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Niji Architectsによる目黒区の「扉の家」

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原田将史+谷口真依子(Niji Architects)による目黒区の「扉の家」を見学してきました。


敷地面積74m2、建築面積34m2、延床面積64m2。木造+一部RC造。
ご覧のように都市部でありがちな旗竿敷地のため全貌はよく見えないが、扉を開けたように迎えてくれるメッセージは瞬間的に伝わる。

ヒンジは付いているのかとかなり期待してしまうが、さすがにそこまでは難しいようだ。しかし旗竿の奥で「いらっしゃい!」と家が言っているようなアイデアは秀逸だ。


(photo: Niji Architects)


反対側から見るとこのように。北側斜線に合わせた鋭角な切妻ボリュームだ。しかしこの光景も手前にもうすぐ住宅が建つので見えなくなってしまう。


玄関ポーチ。半地下があるようで、1階玄関へは半階上がる。


この「扉」は人を呼び込むメッセージと共に、プライバシーの保護、風や光の引き込み、そして物理的に構造壁でもあり、防火壁でもある。
左の開口からはオリーブの木が覗くようにする予定。


玄関から。左に主寝室、奥に水回り。北側の隅に階段室を通じて光が差し込むようになっている。


玄関の見返し。玄関外のデッキから面一で寝室まで連続する。


主寝室。梁を現しにして意匠とした。
「外壁の開口をもっと小さく “窓” のようにしなかったのは?」と質問すると、「居室の採光面積をクリアするため」だそうだ。つまり右の連窓は外壁に閉ざされ採光面積に算入できず、玄館ホールに延びるフローリングも居室扱いとして、全面ガラスの玄関引戸越しに外壁の開口を算入しているのだ。


洗面、トイレ、浴室はワンルームに。各部は仕切られるようにカーテンレールが備わる。


子供室は半地下といっても180cmほど掘り下げた。将来二部屋に分割できるようにもなっている。
螺旋階段の手摺と、ささらに当たるフレームは一筆書きで繋がっているこだわり。


2階LDK。南側に横連のトップライト。曇天だがかなりの光量だ。
"扉"で開いた部分はデッキ貼りのバルコニー。


防火壁でもある "扉"により開口部の殆どは防火設備でないフロントサッシュの使用が可能になり、開口サイズに合うサッシュで開放出来るようになった。


かなりコンパクトな平面のため、上へ広がる気積は重要だ。晴天時の採光は竣工写真を楽しみにしたい。


バウンドした光が上からも横かも入ってくる様子がよく分かる。
バルコニーの上は収納などにも使えるエクストラスペース。黄色く見えるのはカーペットが反射しているため。


開いた扉は迎えるだけでなく、住み手の意識を外に向ける効果もある。掃き出しで連続するバルコニーはアウターリビングとして活用されるだろう。


原田将史さん、谷口真依子さん。「ここは分筆された分譲地の奥の奥、周囲への開口はあまり期待できないため色々考えました。とてもオープンなお施主さんで、人だけでなくコトも招き入れたいという思いが強く、敷地の性格も相まってこの形が生まれました。」


【扉の家】
設計・管理:原田将史+谷口真依子/Niji Architects
構造設計:オーノJAPAN
施工:山菱工務店


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