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平田晃久による集合住宅「kotoriku」

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平田晃久/平田晃久建築設計事務所 (Akihisa Hirata Architecture Office) による東京・目黒区の集合住宅「kotoriku」を見学してきました。3月のオープンハウスではまだまだ完成しておらず、工事と入居のタイミングを見ながら何度か撮影に伺った。プロデュースはプリズミック。

 敷地面積288m2、建築面積184m2、延床面積481m2。RC造3階建て。11住戸の賃貸と、オーナーの住戸からなる。


 周辺は密集した住宅地で起伏も多く、”四角い"区画がほとんどなく上に見える電線のように道路が通っている。


 そんな不規則な地にあえて「得体の知れないもの」を出現させた。ちょうど谷間の歪んだ地形にある、崩れた崖をそのまま住居にしたような、そんな雰囲気だ。


 外壁は土色にしわが寄った仕上げ。どのように施工したかというと... 


 模型で説明。右のように角材を刻みランダムに配置する。その上に薄い鉄板を重ね、踏みつけて鉄板にしわを作る。それをコンクリート型枠の内側に張り、左のように着色したコンクリートを流し込んだ。


 北側から。


 建物の名前「kotoriku」は感じで書くと「小鳥来」。小鳥が集まる森のような建築になって欲しいとオーナーが名付けた。
植栽担当は大網ガーデン。


 遺跡の中に入っていくような雰囲気。


 1階の模型! 不規則な街をそのまま凝縮したようだ。


 2階へ。


 2a。ワンフロアに5住戸あるが、"四角い"部屋はひとつもない。
ラーチ合板の建具。土色に着色されたコンクリート。床はビンテージ風のフローリング。

 不均質さを強調するような梁。


 2b。



 2c。各洞窟は様々なバリエーションだ。



 3階。さらに上は屋上へ続くが、基本オーナー用だ。



 3a、オーナー住戸。手前からダイニング、左にリビング、カーテンの奥がキッチン。
右側にも部屋は続くが、撮影用に家具が寄せてある。


 ダイニングにはこの部屋に合わせて平田さんがデザインした五角形のガラステーブル。
リビングは南北にバルコニーが設えてあり、風や光が通り抜ける。


 バルコニーには多様なの木々が植わる。


 ペントハウスは書斎になっている。4面に開口があり、ぐるりと屋上と緑が眺められる。


 屋上より。開けた五叉路に面した角を崩して植物を沢山植え、街に開いた。


「地形の歪みに沿って出来た街に、孔だらけで歪んだ隙間= "からまりしろ"を作り出し、洞窟や遺跡の様な複雑で、ひとつの原理では出来ていない建築です。居住者には快適で、近隣からは緑の丘ができたように感じてもらいたいですね。」と平田晃久さん。

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