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河野有悟による世田谷区のギャラリー兼住宅「BEAMS」

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河野有悟 (Hugo Kohno Architect Associates) による世田谷区赤堤のギャラリー兼用の住宅「BEAMS」を見学してきました。

敷地面積64m2、建築面積49m2、延床面積121m2。木質ラーメン構造3階建て。
1階がギャラリーで、2・3階が住居になる。

建物のテーマは「集成材+スチールトラスの合成梁が構成する棲まい」。
分からなければ単なる意匠にも見える円やトラスはあえて意匠化された梁だ。

1階は施主が経営する現代アートのギャラリー。このスペースが全面開口で、できるだけ広い空間、かつ住居部へのエントランスを決して広くない間口に木造で実現するにはどうするか? ということから計画がスタート。(床の仕上げは未完)

ギャラリーの右側に住居のエントランス。基礎から一部RCの壁が立ち上がり、上層の柱の全長が少しでも短くなるように工夫してある。


エントランスからはすぐに階段で2階へ。左側一面、階段の形状に合わせた収納。


2階は低く抑えたキッチン・ダイニングから天井高を上げたリビングへシーンの切り替えをする。


合成梁。トラス状のスチール梁を、集成材の梁で上下から挟み、高剛性の大きな梁を形作る。
これにより柱が細くても耐力壁が不要なラーメン構造が可能になり、狭い間口を最大限に活用することができた。

柱を細くしたことで梁高が増すが、スチールトラスと合成する事で、抜けのある圧迫感のない梁にできる。
バルコニーの手摺部分には汎用のパイプを輪切りにしたものを利用。接点側で見れば「X」字で、トラスになっているという訳だ。

振り返ると3階のスラブに開口が設けてある。


奥の水回りでは欄間のような扱いにしている。これらも全て集成材との合成梁だ。


シンプルにし過ぎずに、目線の留まる部分が散りばめられている。

梁高があるのでキッチンには床下収納を備えることができる。

3階へ上がり振り返るとバルコニーへ連続する階段が見える。


3階寝室。左の壁に接してベッドが置かれる予定で、上に収納、右側には大きな書棚やデスクが造り付けられている。
左奥に縦型ルーバーがあるが、カーテンが納まるためのちょっとした配慮。その裏にはバルコニーへの出入り口がある。

そしてにデスクに切り込みが入っているのはカーテンをきっちり閉めるため。河野さんは窓際にカーテンレールを設えることを勧めたが、施主はバルコニーの出入り口までを1枚のカーテンで覆うことを望んだためだ。


寝室の反対側にももう一つデスクが。上部には「欄間」越しに収納が見える。


合成梁は建物全体で9本あり、ここからが最も多く見える。今回のアイデアにより街路樹まで望める抜けが可能になった。


河野有悟さん。「合成梁は要件をクリアするために取り入れたアイデアでしたが、梁位置の自由度が高くなることが分かったので、空間を決めてから梁の位置を決定することができました。またトラスの形状はお施主さんがアート好きなこともあり、特徴的な構造を様々な形状で意匠可し、建物の顔になるようにしました。」


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