前田紀貞+白石隆治/前田紀貞アトリエ (N MAEDA ATELIER) による東京・目黒区の住宅「ORANGE」のオープンハウスに行ってきました。
白く四角い箱にざっくりと切り込みを入れたような外観。ファサードは超高弾性吹き付けタイルを平滑に仕上げたもの。
見上げるとちびっこと目が合った。
1階はまず、4段分ほど掘り下げられたスタディールームになってるが、床にはかなりの凹凸がある。「地面や道にはでこぼこがあるのに家は平らでなければいけないの?」という子供のキラキラを表現。
とは言え平らでないとベッド置けないので必要な箇所は平らに。こちらは子供の寝室(就寝のみ)。
2階LDK。事前に完成前の写真を見ていたが、実際に訪れると住宅としては見たこともない空間が待っていた。
ガラスを支持しているH鋼はそのまま建物の構造でもある。中央奥はご主人のホビールーム。
何も説明を受けないと、一体どんな空間なのか分からない。
こちらがイメージモデル。発泡スチレンのブロックをヒートカッターで捻りながら切った時に、偶然生まれた形状をそのまま空間として表現したそうだ。
2階には平らな壁がほとんど無く通常のエアコンが取り付けられない為、ダクトを介した吹き出し型を採用。このカットを見るとまるでカフェのようだ。
「一体どうやって施工したのか?」と質問が相次いでいた。スチールの躯体とは別に、細かい木材を継ぎながら壁の骨組みを作り、さらに細かく刻んだ合板を無数に貼り合わせ曲面を作る。その上にスチールネットを掛けモルタルを塗り込んでいく。最後に仕上げ材で、ということだが「ウチではこれ以上できない」と大工さんは4回替わったそうだ!
キッチン奥の階段下はパントリーに。
2階を見下ろしながら3階へ。「床と壁と天井が直角って大人の都合で決めたんでしょ?ヨレヨレはだめなの?」という子供のワクワクを表現。
階段もフロアの一部として子供が遊べるように。踏面が広く転倒しても転げ落ちないようになっている。
トルコの世界遺産パムッカレの石灰棚を思い出した。
非常に複雑な曲面に3階フロアの開口。こうなると図面での指示はできないのでほとんどが現場合わせだったそうだ。
3階は白に溶けこむような空間。左側に水回り、右側に主寝室。
見返すとこのように。(レンズの歪みではない)
水回り。バルコニー左の壁は、前出の階段室上部の壁裏なので大きく傾斜している。
主寝室。最後にこの部屋を見ると、直角水平の空間が逆に不自然に感じられた。
当日インテリアに置かれていた小物はほとんどが前田さんの私物だそうだ。
前田紀貞さん。「お施主さんからは "子供が楽しめる家"というのが一番の要望でした。子供は自由です、建築にも自律と他律の良さを取り入れながら自由な発想を大切にしました。体験して頂ければ一見したデザイン志向だけではないことが理解して頂けると思います。しかし施工に関しては今までで一番大変でした(笑)」
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