佐藤オオキ率いるnendoが会場デザインを手がけた、草月創流90周年を記念した第四代家元 勅使河原茜の個展「HANA SO」のプレスプレビューに行って来ました。
会場は丹下健三の設計による草月会館1階の草月プラザ。イサム・ノグチが手がけた壇状の石庭「天国」全体を花器に見立てた展示だ。石庭を覆うのはnendoがデザインした "鏡のツタ"。周りの風景を写し込み、生けられた花の色や輪郭を乱反射させ、万華鏡のような視覚効果を生み出しながら現実と虚像をつくりあげる。
テーマのひとつは丹下建築、イサム・ノグチ作品との融合。
鏡のツタと花の間を散策するように歩くことができる。
石庭最上部からの眺めは圧巻。
"鏡のツタ”。平行四辺形が連なった形状に切り抜かれた0.5mm厚の鏡面仕上げのステンレス板42パターン(大29、小13)約2,150個をひとつひとつに折り目をつけながらツタのうねりを表現した。
会場の模型を特別に見せていただいた。最も苦心したのはパターンを決めることだったという。シャープ感を残しつつも有機的な植物が生えているようにするため何度も検討を重ね、最終的に角を丸めた平行四辺形にたどり着いた。
もうひとつの模型。ツタに番号が振られており、実際の配置を予め詳細に決めていったことが分かる。9日間かけて会場に設置した。
"鏡のツタ” は、石庭を完全に覆い隠すのではなく見え隠れするようにあしらった。花はツタの隙間に生けられ、照明で浮き上がって見えるように演出されている。
今回プレスプレビューでお披露目されたのは、プロローグとして生けられた桜やレンギョウなどほんの一部。本格的ないけばなの空間が完成するのは展示が始まる4月5日からとなる。
勅使河原茜さんと佐藤オオキさん
「草月会館はnendoのオフィスがあるため日々いるわけですが、ここは周辺の緑や車が映り込み不思議と外にいるような感覚になります。今回それをミラーで積極的に取り入れて、プロダクトをつくるように空間を作っていきました。また、通常会場デザインはあらかじめ決まっている展示作品を活かすための空間を考えることがほとんどですが、本展示では空間からインスピレーションを得て花をいける、という家元の提案のもと真逆のプロセスから生まれました」と佐藤さん。
「佐藤さんとのコラボレーションによって、かつてないいけばな空間が誕生するのではないかと感じています」と 勅使河原さん。
「佐藤さんとのコラボレーションによって、かつてないいけばな空間が誕生するのではないかと感じています」と 勅使河原さん。
この他にも、2階談話室、5階・日本間では、小山登美夫ギャラリー所属の6名のアーティストとの作品と花の共演「勅使河原茜と現代アートのコラボレーション」展が開催される。(招待作家:大野智史、大宮エリー、菅 木志雄、日高理恵子、廣瀬智央、山本桂輔)
【草月創流90周年記念 勅使河原茜個展「HANA SO」】
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