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成瀬猪熊建築設計によるコワーキングスペース「KOIL」

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成瀬猪熊建築設計事務所 (Naruse Inokuma Architects) による日本最大のコワーキングスペース「柏の葉オープンイノベーションラボ=KOIL」のプレス内覧会に行ってきました。千葉県柏市、柏の葉キャンパス駅からすぐの場所。
[Kashiwa-no-ha Open Innovation Lab]

 KOILの事業主体は三井不動産。起業家への創業支援や、企業育成を後押しし日本経済の活性化に繋げる新組織「ベンチャー共創事業室」を立ち上げた。
そして優れたアイデアや技術、ノウハウなどを結びつけて革新的な製品やサービスを生みだす、“オープンイノベーション”をテーマとした施設としてこのKOILをオープンさせた。

 左から延びるブリッジは「ららぽーと柏の葉」から。1〜2階がららぽーとの増床部としてショップが入り間もなくオープンする。3〜5階はオフィスで、6階にKOILがある。


 KOILのエントランス。左は受付、その後ろがカフェ、中央にKOILファクトリー、奥が多くのミーティングルームやスタジオ、右にメインとなるKOILパーク。


 エントランス奥からの見返し。2段上がってカフェエリア。


 カフェは一般の方も自由に利用できる。頭上の設備は天井が張られる前提で設計されていたので、剥き出しのインテリアにするために設備の位置や配管を大きく変えてもらったそうだ。


カフェからはテラスに出られる。もちろん成瀬猪熊事務所の設計。


 エントランスからすぐに陣取るのがKOILファクトリー。ものづくりのアイデアを具現化するスペース。


 中には大判プリンターをはじめ、レーザーカッター、3Dプリンター、ハンドツールや電動工具などが完備される。「普通こういったものたちは裏にあることが多いが、ここではモノが作られる・生まれるところを誰もが見える場所に置いた」と猪熊さん。

 メインのKOILパーク。170席のコワーキングスペース(共有オフィス空間)。ここだけで約700m2、日本最大のコワーキングスペースだ。
キャパシティは200席を考慮したそうで、使いながら家具やワークスペースを追加出来るという。

 求められたのはフレキシブル。ほとんどの家具・什器にキャスターが付いており、自由に動かすことが出来る。左に立っているパーティションは車輪家具制作を手掛ける岩沢兄弟(バッタネイション)によるデザインのホワイトボード。


 照明デザインは岡安泉さん。「思いきってやってください!と、普段は穏やかなデザインの岡安さんにかなり大胆なデザインをお願いしました。」
こういった天井の織り上げで単調になりがちな大空間にメリハリをつけた。


 仕上げない仕上。広い空間なのできれいに仕上げてしまうとただのオフィスになってしまう。
壁は石膏ボードにパテが剥き出し。(表面にクリア塗装はしてある)
床はメープルのラスティック材 (不均質材) を使用した。均質なフローリングでは体育館のようになってしまうことが模型の段階で分かったという。
ちなみに壁の白いのはホワイトボード用シート。至る所でミーティングができるようになっている。

 成瀬猪熊事務所のデザインばかりだとテイストも均質になってしまうことから、岩沢兄弟がデザインした椅子も採用した。


 椅子は30種類以上あるようだ。


 ボックス型ミーティングスペース。テーブルや椅子が並ぶだけでは単調になるので、オブジェのようなもので空間にリズムを。


 専有スペースもたくさん用意されている。


 デスクやテーブルはほとんどが成瀬猪熊事務所のオリジナルデザイン。「机のデザインばかりしてました!いったい幾つしたでしょうね。」


 リラックスできるスペースも多く用意されている。



 下に冷蔵庫が備わるテーブルはちょっとっしたパーティーなどの時に。全体も可動式だが、上に重なる天板は回転する。


 電話スペース。「の」の字になっていてフェルトが貼られ吸音するので静かに電話ができる。



 KOILパークから出てトイレへ行ってみると楽屋のようになっていた。


 こちらは安東陽子さんデザインのカーテン。


 内側はKOILスタジオ。イベントや投資家へのプレゼンテーションなどに使われる。


 大きめのミーティングルームには岡安さんデザインの照明がいくつも見られる。




猪熊純さんと成瀬友梨さん。「計画段階から携わり、スペースのレイアウトや利用者の使い勝手、コミュニケーションを誘発するデザインは、今までのノウハウを存分に発揮できました。同時に実験的な部分も多くあり、使われながら進化していくスペースになると思います。」

【KOIL】


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