川本敦史+川本まゆみ/エムエースタイル建築計画(mA-style architects)による横浜市港北区の住宅「帷の森」のオープンハウスに行ってきました。エムエースタイルにとって初めての関東での仕事だ。
施主はナカサ&パートナーズ所属のフォトグラファー安田誠さん。
施主の安田さんはキューブ形状の建物を望んだ。そこで北側斜線最高点を建物の最高点にし、それを基準に計画が進めた。
ファサードはガルバリウム鋼板を縦張りに。
玄関扉を開けると早速「帷(とばり)」が現れた。
背の高い人であれば2階の床が見える位置。1階は4段分掘り下げてあるが、屋根の高さが決まっているのでそこから逆算で2階の階高、1階の階高を求めていったためだ。
コアの周囲は回遊でき、外縁に階段室、机や作業台、収納、洗面台などが配されている。
奥まで行って振り返り子供室と勉強机。右の開口は外観で見えた小窓で、通りの先まで見通すことが出来る。
右奥は大開口に面した物干し。物干しスペースは外構にも設けてあるが南向きで日当たりの良いここがメインになりそうだ。
ガラス引戸の内側にはカーテンレールが見える。
また1階と2階は、4つの角部分に設けた吹き抜けを介して上下で気配を感じ合うことができる。
安田夫妻が結婚祝いに深澤直人さんから贈られた鳩時計。
1階に置いてあっても2階でハトの鳴き声が聞こえたので、上下の気配を感じるということがよく分かった。
階段下は玄関と連続する土間のようになっている。
壁から数十センチ内側に帷が取り囲む。天井高は3m。
照明を点けると、グラデーションの光が帷に沿ってカーテンのように降りてきた。
帷は内の中に外のような中間領域をつくり出し、空間に奥行きと変化をもたらす。
右のテレビスペースは、実際は壁から内側に向かって突き出しているはずなのに、内から外に出た空間のように見える。
帷の裏側から。2階の床は中心部分をコアで支え、4辺の一部を梁で外壁と接合し、4つの角は天井からスチールロッドで支持されている。
スチールロッドは角材が被され見えない。
また格子は木組みではなくボルト接合され、孔に目隠しがされている。
そして下を見るとトイレが...
ダイニングは気分によって、内へ入ったり、外へ出たりできる。
南側の大開口は帷によって、緩くプライバシーを守ってくれる。
川本まゆみさん。「庭に木々を植えることができないので、屋内でも憩いや癒やしをもたらす森をイメージしました。帷は木々の枝越しに見える風景や、木漏れ日をつくり、そして植物そのものを吊り下げたりすることができ擬似的な森になります。そして内と外、上と下を優しく繋げてくれる中間領域を生み出してくれています。」
「いつもゆったりとした地方でのお仕事が多く、今回のような隣家の迫る首都圏の住宅街は初めてでしたので、厳しい斜線制限、建蔽率、資材を事前に搬入しておくことができないことなど、戸惑うことも多々ありました(笑)」
「また引き受けてくれる工務店さんもなかなか見つからず、結局地元静岡の工務店さんが、近くにアパートを借りて受けてくださいました。」
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