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    エイベックスの新社屋が東京・南青山に完成し12月1日にグランドオープンした。
    構成は1階エントランスホール、2階コワーキングスペース、3階会議室、4階〜5階各種スタジオ、6階〜16階オフィス、17階社員食堂。



    建築設計・施工は大林組、1階〜5階と17階のプロデュースはトランジットジェネラルオフィス、6階〜16階オフィスフロアの内装を岡村製作所が手掛けた。その他にも、乃村工藝社、Jamo Associates、CEKAIなど、インテリア、アート、グラフィックの各界で活躍するクリエイターを起用し、外観からは想像がつかないデザインコンシャス・オフィスに仕上がっている。


    青山通り沿い、元々この場所に建っていたエイベックス本社ビルの建替えである。周辺のビルと比べても高層なのがわかるが、それもそのはず、港区で建築物の高さ規制が始まる直前、最後のチャンスだからと100m超えのビルを目指したという。

    それでも圧迫感がないのはセットバックしているから。ゆったりとした公開空地を設けている。※新情報によると、ここに高さ12m、総電飾4万5千個のイルミネーションを点灯するクリスマスツリーが間もなく設営されるとか。

    エスカレーターで2階へ上がると、エイベックスの新ブランドロゴ "a"型のレセプションカウンターが迎えてくれる。

    高さ3.5mのステンレス製だ。


    レセプションカウンターからエントランス方向の見返し。右側がオフィスへの入口。左側はコワーキングスペース「avex EYE」への入口。


    2階〈avex EYE〉
    スタートアップ企業が入居したり、イベントスペースとしても利用される。設計はDAIKEI MILLS(1階エントランスエリアや2階レセプションエリアも担当)。
    絨毯の柄を含むグラフィック、アートは若手クリエイティブ集団CECAIが手掛けている。


    連続する窓にはクヴァドラのカーテン。HAYの椅子と色合いを重ねたような淡い色彩で、やわらかく採光とビューを取り入れる。

    オフィスフロアへ。


    3階 〈THE SESSIONS〉
    乃村工藝社がインテリアデザインを手掛けた会議室フロア。グラフィックとアートはCECAIが担当。ハイカウンターの後ろのアートは、"人が集まりつながる場所"という新社屋のコンセプトから創作されたもの(青い線をなぞるように目で追うと人のかたちになっているのが分かる)


    会議室は計11室。静と動を表す青と赤のグラフィックで構成。入口から赤の暖色系、奥に行くにつれて、青の寒色系となる。


    社内外の人がセッションするためのプラットフォームとして議論も気分も盛り上がるようなデザインを意識したという。


    11階 執務フロア。
    フリーアドレス制。リボン状の長いメインデスクが、ベンチ、ハイ、さらにトンネルになり、高さを変えながらオフィス内を横断している。このデスクを中心に、ミーティングスペースや集中して作業ができるスペース等がフロア内の各所に散りばめられている。
    各階ごとにデザインテーマがあり、11階は「Mad&Pure」。


    中央には大人数でのミーティングや説明会等を開催できる広々としたエリアが用意されている。


    13階 執務フロア。
    一筆書きデスクはこちらにも。6階から15階すべての階に共通で設置されており、両端がそれぞれ上階・下階へと伸びるデザインになっている。1本のリボンで10フロアが途切れることなくつながり、約1500人の社員を結びつける様子を表現しているという。


    ミーティングエリア。
    13階のテーマは「fun」。 


    休憩エリア。隣接された黒いボックスの楽しげな絵が目を引く。


    黒板コートされているボックスだ。各フロアに2つほど設置されており、それぞれ個性的な絵や文字が描かれている。"何か書ける場所が欲しい"というエイベックスの要望により、クロークやコピー機エリアなどに取り入れられた。


    17階 社員食堂〈THE CANTEEN〉
    インテリアデザインはTRUNK(HOTEL)を手がけたJamo Associates。
    アメリカの西海岸のイメージした空間は、さまざまな用途を想定し、ホテルラウンジ、広場、アジアンダイニングなど6つの異なるテーマでエリア分けされている。植栽のコーディネイトはSOW atelierが手掛けた。


    全体的にウッド素材を多く用い、屋外で使っているような家具を配置することで開放感のある空間に。 「ここは僕らの得意分野ということもあり、特に振り切りました」とトランジットジェネラルオフィス代表の中村貞裕氏。


    トンネル風の半個室も。

    商談利用など外部の人も一緒に気軽に利用することができる雰囲気を目指したという。

    avex新オフィスビルの設計が始まったのは4年前。当初は島型の執務フロアで構成される一般的なオフィスの予定であった。社内の構造改革に取り組むなか「会社が生まれ変わろうとしている今、新社屋は本当にこれでいいのか?」という社長の投げかけから、急遽1年前にインテリア設計プランが変更されたという。これからの働き方やエンタテインメント業界を取り巻く環境の変化を反映したエイベックスの新社屋プロジェクト。建設中のレコーディングスタジオ・レッスンスタジオや、「HALL OF FAME」と名付けられた廊下を利用したトロフィーの巨大ショーケースなど更なる見所の完成が待たれる。


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    13回目を迎えた年末恒例の「モダンリビング大賞」授賞式に行ってきました。


