1月27日より開催の中川エリカ初の個展「竣工直前展」に行ってきました。会場は南青山のプリズミックギャラリー。
展覧会概要:「2018年3月に竣工予定の2つのプロジェクトA・Bについて、設計のプロセスを'並置’して展示します。プレゼンテーション時の模型やより大きな検討用模型などを通じて、スタディの軌跡を紹介する。」
入場は通常のピロティ側ではなく、正面の通り側から。
まずここで、今回展示されるプロジェクトA「新宿パークタワー8F リフレッシュスペース」と、プロジェクトB「建築倉庫ミュージアム改装計画」の、1/30プレゼン模型と、プロジェクト概要を見る。
またはじめに戻り、じっくり見ていくのが良いだろう。
〈新宿パークタワー8F リフレッシュスペース〉西新宿高層ビル群の一画にある新宿パークタワーに入居するテナントで働く人のためのフリースペース。1万人以上が働く同ビルにはランチタイムに過ごす場所が不足しており、ランチのほか、ミーティング、フリーアドレスのワークスペースのように使うことができるスペースとして機能する。大人数でも一人での利用でも許容できるよう、「大きなテーブル」を「水平のパーティション」に見立て、集まる人を緩やかに分節、或いは繋げるよう建築的なアプローチで検討した。
丹下健三による設計の同ビル初の大規模な改修プロジェクトだそうだ。
〈建築倉庫ミュージアム改装計画〉建築家が作った検討模型や最終模型などを保管、展示する寺田倉庫主体による倉庫兼ミュージアム。既存ではフロア全体にスチールラックを設置し、模型を保管・陳列していたが(参考記事)、ホワイトキューブの企画展示スペース150m2を新たに設け、その周囲の常設展示や休憩スペースなどの機能とゾーニングするために、壁の設置方法や構造を検討した。
ホワイトキューブを設け、平面作品の展示や様々な企画展示を可能にすることで、同館のリピート利用を促す。
実施設計と施工方法を同時に検討するために1/10のスケールで進めた。壁を固定するには床の強度が不足していたため吊り構造と、家具を使って壁を固定するのだが(家具は床と固定)、施工業者が決定するまで、施工手順を複数案用意したほうが良いと考え、ファジーな状態を保つために構造設計と検討を重ねた。
佐藤淳さんが電卓を叩きながら描いたポンチ絵。
壁を支持するための吊り材の位置や、家具の大きさも位置もランダムなため、支えられ方にばらつきがあることが想定された。構造が効くところ効かないところをあぶり出しながら、ファジーさをどこで許容するか決めていった。
展覧会概要:「2018年3月に竣工予定の2つのプロジェクトA・Bについて、設計のプロセスを'並置’して展示します。プレゼンテーション時の模型やより大きな検討用模型などを通じて、スタディの軌跡を紹介する。」
入場は通常のピロティ側ではなく、正面の通り側から。
まずここで、今回展示されるプロジェクトA「新宿パークタワー8F リフレッシュスペース」と、プロジェクトB「建築倉庫ミュージアム改装計画」の、1/30プレゼン模型と、プロジェクト概要を見る。
次に実施設計スタディをA、Bそれぞれの1/10検討模型と、ドローイングを壁面で見て、、、
そして構造を踏まえた設計プロセスとしてAを担当した小西泰孝と、Bを担当した佐藤淳の構造検討のプロセスを見ることができる。
これらをまずざっくり見た後に、
これらをまずざっくり見た後に、
またはじめに戻り、じっくり見ていくのが良いだろう。
〈新宿パークタワー8F リフレッシュスペース〉西新宿高層ビル群の一画にある新宿パークタワーに入居するテナントで働く人のためのフリースペース。1万人以上が働く同ビルにはランチタイムに過ごす場所が不足しており、ランチのほか、ミーティング、フリーアドレスのワークスペースのように使うことができるスペースとして機能する。大人数でも一人での利用でも許容できるよう、「大きなテーブル」を「水平のパーティション」に見立て、集まる人を緩やかに分節、或いは繋げるよう建築的なアプローチで検討した。
丹下健三による設計の同ビル初の大規模な改修プロジェクトだそうだ。
多様な過ごし方や異なる滞在時間を少し積極的に誘導できないかと考え、水平面を支える脚に着目した。(どういうことなのかは会場で)
テーブルはかなり大きくなるので、単純に脚を4本というわけには行かないため、どの部分が揺れやすいのか、たわむのかなど1/10で "あたり"をつけながら検証し、曲げモーメントを算出しつつ「使用感」という経験値と共にエクセルを駆使して小西泰孝さんと検討した。
〈建築倉庫ミュージアム改装計画〉建築家が作った検討模型や最終模型などを保管、展示する寺田倉庫主体による倉庫兼ミュージアム。既存ではフロア全体にスチールラックを設置し、模型を保管・陳列していたが(参考記事)、ホワイトキューブの企画展示スペース150m2を新たに設け、その周囲の常設展示や休憩スペースなどの機能とゾーニングするために、壁の設置方法や構造を検討した。
ホワイトキューブを設け、平面作品の展示や様々な企画展示を可能にすることで、同館のリピート利用を促す。
実施設計と施工方法を同時に検討するために1/10のスケールで進めた。壁を固定するには床の強度が不足していたため吊り構造と、家具を使って壁を固定するのだが(家具は床と固定)、施工業者が決定するまで、施工手順を複数案用意したほうが良いと考え、ファジーな状態を保つために構造設計と検討を重ねた。
佐藤淳さんが電卓を叩きながら描いたポンチ絵。
壁を支持するための吊り材の位置や、家具の大きさも位置もランダムなため、支えられ方にばらつきがあることが想定された。構造が効くところ効かないところをあぶり出しながら、ファジーさをどこで許容するか決めていった。
中川エリカさん。「ほぼ同じ面積で、双方とも改修、しかもほぼ同時にオープンというプロジェクトです。内装のため『デザインだけ』になりがちですが、建築的アプローチで構造とデザインを掘り下げることで、プロジェクトを論理的に捉えることができ、自身の建築家としての経験値も積み上げることができました。」
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