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御手洗龍による目黒区の店舗兼住宅「stir」

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御手洗龍(御手洗龍建築設計事務所)による目黒区の店舗兼住宅「stir」を見学してきました。東急東横線 学芸大学駅から徒歩5分程の場所。


敷地面積74m2、建築面積54m2、延床面積147m2。RC造、4階建て。
敷地は東横線の高架に隣接。さらに北側には2020年完成予定の、駒沢通りと目黒通りを接続させる幅員20mの道路が建設中であるため、近い将来大きく環境が変わることを想定し計画された。


そこで1階部分はテナントとし、すでに和食店が入ることが決まっている。


2階より上、住居部へのエントランスは南側の路地にある。
北側は今後すぐに道路工事用の仮囲いで塞がれてしまうため、暫くは店舗への出入りもこちら側になる。
細い私道の突き当たり、人が吸い上げられていきそうな外階段が見える。向かいに工場や小さなショップもあり、既に住民同士が近い関係にあるという。外階段はそのような地域環境を住宅の中にも引き入れるようなイメージで設置された。


2階玄関へ。


玄関ポーチは南北に抜けるピロティになっている。


玄関扉を開けると、先ほどのアプローチ階段がそのまま接続するような、大きくうねる螺旋階段が現れた。


天高5.3mの二層吹き抜け空間と大開口。道路や鉄道といった通常ネガティブに捉えられる要素を遮断せず、施主の "この地に棲まうのだ"という強い意志に最大限に応えたような計画だ。
螺旋階段の中央辺りがリビングエリア、左側がダイニングエリア、左奥がキッチンのLDK。


空間や環境を正にstirする(混ぜる)、stair(階段)だ。

建物はt=220の柱壁構造。壁の中に200×400で配筋された鉄骨が10本程打ち込まれている。壁が薄いためコンクリートは高性能AE減水剤を用いたスランプ18のものを流し、所員総出で型枠を叩いて気泡を抜いたそうだ。


階段はそのまま3階、4階へと連続する。


3階。右の壁は、奥からトイレ、収納、洗濯機、洗面室+浴室。


回り込むと主寝室が現れる。


螺旋形状に呼応するような天井。




4階へ。


全く異なる空間へ上っていくような感覚。


4階ゲストルーム。将来は子ども室にする予定。


そして広いルーフバルコニー。屋外キッチンも備わりパーティーが開けるようになっている。屋根にはハンモックを掛けられるようフックも。


滑り台のような階段室の上屋がそのまま塊で現れている。路地から始まった螺旋階段の旅はここで終わるが、次に線路に続いているようにも見える。


御手洗龍さん。「オープンで社交的なお施主さんは、週末になると人が集まれるような家にしたいと望まれました。ご友人やこれから形成されるご近所とのコミュニティーを大切にするための階段を導線の中心に据えました。大開口に面した緩い勾配でゆっくりと上ると、街や建物の見え方が様々に変わっていきます。」

【stir】
設計監理:御手洗龍建築設計事務所
構造設計:平岩構造計画
施工:イケダ工務店


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