
可動仕切りは普段はオープンにしているため、ウォークインクローゼットは収納に引戸がつく。キッチン以外に収納はこのコーナーに集約されている格好だ。
水回り。浴室は珍しいガラス引戸で、ジョー・プリンスの戸車で吊られてる。浴槽奥の間接照明が効いている。前述のようにオフィスだったため、この水回りも一から作った。
トイレ。こちらの照明も凝っている。
引戸の端、手掛かりは透明アクリルで設え、使用中の明かりが透過する。
LDKの端は特注スチールサッシュの大開口で、ルーフバルコニーの植栽が入り込むようなデザイン。
ルーフバルコニーは93m2、全面デッキ張り。植栽は荻野寿也景観設計が手掛けた。人工土壌に実の生る植物を多く植え、子どもたちが楽しめるようにしながら、キッチンの近くにはハーブを植え、直ぐ料理に使えるようにした。
自邸ならではの、自己責任ディテールだ。
ぴたっと全てが納まっている。それをリノベーションで実現。
永山祐子さん。「家族の気配が常に感じられるように生活の場を、寝室含めてワンルームとしました。既存の太い2本の独立柱を起点に、寝室、リビング+ダイニング、キッチンの各ゾーンが緩やかに分けられています。マンションだと子どもが走り回るのは気を使いますが、ここでは下階も自室なので戸建てのような気楽さがあり、そして "庭"を持つことができたのが何よりも良かったです。」
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・施 工:濱田崇裕、大迫未来雄
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