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槇文彦「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」シンポジウム レポート

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槇文彦が提言する「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」のシンポジウムに行ってきましたので会場の様子を紹介します。

 会場は国立競技場に隣接する日本青年館。
今回のシンポジウムは、JIA MAGAZINE 295号に掲載された槇氏のエッセー「新国立競技場案を神宮外苑の歴史的文脈の中で考える」の論考に賛同した有志の '新国立競技場を考えるシンポジウム実行委員会'によって開催された。


 委員会では、エッセーに書かれた論考を重要な問題提起として受け止めた。問題となるのは以下の3つの視点。
1、場所の歴史と都市景観の問題
2、公共建築のプログラムの問題
3、このコンペのありかたの問題

まずはこちら↓にエッセーの全文があるので(P.10~)読んで頂いたくのが良い。
http://www.jia.or.jp/resources/bulletins/000/034/0000034/file/bE2fOwgf.pdf


 開始1時間以上前にも係わらず既に長蛇の列。350用意された席には整理券まで配られた。

 立ち見でも入れない方のために、近くのJIA会館に二部屋ライブカメラによる視聴室を用意したが、そこにも入りきらず帰らざるを得ない方も多かった。

 数十人の記者やテレビカメラ10台近くが並ぶ。今回のシンポジウムへの感心の高さが伺える。


 はじめに元倉眞琴氏より「このシンポジウムは特定の個人や組織を糾弾し、反対運動を起こす為のものではない。」
「あくまでも槇氏の示した論考をここで深め、問題を前向きに解決する方法を議論する場にしたい。」と前置きがあった。


 3人のパネラーによって問題についてプレゼンテーションが行われた。
左から宮台真司(社会学者)、陣内秀信(建築史家)、大野秀敏(都市計画家)の各氏。 

 陣内氏からは、明治神宮外苑・内苑や周辺の歴史的、地理的観点から。

 宮台氏からは、建築界だけの問題ではなく社会的問題として民主主義の観点から。

 大野氏からは、建築と都市、安全性の観点から。 

 進行の古市徹雄氏から出された画像。小石川後楽園と東京ドーム。

 外苑ではこのようなことになる。右は最近、国の重要文化財に指定された聖徳記念絵画館。この巨体は建築家がそうしたのではなく、プログラムがそれを求めているからだ。

2014年7月より解体がはじまる当の本人は何を思う。

 当日の国立競技場青山門付近。この照明の高さは60mあるが、新国は最高点が75mもの建築物になるという。

 どうもピンとこないので独自にシミュレーションしてみた。こんな感じでしょうか。(筆者作)

 国立競技場の西側100m程に離れて建つ槇氏設計の東京体育館。「東京の風致地区第1号である外苑において非常に厳しい設計条件があったが、新国ではそれが無視されようとしている。 」
「このプログラムはあまりにも説明が不足しており不可解なことが多い、それはある種の情報操作が行われているように感じる。」と槇氏。

 夕日を受ける東京体育館。

「今回のエッセーを書くにあたって、地震で言ったらどの位の震度にしようかと随分考え震度6弱位にした。しかし今日こうして多くの方を見て震度7位になったと感じる。」
「先人達のやったこと、言ったことに耳を傾けて欲しい。今一度建築とは何か、考えるきっかけにして欲しい。」
「報道関係者の方、この問題について私はもう全て話しましたので、是非私以外の建築家にインタビューしてもらいたい。」


シンポジウムの様子はストリーミングで視聴できますので詳しくはコチラをご覧下さい。

新国立競技場を考えるシンポジウム実行委員会

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