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    進藤強(BE-FUN DESIGN)よる練馬区の集合住宅「SMI:RE SHAKUJII」を見学してきました。
    西武新宿線 上石神井駅から7分程、新青梅街道に面する場所。


    敷地面積85m2、建築面積48m2、延床面積95m2。木造2階建て。5住戸の長屋。
    横長の比率なので、ファサードは単色だと壁のようになってしまうことから、グラデーションを採用し圧迫感を軽減した。


    横に回ると驚きのプロポーションと立地と共に、接道から約2mの高低差で本当の1階部分が現れ、2.5層の2階建てだと分かった。
    そもそもこの敷地はどういうことなのか。40年ほど前にこの辺りの地主が左にある厚生労働省関係の施設に大きな土地を売却したが、どういう訳か半端に売却しきれずに経過。地主はそのことに最近気付き、数十年ぶりに日の目を見たこの土地が売りに出されたというわけだ。


    平面図。新青梅街道に対して右下の赤い斜めのラインが計画道路で、それを避けるため側面が斜めになったそうだ。
    どうにも使い勝手の悪い立地と形状な上に、計画道路にも掛かってしまう敷地だが、進藤さんは素材を活かした料理に仕上げた。


    3m×30mの敷地。角度によってはこのように見える。


    背後(南側)からみると厚労省の施設はきれいに植栽され、建物は引きも有り、人通りも殆どないことからこの南側を活用し快適性のある住居として成り立たせようとした。


    少々危険だが、玄関から直ぐに歩道だ。


    境界には30cm程の隙間。歩道からほぼ敷地の余剰を得ずに出入りすることを強調するように、エキスパンドメタルで隙間を緩く塞いだ。(筆者はカギを開けさせてもらったが、落としてしまわないかとひやひやした)


    向かって一番左の住戸。手前にロープが張ってあるのは、まだ一部施工中だったため。


    室内の奥行きは2.2mほど。窮屈そうに折れ曲がる階段が3層を接続する。


    目線の高さに中2階のロフトがあり、広さは2帖。


    1階は5.3帖。鋭角な居室だが、開口からは借景の緑が取り込まれ、視線も抜ける。


    階段の下にはコンパクトなキッチンが備わる。
    3.1mの天高、開口と、、、


    先端部は4.5mの吹き抜けで、思ったほど狭く感じない。
    さらに上層のハイサイドからたっぷり採光され、隅の薄暗さは皆無だ。




    ロフトから。街道と植栽のコントラスト。異なる風景が切り取られる。


    2階は水回り。ここからもたっぷり緑が望める。


    鋭角部にシャワー室。


    現在5室中1室はショールームで、ほか4室が入居済み、。端には1台分の駐車場が鉄骨で造られており雰囲気はまた変わってる。(phpto: ビーブンデザイン)
    「忘れられた土地でした。誰もが使えないと考える土地を建築の力、アイデアで快適に建築化しました。変形地、崖、不利な地域、でありながら良いところを伸ばして、建築家の力で生まれ変わることができるという事例ではないでしょうか。」と進藤強さん。



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    建築家・岸和郎(ケイ・アソシエイツ)と、食空間プロデューサー・木村ふみによる「New Japan Standard」展の内覧会に行ってきました。会場は東京 丸の内にあるASJの新しいギャラリー、「ASJ Tokyo Cell」。


    開催概要:「畳にこだわらなくてもいい、いまどきのライフスタイルに合わせて、ちょうどよく和のエッセンスを取り入れる。それが『New Japan Standard』という考え方。画一的で自由なつくりが出来ないと諦めていた空間や、古いマンションでも、適切にリノベーションを施すことで、美しく心地良い空間を実現できます。目指すのは、都市に豊に住むということ。日本の住まいの新しいスタンダードを会場でご体感下さい。」


    会場には「New Japan Standardって例えばこういう設えですよね」という提案やヒントが随所に散りばめられている。岸さんは全体的な構成と、実作によるイメージ写真やスライド、模型などと共に自らがデザインした空間を形作る家具。そして木村さんがそれらに実際の生活シーンが見えるしつらえを、食器や茶道具、花(植物)などをつかって提案。


    〈Rock Garden Carpet〉京都 竜安寺石庭の一部をトリミングしたカーペット。
    奥には石と京都から持ち込まれた苔で市松模様を "しつらえ"た。


    石庭からトリミングされた箇所。


    このカーペットの砂紋、パイルを織り込んで作られたのかと思ったが、職人のによるハンドカットだった。毛足の長いカーペットをハサミや刃物で切り揃えて砂紋が造形されている。残念ながら日本にはこの仕事をできる職人はおらず、香港の職人に作ってもらった完全な一品ものだそうだ。


    新作の〈Dubble Happiness Table〉〈可動式亭主席〉。奥には〈立礼卓〉。和室や茶室がなくても、新しい日本の空間を演出できる家具やしつらえ。


    〈Dubble Happiness Table〉 中国で縁起が良いとされる「囍」双喜紋=ダブルハピネスの一部をトリミングした丸テーブル。




    天板は木目の向きを変えて表現しているが、脚が分かりやすい。


    〈可動式亭主席〉(高嶋貴子と協働)
    通常時は小さな机や花の飾り棚などに使用でき、展開すればお茶の亭主席や鍋の席となる。


    ギャラリー・間での岸さんの個展京都に還る」展でも登場された、裏千家 茶道芳心会を主宰する木村宗慎(きむら・そうしん)さんが点前の所作を少し見せて下さった。


    〈立礼卓〉立礼式(椅子座り)のお茶会ができるテーブル。普段は長方形のテーブルとして使用でき、点前の際にはテーブルの一部を移動させ亭主席ができる。
    背景は岸さん設計による実在の空間。


    「京都に還る」展でも展示された森山茜による〈Textile Wall〉のブラックバージョン。


    こちらも「京都に還る」展で展示された、岸さんが設計による建築の模型で、手前から〈KIT House〉〈KIT House〉 構造〈京都大学北部グラウンド運動部部室棟〉


    〈苦楽園の家 Ⅰ〉〈苦楽園の家 Ⅱ〉
    今回の展示は、全体が実物を想像する模型のようなもの。その空間を包む建築模型も置いてさらに外側をイメージ出来るようにした。幅広く展示することで多くの方に来てもらえるよう考慮されている。


    食空間プロデューサー、木村ふみさん。「普段ハイアットホテルでメインに仕事をしていますが、西洋は分類・分析から論ずる『知の文化』ではとないかと思います。一方日本は心・感覚で論ずる『感の文化』ではないでしょうか。西洋は『情報』、日本は『情緒』と言い換えることが出来るかもしれません。ここでしつらえには西洋東洋色々なものを使っていますが、『情緒』を感じてもらえるのと思います。」


    岸和郎さん。「建築家は建物を作って、空間を作って、場合によっては家具も提案しますが、その先まではなかなか出来ない。そこで木村さんに声を掛け、新しい日本のしつらえをお願いしました。マンションなどで畳がなくてもテーブルと椅子で日本の伝統的な心地よさを実現できるという提案です。」

    【New Japan Standard 展】
    会期:2017年7月1日〜20日
    会場:ASJ Tokyo Cell(東京都千代田区丸の内3-4-2 新日石ビル1F)
    主催:アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)
    詳細:https://concept.asj-net.com/new-japan-standard

    セミナー:
     7月8日(土)岸和郎「これからの都市の住まい」
     7月15日(土)木村ふみ「響き合う記憶」 –しつらえについて考える–


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    8年の歳月を掛け、東京大学総合図書館新館+ライブリープラザが完成。内覧会に行ってきました。設計は川添善行(東京大学川添研究室)+東京大学施設部+清水建設。
    2016年に躯体完成時に見学レポートを掲載しましたが、その後ライブラリープラザ、地下自動化書庫、外構ができあがった。


    東大では各地に35ある付属図書館合計で約950万冊の蔵書を有するが、今後も毎年10万冊のペースで蔵書が増えていくという。早急にの蔵書スペースの拡充を迫られているため、本郷キャンパスの総合図書館の全面改修、及び噴水広場の地下に300万冊の収蔵能力を持つ自動化書庫 "知のアーカイブ” と、ライブラリープラザ “知の円形劇場” をつくる計画だ。

    断面図。右の地上部分が本館。左の地下部分が300万冊分の収蔵庫。地下46mに3層に渡っての自動化書庫を備える。
    施工や構造、防水などは前回記事に詳しいので是非ご覧下さい。


    リニューアルした噴水広場と、この下に総合図書館別館がある。背後の本館は改装中で2019年の完成を目指している。


    1923年の関東大震災で焼失してしまった旧図書館は、その後ロックフェラーの寄付により1928年に再建され、同時に消失時の教訓から防火用水池として噴水が作られた。


    噴水に近付くと底が透けているように見えるが、これは後ほど。


    エントランスは地下1階のサンクンガーデンに。エントランス横に見える鋼板は、地下に埋められた書庫を地下水から守る最外殻の止水鋼板の一部だ。


    ゲートの向こうにライブリープラザがすぐ見える。


    円形のライブリープラザ。面積800m2、天井の放射状ルーバーが美しい。


    中心を見上げると、先ほどの水盤と噴水が見えた。


    日が差すとご覧のように煌めく水紋が映し出される。

    工事中の様子。


    ライブリープラザは議論の場。本や講義による受動的な学習の時代が長く続いたが、本を参考にしながらも、能動的に議論をしながら答えを導く、新しい知のかたちが求められている。食堂や講義室、会議室などもあるが、発表や議論の場として特化した空間は東大に初めて作られた。
    円形の外周は大型のモニターや、ホワイトボード、書棚がぐるりと囲う。


    輻射冷暖房パネルや柱が緩く空間を仕切り、そこはかとなく居場所の切っ掛けを作っている。
    「円形のため見通しがよく、目に入る様々な活動から刺激を得られる。また静寂過ぎる空間は話しにくい、心地良いざわめきをつくり出すよう工夫しました。」と川添善行さん。


    天井のルーバーはカテナリー曲線による自然なカーブを描く。木材は構造部にリン酸処理による不燃化が施されている。


    ルーバーを支持するフレーム。天面には吸音材が張られている。音を吸収しながらもルーバーで音を散らすのだ。


    地下の自動化書庫。天高11mの空間に高さ約10mの書架が100万冊の本を収める。雑菌の侵入を防ぐため、メンテナンス時以外に人が入ることはなくなるという。


    書架が入る前の様子。ここは地下2階なので同じ空間が下にさらに2層ある。


    蔵書の検索や、発注、受取は改装中の本館に造られる閲覧室で行われる。上記の書架にはこのようにコンテナに収められた本が並んでいくため、コンテナごと手元に運ばれてくることになる。
    ちなみに蔵書には、徳川家から寄贈された国宝級も含む「南葵文庫」96,000冊や、遺族から寄贈された森鴎外の蔵書「鴎外文庫」18,000冊などもあるそうだ。


    地下から運ばれるコンテナは、実は屋外から見ることができる。本館正面向かって右側にあるガラスの箱がそれだ。


    右側から垂直に運ばれ、奥の本館へ水平に延びるレールが見える。注文から手元に届くまで3〜5分。


    地下のライブラリープラザに戻り、ガラス扉を開けると神殿のような空間に出る。階段を上がると本館の地下1階にアクセスできる。


    斜めの天井は外観で見える外階段の下だ。別館と本館は異なる建築基準法で作られているため、空間的にも構造的にも完全には接続されていない。
    そのためこの空間は半屋外のドライエリアとなる。


    ドライエリアのため一部外気と接続する吹き抜けがある。


    工事中の様子。ミニショベルがいる辺りが2つ上の写真を撮った位置。(階段が一時撤去された状態)


    本館入り口へ通じるピロティ。中に自動化書庫からの書籍の閲覧室ができる。


    屋外から見えるドライエリアの吹き抜け。


    本館外階段。下段は既存の再利用で別館側の構造に設えてあるが、最上段(色が異なる)は本館側の構造。踏面と蹴込みの境に隙間がある。


    今回の工事で旧図書館の基礎や、さらに前の加賀藩前田家の上屋敷の遺構が出土した。先人たちが遺した痕跡を丁寧に取り除き、一部を元の位置にモニュメントとして再現した。


    旧図書館の基礎はサンクンガーデンで見ることができる。


    プロジェクトリーダーの川添善行さん。「気付けばこのプロジェクトに8年も携わっていました。山あり谷ありで本当に大変でしたが、とてもいい経験ができました。出来たばかりで本格運用もまだですが、計画通りの使われ方ができるのか、使われてから分かることもまだまだあります。」
    なお川添さんは私設事務所、空間構想 一級建築士事務所を立ち上げ、7月からカフェ併設でオープンする予定。大学の研究室と同時進行で活動していくこととなる。

