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「そこまでやるか」展 レポート/21_21 DESIGN SIGHT

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6月23日から21_21 DESIGN SIGHTではじまる企画展「そこまでやるか 壮大なプロジェクト展」の内覧会に行ってきました。
展覧会ディレクターは建築やデザイン、アートなど幅広い分野に精通するライターでエディターの青野尚子。会場構成は成瀬・猪熊建築設計事務所。


本展は、既存の表現方法の垣根を超えた大胆な発想で活動をする世界各国のクリエイター8組によるダイナミックなプロジェクトを紹介し、彼らのクリエイションが持つ特別な力と、そこから広がっていく喜びを伝えるというもの。
「タイトルの『そこまでやるか』は、そこまでやっていいんだ!という率直な驚きとリスペクトで名付けました。彼らが実現する作品は私たちに新しい体験をうながし、これまで思いもつかなかった楽しさと価値観に気づかせてくれると思います」と青野さん。


展覧会の出展者・関係者たち。左から西野達、ジョルジュ・ルース、浅井裕介、梶本眞秀、石上純也の各氏。


〈クリストとジャンヌ=クロード〉
まずは地図や図版などの資料。プロジェクトが実現するために費やされた時間のスケールなど、多様な "壮大さ"と、クリスト50年の歴史を見る。

映像作品の部屋。2016年イタリアのイセオ湖で発表した「フローティング・ピアーズ」のドキュメント映像。本展のためにニューヨークのスタジオで撮りおろしたインタビューや、スタジオでの制作風景など。フローティング・ピアーズは「この桟橋が作品ではない、風景や街の歴史、色など全てが含まれる。」と強調している。またこのように「作品を説明することは創作活動の一部。」とも

作品設置の様子も紹介される。


〈マスタバ、アラブ首長国連邦のプロジェクト〉
41万個のドラム缶をつかった彫刻。現在進行中の本プロジェクトをドローイングやコラージュ作品、地図やドキュメント写真で紹介する。
画家としてのクリストの力量を感じることができるエリア。


ギャラリー2へ




〈Church of the Valley〉 石上純也
建築家の石上純也が現在手掛けている教会のプロジェクト模型を観ることができる。


中国の山東省にあるなだらかな丘の間にある谷。幅1.35m×高さ45mの細長い建築が数年後に完成する。
施主の要望により天井はなく、壁の上は素通しになっていて雨や光が建物内部にも入ってくる。自然環境にはないスケールでの建築体験を目指す。


入口から通路は徐々に1.35mの幅まで狭くなり、奥で広がり礼拝堂になる。壁の(躯体)一番厚いところで2m。コンクリートは30cm程ずつ流し積層していくそうだ。


石上純也さん。「新しい風景や空間が見たいから、やはりそこまでやってしまいます。」


〈テープ・トウキョウ 02〉ヌーメン/フォー・ユース
ヨーロッパで舞台芸術の制作などを手掛けているアーティスト集団。今回会場の建築空間に呼応するような、体験型のインスタレーションを発表。
このフォルムは、半透明で柔軟性のある素材OPPテープだけを使い、5人ほどが6日間かけて伸ばしながら制作したもの。


中には同時に3名まで入ることができる。


内部の様子。きしむが安定感がある。来場者が入ると "彫刻が建築になる"という作品。
収束していくところに物を落とすと拾えなくなるので注意が必要だ。


ちなみにギャラリーショップには、実際使用したテープが販売されている。


〈ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ〉
2011年の東日本大震災を機に、ミヒャエル・ヘフリガー(ルツェルン・フェスティバル総裁)を発起人として、アニッシュ・カプーア、磯崎新、梶本眞秀等が協働し、長さ36mの巨大な風船状の可動式コンサートホールを制作。東北でコンサートを開催したプロジェクト。


磯崎新によるスケッチ。


人間の思いやりは大きく、ときに実際に "かたち"になる。


〈土の旅〉淺井裕介
5m×10m、壁一面を植物が育つように6日間(96時間)かけて完成させた絵画。絵の具は使わず各地で採取した土や泥のみを使用した作品。


近くで見てみよう。


〈大都市軸〉〈ネゲヴ記念碑〉ダニ・カラヴァン
作品が設置される場の歴史や風土をふまえたダイナミックな彫刻をつくっているダニ・カラヴァン。本展では2つのプロジェクトの模型やスケッチ、写真などのドキュメントを展示し、綿密なプロセスを見せる。


〈大都市軸(フランス)〉
長さ3キロ以上、制作期間37年間という壮大さ。


〈ネゲヴ記念碑(イスラエル)〉


〈トウキョウ 2017〉ジョルジュ・ルース
会場の三角の空間そのものに施した錯視を利用したインスタレーションと、写真を展示。
あるポイントから見ると作品が正円に見えるので会場で試して下さい。


〈カプセルホテル 21〉西野達
カプセルホテルをモチーフとした新作インスタレーション。ギャラリー3を使った初めての展示。


過去の写真作品や新作彫刻もホテルのデコレーションのように展示されている。


本展会期中には、閉館後に実際に宿泊体験をすることができる予約制のイベントが開催される。


簡易シャワーも設えたので安心(キッチンに配管を施した)


「僕ひとりで安藤忠雄さんの建築を使えるなんて!と力が入りました。」「泊まる場合は外から丸見えですのでかなりの覚悟が必要ですが、是非チャレンジしてください。」と西野さん。


極小のメモパッドや巨大ノートなど、"そこまでやるか”を表現したオリジナルグッズも販売。

【そこまでやるか 壮大なプロジェクト展】
会期:2017年6月23日~10月1日
会場:21_21 DESIGN SIGHT
詳細:www.2121designsight.jp


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