松島潤平(Jumpei Matsushima / JP architects)による、世田谷区のマンション1室をリノベーションした「Text」を見学してきました。
築40年以上を経過したマンションで、玄関を入ると一直線の廊下を挟んで左側に個室が3室、右側に収納や水回りが配された典型的な3LDKレイアウトだった。(82m2)
既存の仕上げを剥がし現れた躯対は水平垂直が大きく歪み、壁や天井も波打ち、、、
それはあたかも洞窟のようだったという。
コンクリートの中には施工時の “忘れ物” 、何かのビニール片やタバコの吸い殻が40数年の時を超え姿を見せた。
型枠の大きさも材質もまちまちで、住宅供給が急がれていた頃の様子が伺える。
ベッドスペースから。
室内奥から見返す。
奥さまはグリーンコーディネーターで、夫婦揃って植物が大好き。部屋の中央にはフィスカ・ウンベラータの株分け用の親木が存在感を出している。天井に付くスポットライトの多くは植物の為に設置したもの。
キッチンはIKEA製で設えた。
壁の中央の開口は浴室へ。
開口は既存では開閉し換気窓として機能していたが、浴室乾燥機を取り付けたのでFIXとした。
食事はカウンターテーブルで。
躯体にはC型セパレーターが沢山頭を出していたので、グラインダーで滑らかにしたところ(左)、マグネットを使って自在にディスプレーができるようになった。
照明スイッチパネル。最近トグルスイッチは珍しくないが、美しい削り出しのオーディオ用つまみを調光に流用した。
「 “Text” とはお施主さんのお名前一字からの引用でもあるのですが、『仕上げ=テクスチャー』をレイヤードするのではなく、新たに手を加えながらも『原本=テクスト』への回帰、テクスチャーの前の世界『テクストの空間』になるようデザインしました。また躯体の歪みが激しいため、歪みを均すように仕上げをした場合かなりの気積が喪失してしまいます。仕上げが無いことで気積は約1.15倍になり拡がりを持たせることが出来ました。」
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