    【関連記事】

    躯体完成時の記事



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    川辺直哉(川辺直哉建築設計事務所)が手掛けた横浜の自邸「泉区中田の住宅」を見学してきました。竣工・引越から1年が経過しており、外構の植栽や室内も落ち着き、満を持しての公開となった。



    敷地面積129m2、延床面積104m2。RC造2階建て。
    元々この近所に賃貸住宅に住んでいた川辺さんは、お子さんの学校環境や今までの生活環境が変わらぬように地元で土地を探し、気に入ったのがこの3面接道の変形角地だ。


    建物は大きく二つのボリュームに分かれており、その間に玄関アプローチがある。(引きが取れず全体が撮影できなかったのが残念)


    アプローチの周り含め外構には様々な草木が植えられ、週末にはご夫婦で良く手入れをするそうだ。


    玄関扉の横には網戸入りのガラリ。ここまで木造に見えなくもなかったが、内部にRCの躯体が見えてきた。左には下足入れや、ロフト付きの納戸。


    玄関を入ると目の前に、約6mの吹き抜けのホールと、スチール製の階段が3つ出迎える。


    吹き抜けは外観で見えた二つのボリュームの交点。右側に二つの子供室と奥に主寝室が並ぶ。


    子供室の前から見ると、交点にもう一つ小さなボリュームが嵌合しているが分かる。扉はトイレで、その左は小さなサンルーム。

    サンルームからは坪庭を愛でながら自分の空間をつくることが出来る。


    サンルームから見るとこのように。子供室の引戸が2枚並び、地窓から光と植栽が覗く。


    子供室の前から。正面奥は洗面コーナー。その左に水回り。
    お気付きだろうか、ホールを中心に見る向きを変えると、全く表情が変わっていることを。


    洗面コーナー


    ホールの見上げ。ボリューム同士が合わさった部分が三角形の吹き抜けをつくり、RC躯体と、2階の床は木造なのが分かる。また高さの異なる天井が5面も見える。

    躯体と、床・階段の納まりには気を使い、右に見えるように、全て壁の木口はモルタルで滑らかに仕上げられている。
    「躯体の状態のときにかなり手を掛けた。」と川辺さん。


    このカットだけを見せられたら、これだけ見せ場あるような住宅には見えない、不思議な建築だ。
    設計や、監理など全て川辺さん自身が手掛け、スタッフはほとんど関わらなかったそうだ。

    2階へ上がる途中、踊り場は植物に囲まれた居場所。1階のサンルームでは南側開口、ここでは北側開口で性格の異なる光を楽しむことができる。


    踊り場から振り返る。左にダイニング、キッチン、スタディーコーナー。右にリビング、バルコニー。

    ダイニング。オリジナルの丸テーブルを4種類の椅子が囲む。窓際には大小様々な植物。

    ダイニングを中心に向きを変えると周囲の見え方ががらりと変化する。

    リビングから。この住宅はある1箇所からの代表的なアングルが存在しない。撮影をしていて、20〜30cm位置を変えるとファインダーに見える画が全く変わるのだ。それは上下2枚の写真で見える4枚の壁によるものだと気付いた。そして1階での天高の違い、2階では床レベルの違いとが複雑で高度に構成されバランスを取っている。


    キッチン。上が開いており、隣のスタディコーナーと通じている。右上はスタディコーナーから出し入れするロフト収納。




    スタディーコーナー。長机が一枚のシンプルな空間が、開口によって単調にならないように工夫されている。


    明確な仕切りはないが、構造壁で絶妙に仕切られている。


    次に左上のリビングへ。


    リビングはテレビを見る場所として他と切り離されている。天井は2.2mと低め。奥の右手にバルコニー。


    バルコニーも屋外の居場所として存在している。


    自邸を建てたことについて川辺さんは「子どももう高校生と中学生。あと何年か、10年も経てば家を出てしまうでしょうから、今のうちに “実家” をつくってあげたかった。」と話す。




    川辺直哉さん。「内と外をひっくり返したような住宅です。外壁を(外断熱で)きれいに仕上げ、内壁はPコンの跡もそのままにラフに仕上げました。そして内には外と同じくらい植栽を置いてさらに外のように感じさせています。」
    「三面接道の敷地を選んだので、色々な方向を向こうと思い、二つのボリュームに角度を付け性格の異なる開口と居場所をいくつも作りました。」


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    野中あつみ+三谷裕樹/ナノメートルアーキテクチャーによる渋谷区の美容院「So.」を見学してきました。場所は宮益坂を登り切る少し手前の左側、雑居ビルの6階。
    野中さんは吉村靖孝建築設計事務所出身、三谷さんはサポーズデザインオフィス出身。二人で事務所を立ち上げ数ヶ月、ナノメートルアーキテクチャーのデビュー作だ。


    面積は約100m2。既存も美容院だったスペースを居抜きで改修した。
    店名の「So.」とは、単独では意味をなさないが、so beautiful、so cool、so cuteなど、顧客をより強調、引き立たせるようなメッセージを込めている。


    居抜きの改修だったため、出来るだけ既存を活かし、コストを抑えながらも新しいイメージになるよう計画した。


    鏡が付く壁はふかされた雑壁だったため、内側にフレームが現れた。そのフレームを残し奥行きを与えた。天井や梁は黒く塗装し空間を広く感じさせた。


    美容院で6階は不利かと思ったが、宮益坂のケヤキ並木の上に位置し、緑を眺めながらの遠くまで視線が抜けるという、渋谷ではとても良い立地ではないだろうか。
    また新しく設えたグリッド状のシェルフには、植栽やオブジェクトを飾る。


    傍らに一面だけある “ティファニーブルー” の壁は、カット後にお客さんを撮影させてもらい、インスタグラムにアップするための背景で、こういったリアルタイムの情報アップは重要なPRだという。壁の色は今回店長が一番こだわった箇所の一つ。


    そのほか差し色で、腰高にカーキを添え、水平ラインを強調し広がり感を増した。


    レセプションとウェイティング。


    レセプションカウンターは既存を利用し、モルタルと白木の天板で仕上げた。
    奥はシャンプースペースや個室、スタッフルームに。


    シャンプースペースは少しダークな付き板を選び、落ち着いた雰囲気でシーンの切り替えを演出。


    奥行きのある店舗に腰高の差し色が効いている。




    左から三谷裕樹さん、店長(ディレクター)の高木大輔さん、野中あつみさん。
    高木さんも独立して初めて持つ店、ナノの二人にとってもデビュー作。若い三人の協働ともいえる作品だ。

    【So.】
    設計:ナノメートルアーキテクチャー
    施工:ROOVICE
    店舗住所:東京都渋谷区渋谷1-8-5小山ビル6階
    インスタ:www.instagram.com/so_daisuke_tkg_5


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    比護結子/一級建築士事務所ikumoによる千葉県流山市の住宅「ナガレノイエ」を見学してきました。つくばエクスプレス 流山セントラルパーク駅から10分程の住宅地。


    敷地面積230m2、建築面積69m2、延床面積89m2。木造2階建。
    敷地は40年ほど前に造成された住宅地で、施主は売りに出されていた更地を購入した。230m2もあれば大概分筆して販売されるが、この辺りの街づくり条例で建築物の最低敷地面積が135m2と定められているため、ゆったりとした敷地にゆったりと建っているのだ。


    大きな寄棟屋根の建物が、接道から10m程セットバックした広々とした前庭とバランスよく配置されている。右にある盛り土は、基礎を根切りした際の残土で、草山になるそうだ。またこの部分は将来的に親を呼び寄せ、二世帯にもできるよう想定している。
    アプローチの大谷石は敷地前面にあった擁壁のものを流用し、代わりに蛇籠に砕石を詰め擁壁とした。


    アプローチを進むと大きな屋根の大きな軒下が迎えてくれる。広い土間が室内の奥まで連続している。
    屋根はアスファルト葺き。

    引戸を境に内土間と、外土間。軒下の奥は浴室で、ガラス引戸と、網付きの目隠しガラリが備わる。その上はバルコニー。

    軒の高さは5.2m、大きな気積がとても贅沢で「自分ならどう使おうか」と考えてしまう。実際軒桁にはいくつものアイボルトが埋め込まれ、様々に活用出来る準備がされている。
    5連の引き戸を閉めると一番奥のみ網戸がつき、玄関となる。

    土間のまま連続するLDKは中央に巨大な正方形のテーブルが陣取る。テーブルには階段が乗っているが、、、


    このようなシーンが日常になるようだ。テーブルの大きさは3m×3mで、キッチンであり、ダイニングであり、リビングであり、勉強机でもあり、家族が常にこのテーブルを中心に集まるのだ。下は収納に。


    一度軒を振り返る。前面道路までが遠い。土が緑になった姿を見るのが楽しみだ。
    ちなみに近隣の住人からは「何かのお店が出来るのか?」とよく聞かれるそうだ。


    テーブルの奥は小上がりで板の間と、奥に畳の間で、カーテンを設え客間にもできる。板の間の下は一部収納になっている。


    近隣と視線が正対しないよう開口は隅や下に設け、かつ借景で緑が取り込まれる位置を計算した。


    キッチン周りは構造コアになっており、右に冷蔵庫や調理家電も納まるパントリー、背後はトイレになる。左の洗面から浴室に通じる。


    階段の踏面は2枚延長され棚になっている。


    浴室から。犬を飼う予定であることから、散歩から帰って直ぐに洗うことができる位置。


    2階へ。


    100×300のトラス大梁が東西方向に二つ、右の壁に隠れている台形の大梁が南北方向にひとつ、計3つの大梁で屋根を支えている。
    大屋根の開口が、採光と視線の抜けのために開けてあるのがよく分かる。




    2階主寝室。外観で見える屋根から飛び出した箱が右の白い部分。正面はバルコニー。


    バルコニー。ここから見る軒下空間もなかなかだ。


    子供室。主寝室との接続部に納戸。2階は “小屋裏に棲む” イメージを強調した。


    比護結子さん。「お施主さんからは、大きな屋根に大きな犬と暮らす、ということが一番のご要望でした。数十年前に開発された住宅地で人も家も更新が進んでいる街ですが、基本的に寄せ棟屋根が継承され秩序だっているように感じます。神社のある小山を中心におおらかな土地の起伏に倣いながら、それらと暮らしの新たな関係性を提案しました。」

    【ナガレノイエ】
    設計監理:一級建築士事務所ikumo
    構造設計:オーノJAPAN
    施工:須賀工務店


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    7月18日より東京国立近代美術館で開催の展覧会「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」内覧会に行ってきました。会場デザインはアトリエ・ワン。



    本展は、日本の住宅建築を成立させる条件が大きく変わった戦後に焦点をあて、56組の日本の建築家が設計した住宅75件の家を、《日本的なるもの》《遊戯性》《脱市場主義》など13のテーマ(系譜)に分け、模型、図面、写真、映像など400点を超す資料で紹介する。ローマ(2016年)、ロンドン(2017年3月)での巡回展として開催される東京での展示では、新たに体験型の模型や施主のインタビュー映像などが追加されている。

    《1. 日本的なるもの》

    戦後間もない頃に、日本の家の起源などないという境地に立った上で「日本的なるもの」を相対化するために様々な知恵を持ち込んだ傑作を紹介。


    生田勉〈栗の木のある家 1956〉


    白井晟一〈芦屋山本邸のためのスケッチ〉


    丹下健三 〈自邸 1953〉


    清家清〈斎藤助教授の家 1952〉原寸大模型。
    東京都大田区(現存せず)/木造/延床面積71㎡/敷地面積795㎡
    家の一部がキャンティレバーになっている(宙に浮いている)のは、傾斜敷地にローコストで建てるという必要性から、既存の基礎を用いた結果。基礎の一部はテラスとしも使われていて、その結果、部屋→縁側→簀の子→テラス→庭という空間のグラデーションが生まれている。


    来場者は靴を脱いで中に入ることができる。



    《2. プロトタイプと大量生産》

    難波和彦〈箱の家〉シリーズや、池辺陽〈住宅No.3〉前川國男〈PREMOS〉の映像など。


    黒川紀章〈中銀カプセルタワービル 1972〉

    《3. 土のようなコンクリート》

    吉阪隆正〈吉阪自邸 1955〉


    東孝光〈塔の家(自邸)1966〉

    《4. 住宅は芸術である》

    「住宅は芸術である」とは篠原一男の言葉。生活空間に斜めの柱が突き出している〈上原通りの家〉のエリアでは、実際に住まい手がどう受け止めているかが分かるインタビュー映像も。


