川本敦+川本まゆみ / エムエースタイル建築計画による静岡県焼津市に竣工した住宅「コヤノスミカ」を見学してきました。
延床面積83m2、木造2階建て。正面は南東向き。
既存の母屋に隣接した増築というかたちで、若夫婦家族のために計画された。
母屋との間に緩く庭を設け、ガラス張りの渡りで繋がる。
玄関は正面の引戸。反対側にも引戸が付いており建物の裏まで一直線に繋がる。建具はベイヒバ材。
裏手も段差があるが同じ敷地。「地方では敷地が広く周囲に余裕があるので四方から見られることが多い。そのため裏側とはいえ手が抜けません。」と川本さん
玄関を上がり渡りを振り返るときっちりシンメトリー。渡りの途中、両側は収納。
見渡すと外部から見えた切り妻の意匠が室内に幾重にも連続していた。
これらは単に意匠ではなくSPF材を構造用合板で挟んだ厚さ62mmのパネル状の小屋梁になる。仕上げにはラワンが張ってある。
ワンルームの四角い空間の上に三角の空間が被さっているようなイメージだ。
ダイニングキッチン。 日々の料理や食事は基本母屋で行うのでキッチンは簡易な設えだ。
この建物は母屋とは違う若夫婦の趣味や寛ぎの空間。友達を呼んで食事したり、絵を描いたりものを作ったり。
どちらを向いてもシンメトリーな構成。 ここは奥さまの趣味スペース。
法規的にガラスは防火である必要はないそうだ。
振り返って洗面スペース。 これらは一間間隔に設けた耐力壁の間を利用している。
土間部分はご主人の趣味スペース。
2階への階段は踏み板も手摺も片持ちだ。
土間側から。
職人さんにも一手間掛けてもらっている。
1階の床から約2.2m上がった2階は16m2ほどのロフトのようなスペース。基本母屋で寝るがこちらにも寝ることができる。正面に軒下に開く窓が見える。
2階から。小屋裏と居室が異なる表情と異なる仕上げで別物のはずだが、互いの余白や気室が感じたことのない空間体験を生んでいる。
川本夫妻。 「新しい切り妻のかたち、小屋裏の使い方にチャレンジしました。若夫婦家族のための母屋とは違う空間ですが、母屋とつかず離れずの関係性を持たせ、空間の余白や隙間に人と生活を重ね合わせていくような連続性のある構成にしました。」
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