    年6刊発行されるモダンリビングにはトータル150作品ほど掲載される。各号の読者アンケートで最も支持を得た6作品をベスト6とし、その中からWeb投票によって、さらに年間最も支持を得た作品が「モダンリビング大賞」となる。賞は設計者と施主に贈られる。


    今年の会場は南青山みゆき通り沿いにあるMinotti(ミノッティ)Aoyamaショールーム。


    1〜2階のフロア全てを借り切って会場となる。




    2階にステージ。はじめに志水りえ編集長からベスト6の紹介があり、そのほかの各賞の発表などが続き、会の終盤に「大賞」と「準大賞」が発表された。


    【モダンリビング大賞】
    照葉の家/NAP建築設計事務所/中村拓志+谷口幸平+山口貴司


    借景によって、都心の住宅地に建つとは思えない緑あふれる住まいを実現した家。マンションが建つ建物南側はあえて閉じ、公園側にあたる北と東を大きく開いた。屋根に傾斜とカーブがあるのは、隣接する大きなクスノキに光が当たるようにするため。これによって、木々は南からの光を受け、北向きの窓からより瑞々しく目に映る。大きな開口から緑の香りまで入ってくる、深呼吸したくなるような都会のオアシスが誕生した。
    (photo:傍島利浩)


    中村拓志さんと、施主ご家族。


    【モダンリビング準大賞】
    熱海の別荘/坂倉建築研究所/坂倉竹之助+藏田好博+北山修


    床から天井まで伸びる大きなガラス開口の先に広がるのは、美しい海と空の境界線。都心に暮らす建て主のリフレッシュのためのセカンドハウスは、日常を忘れるような雄大な景色を堪能することにすべてがフォー カスされている。海に向いた東側だけに用いた開口、海の色が映える白を基調としたインテリア、太平洋と一体化するようなインフィニティプール――美しい自然と静かに対峙するための白くニュートラルな空間だ。
    (photo:川辺明伸)


    坂倉建築研究所 北山修さん。


    【ベスト6】
    VILLA on the park/Mアーキテクツ/前田康憲+髙山建人


    公園と道路に面した立地で、「プライバシーが守られた開放的な住空間」を望んだご夫妻。完成したのは、 広いテラスとLDKがボーダレスにつながるアウトドアリビング。24畳のLDKに対し、テラスもほぼ同等の22.5畳を確保し、これらをつなぐ間口9.1mの大窓を開けると、50畳近い大空間が生まれる。米杉の天井、水平ラインが際立つ開口部など、細部は和の雰囲気も感じる端正なデザイン。のびやかで美しい住宅だ。
    (photo:川辺明伸)


    前田康憲さん。


    【ベスト6】
    URO house/建築設計事務所バケラッタ/森山善之+竹内典子


    敷地全体を高い壁で囲い、その中心に置いたL字型の中庭に向けて各部屋を開いたプラン。中庭の周囲はほぼガラス張りで、3階からは住まい全体を見渡すことができる。さらに、ほとんどの部屋が外部空間と開口でひと続きになっているため、敷地面積以上の開放感がある。中庭にはグリーンと合わせてラグジュアリー な外家具を多数配置した。視界に入る景観すべてを美しくコントロールできるのも、壁で囲う利点の一つだ。
    (photo:下村康典)


    森山善之さん。


    【ベスト6】
    YU Residence/松山建築設計室/松山将勝+野崎泰一


    中庭をぐるりと囲む「ロの字」型の平屋の住宅。外からは無機質にも見えるが、和風の中庭には、赤石を中心にアオダモやシラカシなど落葉樹が植えられ、日本の 四季の移ろいを楽しめる情緒ある空間が広がっている。中庭を挟んで北側は子供世帯、南側は親世帯の二世帯住宅。中庭の長手と短手にリビングとダイニングを振り分けて配置したり、アウトドアキッチンを設けたりと、さまざまな角度から庭を楽しめるよう配慮されている。
    (photo:傍島利浩)


    松山将勝さん。


    【ベスト6】
    villa OJU/エムズ・アーキテクツ 高橋昌宏


    世界最高峰の水まわりブランド、ボッフィのキッチンを中心にプランニングされたヴィラ。天井まである大開口から浅間山の景色が目に飛び込む絶好の場所に、コの字型のキッチンを配置。そこを起点に、ダイニング、リビングを配した。オーク材の床や窓枠、外装のレッドシダー材など、キッチンの木の面材に合わせて全体をデザイン。周囲の悠然とたたずむ大自然に呼応するような、ナチュラルかつ端正なヴィラが誕生した。
    (photo:山本育憲


    高橋昌宏さん


    モダンリビング編集部。左は編集長・志水りえさん、右は発行人・下田結花さん。
    創刊66年、7年連続の増収増益、かつ史上最高の発行部数だったそうだ。


    中村拓志さんと志水りえさん。

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    トラフ建築設計事務所による港区北青山の「増永眼鏡 – MASUNAGA1905 AOYAMA」リニューアルオープンお披露目会に行ってきました。外苑前駅から3〜4分程歩いたキラー通り(外苑西通り)沿い。
    増永眼鏡は1905年、増永五左衞門によって福井に初めて眼鏡産業を持ち込み創業した、高級眼鏡フレーム製造販売の老舗。



