西久保毅人/ニコ設計室 (Taketo Nishikubo / Niko Design Studio) による「マシューズさんの家」のオープンハウスに行ってきました。中央線国立駅から徒歩10数分の場所。
[Matthews-san’s House]
近付くと敷地が私道に対しL字型に接し、左下に三角形が出来ているのが確認出来る。このちょっとした部分が北側斜線を緩くし三角の屋根を生み出した。
設計依頼を受けたときから敷地には赤松、椿、紅葉などが残されていた。
玄関は洗い出し仕上げの土間と踏み石。円弧を描いた板の間は、上がり框を用いず切り放しの仕上げ。
玄関からは納戸とトイレが収まるコアを設け、その裏にファミリールーム。
納戸の引戸には奥さまが用意した戸車が存在感を示す。
トイレはドラマチックに。
ファミリールームは廊下から三段降りて畳み敷き。低い視線から庭の木々を楽しむことが出来る。
左側に見えるのは子供室で、鏡の引戸と、棚付きの引戸になっている。
2階にあるリビングとは別の家族でテレビを見たりする部屋。左の奥さまが立つ場所が納戸で、玄関の方へ通じている。
娘さんの部屋は黄色。
息子さんの部屋は青。
両部屋とも上に登ることが出来、2階の書斎へ通じている。
主寝室。一角には奥さまが瞑想(ヨガ)スペース。白樺の丸太もご自身で用意した。
浴室には何と富士山のモザイク。そしてバスタブではなく、ヒノキの縁をつけた浴槽。
ご夫妻は結婚前静岡に住んでいたことがあり、その思い出にということだがしっかり静岡側からみたシェイプになっているそうだ。
開口に囲まれたリビング。手前は土間のような仕上げの家事動線でキッチンとユーティリティを一直線に結ぶ。
キッチンと、筆者背中側がトイレ・洗濯・作業をするユーティリティ。
3連のペンダントライトの下にはダイニングテーブルがくる。
キッチンの奥へ進むと跳ね上った屋根部分が見えてきて、高くなった天井の最上部からトップライトの光がグラデーションを作りながら注ぐ。
キッチンの奥からは2階の殆どが見渡せる。
リビングからキッチンはこのように。
ユーティリティと奥にトイレ。子どもたちは工作が大好きでここで色々作ったり実験を楽しむ予定で、壁には工具が吊り下げられるように有孔合板が張られている。アメリカのガレージのような感覚だ。
それにしても作業台が高い。120cmはあるだろうか?
それもそのはずマシューズさんの身長は192cm。斜線制限が厳しい中でできるだけ天井も高く設計した。
アメリカで買って個人輸入したガス暖炉。これも随分高さがあるなと思ったが、マシューズさんが肘を掛けてパイプをくゆらす(パイプは吸わないが)ポーズにぴったりの高さなのだとか。
ちなみに同じガス暖炉は日本でも売っているそうだが価格はアメリカの3倍する。
暖炉の裏は書斎。マシューズさんは大学の先生(言語心理学)であることから蔵書が多い。
書棚の塞がっている部分に暖炉の煙突が通る。
左下は子供室に通じている。
前回OHレポートをした「小川さんの家」の赤ん坊が来たので子守りをする西久保さん。
バルコニーへ出てみる。後に頭上1/3位はパーゴラを付けて藤棚にでもしようと計画している。
左には階段が見える。
基本設計が終わった後、奥さまは素材や雰囲気を伝えるために自ら詳細なイメージ模型を作った!
ご家族全面協力の取材。
「用途毎に部屋を細かく分けるご要望でした。するとどうしても空間がどん詰まりになってしまうので、横へも縦へも回遊できるよう工夫しました。また奥さまの思いが詰まった模型のイメージに近付けるよう努力したつもりです。」と西久保毅人さん(前列右)。
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