    1970年初頭から1980年代半ばにかけて、伊東豊雄と坂本一成が家の表現をスピーディーかつ大胆に展開させた様相を紹介。


    坂本一成〈水無瀬の町家 1970〉

    《6. 遊戯性》



    柄沢祐輔〈s-house 2013〉


    毛綱毅曠〈反住器 1972〉

    《7. 新しい土着:暮らしのエコロジー》

    暮らしと周囲の環境とが調和している"生き生きとした空間”。人々の暮らしの中で培われてきた様々な知恵と家とが調和的な関係にあるときに家=エコロジカルとなる。


    五十嵐淳〈光の短形 2007〉


    アトリエ・ワン〈ポニー・ガーデン 2008〉

    《8 家族を批評する》 

    家のデザインを通じて新しい家族のあり方を世に問う建築家たち。


    菊竹清訓〈スカイハウス 1958〉


    石山修武〈世田谷村(自邸)1997-〉


    西田司+中川エリカ〈ヨコハマアパートメント 2009〉


    生物建築舎〈天神山のアトリエ 2011〉

    《9 脱市場経済》
    「家とは何か?」を真摯に考えれば出てくる「本来自分で建てるもの」という回答の実践の一形態。

    岡啓輔〈蟻鱒鳶ル 2005-〉
    地下1階地上4階(予定)の住宅。設計、資材の手配、足場づくり、配筋、型枠、コンクリート打設まですべての作業を、岡がほぼひとりで行い自邸を建てている。


    宮本佳明〈「ゼンカイ」ハウス 1997〉


    石山修武〈開拓者の家 1986〉


    津村耕祐〈FINAL HOME 1994-〉
    ファッションデザインという別ジャンルから「家」に対して投げかけられた重要な提言も展示されている。新聞紙をポケットに入れれば防寒着になり、非常食や医療キットを入れれば非常着になる「究極の家」。

    《10 さまざまな軽さ》
    日本の現代建築が建築の歴史に対してなした最大の貢献は「軽さ」を積極的な価値として認めさせたこと。計測可能な重さとしての軽さだけでなく、意味としての軽さも然り。

    島田陽〈六甲の住居 2011〉隈研吾+篠原聡子〈伊豆の風呂小屋 1988〉など

    《11. 感覚的な空間》
    1970年代、「感覚的」という曖昧な表現であえて呼びたくなる空間を持つ家が登場。その特徴は空気や流動性を感じ取れること。2000年代以降の「感覚的な空間」では、都市との積極的なつながりが考慮されるように。

    伊東豊雄〈中野本町の家 1976〉妹島和世〈梅林の家 2003〉大西麻貴+百田有希〈二重螺旋の家 2011〉など

    《12 町家:まちをつくる家》
    町家が立ち並ぶと、統一感のある見事な街並みが生まれる。町家を再解釈することで、都市に住むというライフスタイルが持つ意味を考え直すことができる。

    安藤忠雄〈住吉の長屋〉岸和郎〈日本橋の家〉など。

    《13 すきまの再構築》
    郊外から都心へ。小さな敷地に建てると生まれる「すき間」を肯定的に捉え直した住宅の例。

    藤本壮介〈House NA 2011〉


    〈プチプチ・ガーデン〉津村耕佑
    エントランスロビーでは、衝撃を吸収する「プチプチ」を使ったパズルパーツ、プチプチタングルを繋げて様々なものを工作するワークコーナー「プチプチ・ガーデン」が設置されている。ワークショップなども開催される予定。

    開会式の挨拶をする伊東豊雄氏。「これからどのような家がありえるのかという問いがこの展覧会の大きなテーマではないかと思います。それから個人的な感想を言わせていただくと、東工大の結びつきを感じますね。」

    本展チーフ・アドバイザーの塚本由晴氏。「日本の建築家は家という小さな建築を通じて社会課題を解決に導く回答や新たな生活様式を提案してきました。世界的にも注目されている『日本の家』を系譜という観点から分析し紹介することで、未来の家を考える手がかりになればと思います。」

    出品建築家一覧
    相田武文、青木淳、東孝光、アトリエ・ワン(塚本由晴+貝島桃代)、阿部勤、安藤忠雄、五十嵐淳、生物建築舎(藤野高志)、生田勉、池辺陽、石山修武、伊東豊雄、乾久美子、o+h(大西麻貴+百田有希)、大野勝彦+積水化学工業、岡啓輔、柄沢祐輔、菊竹清訓、岸和郎、隈研吾、黒川紀章、黒沢隆、金野千恵、坂倉準三、坂本一成、篠原一男、篠原聡子、島田陽、白井晟一、清家清、妹島和世、丹下健三、手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)、dot architects(家成俊勝+赤代武志)、中川エリカ、中山英之、難波和彦、西沢大良、西沢立衛、西田司、長谷川逸子、長谷川豪、広瀬鎌二、藤井博巳、藤本壮介、藤森照信、前川國男、増沢洵、宮本佳明、無印良品、毛綱毅曠、山下和正、山本理顕、吉阪隆正、吉村順三、アントニン・レーモンド

    【日本の家 1945年以降の建築と暮らし
    The Japanese House: Architecture and Life after 1945 
    会期:2017年7月19日~10月29日
    会場:東京国立近代美術館1F 企画展ギャラリー
    詳細:www.momat.go.jp

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    神田篤宏+佐野もも/コンマによる世田谷区の住宅「隙間の家」を見学してきました。小田急 経堂駅から10分程の住宅地。


    敷地面積72m2、建築面積49m2、延床面積90m2。木造2階建て。
    南側の妻面にはウッドデッキと、2階にベランダも見える。


    路地に対してかなり開いているように見えるが、中からはどのように感じられるだろうか。中央のガラリ、2階の手摺付き窓、越屋根、外壁の色など、どこか懐かしさを感じる佇まい。


    昼間では分かりにくいが外から架構が見え隠れする。


    玄関を入ると様々な木の部材が出迎える。右に水回り、トイレが並ぶ。


    玄関から左を向くと2階天井まで吹き抜け空間が現れた。
    廊下を進むと左にキッチン、奥にLD、階段下が収納。


    リビング・ダイニング。デッキと連続する内縁側が使い勝手良さそうだ。街に開き、街が屋内に入り込んでくるが、縁側やデッキによりその中間領域も生まれている。左の開口には障子が備わり、日常的なプライバシーを確保している。

    障子の外側は “隙間” があり、ここも縁側のようになっている。この隙間が街へ開きつつもダイレクトになりすぎないバッファーとなっているのだ。

    壁が厚く見えるのは耐火被覆された架構が中に収まっているため。その内側に現しの架構が見えているという二重の構造だ。


    耐火被覆された架構。(国土交通省告示第861号による耐火構造)


    こちらが現しの架構。


    二つの架構が入れ子状に納まった様子。もし火災に見舞われ現し部分が焼け落ちても、耐火被覆部分は残り、崩壊しないということだ。(3点共コンマ提供)


    改めて見てみるとよく分かる。中央の柱は架構を強調するようにあえて空間の中にせり出し、耐火と現しの架構それぞれが分離しているかのように "隙間"が至るところに表現されている。


    1階は、殆どの壁の上に欄間が設けられ、2階と光や風が通じる “隙間” になっている。


    飛び出した柱はキッチンにも(右)。キッチンは使わないときは閉じておきたいという奥さまの希望で、DK側に開閉式の窓を設えた。


    2階には不思議な空間が現れた。初めて訪れた建築であるに関わらず、懐かしさと共に、古い記憶を蘇らせようと脳が働き始めた。


    そして肘掛け窓に座り外を眺める、、、とくれば「旅館」だ。(旅館のように設計したわけではない)


    この踊り場は床を下げて作ったというより、一階の天井を下げて生まれた空間。1階の欄間(隙間)からウッドデッキ側からの光が差し込み、1・2階が連続した空間になっている。
    正面には主寝室と小さな和室。


    主寝室。ここでは腰壁を設え、外部からの視線をコントロールした。


    左は畳がまだ敷かれていないが和室で、必要な時だけ間仕切り小さいながら客間として使える。


    隙間は吹き抜けになっている。


    子供室はかなりオープンに。


    断面状に見ると4方がそれぞれ独特の表情をみせてくれる。


    越屋根は採光と排熱のために、建築エンジニアリング会社にお勤めのご主人の要望で計画された。


    子供室の奥には納戸兼作業室。


    佐野ももさん、神田篤宏さん。「お施主さんは昭和のテイストがお好きで、架構が見える住まいを望まれました。しかしぶ厚い耐火被覆が必要となる地域であるため、このような二重の構造になりましたが、構造の隙間を利用しながら外に向かって大きな穴を開け、街並みとのいわば『腹を割った関係』をつくる住宅としました。」

    【隙間の家】
    設計監理:コンマ, 一級建築士事務所comma
    構造設計:小山内博樹
    施工  :株式会社広橋工務店

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    7月28日よりTARO NASUで開催が始まった「ユメイエ」展に行ってきました。本展は、ウェブコンテンツ企画のために千葉学が選んだ日本の若手建築家11組による「夢の家」をテーマに制作したドローイングと、新たに制作した模型で紹介するというもの。主催は石川文化振興財団。


    参加建築家
    青木弘司、畝森泰行、大西麻貴+百田有希、海法圭、田根剛、金野千恵+アリソン理恵、中川エリカ、能作淳平、能作文徳、萬代基介、御手洗龍


    建築家の選定は、これまでの実作だけではなく、講評会やシンポジウムなどでの発言も重視され、"日常のなかに新しい価値を見いだせる人たち"が選ばれた。

    もし何の条件も制限もなかったらどんな家を考えるのか?「夢」という概念の自由な解釈もみどころだ。

    会場構成は中川エリカ。
    2列に配した模型群。そのまわりをぐるりと囲むようにドローイングが展示されている。


    〈変なエコハウス〉能作文徳


    〈まちの標本〉能作淳平
    箱を持ち上げて観賞するという体験型模型。 


    そしてそのドローイング〈シェア別荘〉


    〈自然と共に生きる家〉萬代基介


    そしてドローイング。
    洞窟の中の寝室、川沿いの食堂、森の中の書斎、牧場の作業小屋、湖畔の展望台、草原の台所など、道を歩くような軽やかな家。


    〈ゆっくりと変わる家〉畝森泰行


    〈まちを動かしていく家〉御手洗龍


    〈家は夢みる〉田根剛


    そしてドローイング〈夢は家〉


    〈四季の家ームシム・ラム〉teco(金野千恵+アリソン理恵)


    〈雲のみちをなぞる〉海法圭


    〈家は生きる歓びを呼ぶ〉中川エリカ


    そしてドローイング。


    〈伊達の家〉青木弘司
    "自分の想像力だけで考えられ得る家は、決して夢の家などではない"という思いから、唯一実際のプロジェクトを出展。


    〈建築のような、生き物のような〉大西麻貴+百田有希/o + h


    その他紹介しきれない個性的なドローイングはぜひ会場でご覧下さい。


    建築家の作品について理解を深めることができる資料・映像コーナーも用意されている。


    オープニングパーティーには、多くの建築家、関係者が集まった。


    さらに同じビルに入っている現代アートギャラリーtaïmatzでは、「A&A」展が開催中だ。


    「A&A」は、世界的に活躍する現代アーティストとアーキテクトが組み、岡山市内の歴史文化ゾーンおよびその周辺で敷地を選び、空間をつくり、宿泊施設としてオープンさせるという、公益財団法人 石川文化振興財団の事業・プロジェクトである。
    アート作品として体験してもらうために、宿泊施設は一軒家サイズ、1日1組の宿泊を想定。第1弾は2019年の完成を予定している。約20年かけて少しずつ完成させていく計画だ。

    参加アーティストと建築家は5組。本展ではドローイングやコンセプトなど、プロジェクトの構想が展示されている。


    1. フィリップ・パレーノ× 青木淳建築計画事務所


    2. リクリット・ティラヴァーニャ × アトリエ・ワン


    3. リアム・ギリック × MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO


    4. ピエール・ユイグ × New-Territories

    5. ジョナサン・モンク × 長谷川豪


    【ユメイエ展:日本の若手建築家】
    会期:2017年7月28日~8月12日
    会場:TARO NASU
    詳細:www.taronasugallery.com
    ※8月12日には出展建築家が登壇する関連シンポジウムが開催される。

    【A&A展】
    会期:2017年7月28日~8月12日
    会場:taïmatz
    詳細:http://taimatz.main.jp/


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    廣部剛司建築研究所による東京都中野区の住宅「奏楽庵(sogaku-an)」を見学してきました。


    敷地面積116m2、建築面積63m2、延床面積119m2。木造2階建て。


    ダークグレーの外観は、下の四角いボリュームに、半分に割られた上の切妻ボリュームが噛み合わさったようなかたち。


    玄関を抜け戸を開けると音楽ホールが現れた。
    リビングダイニングでもあるこの主室は、バイオリンの練習や、サロンコンサートにも対応できるよう設計されている。「森の中で音楽を奏でるような」という施主の希望に応えられるよう、木々を植えられる中庭を計画した。


    小上がりのダイニングスペースはコンサート時の客席としても使いやすい。左奥がキッチンで、右の引戸から水回りへ、さらに右は階段室。中庭、水回り、階段室は防音のためのバッファーゾーンとしてもはたらく。