    2002年、美術家サイトウマコトの設計による、初の直営店として建てられた店舗の内装のみをリニューアルした。


    正確には外の看板も行灯型に付け替えた。建物の大きな特徴はスチール製の太めのルーバーだ。


    間口3m、奥行き12mの細長い店舗に入ると、片側一面に整然と並ぶ軽やかなラックが目に入る。


    バーチ材の素地色と、コーポレートカラーの濃紺を基準に、徐々に淡くなるブルーのパネルをディスプレーウォールに配した。パネルの目地を利用しスチール製のラックが取り付けられ、150の商品を並べることができる。


    1階の奥には加工室。高度な加工技術をもつ増永眼鏡の作業風景もディスプレーのようにつぶさに見ることができるようにし、製品のクオリティや信頼性をアピールする。


    既存ではスチールの折板階段だったが、店内の見通しを良くするために蹴込みのない木製の踏み板のみに。また中央に3階までを貫く壁を立て、販促ビジュアルを掲示できるようにした。


    ナチュラル色の多い1階からクールな印象の2階。


    2階では木の素地色をなくし、ブルーのみのグラデーション。


    パネルは木目が出るようにバーチを選んだ。さらに顔料ではなく、染料を使うことで着色しても目はじきし木目が見える。
    ラックは固定式にした。付け替えができると無限の組合せが生まれ、店頭で過度の負担が発生してしまう恐れがあるからだそうだ。


    実は所々隠し引き出し。


    当日はインテリアに合わせたカクテルが振る舞われた。


    商品の眼鏡を掛けて撮影に応じてくれた鈴野浩一さん(右)、禿真哉さん(左)。
    「丁寧なものづくりを貫く増永眼鏡の製品を、1点1点大切に見せることを心掛けました。また限られた空間を広く見せるために各所に効果的に鏡を配置し、階段も軽やかな構造で空間に広がりを与えました。錆色のファサードの隙間から青味のあるデスプレーウォールが外装としても現れ、両者の間に曖昧な境界を生みだしています。」

    【MASUNAGA1905 AOYAMA】
    内装設計:トラフ建築設計事務所
    オープン:2017年12月8日
    場所:東京都港区北青山2-12-34


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     小堀哲夫(小堀哲夫建築設計事務所)による福井市の「NICCAイノベーションセンター=NIC」を見学してきました。福井駅から北西へ2.5kmほどの場所。
    NICCA(日華化学株式会社)は繊維加工用界面活性剤の製造・販売を中心とした、業務用洗剤、化粧品、バイオ事業などの化学製品メーカーで、1941年からこの地に本社を置く企業。


    敷地面積12,400m2、建築面積2,600m2、延床面積7,500m2。S造4階建て。
    敷地の中には幾つかの棟があり、表通りに面した研究施設を建て替え・増築した。


    以前の研究施設。敷地一杯に高い塀を立て、工場然とした雰囲気で、周囲に広がる住宅や店舗との距離感を感じる。(phpto: google map)


    塀を取り払い、盛り土をして多くの緑を街へ還元。ランドスケープはスタジオテラが担当。


    1階は地域にも開くパブリックペースのため、賑わいが外へも感じられるようにした。2階以上は研究施設としての機密性も求められる、相反する条件をルーバーや深い庇でクリアした。透けるようなファサードで圧迫感も軽減している。


    エントランス。


    NICはこれまでの研究施設としての概念を覆し、智恵と技術をグローバルに交換できる「バザール」をテーマとする。特に1階はパブリックスペースとして社員はもちろん、クリエイター、学生、地域住民などが集い、賑わいの中で刺激的なことが起きることが期待される。

    エントランスを入って直ぐは自社製品の展示など。什器は地元福井の杉で製作したものだが、地下水が多い土地柄から鉄分を含みやすく、赤茶の筋が入ることがあるという。通常廃棄される材をうまく意匠として利用し、高級なチーク材のように見せた。

    もう少し奥へ進み「コラボレーションスクエア」。バザールの中で多様な人が意見交換をできるエリア。ガラスで囲われた "個室"もある。


    カフェスタンドも。右奥には半パブリックな実験室や分析室がある。

    さらに奥は「ガーデンスクエア」と呼ぶ多目的スペースが広がり、左の開口から庭のテラスに連続する。普段は社員食堂として機能する。

    ホールは2層吹き抜け空間。講演会や学会、シンポジウムなども対応可能で、今後様々な企画が計画される。この日は小堀さんなどのプレゼンテーションが行われた。
    このキューブ空間のサイズは7m×8m×9m。この「広場」に見たてたコモンズが建物内に3つ立体的に配され、人や情報が活発に交錯するよう計画されている。

    2階へ。ここからは研究施設としてのプライベートエリアで、セキュリティゲートが見える。

    階段を上がって左に回り込むとフリーアドレスのオフィススペースで、2つ目のキューブ空間(コモンズ)になる。右手に巨大なホワイトボードが見えるが、研究者がいつでも自分のアイデアなどをプレゼンしながら議論できるようになっている。
    左手にガラス張りの実験室がファサードに沿ってレイアウトされており、様々な実験設備なが並び撮影はNGだ。

    オフィスの奥から。1階から階段が延び、中央で3階、4階へと上がり渡り廊下で社長室へと通じる。来客者は社員の仕事ぶりを眺めながらコモンズを巡るように上階へ上がり、社長室へ。逆に社員はどのようなお客さんがいつ訪れたのか把握でき、会社がどのような仕事をしているか知ることが出来る。


