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2017年プリツカー建築賞はスペインのRCRアーキテクツの3氏

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プリツカー建築賞日本広報事務局よりオフィシャルリリースより。
(今年の授賞式は2017年5月20日、東京都港区の迎賓館赤坂離宮で執り行なわれます)

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2017年プリツカー建築賞 受賞者発表
ラファエル・アランダ、カルメ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタの3氏が受賞

~景観と建築の一体化を実現し、場所・時間と密接につながった建物を創造~


Photo by Javier Lorenzo Domínguez

建築界において最も栄誉ある賞として世界的に知られる「プリツカー建築賞」を主催するハイアット財団のトム・プリツカー会長は、2017年のプリツカー建築賞を、ラファエル・アランダ、カルメ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタの3氏に授与すると 発表しました。



スペイン・カタルーニャ地方オロット出身の建築家3氏は1988年、故郷に建築設計事務所「RCRアーキテクツ」を設立して以来、共同制作によって作品を生み出してきました。3氏の作品は、それぞれが持つ背景と語り合うような空間を創造するべく、建物 の場所および場所の持つ物語に対して徹底的なこだわりを見せています。建物外部と内部のつながりを追及するべく、アランダ、ピジェム、ヴィラルタの3氏は実体性と透明性の調和をこころみ、それが3氏の建築を情緒的かつ経験的なものにしています 。
プリツカー氏は次のように述べています。「審査団は、30年近くにわたって共同制作により作品を生み出してきた3人の建築家を選びました。アランダ、ピジェム、ヴィラルタの3氏は、共に活動することでそれぞれの領域をはるかに超えた作品を世に 送り出してきました。3氏の作品は、公的な空間や私的な空間から文化施設や教育機関まで幅広く、それぞれの施設特有の環境条件とその土地の固有性を強く関連付ける彼らの作品は、3氏の手法が真に溶け合った証しと言えます」
3人の建築家が同時受賞するのは賞の創設以来、今回のアランダ、ピジェム、ヴィラルタの3氏が初めてです。3人がそれぞれに公平な責任と役割をもって創作活動に貢献したことを称え、賞も各個人に与えられることになりました。プリツカー建築賞 は今年で39回目を数え、スペイン出身の受賞者は1996年のラファエル・モネーオ氏以来、2回目となります。2017年の受賞者に選ばれたことについて、ピジェム氏は次のように述べています。「大変な喜びとともに、大きな責任を感じています。あらゆるプロジ ェクトにおいて共に活動してきた私たちが、このたび3人のプロフェッショナルとして認められ、感激しています」
地域に根差して活動する3氏は、リサイクルされた鉄やプラスチックなどの現代的な素材を創造的かつ幅広く利用することによって、普遍的な独自性を発揮しています。グレン・マーカット審査団長は次のように述べています。「素材の融合によっ て確かな力強さと明解さを建物に与えられるということを、3氏は証明しました。この3人の建築家による共同制作は、詩的なレベルに達する妥協のない建築を生み出しています。過去に対して大きな敬意を払う一方、現在と未来の明確さを映し出す、時 代を超越した仕事であることを示しています」。3氏のオフィス、Barberí Laboratory(バルベリ・ラボラトリー、2007年)が、20世紀初頭の鋳造所を改造したものであることは象徴的です。この建物の多くの部分は原形の面影を保ったまま、必要な部分にだけ対照的かつ新しい要素がブレンドされています。
代表的なプロジェクトに、ラ・キュイジーヌ芸術センター(フランス・ネーグルペリス、2014年)、G.トレグエット氏と共作のスーラージュ美術館(フランス・ロデズ、2014年)、J.プイグコルベ氏と共作のラ・リラ劇場の公開空地(スペイン・ジローナ・ リポイ、2011年)、レス・コルズ・レストランのマーキー(ひさし)(スペイン・ジローナ・オロット、2011年)、J.プイグコルベ氏と共作のペティ・コンテ幼稚園(スペイン・ジローナ・パラモス、2010年)、ベルロック・ワイナリー(スペイン・ジローナ・ パラモス、2007年)、サン・アントニ - ジョアン・オリバー図書館、高齢者センターおよびカンディーダ・ペレス庭園(スペイン・バルセロナ、2007年)、トソル-バジル競技場(スペイン・ジローナ・オロット、2000年)があります。
2017年プリツカー賞審査団の講評の要旨は次の通りです。「我々は、国際的な影響や貿易、議論、取引などに頼らざるを得ないグローバル化された世界に住んでいる。しかし、こうしたグローバリゼーションによって、地域固有の価値観や芸術、ある いは独自の習慣が失われてしまうのではないかと懸念する人々がますます多くなっている。ラファエル・アランダ、カルメ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタの3氏は、それらの両立が可能かもしれないということを我々に気づかせてくれた。この命題の 答えは『二者択一』ではなく、少なくとも建築においては両方を望むことができるということを、最も美しく詩的な方法によって示してくれている。両方とはつまり、場所にしっかりと根差した我々のルーツと、未知の世界に向けて伸ばす我々の腕のこ とである」
2013年、アランダ、ピジェム、ヴィラルタの3氏は社会を通じて建築、景観、芸術、文化をサポートしようと、RCR BUNKA財団を設立しました。3氏は1989年より、ガローチャ火山地域自然公園の顧問建築家を務めています。多くの作品は、スペイン・カタルーニャ地方とヨーロッパ全域で見られます。3氏は今もオロットを拠点にしています。
今年のプリツカー建築賞の授賞式は2017年5月20日に、東京都港区の迎賓館赤坂離宮で執り行なわれます。

【プリツカー建築賞について】
プリツカー建築賞は1979年、故ジェイ・A・プリツカーとシンディ夫人によって創設されました。建築を通じて、人と建築環境に常に著しく寄与し続ける才能、ビジョン、貢献を称えて活躍中の建築家に毎年贈られます。

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