    柱や壁のない空間を得るため、大きな梁が掛けられている。梁を避けつつ反響音をコントロールするため凹凸の天井となっている。
    左側で演奏、その前がソファ席、小上がりの上が椅子席になる、サロンコンサートの様子が想像できる。


    スポットや間接照明が設えられ、様々なシーンを演出できる。


    中庭の壁は防音の観点からも高めにした。植栽は今後施主が行っていくそうだ。


    2階へ上がるとすぐにスタディスペースで、5m程もある長机が作り付けられる。その上にはロフトが見る。


    スタディースペースを回り込むと個室が並ぶ。子供室二つと、奥に夫妻それぞれの寝室二つと、ウォークインクロゼットがレイアウトされる。


    2階では現しになっている大梁。そして子供室の間にはロフトへ上がるハシゴ。


    子供室。外に直接面した開口はないが、中庭からの光がポリカーボネートの引戸を介して注ぎ込む。
    ベニヤの半端寸法を中央に寄せ、意匠化している。


    それぞれの個室はコンパクトにしたが、その分個室の接続部にはちょっとした溜まりを設けた。スタディーコーナーと合わせ家族の共用部を充実させたのだ。


    ロフトへのハシゴはもう一つ。


    上がってみると小屋裏全体を見渡せる。2面のロフトは合わせて8帖以上ある。ロフト部以外も水平垂直方向に連続した空間のため、ほぼ3階に見える。子どもにとっては格好の遊び場だろう。


    面積的な大きさだけでは測れない抜けを感じられる。


    「壁と天井は、響きとコストを考慮して基本的にシナベニヤを採用しています。1階2階共にそれを丁寧に割付けしていくことで、空間ボリュームや映し込まれる陰翳がより『素』の状態で感じられるのではないかと考えました。」と廣部剛司さん。

    【奏楽庵(sogaku-an)】
    設計:廣部剛司建築研究所
    構造:構造設計舎
    施工:平野建設(ASJ)

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    遠藤克彦建築研究所 大阪オフィスを訪問してきました。大阪市営地下鉄 四つ橋線 肥後橋駅から徒歩5分程。


    1〜2階が吹き抜けの駐車場の小さな雑居ビル。3階に観葉植物が見えるのがオフィスだ。



    ご存じの方も多いかと思うが遠藤さんは「大阪新美術館」の設計をコンペにより2017年2月に勝ち取った。東京品川にオフィスを構えているが、この仕事のためにスタッフの殆どと共に大阪に移り住み、大阪オフィスを立ち上げた。関東の業務や、他の業務の多くもここ大阪で進行させている。


    大阪新美術館計画地(Googleマップより)。中之島の一番幅が広くなる辺りで、東(左)に関西電力本店ビル、南(上)に国立国際美術館、大阪市立科学館、西(右)は空地で大学の校舎が建つ予定。

    関電ビル公開空地側から。右に見えている植栽の上に途切れたブリッジがあるが、美術館を造る造らないなどと検討している頃から、いつか接続できるようにと待ち構えている。このブリッジはコンペの要項にも記されていたそうだ。

    西側は不測だが、各方向に大阪の異なる風景を切り取ることができる大開口。その大開口が光のトンネル(パサージュ)のように街の新しい風景をつくり出す。光のトンネルを強調するには外壁を白か黒にしたいが、街のなかにあって埋没しないように黒を選択し、新しいアイコンのような存在を目指す。内部はパサージュ空間を中心としながら空間体験を重ねながら巡れるようにする。
    外壁の素材はオフィスで見せてもらったが、様々な素材と様々な黒を検討中だ。
    構造は佐藤淳、照明はシリウス、ランドスケープはスタジオテラが担当している。


    もうじき実施設計を完了させるスケジュールのため検討は大詰め。最新模型の詳細は今は公開できない。


    美術館業務と、通常業務、新しいコンペと「ちょっと忙しすぎるな、、、(笑)。でも徹夜はさせない。早く帰って早く出社してもらっている、はず。」とフロアを見返す遠藤さん。


    各地から手伝いに来てくれるインターン含め10数人が働く。


    軽井沢で計画中の別荘。尾根に建ち三方に傾斜する敷地。


    大阪から軽井沢へは東京周りになるそうだ。


    遠藤克彦さん。「このところ週1〜2が東京、すっかりメインは大阪。一番気をつけているのは体調管理です。」「延床20,000m2以上ある上、美術館は通常のビルの常識が通用せず、当たり前にできるはずのことがNGだったり、設備が異常に多いなど検討事項は無限とも思えるほどありますが、きっと素晴らしい建築にしますので期待していて下さい。」
    竣工は2021年、4年半後の予定。

    【大阪新美術館の公募型設計競技について】


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    長崎辰哉/アトリエハレトケによる渋谷区恵比寿の住宅「190(one-ninety)」を、入居から数ヶ月経過した状態で見学させていただいた。
    「190」とは断面方向の寸法が全て190の倍数で構成されていることに由来する。建物高さや階高、階段の蹴上、杉板型枠(1/2倍の95mm)なども含めて全て190の倍数とのこと。


    敷地面積158m2、建築面積94m2、延べ床面積332m2。RC造、地下1階、地上3階、塔屋1階。
    エントランスは2ヶ所あり、左が住居用、右がコミュニケーションスペース用。


    接道からガレージを介したコミュニケーションスペースのエントランスへ。


    ガレージから見上げると自分だけの空が覗く吹き抜け。


    ルーバーは強靭なH鋼のキャンティレバーの構造で支持されている。


    コミュニケーションスペース。ワインのエキスパートである施主は、試飲会やワイン講習会、料理教室、パーティなど、この空間を様々な用途に活用することを想定している。


    北側には中庭を設けた。


    造園は藤倉陽一(藤倉造園)が手がけ、「都心に居ながら季節感を感じる野趣溢れる森」をテーマに日陰に強い植物が選ばれている。ベンチも設えてあり、取材の後ワインをいただいた。


    キッチンカウンターには、特注のステンレス製化粧パネルがはめ込まれる。後方のモザイクタイルは施主がイタリアで買い求めたもので、インテリアのデザインキーワードとなっている。


    地下にはワインセラーというよりストックヤード。エアコンではなく、輻射パネルで室温を一定に保っている。施主は自らフランスやイタリアの産地を訪れ、畑、土、醸造所を確認し、作り手と話し、試飲し、気に入ったワインを日本で紹介するという。


    2階へ。(屋上含め)5層を貫く階段室はコーナーに設えた照明により淡い光に包まれる。


    2階には寝室のほか、ウォークインクローゼット、水周り、書斎、ジムがある。


    寝室のバルコニーは冒頭で紹介した吹き抜けに面している。手摺りの唐草は1階コミュニケーションスペースのモザイクタイルから引用されデザインしたオリジナルだ。


    寝室の背後から水周りへ。


    浴室は中庭に面し、タイル張りのインフィニティバスが納まる。


    3階トイレはKOHLERで統一。


    LDK。キャビネットにはテレビが納まるが、ほとんど使用しないとのことでまだソファーが置かれていない。ブルーの部分のパントリーや、砂浜の色のタイルでビーチリゾートの雰囲気に。


    キッチン。1階のキッチン共にリネアタラーラによる施工。水栓はKWC、オーブンとIHクッカーはガゲナウ、ガスコンロはハーマン、レンジフードはアリアフィーネ、食洗機はミーレ、ペンダントライトはバカラという仕様。


    アーバンリゾート。食事はカウンターキッチンと、気候が良いときは専らこちらのバルコニーで摂るという。


    長崎さんこだわりのルーバーの組み上げでH鋼フレームが透けて見ない。またガレージ側のルーバーは通りに面しているので、フレームが内側に見えたが、こちら中庭側はフレームを外にした。


    屋上も積極的に利用。水場やオーニング、自動潅水付きのオーガニック菜園も。


    「全体的にクライアントと縁の深い南仏エクス・アン・プロヴァンスを意識しつつ、クライアントの好みやこだわりを色濃く反映させながら、建築としてこの場所で、何をどのように表現すべきか、深く考えたプロジェクトです。」
    「温熱環境制御をはじめ、住んで、使って、良さの分かる建築的工夫を随所に織り込みました。『楽しく充実した住まいづくりだった。ひと冬ひと夏を経て、とても心地良く、快適な住まいであることを実感している』との言葉を頂き、嬉しく思いました。」
    「住宅という場所で、建築が、理念として、空間として、モノとして、どのような価値を生み出して行くべきか、これからも実践を重ねながら思考を深めていきたいと思います。」と長崎辰哉さん。

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    田井勝馬(田井勝馬建築設計工房)による横浜の二世帯住宅「下永谷の家」を見学してきました。
    二世帯が住まう母屋の建て替えと、さらに離れを増築した。


    母屋:敷地面積806m2、延床面積403m2。離れ:敷地面積304m2、延床面積70m2。
    この地に古くからある旧家で、年に何度かは親戚一同が数十人が集まる本家。二代前が建てた母屋が老朽化したため建て替えた。


    アプローチを上ってもなかなか建物が見えてこない。


    門扉を抜けると来訪者を迎えるように両腕を広げたエントランスが現れた。


    堂々たる構え。まずは左の塀により仕切られた庭に回ってみる。


    張ったばかりの芝に面して威厳のある屋敷がが全貌を現した。伸びやかな2段の庇が印象的だ。


    芝を挟んで向かいには既存の植栽が茂り、春には右に見える桜がこの庭の表情を一変させる。この桜は施主が生まれたときに植えられたそうだ。


    エントランス。杉板型枠の重厚なRC壁が外からそのまま屋内に連続している。右手には4帖ほどもあるシューズクローゼット。
    前述したように親戚が集まるときは30〜40人になるため、このサイズの玄関や大型のシューズクローゼットが必要になるのだ。


    玄関から左を向くと、たっぷりの気積を持つエントランスホール。応接間、リビングと続く。
    一階が施主である親世帯、2階が子世帯。


    応接間は客を通すための屋敷には欠かせない要素。


    リビングダイニング。大人数用のダイニングテーブルが2〜3台置けよう広さは約50m2。
    折上げ天井に間接照明、天井・床共にチークで仕上げ本家としての格式も大切にした。


    ガラス引戸は8枚。両側に寄せることができる。

    庭には大きくデッキテラスを設けBBQなどもできるようにした。その幅13m。
    左奥に1.5mほどの高低差をもって離れが見える。


    掘り下げのリビングに低めの作り付けソファーに腰を下ろすと、折上げ天井も相まってさらに空間が広く感じられる。


    2階の子世帯へ。


    エントランスホールを見返す。

    子世帯は中央に家具を配置し、左にLDK。右に廊下を挟んで個室や水回り、クローゼットが一直線に並ぶ。


    手前からリビング、ダイニング、キッチンエリアと連続するワンルームのLDK。


    正にアイランドキッチン。ミーレのIHを選択。
    開口の幅は約20m。


    1階はRC造だが、2階は鉄骨造。鉄骨の柱に寄せ棟の屋根をフワッと乗せたような格好だ。


    バルコニーは2階を半周囲っている。


    子供室。リビング側の収納家具上部に設えた照明を点灯した。欄間にはガラスが入っている。


    主寝室。隣にはウォークインクローゼット。


    洗面室。


    トイレは洗面室の雰囲気を踏襲。


    入浴が大好きだという子世帯のご主人。すっかり長湯ができる仕様になっている。


    シャワー・水栓はハンスグローエ。


    1階へ戻り、第2エントランス。敷地裏手に大きな駐車場があり、車での来客者はこちらを使う。


    駐車場からのアプローチと母屋を繋ぐ屋根。


    アプローチは車椅子に対応しスロープに。


    スロープを上がると離れと駐車場に。離れは平屋の2LDK。施主の奥さまの母親が高齢のため住んでもらえるように建てた。


    落ち着いた柔らかな光が差し込むリビングダイニング。


    茶室。竹林が風情たっぷりだ。

    田井勝馬さん。「家督を継いだお施主さんの強い意志を感じる住宅です。ここには次の世代と、さらに次の世代、つまり親子そして孫へ三代100年住まうことができるよう計画しました。」

    【下永谷の家】
    設計監理:田井勝馬建築設計工房(田井勝馬、柏原創)
    構造設計:野村基建築構造設計
    照明設計:リップルデザイン
    施工:キクシマ


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    インターオフィスが本社を移転し、新しいオフィス&ショールームのオープニングレセプションが開催されたので出席してきました。


    インターオフィスはスイスのUSMやドイツのVitraなど著名ブランドの家具を扱い、設計・施工を含めてオフィスに関わる全てをトータルサポートしている会社。1983年の創業以来4度目となる移転先は、ラティス 青山スクエアの6階。それまでの谷口吉生設計のビル内にあったオフィスは、3フロアに分かれていた為コミュニケーションが取りづらい環境があった。新しいオフィスでは、広さ約844㎡の1フロアにすべて集約し、取り扱うブランドの商品を一堂に揃えたライブオフィス・ショールーム付きのオフィスとした。