    1階ホールは一部4層の吹き抜けで自然光が入るようになっている。

    設備用配管はバルコニーに出した。ファサードのルーバーはアルミ押し出しの長尺材を使うことで、支持フレームを省き意匠的にすっきり見える。またルーバーは交差させることで懐が深くなり、斜めからは見えにくく、東からの角度の低い太陽光を和らげることができる。

    3階へ。そろそろ天井のルーバーに触れなければならない。この建物は長手(このカットの左右)が南北で、ファサード面が東になる。光・熱・空気が大きな環境要素であるが、先ず大きくはトップライトから光を柔らかく均質にするためのルーバーだ。


    RC製ルーバーの断面は菱形になっており、バウンドした光が間接光のように注がれる。直射日光は夏至の前後2ヶ月だけ細く差し込むようにしたが、それは年間の晴天率が低い福井で、日光によって季節の移ろいも感じてもらうため。さらに福井の豊富な地下水をこのルーバー内に循環させ太陽熱を取り除き、有効な光のみを獲得できる。


    さらに地下水は構造用の巨大壁柱や、周囲の壁や床にも通され、易しい輻射冷房となる。もちろん冬は蓄熱式の温水によって輻射暖房とし、送風による冷暖房の不快さをなくす。


    「自然環境を取り込むことで生産性が上がることは、今までの研究施設を手掛けた中で実証されている。」と小堀さん。

    3階の3つ目のキューブ(コモンズ)もフリーアドレスオフィスで、トップライトに近いため光量が多くなる。
    デスクはオリジナルでオカムラが製作し、自由にレイアウトを変化させることができる。デスクの間に立っているものや、左に見えるものなど、照明計画・デザインは岡安泉が担当した。左の照明は夜天井を照らし柔らかな間接照明空間を作ることができる。

    概ね社員は空間の内側であるコモンズを行き来するが、研究や考え事に集中できるよう周囲にも通路や小さな籠もりスペースを設けている。

    階段の周囲にはカフェスペースや、、

    ライブラリースペースなど、寛げる空間も至るところに散りばめてある。

    4階へ。渡り廊下を渡った左に社長室。右に会議室。

    キューブを中心に様々な吹き抜けやバルコニー状の空間が、立つ場所により無限に変化する。どこからでも撮影できるため立ち位置を絞り込むのは苦労した。

    4階にはほかに幾つかの大きさの会議室や、オフィススペースが並ぶ。

    一番上まで来ると、トップライトはキールトラスで構成されていることが確認出来る。このキールにより4階が吊られている。
    そして空間に柔らかさを与えているテキスタイルは安東陽子が担当。

    安東陽子さん。「淡い光が易しく拡散するように求められました。重ねた2枚の布がよく見ると複雑なモアレを生みだし、ドットで軽やかな意匠にしました。」

    スタジオテラの石井秀幸さんと、野田亜木子さん。「中の賑わいを外に見せられる場所と食堂は見えないようにと、抑揚のある盛り土と、植栽の粗密によって変化を持たせました。高木も植えたので時間が経てばかなり雰囲気が変わるはずです。また敷地の傾斜を利用して小川を作り、地下水を流して夏期には涼しい風が屋内届にけます。落葉の清掃が必要になりますが、社員さん達は積極的に街の美化に取り組んでいると伺ったので、庭も手入れをしていただけるだろうと確信してこのようにデザインしました。」


    小堀哲夫さん。「新しい働き方の模索、働き方の意識を変えるために3年もの間、様々なワークショップを重ねてきました。ここで働く全てのひとの視線や動きが、立体的に連続するキューブ空間を交錯します。がやがやと賑かで人や情報が行き交うプレゼンテーションや議論の場であり、研究の場でもある、働き方がそのままミュージアムとなるオープンイノベーションセンターです。環境としては光・熱・空気をアラップと徹底的にシミュレーションし、究極のエコロジーを目指しました。」

    【NICCAイノベーションセンター】
    設計・管理:小堀哲夫建築設計事務所
    構造:ARUP
    設備:ARUP
    ランドスケープ:スタジオテラ
    テキスタイル:安東陽子デザイン
    照明デザイン:岡安泉照明設計事務所
    施工:清水建設

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    原田将史+谷口真依子(Niji Architects)による目黒区の「扉の家」を見学してきました。


    敷地面積74m2、建築面積34m2、延床面積64m2。木造+一部RC造。
    ご覧のように都市部でありがちな旗竿敷地のため全貌はよく見えないが、扉を開けたように迎えてくれるメッセージは瞬間的に伝わる。

    ヒンジは付いているのかとかなり期待してしまうが、さすがにそこまでは難しいようだ。しかし旗竿の奥で「いらっしゃい!」と家が言っているようなアイデアは秀逸だ。


    (photo: Niji Architects)


    反対側から見るとこのように。北側斜線に合わせた鋭角な切妻ボリュームだ。しかしこの光景も手前にもうすぐ住宅が建つので見えなくなってしまう。


    玄関ポーチ。半地下があるようで、1階玄関へは半階上がる。


    この「扉」は人を呼び込むメッセージと共に、プライバシーの保護、風や光の引き込み、そして物理的に構造壁でもあり、防火壁でもある。
    左の開口からはオリーブの木が覗くようにする予定。


