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中佐昭夫/naf による「しぜんの国保育園」

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中佐昭夫/ナフ・アーキテクトアンドデザイン (Akio Nakasa/naf ) による神奈川・町田の保育所「しぜんの国保育園 small village」の内覧会に行ってきました。町田駅から車で15分程の場所。

 鉄骨造 + 一部RC造、地下1階、地上2階建て。延床面積1,400m2。
簗田寺(りょうでんじ)というお寺の緑豊かな敷地に、築35年の旧園舎老朽化による建て替えとして完成した。(但し旧園舎は保育以外の用途に使えるよう残してある)。

 まず東側外観から。大きな切り妻のボリュームがいくつか連なる。


 反対の西側には、園のメインエントランスとは別に園児用の出入り口がある。


 敷地は傾斜地で、建物は斜面を覆うように建っている。緑のスロープは園児が園庭へ出るためのもの。このスロープが今回のキーになる要素だ。


 北側の園庭から見ると、東(左)から西にかけて棟が下がっていっている。
棟は7つあり、その中を大きなS字のスロープが棟を縫うようにレイアウトされている。

 桜の木をよけながら中佐さんらしい大きく湾曲した壁面。


 メインエントランスから中へ。


 こちらは職員や来客、シェアオフィスを利用する研究者たちが出入りする。研究者たちとは保育や幼児教育の専門家等で、園で実験的なプログラムを行うことができる。園や園児としても最新のプログラムを体験できるメリットがある。


 前述したスロープがカーブを描きながら奥へ下っていくのがわかる。


 えんないまっぷ。「い」の辺りがエントランス。


 エントランスから左へ行くとガラス越しに調理室。園児たちも食の現場を見ることができる。


 進むとホール。2歳児以上は皆で食事を採るそうだ。もちろん遊戯室など多目的に機能する。


 ホールを抜け1歳児の部屋。奥が0歳児の部屋。 
天井からは光のダクトを通って太陽光が導かれる。

 大きな切り妻空間に小さな切り妻の部屋。トイレや保健士の部屋だったり、離乳食の調理室だったりと部屋によって用途は様々だ。


 家具や什器はコクヨファニチャーがデザインと制作を行った。ワークショップを行いながら使い勝手や要望を取り入れデザインされたもの。中佐さんも当初よりプログラムに参加し開発に携わった。
写真は0歳児用の食事テーブルで、幼児3人に対し、保育者が向かい合って2人ずつ座れるようになっている。

 一度エントランスに戻り、スロープを下りていってみる。スロープはこのまま園庭に繋がっている。


 途中で見返すと随分と下っているのがわかる。


 園舎の間にはデッキ張りのテラスがあり、南北を繋ぐ階段も設置されている。



 2歳児の部屋。


 音楽室。


 ごっこ遊び室。音楽室と合わせ便宜上3歳児の部屋になる。
便宜上とは、以下の部屋と年中・年長の園児はあまり境なく過ごすからだそうだ。

 建築室。


 研究室。建築室と合わせ便宜上4歳児の部屋。


 図書室と隣のアトリエは便宜上5歳児の部屋。

 
ひかりのへや。今後ピンホールやスリットを開けた天井を張り、太陽光を床で観察できるようにしたり、暗室にもして光源を持ち込んで様々な実験ができるようになる。


 ひかりのへやを抜けると吹き抜けの小屋裏で、植物を育てる温室を想定しているそうだ。

中佐昭夫さん。「地域に開き、シェアし、集まり、学びが溢れる保育園です。一つの大きなボリュームの建物にもできましたが、この園が持つ地域性や多様な保育プログラムを体現できるよう、あえて棟を複数設け村のようにし、一本のスロープでそれらを繋ぐ “環境総合体” として設計しました。」
 
【しぜんの国保育園】
http://toukoukai.org/wordpress/sizen/



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