井上洋介(井上洋介建築研究所)による世田谷区の住宅「下北沢の家」を見学してきました。
ファサードは半割した浅間石を石垣のように張り込んだ壁と、根気いる作業が想像できる全面の小叩き仕上げ。
植栽はSOLSOが担当した。玄関横のガスメーターが見えないほど鬱蒼としている。
中に入ると玄関ホールが奥まで続き、右手のガレージは車が4台、バイクが3台ほど停められる。
玄関ホールを進むと地下2階への階段と、奥にギャラリースペースが現れる。
ギャラリースペースは2層の吹抜け、そして同じ高さの大開口。見上げるとこちらにも植栽が。そして地下2階まで掘られたドライエリア。
施主はアパレル会社の経営者。お気に入りのポップアートに囲まれながらここで静かに過ごせるようにした。
もちろん大好きな車やバイクも直ぐに眺めることができる。ガレージの天井にもライティングレールが見えるとおり、こちらもギャラリー化することができるようだ。
地下2階は8畳程のゲストルーム。ドライエリアに光が落ちてきている。
1階LD。スレート、コンクリート、スチールの梁、木の小梁と天井、木サッシュ、そして山西黒石のキッチンカウンター、素材の持ち味を活かしながら高度なバランスで調和する空間。そしてスレート床はそのまま南側のテラスに連続する。
キッチンカウンターもテラスのカウンターに連続し内外を繋ぐ。
ダイニングテーブルはアルフレックス。その奥にリビングとの間仕切りでもあるテレビ台兼シェルフ。
鉄の部材にはリン酸処理亜鉛メッキの部材が多用されている。大梁、柱、シェルフの引戸。
シェルフ下側の引戸はダイニングとリビングを間仕切ることができ、飼い犬の侵入を制限できる仕掛け。右に見える四角い穴はペットドアでテラスに出入り出来る。
リビング。ダイニングより天井が低くより落ち着いた雰囲気。スタルクによるカッシーナのソファ、奥にイームズラウンジチェア。
テラスにはL字型に面しており、リビングからもエントリーできる。
リビングの一番奥にはアルコールストーブ。背後は地窓のように開口させ外構から石の角柱でオブジェが覗く。
どこかの洒落たカフェかと見紛うテラス。コンクリートで作り付けられたベンチの背もたれ、腰壁も小叩き仕上げだ。ベンチの後ろはガレージ横のエントランスから直接上がってこられる階段。
ここにステンレスのレンジフードが付けるわけにはいかない。コンクリートで作り付けた。
2階。階段室はトップライトと、通気もできる開口を東西に設けた。
水回りと、主寝室+ウォークインクローゼット、子供室が3室。北側に面した個室の廊下が非常に明るい。
水回り。洗面台や浴槽回りは人造石研ぎ出し仕上げ。
主寝室。クローゼットの裏はウォークインクローゼットになっている。
主寝室のバルコニーから。
3室ある子供室のうち、2室は連続し、1室は独立している。
どこを切り取ってもの絵になる見事なディテールと素材同士の取り合わせ。そして陰影。
井上洋介さん。「建物の外側を4枚のコンクリート壁が取り囲み、その隙間から方々に緑が望めます。コンクリート、鉄、木が構造として役割を果たしつつ、そのまま素材の表情を見せながら仕上げとして存在しています。ごく一般的な素材を再構成し、力強くも豊かさを感じさせる空間を目指しました。」
敷地面積162m2、建築面積81m2、延床面積298m2。RC造(一部S造+木造)、地下2階、地上2階建て。
門状の1階に見えるボリュームが地下1階、その上に実際の1階と2階のボリュームが乗るようなかたちだ。
門状の1階に見えるボリュームが地下1階、その上に実際の1階と2階のボリュームが乗るようなかたちだ。
ファサードは半割した浅間石を石垣のように張り込んだ壁と、根気いる作業が想像できる全面の小叩き仕上げ。
植栽はSOLSOが担当した。玄関横のガスメーターが見えないほど鬱蒼としている。
中に入ると玄関ホールが奥まで続き、右手のガレージは車が4台、バイクが3台ほど停められる。
玄関ホールを進むと地下2階への階段と、奥にギャラリースペースが現れる。
ギャラリースペースは2層の吹抜け、そして同じ高さの大開口。見上げるとこちらにも植栽が。そして地下2階まで掘られたドライエリア。
施主はアパレル会社の経営者。お気に入りのポップアートに囲まれながらここで静かに過ごせるようにした。
もちろん大好きな車やバイクも直ぐに眺めることができる。ガレージの天井にもライティングレールが見えるとおり、こちらもギャラリー化することができるようだ。