    玄関から。左に主寝室、奥に水回り。北側の隅に階段室を通じて光が差し込むようになっている。


    玄関の見返し。玄関外のデッキから面一で寝室まで連続する。


    主寝室。梁を現しにして意匠とした。
    「外壁の開口をもっと小さく “窓” のようにしなかったのは?」と質問すると、「居室の採光面積をクリアするため」だそうだ。つまり右の連窓は外壁に閉ざされ採光面積に算入できず、玄館ホールに延びるフローリングも居室扱いとして、全面ガラスの玄関引戸越しに外壁の開口を算入しているのだ。


    洗面、トイレ、浴室はワンルームに。各部は仕切られるようにカーテンレールが備わる。


    子供室は半地下といっても180cmほど掘り下げた。将来二部屋に分割できるようにもなっている。
    螺旋階段の手摺と、ささらに当たるフレームは一筆書きで繋がっているこだわり。


    2階LDK。南側に横連のトップライト。曇天だがかなりの光量だ。
    "扉"で開いた部分はデッキ貼りのバルコニー。


    防火壁でもある "扉"により開口部の殆どは防火設備でないフロントサッシュの使用が可能になり、開口サイズに合うサッシュで開放出来るようになった。


    かなりコンパクトな平面のため、上へ広がる気積は重要だ。晴天時の採光は竣工写真を楽しみにしたい。


    バウンドした光が上からも横かも入ってくる様子がよく分かる。
    バルコニーの上は収納などにも使えるエクストラスペース。黄色く見えるのはカーペットが反射しているため。


    開いた扉は迎えるだけでなく、住み手の意識を外に向ける効果もある。掃き出しで連続するバルコニーはアウターリビングとして活用されるだろう。


    原田将史さん、谷口真依子さん。「ここは分筆された分譲地の奥の奥、周囲への開口はあまり期待できないため色々考えました。とてもオープンなお施主さんで、人だけでなくコトも招き入れたいという思いが強く、敷地の性格も相まってこの形が生まれました。」


    【扉の家】
    設計・管理:原田将史+谷口真依子/Niji Architects
    構造設計:オーノJAPAN
    施工:山菱工務店


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    手塚貴晴+手塚由比(手塚建築研究所)による東京 駒込の「勝林寺 客殿・庫裏」を見学してきました。
    1年前(2016年)、本堂・納骨堂が完成し本ブログでも紹介したが、今回はその隣に客殿・庫裏が完成した。


    敷地面積3,034m2、建築面積140m2、延床面積464m2。木造 + 一部RC造、地下1階、地上3階建て。
    左が客殿・庫裏、右が本堂・納骨堂。客殿とは来客や、檀家が法事などで集まる場所のことで、庫裏(くり)とは住職とその家族の住まいのこと。

    既存状態(Google Map)


    墓地側から。防火地域と準防火地域にまたがる敷地であるため、通常は庫裏も本堂もRCや鉄骨で造りがちだが、手塚さんと住職は木造にこだわった。


    お墓の中に格子状の外観が良く馴染む。


    漆喰の壁が汚れないよう、庇と裳階(もこし)を複数掛け、伽藍としての佇まいを大切にした。


    1階・2階が客殿、3階が庫裏。前庭はほぼ完成したが、植栽や灯籠が未完だ。


    玄関は三和土(たたき)、壁は漆喰、柱・梁は渋墨色の塗装仕上げ。
    梁は本堂でも採用した二重梁だが、サイズが少し小さい。


    玄関の左は寺務所。板戸が多用されている。


    反対側の多目的室へ。


    奥の多目的室から見返す。2部屋を仕切ることも、開放することもでき、フレキシブルに使えるようになっている。


    片隅には井戸が。この建物が建つ前からあった井戸で、そのまま建物内で活用するという。
    木造準耐火建築物であるため、燃え代設計の太い柱が確認できる。


    2階へ。


    2階は総和室だ。主に法事や、お坊さんの集まりなどに使われる。奥から6、8、6、6畳間があり、4部屋は襖・障子を開放し大広間にすることもできる。


    書院は二部屋ある。炉畳が見えるが、臨済宗では茶事を大切にするためだそうだ。


    障子を閉めた状態の畳廊下。


    厨房。大勢集まることもあるのでかなりの規模だ。


    3階の庫裏は非公開だったが、1階と同様の板の間と板戸で構成されたシンプルな空間だった。
    屋上の塔屋も手を抜かず建物に完全に調和したデザインだ。


    屋上から本堂を見る。


    2階の簾越しに本堂を見る。


    1階へ降り、客殿と本堂の間に接続されたスロープの渡り廊下で本堂へ。


    本堂。(前回の記事に詳しい


    昨年訪れたときと異なるのは、この須弥壇(しゅみだん)と香台が出来上がっていることだ。どちらも手塚事務所でデザインした。装飾を極力排した本来(平安時代)の須弥壇に近い形だそうで、カリン材でできている。因みに本尊は現在も修復中で仮の本尊が鎮座している。


    本堂地下の納骨堂へは、客殿のエレベーターからユニバーサルアクセスできる。


    改めて納骨堂へ。


    前回訪れたときはまだ制作中であった合葬壺が完成し、中央に置かれていた。

    手塚さんは「このプロジェクトでこだわったのは準防火地域での木造です。RCにすれば何の苦労もありませんが、ここで木造3階建てにすることは大きなチャレンジでした。木造であれば手入れをきちんとすれば数百年もちます。そして木造の客殿・庫裏の佇まいは今は少なくなってしまった寺町の雰囲気を取り戻すためにも重要なのです。」

