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レベルアーキテクツによる埼玉の「志木の住宅」

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中村和基+出原賢一/レベルアーキテクツによる埼玉県志木市の「志木の住宅」を見学してきました。東武東上線 志木駅より15分ほどの住宅地。


敷地面積373m2、建築面積154m2、延床面積164m2。木造2階建。広さのある恵まれた敷地に芝を貼った大きな庭と、伸びやかな大屋根がよく似合う。


施主はここに建っていた築100年近い家に暮らしていたが、敷地を親族より分筆され今回建て替えた。南に面した前庭は親族の家と概ね共用スペースであることから、ほぼ全面が開口になっている。
左はシンボルツリーのシマトネリコだが、庭が広いのではじめから樹高5m以上のものを植えることができた。


敷地は “コ” 型に三面接道する。大屋根はガレージ部分で角度を変える。


ピンコロ石を敷き詰めた玄関アプローチ。


玄関扉を開けると石張りのたたきと引き戸。左へは収納を通ってキッチンへ直通できる。


引き戸を開けるとダイニング・キッチン。ダイニングは石貼りで、縦横2mの木サッシュの大開口から庭のテラスへとそのまま連続する。
石張りの床は玄関から連続する土間をイメージしているので、キッチンは数センチの段差を設けゾーニングしている。


キッチンは中央にコーリアンの天板を設えた大きな作業台が使いやすそうだ。エアコンは天井埋め込みを採用しすっきり。


ダイニングを抜けると二層吹き抜け空間が現れる。床は無垢のチーク材。


施主は既存住宅での空間感覚から、コンパクトな動線と包まれるような落ち着いたリビングを望んだ。天井も高く開口も大きいが、床レベルを40cmほど下げ、目線を低くすることで囲われた空間をつくった。


こちら、オーバースペック気味の柱だが、既存住宅の大黒柱を再利用したもの。足元の踏み板も大梁だったものを流用しこれからも家族を見守る存在だ。


リビングの片隅には小さなデイベッドを作り付けた。窓には肘掛けが付き、お茶や読書などを楽しむには格好のスペース。


リビング脇のトイレと手洗い。




主寝室はリビングから連続する床レベルを下げた空間のため庭が近く見える。開口は出窓になっておりデスクを作り付けた。




2階にはスタディスペースに面して左に個室が2つ、右奥には和室。
天井には意匠としても効いている2×10材の垂木が並ぶ。


反対側から。


和室は客間としても使用する。天井の傾斜に合わせた4枚もある扉がユニークだ。


和室側から。向かい子供室と予備室。


子供室は楽しい “基地” の雰囲気。ベッドはイケアだが、大工さんの職人技が合わさりこんなことに。右下の穴はもちろん隣の部屋に通じている。


「築100年の家にコンパクトにお住まいだったお施主さんは平屋を望まれましたが、プログラムを満たすためにはどうしても2階建てにする必要がありました。そこで平屋のフォルムに床レベルを操作し2階を挿入。床レベルを下げることで、大開口と多きな気積の開放感がありながら、包まれるような安心感を得られるリビングが実現しました。また上質な素材を使えることができましたので、空間だけでなく素材感のある心地よさを作ることができたと思います。」と中村和基さんと出原賢一さん。

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