    広々としたエントランス空間。プレゼンテーションスペースとして様々なイベントや展覧会を行う。可動展示パネルや特注ディスプレイ棚、大型プロジェクターなど、様々な使い方を可能にするアイデアが取り入れられている。今秋デザインウィークでも早速活用していくそうだ。


    ディスプレイは約3ヶ月毎に変えていく予定。現在は7月より独占契約を結んだKnoll Studioより、ミース・ファン・デル・ローエのバルセロナチェア、エーロ・サーリネンのチューリップチェアなどが展示されている。


    サーリネン コレクション・オーバルテーブルの上には、カール・ハンセン&サン、マルニ、フリッツ・ハンセンなど、プロダクト主要仕入先の可愛らしいフラッグ付きのフィンガーフード。


    Knollの歴史を表現した壁。


    プレゼンテーションスペースを中心に左右にフロアが続いている。右ウィングがデザイナーや総務など、左ウィングが営業エリアと分けられており、それぞれにショールームが並行して配置されている。


    左ウィング。ガラスパーティションが、執務スペースとショールーム(フローリングのエリア)を緩やかに仕切る。執務スペースは営業部エリアから始まり、奥に行くにつれてフリーアドレス席、ドライキッチン、会議室へと続く。平行するショールームには往年の名作家具から最新の家具までが展示されている。







    ちなみにインターオフィスといえば、hhstyleを思い浮かべる人も多いかもしれないが、2016年にリテール部門として株式会社エイチエイチスタイルに譲渡し、現在は完全に独立した別会社となっている。


    執務スペース内にはドイツFremery社のフォンブースも。国内で置いているオフィスはまだ他にはないとか。


    フリーアドレス・エリア。イトーキと協働したオフィスファニチャーブランド i+(アイプラス)が使われている。


    一番奥にはドライキッチン。普段はスタンディングのミーティングテーブルとして活用したり、社員同士のコミュニケーションを活発なものにしてくれそうだ。


    会議室。昼間は眼下に赤坂御用地の豊かな緑が広がる景色をのぞむことができる。


    右ウィングへ。


    デザイナーやアドミニストレーションスタッフ等の固定席エリア。デスクや収納はUSMハラーで統一されている。


    一番奥には社長室や会議室。


    平行するショールームは一転シックなテイストに。


    一番奥にはWALTER KNOLL、フォスターシリーズのソファやアームチェアなどゆったりとしたエリアとなっている。

    取締役社長 寺田尚樹氏。「ほぼ10年ごとにオフィスを移転していますが、それは、常に先進のワークプレイスの提案を仕事としている私たちにとって、まず自分自身で時代に応じたさまざまなパターンのワークプレイスを実践した上で、お客さまに最適なオフィス環境を提案することが大切であると考えているからです。今年から新しいパートナーとしてKnoll Studioが加わりました。その普遍的でデザイン性の高い商品ラインナップの一部をショールームにて展示していますので、ぜひ足を運んでいただければと思います。」

    新オフィス開設にあたり、社内ではプロジェクトチームを立ち上げ、要望や意見のヒヤリングから、設計・デザイン、家具コーディネート、工事監理、引っ越しに至るまで、移転に関するすべての業務を自分たちの手で行ったという。その移転プロジェクトムービーはこちらで公開中。

    【インターオフィス東京本社/ライブオフィス/ショールーム】
    東京都港区南青山1-2-6 ラティス青山スクエア6F
    営業時間:10:00〜18:00
    定休日:土・日・祝日
    www.interoffice.co.jp
    ※ライブオフィス・ショールームの見学は予約制

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    9月16日より始まった今村水紀+篠原勲/miCo. による「実践と考察展 / miCo.」に行ってきました。会場は東京南青山のプリズミックギャラリー(Prismic Gallery)


    「miCo.の近作での実践とそこでの気づきや、その考察を展示。模型やドローイング、モックアップやムービー、インスタレーションなど多くの形式を用いて、展示作品・ギャラリー・打ち合わせスペースと外苑西通りの一角を、形づくる。」という展覧会で、模型やインスタレーション、写真、映像などを織り交ぜた8作品を展示。


    会場に入ると、ラックのような衝立や、シルバーのカーテンで仕切られた空間に演出されている。



    奥から見返すと大きく三つの仕切りには何か意味があるように感じられる。


    そこで表から見るとこのようになっているのが分かる。プリズミックギャラリーの全面ガラスの大開口を使って、内部空間を積極的に外に向かって表現してみた。特徴的な雁行したファサードに呼応するように、シルバー、白、赤茶それぞれ色や素材を変えながら空間や視覚的な変化を試したようなインスタレーションだ。


    〈装飾の機能 実践1:群で全体の雰囲気が現れる〉
    「赤っぽい面」と「赤っぽい色のサンプル」。実作や計画中のプロジェクトで検討した(している)様々な “赤” を面と群で表現しながら空間をつくる。


    〈軸組で街を見る〉
    自邸「駒沢公園の家」(中央)と周辺の家屋を軸組模型で表現。外観は形や色、仕上げも様々だが、尺貫法というルールでつくられた日本の家屋は、窓の位置や、航空写真で大体の間取りと軸組が想像できる。1軒という単位が、群という単位で再構築できるような可能性を感じる。


    2016年のヴェネチアビエンナーレに出展した作品で、ギャラリー・間でのヴェネチアビエンナーレ帰国展に出展を予定してが、会期延期となりこちらに出せることとなった。


    〈抽象的ではなく具体的な白〉
    写真では分かりにくいが、様々なテクスチャーに様々な “白” を塗ってみることで白の持つ機能を探る。


    〈いくつかの周縁でつくる〉
    自社オフィスで実際に使用しているカーテンと、模型、写真。


    3面が開口した30m2ほどの小さな空間を機能ごとにさらに小さく区分けると、部屋同士の繋がりより、外部との関係性が強くなると感じた。内部をファサードに見立てたてることで、道行く人や周辺環境との豊かな関係性をえられるのではないか。


    実際のオフィスの3面写真。この風景を今回の展覧会でも実践した。


    〈装飾の機能 実践2:ばらばらな体験をつなぐ〉
    計画中の築40年RC造3階建て住宅のリノベーション「葉山の道」。室内と合わせ、外部から2階へ接続する階段の検討模型。傾斜地にある敷地を登っていく体験を階段にも投影し、景色が見え隠れしながら登れる階段。
    ※展覧会初日、この階段について見学者からいくつかの批評があり、白熱した議論の末、階段のもつ機能とデザインについて一度フォーラムを開いてはどうかと提案があった。その勢いを借りて会期中にミニフォーラムを開く予定になりましたので乞うご期待。

    今村水紀さんと、篠原勲さん。「今回扱っている実践・考察は、建築の小さな部分の仕上げの気づきから、街や山といったスケールの話まで様々です。一見バラバラに感じるかもしれないこれらの展示作品が一体的に群としてあるときの、ギャラリーを含めた環境全体で何かが伝わり、それを体験していただければと思います。」

    【実践と考察展 / miCo.】
    会期:20179月16日〜10月29日
    会場:プリズミックギャラリー(Prismic Gallery)
    詳細:www.prismic.co.jp/gallery/works/?p=1578
    ※土日祝は9.16(土)、10.7(土)、10.8(日)、10.28(土)、10.29(日)のみ開廊


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    9月19日より東京ミッドタウンの芝生広場で開催の「ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 2017 in 東京ミッドタウン」内覧会に行ってきました。


    「アーク・ノヴァ」はラテン語で「新しい方舟」を意味する。そのはじまりは、2011年3月、東日本大震災を知ったスイスの音楽祭ルツェルン・フェスティバル芸術総監督のミヒャエル・ヘフリガー氏から、友人である音楽イベント企画者の梶本眞秀氏に『何かできることはないか?何かしたいんだ』という一本の電話。いずれ被災地の人々の心をケアするため"音楽や芸術が必要になる”ということで、共通の知り合いである建築家磯崎新氏に声をかけ、さらに磯崎氏の友人で現代彫刻家のアニッシュ・カプーア氏も加わり、プロジェクトは本格始動。そうして人も建物も傷ついている被災へホールを携えて赴き音楽を届ける可動式のコンサートホールが生まれた。


    これまで2013年から2015年にかけて、松島、仙台、福島の3か所の被災地で展示、使用されてきた。東京ミッドタウンはこの復興支援の取り組みに賛同し、「アーク・ノヴァ」を東京で初めて展示。展示期間中、映画上映会やコンサートなどのイベントを開催する。


    高さ18m、幅30m、奥行き36mのエアドームは床面積642m2。
    塩化ビニールでコーティングされたポリエステル製の0.63mmの膜でできている空気膜構造の建築。重さ約1,700kg。


    巨大な送風機により1時間ほどで膨らませることができる。使用後は折り畳んでトラックで輸送できるように設計されている。東京ドームと同じつくりとのこと。


    芝生広場ににちょうど納まる大きさ。建築、アート、デザイン、パフォーマンスをひとつ屋根の下で展開することができる。

    突如現れた巨大な物体に取材陣も通りがかりの人も皆夢中になっている。

    エントランスは2箇所。回転ドアからひとりずつ入場する。


    昼間の内部は鮮やかなピンク色の世界。夕刻になるにつれて紫色に変化していく。収容人数は約500人。

    アーク・ノヴァとは”新しい方舟"の意。
    磯崎氏は、ヘフリガー氏と梶本氏から話をもちかけられた時すぐさま「ノアの方舟」を思い浮かべたという。そのコンセプトの元、何度もスケッチを描き、カプーア氏とのやり取りを重ねていった。構造強度、音響、客席をはじめ、雷雨時の対応、避難路の確保など、数え切れない難問を乗り越え、震災から約2年半をかけて東北の地でようやく現実のものとなった。


    ホール後方から天井にかけて横断する柱のようなドーナツホールは、ダイナミックで有機的。まるで巨大な植物か胎内にいるかのよう。


    ホール内のベンチの一部は、津波の塩害と地盤沈下によって伐採された宮城県の瑞巌寺の参道杉を使用している。


    たちあがり部分。








    パネル展示エリア。アーク・ノヴァ プロジェクトに関する資料、被災地で行われたクラシックを中心とした演奏会やワークショップの写真など。


    梶本眞秀氏。「ひとりの人間の思いやりが連鎖して実際にかたちになる素晴らしさを感じてください。今回東北以外の地での開催を通じて、震災の記憶の風化を防ぐための一石になればと思います」

    東京ミッドタウンで展示開催するきっかけとなった「そこまでやるか展」は、芝生広場に隣接する21_21 DESIGN SIGHTで開催中。アーク・ノヴァの模型や映像を含め、既存の表現方法の垣根を超えた作品群を観ることができる。

    9月30日には、磯崎新、ミヒャエル・へフリガー、梶本眞秀各氏が登壇するトークも開催される。

    【東京ミッドタウン開業10周年記念イベント ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 2017 in 東京ミッドタウン】
    開催期間: 2017年9月19日〜10月4日
    開催場所: 東京ミッドタウン 芝生広場
    詳細:http://www.tokyo-midtown.com/jp/event/ark-nova/

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    大江一夫+てるみ+泰輔/マニエラ建築設計事務所による芦屋市の住宅「三条町の家 II」を見学してきました。



    敷地面積643m2、建築面積153m2、延床面積195m2、鉄骨造2階建。この地域ではおなじみの急峻な住宅地。東面は谷側に向いて大きく開口している。


    列柱によって持ち上げらた2階とその佇まいはサヴォア邸を彷彿させる。
    右奥に続いていく石積みとコンクリートの擁壁は既存のもの。


    接道からは来訪者を招き入れるような塀が特徴的。


    アプローチからエントランスへ。450φのスチールパイプ8本が2階を支持している。


    エントランス。1階はほぼ全てガラスで囲われ、その外側半分には水盤が広がっている。


    1階はエントランスホールであり、アートのコレクターである施主のアートギャラリーでもある。(工事中のため一部資材があります)


    水盤を結界としてギャラリー空間を別世界のように演出。ガラスはイメージとしてはないもので、1階をピロティーとて捉えているようだ。
    正面のボックスは下足入れだが全体の浮遊感を壊さないように設えてある。
    透明感を実現するためにシングルガラスの採用に理解を示した施主。