    また住職は「この本堂、客殿・庫裏を建て替えるにあたって、檀家さんの寄付も募りましたが、コンクリート造りですと何十年か後に建て替えの可能性がでて、また寄付を募るのは檀家さんの負担になります。もちろん木造のお寺を後世に残したいという強い思いからです。」と話す。


    【勝林寺 客殿・庫裏】
    建築設計:手塚建築研究所/手塚貴晴+手塚由比/担当:杉中俊介、斧田裕太
    構造設計:TiS & PARTNERS
    照明設計:ぼんぼり光環境計画

    勝林寺:www.mannen-syourinji.com

    【関連記事】
    勝林寺 本堂・納骨堂
    山を捕まえる家
    高床の家

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    篠原聡子+金子太亮/空間研究所による鎌倉の長屋「SASU・KE」を見学してきました。(2017年3月)
    敷地は鎌倉駅から10分程の住宅地。鎌倉ではよくある山に囲まれた谷筋の坂を上っていく。「SASU・KE」は土地の名前であると同時に「KE」は「家」の意味を持つ。


    敷地面積499m2、建築面積189m2、延床面積446m2。RC造+一部木造、地下1階、地上2階建て。オーナーの住戸と、賃貸が8住戸からなる。
    敷地は4mほどの高低差があり、大階段で一度上がったところに住戸の玄関があるようだ。


    崖地が迫る敷地ではRC造でなくてはならない特有の条例があるが、ここでもその条例が適用される。法定建蔽率40%、且つ風致地区ということから余白が多く植栽を存分に施した。


    RCの塊が前面に出ないよう、ファサードの木製ルーバーで緑豊かな周辺環境に配慮した。30度、45度、90度の3パターンで角度が付けられ、RC壁への熱負荷を軽減し、開口部では採光や眺望に配慮しながら設置されている。


    ベイマツ集成材のルーバーは動かすことができそうに見えたが、ボルトでしっかり固定されている。


    階段を上ると中庭が現れた。この中庭を「C型」に囲むように住戸の入口が配されている。
    中庭はコモンスペースとして、居住者同士の交流や憩いの場、さらには街と連続することをオーナーは望んでいる。右がオーナー住戸部。
    敷地には様々な木が植わり、中央にはソヨゴ、周囲にイロハモミジ、トクサ、ハイノキ、ツツジ、ナンテンなどだ。


    RC造の躯体の上に木造の屋根が軽やかに乗る。折れ屋根は背後の山並みに合わせた格好だ。


    庭の中央には迷子石のような石がひとつ。この敷地は随分前に寺院があったそうで、工事の際地中から出てきたものを土地の記憶としてアクセントにした。


    北側の105号室へ。変形の敷地からくる変形の平面を持つ。折れ屋根の複雑な表情と相まって、住み手に住まい方のアイデアを喚起させそうだ。左奥は水回り。


    RCの躯体には軒桁がなく壁の展開図が凹凸形状だ。これにより開口が大きく周辺の景色をたっぷりと取り込むことができる。


    軒桁と棟木で枠をつくり、その間に垂木を渡して屋根を支持。棟木は120×360あるので、軒先で必要以上に厚くならないように角度を付けながら細くなり、かつ3方から組み合わさるという手の込んだ大工仕事が見られる。
    この写真のように、棟木をRC躯体に乗せることができない箇所では鉄柱で棟木を支持している。


    中庭の切れ目が大階段で、街と繋がる。
    ちなみに抜けた先に見えるグレー(退色したウリン材)の建物は、当ブログでも以前紹介した手塚建築研究所の「山を捕まえる家」。


    一度大階段を降り101号室へ。この住戸は地下と1階からエントリー可能で、前庭に駐車場もある。


    地下階はがらんとしており、ガレージや店舗として使うことができるようにもした。


    1階は寝室を想定。水回りもこちらに。


    2階はLDK、或いはDKとして。高さの異なる開口から中庭を望むことができる。




    オーナー住戸。ガラス引戸でコモンスペースに開いている。


    1階。階段の下は駐車場に通じており、そこから上がってきて、右の土間が玄関となる。
    天井にカーテンレールが見えるが、手前を仕切って寝室として利用できる。筆者の背後に水回りがある。


    ルーバー越しに見え隠れする鎌倉の景色。


    見上げると三角形の吹き抜けになっていた。


    2階はLDK。向かいと手前の折り屋根がクロスしながら豊かな表情をつくりだしている。


    2階からは大きさや形状の異なる開口が7箇所もあり、そのどれからも同じ景色がない。




    102号室。南側の庭に面したワンルーム。


    103号室。天井に高低差があなりあるL字平面のワンルーム。


    「敷地が周辺よりかなり高いので、ここでコンクリートの大きなボリュームが立ちはだかるようにならないよう配慮しました。そしてこの高低差によって敷地と街が分断されかねないので、大階段や店舗利用もできる住戸を配し、街と建築、住み手が繋がるような計画としました。」と金子太亮さん。

    【SASU・KE】
    建築設計:篠原聡子+金子太亮/空間研究所
    構造設計:中田捷夫研究室
    設備設計:冨張設備
    施工:リンク・パワー

    【関連記事】
    「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」展
    N.A.S.A設計共同体による「道の駅 保田小学校」


