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番場俊宏/abanbaによる世田谷区「桜新町の集合住宅」

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番場俊宏+番場絵里香+仲田裕貴/abanba(エイバンバ)による世田谷区「桜新町の集合住宅–SAKRAS」を見学してきました。
東急田園都市線 桜新町駅から徒歩8分程の場所。


敷地面積241m2、延床面積500m2。WRC造4階建、12住戸からなる共同住宅。


敷地の中央に小径を通して棟を分け、大きなコンクリートの塊が住宅地に立ちはだからないようにした。敷地がちょうど扇型に開いた形状をしていることから生まれたアイデアで、文字通り街に対して開いた印象を持たせながら、内外を繋ぐ接続機能を併せ持つ。


側面から見ると、奥の北側にもう一つ2層の棟がある。斜線制限をクリアしながら計画した様子が伺える。


エントランスにはエキスパンドメタルを張った鉄扉が付く。開けると迷い込みたくなるような小径が現れた。


小径の奥から見返す。ほの暗い廊下の先に道路沿いの植栽が鮮やかに見える。
左に階段、右にエレベーターも備わる。


抜けると一度中庭へ出た。


ここでは3つの棟が合わさる様子がよく分かる。


奥の2層の棟、2階住戸へは専用階段でアクセスする。


3層の棟の階段室。限られたスペースで踊り場が設けられないため、複雑な型枠設計が求められたようだ。


102号室。1階住戸では通り(外)とは接触を遮断するのではなく、植栽越しに見え隠れしながらの連続的な接し方だ。


204号室。タイル、フローリング、乾式壁の塗り分けなど、仕上げを変えながらゾーニングされている。




302号室。通りに面する外壁の開口は掃き出し窓と、開閉は縦すべり出しを基本とする
門型の開口に門型の袖壁・垂れ壁でゾーニング。


この住戸は奥行きのあるプランで、門型をくぐりながら奥へ続く。
照明はスライドレールにスポットを備えた。


廊下状の空間に水回りと、


ハイデスクが作り付けられたユーティリティースペース、


そして寝室へと連続する1LDK。右には小さいながらもウォークインクローゼットも。
半分天井が低いのは北側斜線をかわしたためだが、結果変化のあるおもしろい空間になっている。


303号室。大きなT字型の壁は、住まい方を刺激しそうだ。


404号室。最上階には1住戸のみのペントハウスのようだ。


室内は門型仕切り壁の現れ方がかなり大胆。クローゼットは容量のある大きなものだが、足元を浮かせ圧迫感を軽減している。


奥に水回りとルーフバルコニーへのアクセスができる。




屋上の一部がプライベートルーフバルコニー。建設中の渋谷の高層ビル群も見通せる。


番場俊宏さん(右)と、担当の仲田裕貴さん(左)。
「アパートの収益性も考慮しながらもボリューム一杯に建てるのではなく、街に対する建ち姿も考慮しました。住み手には住まい方の幅が広がるようなきっかけ作りと、外部が内部に取り込まれてくるような、建築を楽しんでもらえるデザインを心掛けました。」

【桜新町の集合住宅 – SAKRAS】
建築設計:エイバンバ(番場俊宏+番場絵里香+仲田裕貴)
構造設計:ハシゴダカ建築設計事務所
施工:栄港建設


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