    水盤の外側、外構には植栽が施されるため、完成時はかなり違った雰囲気になる。シンプルな螺旋階段で2階へ。


    2階LDK。東を向いた大開口からは西宮や大阪湾を望むことができる。キッチンの背後に納戸、寝室、水回りと続く。


    リビングを挟んだ反対側には客間。床はタイル貼り、右手にはテレビなども納まる収納が、片側一面に設えてある。


    客間は6帖の和室が2室。


    二人の娘さんが孫を連れて泊まりに来られるよう考慮した。


    客間用のトイレ。


    夜は芦屋の夜景を眺めながら料理できる。


    デッキ貼りのバルコニーは1.8mの出幅で、長さは20m以上ある。


    バルコニーを突き当たりまで進むと細長い敷地の奥に庭が現れた。バルコニーから降りられるようになっており、レモンの木植わり、芝生が敷き詰められた憩いの場として、家族でのBBQやお孫さんの遊び場となる。


    バルコニーに面して浴室や寝室なども並び、全ての室がこの眺望を享受する。

    「アートがお好きなお施主さんはギャラリースペースを望まれましたので、思い切って居住空間と切り離すような異なる世界観を作りました。外のような1階のギャラリー空間を横切り、螺旋階段で2階に抜けてくるようなシークエンスです。」
    「敷地はかなりの高低差があるので、下から見上げたときに重くならないように浮遊感を持たせ、このロケーションを重視した開放的な住まいを計画しました。」と大江一夫さん。


    現在大江一家は二世帯の自邸を建設中。西宮の事務所から50mほど離れて芦屋側の高台だ。


    1月の完成が楽しみだ。


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    9月13〜9月24日まで開催の「SDレビュー2017 – 第35回 建築・環境・インテリアのドローイングと模型の入選展」に行ってきました。会場は代官山ヒルサイドテラスF棟。

    [The 35th Exhibition of Winning Architectural Drawings and Models]


    SDレビューは、実現見込みのないイメージやアイデアではなく、実際に「建てる」という厳しい現実の中で設計者がひとつの明確なコンセプトを導き出す、思考の過程を、ドローイングと模型によって示そうというもの。


    飯田善彦、千葉学、江尻憲泰、乾久美子を審査員に、15の入選作品が選ばれ、本展を2次審査として「鹿島賞」はじめとする各賞を選定する。


    〈西大井のあな 都市のワイルド・エコロジー〉
    能作文徳+常山未央(能作文徳建築設計事務所+mnm)


    東京品川区の住宅兼仕事場。中古ビルをリノベーションし、コワーキングが可能な仕事場、2階は民泊利用もできる宿泊スペースなどのフレキシブルなゲストルーム。3階は家族のリビング、4階は夫婦の寝室などがある。スラブに穴を開け、空間や光、熱の循環をさせる。


    ツギテプロジェクト
    大島奈緒子+与語一哉(ようび建築設計室)


    岡山県西粟倉村で約10年前に起業し、2016年1月に火災で失われた家具工房「ようび」の再興プロジェクト。


    〈Tの家〉
    佐々木勝敏(佐々木勝敏建築設計事務所)


    愛知県豊田市の住宅、地域交流スペース、ギャラリー。個人住宅の一部を開放し、街の余白となる庭など建物内外の使い方から街に開かれた住宅を計画。T型架構を等間隔に並べ床には梁を用いず50mm厚の板を使用。板材を水平垂直に並べながら構成していく様は建築より家具に近い。


    〈三つの屋〉
    李ヘドゥン+崔 在弼(o. heje architecture)


    韓国天安市の住宅。都市で別々に暮らしていた夫婦とその子供たち、彼らの両親の3世代が田舎への移住を計画した「共に集まって住める家」。 しかし親夫婦と子夫婦はすでに長い間離れて暮らしており、それぞれ異なる価値観を持っていた。この3世代の同居は、多くの時間と空間を共有してきた過去の大家族とは本質的に異なっており、私たちは、現代社会型の大家族の暮らし方としての家を考えることとなった。


    〈屋根上の休憩所〉
    大井鉄也(大井鉄也建築設計事務所)


    滋賀県長浜市のパン工場の休憩所。パン工場とまちとの接点としての建築のあり方を考えた。里山に向かって、まちや集落にグラデーショナルに溶け込んでいくような空間ができないかと考え、段床の空間が生まれた。


    〈斜面と水平の関係 ―デッキプロジェクト―〉
    魚谷剛紀(Uo. A)


    神戸市の住宅。ゴルフ場の跡地を宅地開発によって再整備した場所。建築可能な平地は上部に2m程しか残らず、敷地の多くは斜面となっている。斜面と水平がつくる副産物として現れる、擁壁や床下空間といった余地を積極的に迎え入れることで、斜面での暮らし方に延びやかな新しい関係を示したいと考えている。


    〈運動と風景〉
    坂牛卓(O. F. D. A. 、東京理科大学)


    東京神楽坂の住宅。各層は緩やかな階段で結ばれて、その途中にはいくつかの孔が穿たれており上下左右の隣接する室、テラスの緑、空に開かれている。階段を介した上り下りは住人の思索の時であり、その途中で孔から飛び込む風景に時として覚醒しさらに深い思索にはいりこむ。


    〈鹿手袋の保育園〉
    藤野高志+郡司絵美+藤野なみか+真沢直樹+森田達也(生物建築舎)


    さいたま市の保育所。敷地内で完結させず、周囲に建つ施主所有の幾つかの建物と連携しながら、子育て世代が暮らしやすい地域環境を目指す。園舎は1枚のコンクリート板で上下に分かれ、大きな穴で繋がる。屋根の上は人工的な丘で、見晴し台で、ときどき観客席である。屋根の下には、鉄骨柱、樹木、塀の支柱、パラソルなど、様々な垂直線が3m間隔で規則正しく林立する。そのリズムは水平に反復し、保育園、カフェ、近隣の街並みへと、意識を外側へ向かわせる。


    〈バンブーのトンネル〉
    陳 建同+魏 書蘋(與木製研+層遞設計)


    台湾固有種の桂竹を使った臨時施設、屋外カフェ、様々なイベントと合わせて使用機能が変化するパビリオン。施工と移動の利便性から、建物は3つに分割し多様なレイアウトが可能。イベントに応じた設えにより人を集め、活動を誘発する。


    〈ドイツの「耕す」人の家〉
    山﨑健太郎(山﨑健太郎デザインワークショップ)


    ドイツ、カッセルの住宅。「働きながら自然と共に生きることのできる家」というクライアントの希望に、「耕す」ということを提案した。材料はできる限り自然に存在するものを使うことで、人間と自然との一体感を高めている。時間をかけて作る版築の壁は時間の概念を建築に取り込み、土地と居住者の結びつきを一層確実なものにする。環状のプランの真ん中に置かれた光庭はワイルドビオトープと名付け、ここに暮らす人々が耕すプロセスを日々体感できる場所になる。


    〈Project in Santiniketan/インド・シャンティニケタンに同志を募って家を作りに行く〉
    佐藤研吾(In-Field Studio)


    インド・ベンガル地方郊外シャンティニケタンの住宅。インド人の施主はかつて日本に住んだこともあり、自分の故郷に「日本の家」を作るのが夢だと言う。すでに小さな敷地を購入して草木生い茂る秘匿の庭を用意していた。「日本の家」とは何か。正直うんざりもするこの茫洋な問いかけに安々と答えが出るはずもないが、自分が日本からインドへやってきた以上、避けられないことだとも痛感する。


    〈残山剰水 山の再生を託されたゲートハウス〉
    緒方洋平+李 光赫+田村 正(日建設計)


    韓国ポチョン市の山中の会員制リゾート施設。福祉介護施設の建設が進んでいたが、リーマンショックによって事業計画が破綻し、建設途中の建物躯体が利用されることなく打ち捨てられていた敷地の地形、植生、環境、風景を尊重し、山を再生する計画。




    〈漁師食堂 やまとうみ〉
    石垣 充(西日本工業大学石垣研究室)


    福岡県東部、京築地域の小さな漁港の、漁師食堂、海産物直売所、地域交流施設などの拠点機能の提案。「網干(あぼし)」という歴史的情景を意匠として取り込んだ三脚フレーム構造が連立し、菱形面格子のカーテンウォールを纏う。


    〈真鶴出版2号店〉
    冨永美保+伊藤孝仁(tomito architecture)


    神奈川県真鶴町の宿泊施設・物販店舗・事務所。民家を改修し、「旅と移住の間」をコンセプトとする宿とキオスクを計画。買い物客、1泊2日の観光客、1ヶ月滞在する移住希望者、周辺住民といった、多様な時間感覚が重なる場所において、建築が持つべき質は何か。建築とランドスケープを一体的に設計することを通して、ひと繋がりであり多重心的である場をつくることが、心地よい距離感を生むと考えた。


    〈山のなかの離れ〉
    南 俊允(南俊允建築設計事務所)


    長野県山中の住宅・宿泊施設(※時代により変遷予定)。過疎化の進む温泉地の温泉旅館の経営者家族の住まいと離れの計画。さまざまな特徴をできる限り拾い上げ、その中に、その都度家族が必要とする居場所をつくっていく。そこに建物ができ、人の営みが加わることで、その場にあった自然がより魅力的に感じられるようになること。一度に新しい離れや住まいをつくるのではなく、家族と旅館の変化に合わせ、時間をかけて場所をつくっていくことを目指す。




    【SDレビュー2017 – 第36回 建築・環境・インテリアのドローイングと模型の入選展】
    東京展
     会期:9月13日~9月24日
     会場:代官山ヒルサイドテラスF棟、ヒルサイドフォーラム
    京都展
     会期:10月2日~10月29日
     会場:京都工芸繊維大学 美術工芸資料館



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    9月27日より国立新美術館で開催の「安藤忠雄展―挑戦―」内覧会に行ってきました。



    安藤忠雄は、独学で建築を学び1969年に「都市ゲリラ」として建築設計活動をスタートして以来、常に既成概念を打ち破るような斬新な建築作品を発表し続けてきた。本展は、安藤がいかに生きていかに創り、今またどこに向かおうとしているのかーその半世紀におよぶ活動と未来への展望に迫る約270点の資料や模型から89のプロジェクトを紹介する過去最大規模の個展である。


    展示は6つのセクション「原点/住まい」「光」「余白の空間」「場所を読む」「あるものを生かしてないものをつくる」「育てる」で構成されている。展示空間も安藤自らデザインした。

    《プロローグ》

    〈独学時代、世界放浪の記録〉
    設計活動をスタートする以前に行った世界放浪は、安藤の建築観に深い影響を与えた。トラベルマップや写真、スケッチブック等を通じて何を見て何を感じたか、その断片を読み取ることが出来る。


    折り畳み式スケッチブック

    《安藤忠雄の仕事場》


    〈大淀のアトリエ〉
    逐次増改築が行われ、即興的な改造の積み重ねは来訪者の意表をつく不連続な空間をつくり出した。


    アトリエの一部を再現。安藤の日常やパーソナルな部分を垣間見る。

    《セクション1 原点/住まい ORIGINS / HOUSES》
    安藤にとって人間の「住まう」という最も根源的な営みを受け止める住宅こそが、建築の原点。その作品の展開の中で、打ち放しコンクリート、単純な幾何学的造形、自然との共生といったキーワードに象徴される、安藤建築の原型は完成した。ここでは、初期の代表作から近年の圧倒的スケールの海外作品まで、100を超える住宅作品を紹介する。






    〈マンハッタンのペントハウス III(進行中)〉
    マンハッタンで構想した3つ目のペントハウスの計画。1912年に建てられた12階建ての集合住宅の最上階を、現代美術の画廊経営者の依頼で改装する。螺旋階段でつながれた屋上にはテラスが設けられ、植物学者パトリック・ブランと協同で制作する緑の壁がアートとしての自然を演出する。




    音声ガイドマークがある場所のひとつ(計15箇所で安藤による音声ガイド解説を聴くことができる)


    〈六甲の集合住宅〉

    《セクション2 光/LIGHT》
    極限までそぎ落とされたようなシンプルな造形。その無地の「カンヴァス」に光や風といった自然の息吹が映し出されることにより、安藤忠雄の目指す空間が生まれる。ここではその意図がもっとも端的に現れているの一連の教会作品を紹介する。




    屋外展示場。〈光の教会(1989)〉を原寸で再現。

    内部。実物と異なる点は、十字架のスリット部分にガラスが無いことだ。当初から「無いほうがいい。いつか取ってやりたい」と言い続け諦めなかった安藤氏の執念ともいえる思いが此処に。




    《セクション3 余白の空間/VOID SPACES》
    自らを「都市ゲリラ」と称した安藤が、都市において一貫して試みてきたのは、意図的に「余白」の空間をつくりだし、人の集まる場を生み出すこと。〈ローズガーデン〉〈STEP〉といった初期の仕事から〈表参道ヒルズ〉〈東急東横線 渋谷駅〉といった2000年以降完成の都市施設、近年の〈モンテレイ大学〉〈上海保利大劇院〉といった海外都市でのビッグプロジェクトまで。規模もプログラムも時代状況も異なるが全て"余白の空間の創造"という一点においてつながっている。