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    浅利幸男(ラブアーキテクチャー)による川口市の寺「持宝院 礼拝堂・墓地」、長崎剛志(N-tree)による石庭「三業の石据」を見学してきました。埼玉高速鉄道 戸塚安行駅から10数分の場所。
    建築家が墓地関連の施設を手掛ける事は良く聞くが、 “墓地” 自体を手掛けたものを初めて見る機会だ。


    敷地面積1,373m2、建築面積110m2。木造平屋建て。
    今回の主役は右の礼拝堂。前庭を拡張するかたちで礼拝堂を新築した。

    改修前の様子。山門の右側に塀と垣根、そして庫裏への通路と車庫があり、閉ざされたイメージだったが、それらを取り払い開放的にしたことがよく分かる。(by Google Map)


    礼拝堂を脇に見ながら、浅利さんにはまず墓地を案内された。本堂の左奥へ。


    今回整備した参道を進んで、浅利さんが手掛けた区画が見えてきた。


    水屋はスチール(溶融亜鉛メッキにリン酸鉛処理)でシンプルなデザイン。


    こちらは「樹木葬」の区画。参道の両脇に納骨棚が22基並び、間に菩提樹が植わる。


    中はこのように。家ごとの納骨棚ではなく48の筒状の骨壺が納まり、脇の御影石に故人の名前が刻まれる。


    背面は御影石が貼られており、墓石のようなデザイン。


    一番奥には骨壺もなしで散骨する合祀タイプ。


    墓地でよく見掛ける碁盤目状だった区画を、大通りと少し入り組んだ路地を組合せ再構成。苑内を巡りながら参拝できるようにした。墓石は苑に合うように基本デザインと黒御影で統一、などリニューアルを掛けたことで、10年で10数区画のみであった永代契約が、半年で一気に100以上になったというから驚きだ。
    将来的には本堂背面から反対側まで、ぐるりと巡る霊園を整備していき、、


    この礼拝堂に回ってくる、という仕掛だ。


    霊園のどちら側からも入れるようピロティーを設けた。


    墨入りのモルタルで仕上げられた濡れ縁が周囲を囲んでおり、、


    表情の異なる庭を眺めることができる。




    礼拝堂。宗教や宗派、国籍に関わらず利用できるようシンプルだ。




    祭壇も浅利さんのデザイン。祭壇背面の壁は和紙。


    夜、外から見たときに行灯になるように、開口を巡るように照明を設えた。


    引戸を全開にするとランドスケープと一体となった礼拝堂へ雰囲気を変える。


    63tの石を持ち込んだ「三業の石据」と名付けられた石庭。「浅利さんからは自由にやらせていただいた。これだけ大きな石を扱えるプロジェクトはなかなかないのでかなり力を入れました。」と長崎さん。


    礼拝堂の凜としたした佇まいと対照的にダイナミックな表情を出した。青、白、赤の石が並ぶ、「トリコロールの庭」が密かに裏コンセプトにあるという。


    この日は夕景まで待ってみた。狙い通り美しい行灯が現れた。


    ちょうどスーパームーンとのツーショットを撮影できた。

    浅利幸男さんは「お寺も時代に合わせた変化が必要になってきています。人口が減少していくなかで、どのように改修すれば良いか困っているお寺が沢山あり、そのお寺の問題点を見つけ出しアイデアを出していきますが、基本的にはそのお寺の本来の姿(小さな改修を重ねるうちに境内に歪みがでてくる)にできるだけ戻します。そしてお寺は地域に開いた存在であることも本来の姿です。」と話す。

    【持宝院 礼拝堂・墓地】
    設計監理:ラブアーキテクチャー一級建築士事務所
    作庭:長崎剛志/N-tree 
    施工:前澤工務店

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    japan-architectsブログ 2017年最も注目された記事ベスト20です。
    当ブログは基本的に事務局が直接取材に伺い、写真や記事はほぼ全てオリジナルで構成されています。あまり専門的に寄らず、どなたが読んでも分かりやすく、あたかも「行った気になれる」ような記事が特徴です。


    1、「GINZA SIX|ギンザ シックス」詳細レポート


    2、サポーズデザインオフィスの新東京事務所+飲食店「社食堂」


    3、永山祐子による「西麻布の住宅」




    5、「そこまでやるか」展 レポート/21_21 DESIGN SIGHT


    6、nendoによる会場構成「草月創流90周年記念 勅使河原茜 個展 – HANA SO」
















    本年もjapan-architectsをよろしくお願い申し上げます。


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    石井秀樹(石井秀樹建築設計事務所)による鎌倉の「仲ノ坂の家」見学してきました。
    鎌倉駅から徒歩25分程、鎌倉駅近くでは比較的珍しい区画整理された住宅団地。


    敷地面積280m2、建築面積112m2、延床面積140m2。木造2階建て。
    黒っぽい "謎の"外壁材と、焼き杉の塀が印象的だ。


    この日はかなり冷え込んだ。担当工務店がコーヒースタンドを出して来訪者に温かい飲み物を提供していた。


    黒い外壁は、リン酸処理亜鉛メッキ板かスレートのようにも見えたが、近づくと見たことのない素材だった。
    ケイミューのセメント板を基材にしたサイディング材で、開発中の製品をモニターとして提供されたそうだが、厚さは5mm程度で非常に味わい深い表情。来訪者がまず最初に「これはなんだ?」と質問していた。


