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伊藤暁による「菊名の住宅」

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伊藤暁/伊藤暁建築設計事務所 (Satoru Ito) による「菊名の住宅」の内覧会に行ってきました。場所は横浜市鶴見区。

 敷地面積117m2、建築面積54m2、延床面積101m2。木造2階建て。 


 眺望の良い傾斜地に建つ。2階からもエントリー出来そうだが、金網と並行に幅1m程の所有者の所在不明な謎の土地が横たわっている為それは叶わなかった。


 2階には建物を半周囲うバルコニー。その下に玄関アプローチ(後にモルタルで仕上げるそうだ)。現場で設置される柵が見えるがこれで完成。


 左の壁はサイディングで中は納戸。右の壁はガルバリウム鋼板で中は水回りになる。


 外壁の仕上げ材であるガルバリウム鋼板が水回り側にそのまま入ってきている。


 洗面の照明は現場の仮照明のようだが、梁に穴を開け配線してあることでそれが “仮” ではないことを表現している。


 水回りから振り返ると左側に蛍光灯がずらりと並んでいる。


 スイッチをONにするとこの光量! 何と右の壁に反射させて使う間接照明だった。点灯させる本数で光量を変えることもできる。


 壁には白いターポリンシート。まだ施工途中かと思いきやこれで完成。内側はウレタンフォームの断熱が吹き付けられている。


 1階リビング。夏涼しいだろうと思われるここは「夏のリビング」と名付けた。
踏面がフレーム側から片持ちされている珍しい階段。

 右の開口面は北向き。天井を3.7mまで上げハイサイドライトを設けた。そして持ち上げられた2階は立地を活かしてさらに眺望を良くした。


 柱は無垢材だが、この大黒柱だけは集成材だ。無垢材だと構造上150角になってしまうので、他の柱と同じ105角にするには強度のある集成材の必要があった。
奥は主寝室とクローゼット。その上に子ども室。 

 強い大黒柱は、崖上の敷地で北西の風がかなり強く当たることから、手前の梁から伝わる風圧を受けるために必要だった。


 子ども室から。転落防止の方策が取られる予定。



 2階LDK。こちらは「冬のリビング」と呼ばれる。
床はオーストラリアヒノキ材(サイプレス)。梁はベイマツ材。

 2階からの眺め。住宅地だが手前に空地と緑がありなかなか良い。
バルコニーのデッキもオーストラリアヒノキ材。屋外にも十分使えるそうだ。


 ラワン合板の壁面収納は裏側に少し隙間を空けた。掃除機などが簡単に収納できるアイデアだ。



 キッチンのステンレスは厚板かと思いきや、1mm以下の薄板をピン角に曲げて張り込んでいた。


 キッチンの脇からは勝手口のようにバルコニーへ出られる。


 バルコニーの手摺は亜鉛メッキのパイプに亜鉛メッキの金網と、ここでも現場のような仕上げ。(写真では暫定のビニールコート金網)


伊藤暁さん。「建て方が終わった直後の躯体の状態がとても好きです。この建物ではできるだけ建て方後の状態に見えるように、在来軸組の美しさ、見せる架構ということにチャレンジしました。」


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