    〈中之島プロジェクトIIー地層空間 計画案〉9980×1092mmドローイングや〈アブダビ海洋博物館 計画案〉アクリル模型など


    〈上海保利大劇院〉




    〈21_21 DESIGN SIGHT〉
    展示台などに直接描かれた安藤氏の手描きのドローイングも本展の見所のひとつだ。


    〈表参道ヒルズ〉

    《セクション4 場所を読む》
    大自然に包まれた立地での安藤建築が登場するようになったのは、1980年代末から。一貫するテーマは、周辺環境と一体化してその場所の個性を際立たせるような建築。

    〈直島一連のプロジェクト〉
    空間インスタレーションを中心にパネルや映像など。


    模型は中央工学校 建築倶楽部が手掛けた。


    〈真駒内滝野霊園 頭大仏〉
    北海道の緑豊かな霊園敷地内の一角に、15年前に築造された石の大仏があった。これをより"ありがたく”見せるべく提案したのが大仏の頭部より下をラベンダーの丘で覆い隠すというアイディア。


    〈フォートワース現代美術館〉

    《セクション5 あるものを生かしてないものをつくる》
    安藤にとって、歴史の刻まれた建物の再生は、常に挑戦心をかき立てられるテーマ。ここでは、この古い建物の保存・再生に関わる作品の系譜を初期の未完に終わったプロジェクトから、国内での実現作品、歴史都市ヴェニスでの「プンタ・デラ・ドガーナ」を中心とする一連の作品、現在パリ中心部で進行中の最新プロジェクトに至るまで一挙公開。


    〈プンタ・デラ・ドガーナ〉


    〈ブルス・ドゥ・コメルス〉
    いま新たな挑戦として取り組んでいるプロジェクト。
    敷地はルーヴル美術館とポンピドゥ・センターの間に位置するパリ中心部。19世紀に建てられた元穀物取引所の建物を50年間借り受け、ピノー財団所蔵の現代アートを展示する美術館へと改修する。歴史的建造物の中に、コンクリートの壁に囲まれた空間を新設するという大胆な挑戦。2019年オープン予定。

    《セクション6 育てる》
    建築という枠組みを超えた社会活動への旺盛な取り組みについて。ここでは完成後の建物の周辺環境整備から、地元大阪でのまちづくり活動、瀬戸内海沿岸、東京湾岸部での環境再生運動まで、建築づくり=環境づくりと考える安藤の思想を、ドキュメンタリー映像を用いて紹介する。 

    植樹活動で大きな力となったのは市民一人一人の参加。「皆が日常の生活風景の問題を我がこととして捉え、その思いを少しでも何か行動に移すならば、それは何よりも創造的で可能性に満ちた挑戦となるでしょう」と安藤氏。

    最後に紹介したいのは、展示物の中で異彩を放っている、手作り感たっぷりのユニークなパネルたち。安藤が普段からクライアントに贈っているものであり、コミュニケーションツールと言えるだろうか。







    安藤忠雄氏。「国立新美術館10周年ということで館長より『建築の展覧会をやってほしい』と頼まれたのがきっかけです。挑戦してきたというよりも、一つ一つ仕事を積み上げて自分なりに全力で生きてきました。これからも人々の記憶の中でそこにあってよかったと思われる建築を作りたい」

    【安藤忠雄展ー挑戦ー】
    会期:2017年9月27日(水)~12月18日
    会場:国立新美術館 企画展示室1E+野外展示場
    詳細:www.nact.jp/exhibition_special/2017/ANDO_Tadao

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    9月28日からはじまる窓学10周年記念「窓学展 – 窓から見える世界」の内覧会に行ってきました。会場は南青山のスパイラルガーデン。

    出展者は、ミケーレ・デ・ルッキ、レアンドロ・エルリッヒ、鎌田友介、ホンマタカシ、五十嵐太郎、小玉祐一郎、佐藤浩司、塚本由晴、中谷礼仁、原広司、村松伸+六角美瑠と多彩だ。会場構成は西澤徹夫が担当。


    概要:「研究者・建築家とともに窓をアカデミックに調査・研究する『窓学』。様々な蓄積を経て今あえてゆるやかに定義するならば、“窓”とは『私たちの日常に寄り添い、暮らしに楽しみをもたらすもの』といえるでしょう。本展はこうした“窓”をめぐる知性や感性を、世界共通の文化として俯瞰し、その魅力に新たなまなざしを向ける展覧会。」


    「窓学」とは、YKK APが2007年に開始した「窓は文明であり、文化である」の思想のもと窓を学問として多角的に研究する活動です。窓を歴史的、文化的に位置づけ、その新たな可能性や魅力を提示することで、よりよい建築、都市、社会づくりに貢献することをめざして活動している。


    壁面には窓学10年の歴史とミケーレ・デ・ルッキの特別展示(写真)、什器を使った研究展示が7点、作品展示が3点からなる。


    作品展示 〈窓と梯子 – 歴史への傾倒〉
    レアンドロ・エルリッヒ


    エルリッヒと言えば、金沢21世紀美術館に常設されている〈スイミングプール〉が有名だ。




    アート作品をあまり解説しないほうが良いが、ワイヤーで吊られることなく梯子で自立している。


    レアンドロ・エルリッヒさん
    「アトリウムのスロープに沿って原広司さんの研究展示〈窓のものがたり学〉と呼応するかちで、窓が本来持つ力を呼び起こし、窓の想像力をかき立てる新作を制作しました。」


    研究展示〈窓のものがたり学〉 原広司


    グリム童話や宮沢賢治、シェークスピアなどの物語の中で表現された窓は、私たちの創造力をはるかに超えた豊かさを示してくれる。
    「待て、何だろう、あの窓からこぼれる光は? 向こうは東、ジュリエットは太陽だ。」


    ギャラリースペースでの研究展示は西澤徹夫がデザインした窓付きの什器。
    「スパイラルガーデンの特徴である展示スペースごとに、サイズ、形態、内容、訴求性、情報などを振り分けて整理し、シークエンス、滞留、場所、読み流れを作っています。そして、この展示計画そのものが窓学への窓となることを目指しました。」


    展示ディレクター 五十嵐太郎さん。
    「窓学は世界でも類がないユニークなリサーチプロジェクトとして10年前に始まりました。これまでの展開の中で意匠、言語、環境、健康、民族、歴史、物語、漫画、映画などその射程は様々な領域に広がりました。展覧会という場を活かしてアートやインスタレーションにも挑戦。個性的な研究発表を通じて、窓が建築のもっとも魅力的な部位である事を感じていただきたいと思います。」


    〈窓の漫画学〉 五十嵐太郎
    サザエさん、ドラえもん、こち亀といった国民的漫画に登場する窓から、窓辺の生活や時代の移り変わりと、ストーリーを豊かにする舞台装置としての窓を読み解く。


    〈窓の環境制御学〉 小玉祐一郎
    ルイス・カーン「フィッシャー邸」、自作「高知・本山の家」、アルヴァ・アアルト「アアルト自邸」において、窓は実際どう機能しているのか、風、光、熱のシュミレーション解析を行った。


    〈窓の記録学〉 中谷礼仁
    日本の伝統的な建築に窓はなく、柱と柱の間に取り付けられる壁、障子、襖などでありそれらを「柱間(はしらま)装置」と呼ぶ。「柱間装置」に関わる日本の風景を映像に記録した。


    〈窓の進化系統学〉 村松伸+六角美瑠
    窓は様々な系統に分かれながらも樹形図のように進化してきた。そして現代、さらに面白い方向に進化しようとしている。古今東西の窓と建築模型と共に、その歴史を紐解く。


    〈窓の民俗学〉 佐藤浩司
    文化人類学者として長年、原始的な生活が残る地の建築を訪ね歩く際使用する道具や、スケッチなどを展示。


    〈窓の仕事学〉 塚本由晴
    日本の伝統的な生産工程が残る工房や食品加工所などで、人間ではなく物や食品に対して窓がどう関わるかを調査。




    作品展示 〈不確定性の透視図法〉 鎌田友介
    窓のオブジェ。窓のようでありながら、重なったり、変形されたりして、人や風景をとりこむ。


    作品展示 〈Camera Obscura Studies, La Tourette〉
    ホンマタカシ


    針穴を通して外の風景が室内に逆さまに映し出されるカメラオブスキュラの原理を使い、ル。コルビュジエが設計したラ・トゥーレット修道院の寝坊部屋を丸ごとピンホールカメラにし、窓から見える風景を露光させ撮影した。


    撮影された写真。


    実際の寝坊部屋。


    スパイラルの外から。

    【窓学展 – 窓から見える世界】
    会期:2017年9月28日(木)~10月9日(月・祝)
    会場:スパイラルガーデン(東京都港区南青山5-6-23)
    詳細:http://madogaku.madoken.jp/exhibition

    【窓学展―窓から見える世界―巡回展】
    会期:2017年10月21日(土)~11月12日(日)
    会場:金沢工業大学ライブラリーセンター(石川県野々市市扇が丘7-1)
    ※その後、東北大学、名古屋工業大学、大阪市立大学、九州大学を巡回
    ※巡回展では研究展示のみ。

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    藤原徹平/フジワラテッペイアーキテクツラボによる鎌倉「稲村の森の家」を見学してきました。江ノ電 極楽寺駅・稲村ガ崎駅より徒歩15分程の住宅地。


    敷地面積479m2、建築面積94m2、延床面積184m2。鎌倉特有の山を背負った敷地で、山と住宅地の境に位置する。
    宅地化可能なエリア以外に、後方に見える山を含め土地全体は4,000m2ある。鎌倉市の条例で山の維持・管理ができなければこの土地を購入できないそうで、所有すると鎌倉の風土を守る責任を負うこととなる。


    敷地は更地であったが、既存の地下駐車場(右)から、大谷石の擁壁が続いていたものを左側半分を掘削し、駐車場兼ポケットパークのような役割を持たせる。
    海辺→緩い坂を上る住宅街→敷地・建築→山と繋がるシークエンスの接続点として機能する。確かにここに擁壁が立ちはだかっていては、山と住宅街は分断される。


    地下駐車場だった場所はトンネル状の貸しギャラリー「INAMORI」として、街に対して積極的に開く。


    駐車場奥の土を掘り、穴を空けギャラリー併設の「喫茶スペース」へ通じる階段が現れる。


    階段を上がると1階に暖簾の掛かる喫茶スペース。右手には縁側、そして芝も見える。
    建蔽率は何と19.6%。ゆったりと建っている。

    左に移動したところで全貌が露わになった。


    ここで模型を見て頂くと分かりやすい。地下ギャラリーを抜けて、敷地の上へ。掘削した駐車場の土は敷地後方へ運び、山へのアプローチし易いように斜面をなだらかにした。
    取り囲むような山+森から生活圏、掘削した斜面や広場、街へと連続する様子が理解できる。


    奥の人がいるあたりから山への散策路も作っていく予定。右には家庭菜園作りが進行中で、既に収穫もしている。


    外壁はレッドシダー。


    建物は二つのボリュームが繋がったようなかたち。出窓やバルコニー、縁側、ピロティーなどなど、外へ繋がろうとするアクションが多彩だ。


    ピロティーには家族用の玄関や作業場がある。"山を管理・維持” しなければならないことから、DIYや畑仕事が大好きな奥さまのお父さんがしばしば訪れ、ご主人と共に庭造りや山道の開墾を進めている。
    またギャラリーの延長としてワークショップなどの開催も視野に入れている。


    正面には軒と庇を設え、ギャラリーから喫茶スペースにアプローチさせる。足元は真砂土と、左に見える飛び石は擁壁に使われていた大谷石を流用した。


    喫茶スペースは15席ほどの規模。右奥にキッチンがあるが生活用のキッチンでもあるので、家族が朝食をこちらでも摂るという。
    天高は梁下で2m程と低め。それに合わせるようにテーブル高も低めで63cm、椅子も低く子どもたちを集めた地域のイベントなどに活用できるよう、大人用・子供用の中間の高さだ。


    フロアの片隅には薪ストーブ。テーブルは台形で用途に応じて並べ方を変えられる。椅子やテーブルはフジワラボのデザインによるオリジナルだ。


    窓際席からは緑を切り取る全面開口。心地良い風が吹き抜ける。


    山と街の境に建つ建築の、外と内の境は絶妙に曖昧。


    内覧会当日は焼きおにぎりのランチとワインをいただいた。
    今のところ木〜土で週2〜3日の営業なのでチェックしてからどうぞ。


    2階居住スペースへ。


    2階へ上がると直ぐに水回りが現れた。


    水回りは反対側にも通じており回遊型の動線をとっている。下の喫茶スペースが営業中でキッチンが使えないとき、お湯くらいは沸かせられるようにと手前にIHヒーターを備えた。
    空間の中心が暗くならないようにトップライト。