地下2階は8畳程のゲストルーム。ドライエリアに光が落ちてきている。
1階へ。不均質であり素材感たっぷりのそびえるコンクリート壁が印象的だ。
よく見るとこのカット、小叩き、洗い出し、杉板出目地、ラワン、モルタル+クリア塗装とコンクリートに5種類の仕上げが施されているのが一目できる。
よく見るとこのカット、小叩き、洗い出し、杉板出目地、ラワン、モルタル+クリア塗装とコンクリートに5種類の仕上げが施されているのが一目できる。
この建物のメインキャラクターとも言えるコンクリート壁は、井上さんこだわりの杉板出目地仕上げ。型枠の杉板は3種類の幅を使用し、目地の影とともに複雑な表情を生みだしている。
壁に掛かるオブジェは、イームズがデザインし、昔軍隊で使われていた足用ギプスだそうだ。そして横のコンセントはギプスの裏から照明をあてるためのもの。
壁に掛かるオブジェは、イームズがデザインし、昔軍隊で使われていた足用ギプスだそうだ。そして横のコンセントはギプスの裏から照明をあてるためのもの。
1階LD。スレート、コンクリート、スチールの梁、木の小梁と天井、木サッシュ、そして山西黒石のキッチンカウンター、素材の持ち味を活かしながら高度なバランスで調和する空間。そしてスレート床はそのまま南側のテラスに連続する。
キッチンカウンターもテラスのカウンターに連続し内外を繋ぐ。
ダイニングテーブルはアルフレックス。その奥にリビングとの間仕切りでもあるテレビ台兼シェルフ。
鉄の部材にはリン酸処理亜鉛メッキの部材が多用されている。大梁、柱、シェルフの引戸。
シェルフ下側の引戸はダイニングとリビングを間仕切ることができ、飼い犬の侵入を制限できる仕掛け。右に見える四角い穴はペットドアでテラスに出入り出来る。
リビング。ダイニングより天井が低くより落ち着いた雰囲気。スタルクによるカッシーナのソファ、奥にイームズラウンジチェア。
できるだけ無柱のロングスパン空間を作るために、大梁をH鋼で渡し、無垢ベイマツの小梁を掛けた。
テレビ台兼間仕切りは、リビング側に大画面のテレビが設置される。
テレビ台兼間仕切りは、リビング側に大画面のテレビが設置される。
テラスにはL字型に面しており、リビングからもエントリーできる。
リビングの一番奥にはアルコールストーブ。背後は地窓のように開口させ外構から石の角柱でオブジェが覗く。
どこかの洒落たカフェかと見紛うテラス。コンクリートで作り付けられたベンチの背もたれ、腰壁も小叩き仕上げだ。ベンチの後ろはガレージ横のエントランスから直接上がってこられる階段。
両隣家ともに植栽が豊か。互いに借景利用できるような関係として深い緑となる環境が生まれた。
SOLSOが手掛けた植栽は南西テラス側や、北西、北東の各坪庭でそれぞれ植生変え、異なる雰囲気を楽しめる。正面にシンボルツリーとしてスノーインサマーを植えた。
SOLSOが手掛けた植栽は南西テラス側や、北西、北東の各坪庭でそれぞれ植生変え、異なる雰囲気を楽しめる。正面にシンボルツリーとしてスノーインサマーを植えた。
ここにステンレスのレンジフードが付けるわけにはいかない。コンクリートで作り付けた。
2階。階段室はトップライトと、通気もできる開口を東西に設けた。
水回りと、主寝室+ウォークインクローゼット、子供室が3室。北側に面した個室の廊下が非常に明るい。
水回り。洗面台や浴槽回りは人造石研ぎ出し仕上げ。
主寝室。クローゼットの裏はウォークインクローゼットになっている。
主寝室のバルコニーから。
3室ある子供室のうち、2室は連続し、1室は独立している。
どこを切り取ってもの絵になる見事なディテールと素材同士の取り合わせ。そして陰影。
井上洋介さん。「建物の外側を4枚のコンクリート壁が取り囲み、その隙間から方々に緑が望めます。コンクリート、鉄、木が構造として役割を果たしつつ、そのまま素材の表情を見せながら仕上げとして存在しています。ごく一般的な素材を再構成し、力強くも豊かさを感じさせる空間を目指しました。」
【下北沢の家】
設計:井上洋介建築研究所/井上洋介・渡邊裕香
構造:田中哲也建築構造計画
施工:栄港建設
造園:SOLSO
設計:井上洋介建築研究所/井上洋介・渡邊裕香
構造:田中哲也建築構造計画
施工:栄港建設
造園:SOLSO
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