    2階の天高は高いところで3.5m。天井ぎりぎりまで開口を取り、山が室内に入り込んでくるようだ。

    反対側は3m以上の一枚ガラス。坂を上ってくるとこの窓がこの家のシンボルとして見えてくるのだ。
    遠くに湘南の海も望むことができる。


    ほぼ外のように感じられるフリースペース。
    これだけ山に近いと窓枠の外には蜘蛛の巣がすぐ張られる。「掃除は大変ですが、それだけ自然に近い環境で暮らしているのだと実感する。」とお施主さん。


    水回りの裏は寝室。家族4人で川の字に寝ているという。子どもの成長に従って分割、或いはこの下のピロティーを改築して寝室にすることもできる。
    右に見えるバルコニーは1枚上の写真で見えるバルコニーと同じなのでここも回遊動線だ。


    「お施主さんは30代のご夫婦と2人のお子さん(写真は違う)。東京の下町に暮らしていましたが東日本大震災で住宅に対する考え方が変わり、100年先になっても住み続けていくような『人間のための居場所』が必要だと感じたそうです。いくつかのイメージをもって依頼され、我々はこの住宅で街と森の境界を建築化しました。住むことと人を迎えること、様々な活動が渦を巻くように同居しながら、おおらかで協同的な状況をつくりだす多言語の建築を目指しました。」と藤原徹平さんと、担当の岩井一也さん。

    【INAMORI】
    ・神奈川県鎌倉市稲村ガ崎5-39-20
    http://inamura-inamori.com/

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    "日本と台湾をコーヒーでつなぐ"をコンセプトとしたDOMO CAFÉ(ドウモ カフェ)が新大久保にオープンし内覧会が開催されたので行ってきました。

    DOMO CAFÉは、台湾で人気のカフェと、京都の自家焙煎珈琲のお店の二つが組み合わさった、日台が融合したカフェ。インテリアデザインは元・伊東豊雄事務所でオペラハウスなどの設計に携わった建築家、佐野健太(佐野健太建築設計事務所)が手掛けた。

    場所は、JR新大久保駅から徒歩約3分。大通りから路地を入った落ち着いた雰囲気の場所にある。面積は80.13㎡。

    4階建て集合住宅の地下1階にある一部分がカフェだ。

    店内。コンクリートの壁が部屋を真二つに分けるようにカウンターキッチンまで続いている。


    コンクリート壁は動線上視界上の障害となっていたが、それをあえて二つの異なる世界をつくりだす残した要素として残した。ブランドカラーであるパステル調のピンクとグリーンをそれぞれの空間に用い、日本と台湾、深煎りと浅煎り、カジュアルな空間と落ち着いた空間、というような対称性を表現。

     
    「CASUAL AREA」
    一人でも気軽に立ち寄れるようなハイカウンターテーブルに、パソコン電源なども設置されているテーブル席。


    壁の向こう側は「RELAX AREA」。
    複数人で利用できるテーブルやソファ席などゆったり過ごすことができる。自然と会話が生まれるような空間を目指し、家具の設計や選定においては、とくに距離感を意識したという。

     
    カウンター席はバーのような感覚で利用することもできる。

     
    ソファ席からカウンターキッチン側の見返し。

    佐野健太氏
    「設計で大切にしたいと思っていることは、その空間を通じて人々の間につながりのきっかけをつくりだすことです。基本的に日本をベースに活動をしていますが、これまでのキャリアのなかで台湾とのつながりがとても深くなりました。今後も今回同様両国の掛け橋となれるようなプロジェクトに携わることができればと考えています」

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    前田紀貞(前田紀貞アトリエ)+白石隆治(RS STUDIO)による横浜の住宅「NOSTALGHIA」を見学してきました。


    敷地面積135m2、延床面積101m2。鉄骨造2階建て。


    引いていくとこのように傾斜地の畑が広がる。横浜の、それも東横線の駅から10分程でありながら奇跡的な環境だ。



    エントランス側へ。当日は外構の工事がまだ行われていてたが、ピロティの下は駐車スペースになる。


    エントランスからすぐに広いワンルームのLDK空間。1階には他に小さな書斎がある。


    室内には何段かのステップよって高低差が付けられている。


    そして大開口の向こうには “ご近所” がない景色が広がる。




    ステップはそのまま外のテラスに連続し、、、


    それは周囲のランドスケープに呼応するように設えられているのだと理解できる。テラスから眺める、季節毎に移ろう景色はライブ感抜群だろう。
    畑は複数の地権者が所有しており、生産緑地に指定され、広い道路に接していないなど、簡単には開発されるこはないと推測される。


    2階へ上がる階段は突如黒くなる。その前に天井から垂れ下がるものは何か?と思われるだろうが、その「何これ?」が正解だそうだ。
    ここに住まう子どものが「何これ?」と疑問に思い、触れ、考え、様々に想像するのだ。


    黒い壁と黒いチェッカープレートの階段室を上がっていく。




    2階はそのまま黒の別世界だった。開口からの明かりが差し込んではいるが、明るい1階からここへ来ると、脳がリセットされるような不思議な感覚になる。
    左の隙間は「籠もり部屋」。通常であればこの分を個室に含めたいところだが、これも単調にならない住空間をつくるためだ。


    廊下の奥から。壁は黒板塗料なので、子どもの自由な創作スペースでもある。
    左に水回り、奥が主寝室、右が子供室。


    水回りは真っ白に。


    全面FRP防水で、至るところに手の込んだRが付けられている。


    洗面周りもRを多用して全てFRPだ。


    子供室。借景の緑が望めるいい環境。


    主寝室からはバルコニーに出られる。回遊型のバルコニーで浴室や廊下からも通じている。当然子どもが走り回れるようにだ。


    バルコニーからは敢えて背の高い金網を張り、1階とは異なる風景の見え方を演出した。


    前田紀貞さんと、協働の白石隆治さん(RS STUDIO)は長年前田アトリエのチーフを務めていた。
    「お施主さんは時間を掛けこの敷地を見つけ、我々に唯一無二のもを期待されました。ここから広がる記号化されていない景色を見て、周囲と一体化しながら建築自体も記号化されていないものを作るべきだと思いました。溶けた階段をはじめ、ステップは並行でなければ、壁は直角でなければ、廊下は真っ直ぐでなければ、などといった既成の当たり前を排除し、お子さんの記憶が熟成されてゆくに最も敏感な時期に、濃密な匂いが建築自体から滲み出てくることを期待して計画しました。」

    【NOSTALGHIA】
    建築設計:前田紀貞アトリエ+RS STUDIO(白石隆治)
    構造設計:梅沢建築構造研究所
    施工:和田建築

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    竹尾見本帖本店で10月6日から開催の「紙のかたち展2 ふわふわ、ごろごろ、じわじわ」に行ってきました。
    萬代基介、中山英之 + 砂山太一、猪熊純の3組の建築家が「紙のかたち」をテーマに作品を制作。企画・ディレクションは中﨑隆司、グラフィック・会場構成は田久保彬。



    2015年の「紙のかたち まるめる、かさねる、ひっぱる」に続く「紙のかたち」展シリーズの第2弾。


    「ふわふわ」「ごろごろ」「じわじわ」という言葉が浮かぶそれぞれの表現を通して、新しい紙の可能性を探る。


    〈ねり紙 - ふわふわ〉 萬代基介
    紙を手で "ねる"ことで形を自由に作れる粘土のような紙。


    和紙に細い針金が漉き込んである。(会場限定で1枚1,500円で販売もしている)




    捻ったり、つまんだり、曲げたり、何かに押し当てて型を取ることもできる。


    萬代基介さん「何でもできるので沢山作ってしまいました。会場にはサンプルもあるので実際にねってみてください。」


    〈かみのいし - ごろごろ〉中山英之 + 砂山太一
    紙の主な用途は印刷物とパッケージ。印刷と立体。それならば、と伝えるべき情報や、包むべき商品がない、ありふれた石をスキャンして印刷し、展開図を工夫して立体にしてみた。


    6種類の石は高精細に撮影し、25面体に分解。それを組み立て可能なように展開図に落とし込んだ。


    実際にスキャンした石はこんなにも小さい。
    右は組み立てキットで、会場限定販売18,000円。


    日常の中に石を置いてみた写真も。


    中山英之さん(右)、  砂山太一さん(左)
    「はじめイチゴなどフルーツも考えましたが、拡大すると単に大きなイチゴにしかなりません。でも石は拡大しても石のままなのが発見でした。」


    〈光の残像 - じわじわ〉 猪熊純
    紙を、光や時間といった物質ではないのもを表現するメディアとして捉えた。


    感熱すると色がなくなる特殊塗料が塗られた紙でできた箱型の筒に蛍光灯が光る。


    時間が経ち蛍光灯は消えるが、感熱した部分は光の残像のように残る。


    それもやがて時間の経過と共に消えてゆき、元通り青くなる。


    猪熊純さん(右)と、スタッフの長谷川駿さん。
    「この照明に完成はなく、光の残像と、ゆっくりと変わる呼吸のような変化を楽しんでもらえればと思います。」

    (※紹介した全ての作品は、出品者がその知的財産権を保有しており無断で模倣することはできません)
    [Each designer retain the intellectual property rights in all the works introduced here. Reproduction or imitation of these works without written permission is strictly prohibited.]

    【紙のかたち展2 ふわふわ、ごろごろ、じわじわ】
    会期:2017年10月6日〜12月1日
    会場:株式会社竹尾 見本帖本店2F(千代田区神田錦町3-18-3

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    伊藤暁(伊藤暁建築設計事務所)による「横浜の住宅2」を見学してきました。
    2014年に完成した伊藤さんの自邸から至近で、工務店からの紹介だったという。


    敷地面積166m2、建築面積68m2、延床面積106m2。木造2階建て。
    傾斜地の住宅街で、北側には比較的人通りの多い生活道路と神社の森に面している。


    正面から見ると反対側まで見通せる開口がある。


    敷地は接道より1mほど下がっている。


    玄関は土間になっており、そのまま南側の庭まで通じ、遠くまで見渡せる風景と、後ろは神社の森だ。吹き抜けと天井までの大開口で、建物の断面をつくっているようだ。


    玄関扉と、庭側の扉は1階天井まである高さ2.9m。南アフリカ人の施主はこの扉を見て「Big is good!」と言ったとか。


    南北に門型フレームを構築し、東西に広い(長い)空間を持たせた。それをこの土間・吹き抜けで分節し、空間を緩くゾーニングした。


    土間はL字に展開し、奥はキッチンに直通。箱型の収納は上着などを掛けるクローゼットで、靴は縁の下にしまう。


    振り返るとAVルーム。後ほど施主の自主施工により正面の壁はプロジェクター投影用に白く塗装される。


    門型のフレームが奥へ連続する。


    土間を渡りフリースペースと奥にDK。


    フリースペースで左を見ると寒冷紗を使ったのオリジナルの簾戸が。


    太鼓貼りされているのでモアレ越しに神社の緑と通りを行く人がうっすら見える。


    右を向くと庭に面して全面ガラスなので、ここも南北が開口で抜けていることとなる。


    キッチンは広い作業台とたっぷりの収納。DKの中心には柱が立つが、ダイニングテーブルが置かれるので気にならなくなる。


    DKから振り返ると南北だけでなく、東西にも抜けているのが分かる。


    キッチンの奥から。仕上げる必要のないところは仕上げない(コストを抑える)、伊藤さんの流儀。


    森と街、家の境界を土間がバッファーとして調停する。密度のある魅力的な風景は、細かな操作がなされた結果だろう。


    DKから庭に出ると雁行する小気味よいテラスやバルコニーが現れる。左に植わるミカンは、土地の売り主さんから美味しい実が生ると教えられ残した。もう少しで収穫だ。


    2階へ。グローゼットは完全に階段の一部と化している。

    潔い手摺のディテール。



    吹き抜けの土間は、2階では渡り廊下で子供室へ接続されている。門型フレームの様子が分かりやすい。
    左右の、大壁なのか真壁なのかよく分からない不思議な納まりを見せる壁を伊藤さんは「三六判の石膏ボードがここまでくるならここでいい。この後塗装されるので、パネルを貼ったみたいで面白い。」と話す。


    子供室の壁も施主やお子さんが自身で塗装するそうだ。
    右手奥に見える白い箱はトイレ、さらに奥に水回りと主寝室の扉が2枚。


    主寝室。バルコニーからは谷側なので隣家の屋根の上を見渡すことができる。


    ウォークインクローゼットには水道管と排水管が。


    回り込むと洗面台だった。


    伊藤暁さん(右)と、大阪から見学に立ち寄った前田茂樹さん(左)。
    「南アフリカ出身のご主人はとても豪快で、大きな空間を中も外も全部開け放つような住宅を望まれました。奥さまのご意見も調整しながら大きな気積でありながらも、空間を程よく分節し、おおらかで変化のある住宅を提案できたと思います。」

    【関連記事】
    伊藤暁自邸「横浜の住宅」

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