    コンクリート洗い出しのアプローチはポーチ状になっており、屋根はルーバーで間接光が落ちている。
    右側は自転車置き場。


    アプローチは階段を上りクランクしながらまだ続く。


    アプローチの先は吹き抜けの中庭。ここで玄関に到着。


    吹き抜けから引戸をくぐり、さらに吹き抜けの玄関。洗い出しの床はここまで連続する。


    玄関から右に回り込むと廊下が延び、スタディスペース。左側には2つの子供室と間に書棚。床はここで床暖が備わるコンクリートに変わる。


    造り付けのデスクからは先の中庭が望め、勉強するにはちょうど良い優しい自然光が差し込む。


    玄関の方へ戻り左へ回り込むとリビングと、その先にダイニングキッチン。


    土間から小上がりになったリビングは東西に大きく開口する。


    ここで平面図見ていただこう。左側が南で整理された住宅街では、その南面をほぼ全戸が庭として開けているが、この家ではその部分にリビングを配置した。そのリビングの両脇は大開口で、両隣の庭を真っ直ぐ借景、或いは開放的な抜けとして利用することができる。
    さらにプランを十字型にすることで四つ角に庭ができるため全ての室が庭に接続する。このプランを隣近所が全て採用したらどうなるだろうか、、、全ての四つ角に2倍ないし4倍の庭が生まれるのだ。


    東西に抜けたリビング越しに、隣、さらにその隣と長大な庭が連続する。


    180cmと低めの開口は、近隣の2階からの視線を緩く遮り、ソファに掛けたときに空が見える。


    特殊な外壁はそのまま室内に連続し、内外の境を曖昧にする。


    ダイニングキッチンは十字の一翼に位置し、リビングとは同じ庭を共有する。




    中央の黒いコアの(外だが)内部は中庭。そのコアから十字の各翼に棟木が井桁状に組まれているのが分かる。


    中庭が外であるにもかかわらず、黒いサイディングが室内側にあるため内外が反転したような不思議な光景。


    DKの奥から水回りへ。


    石井さんが多用する床埋め込みの浴槽は、日常とは異なる景色を演出する。


    スタディスペースの奥から。


    子供室は鏡像プランで隣り合い、それぞれ別の庭に面して開口する。


    ベッドはハシゴで上がって一つになる。こどもにとってはたまらない演出だ。


    2階はご主人の書斎兼趣味室で、トップライトひとつのみの開口。


    石井英樹さん。「この敷地のように、比較的区画の大きい整理された住宅団地では同じようなサイトプランになりがちです。開発され数十年経ち、建て替えが増えてくる地域でしょうから、この家のようなレイアウトをもし皆さんが取れば、庭を共有するような、より豊かな住宅街にできるプロトタイプとして計画しました。」

    【仲ノ坂の家】
    設計監理:石井秀樹建築設計事務所
    構造設計:野村基建築構造設計
    植栽設計:SOLSO
    施工:中川工務店

    【関連記事】
    石井秀樹 自邸「雪ノ下の家」

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    相坂研介(相坂研介設計アトリエ)による横浜の「本牧の住宅」を見学してきました。
    JR根岸線 山手駅から徒歩10数分の住宅地での建て替えプロジェクト。


    敷地面積267m2、建築面積158m2、延床面積206m2。木造2階建て。白とシルバーの外観が精悍な印象だ。
    敷地は丘陵地で、右側(東)と奥(北)に落ち込んでいる。


    玄関ポーチ。西側は隣家の崖が迫り玄関前が暗くなりがちなので吹き抜けを設けた。また西側崖からの安息角で壁をセットバックしたため、長大な軒下空間が現れた。


    玄関から右はガレージに通じる。その奥にはシューズインクローゼット。階段の1段目と上がり框を同化させ、下足の脱ぎ履きの際腰掛けとなる。
    廊下右にはトイレと、階段下に収納とワインセラー、左奥に水回り、右奥にLDKと続く。
    壁が気持ち厚く見えるのは、不燃化推進地域によりプラスターボードが二重に張ってあるため。


    LDK。南北2面の大開口と、何よりも中央に四角形の吹き抜けが目を引く。


    吹き抜けにはハイサイドライトが設けられ西側からの光を取り込み、ラウンドした内壁を伝ってリビングに導かれる。日が傾いた時刻に訪問したが、西日がちょうど差し込む時間には少し間に合わなかった。


    照明を点けるとこのように。間接照明を多用し光に包まれるような空間だ。


    奥にある小上がりの畳スペースから。リビング、中庭、ガレージ、接道へ一直線と、南に向いたハイサイドへ視線が抜けていく。


    敷地の北と東は崖下になっている。そのためこちら側は安息角に掛かる部分に基礎を打てないので、規定まで基礎をセットバック。そのままでは床面積が十分に取れないので、1階スラブの一部を片持ちで突き出してる。それに合わせこの畳、ダイニング、キッチンが小上がりになっているというわけだ。


    崖の突端にはダイニングを配置し谷を見下ろすポジション。床が上がった分、天井が低くなり、結果景色を切り取るような低目の開口となった。
    施主はこのロケーションを最大限活用出来る建物を望んだ。(既存ではそうはなっていなかった)


    奥さまの好みに合わせたステンレスを多用したキッチン。


    洗面に鏡が多いのは娘さんが2人いるため。脱衣所側と仕切ることもでき、将来に配慮してある。角丸の鏡の周囲にはこの後ワーロンを巻き、より柔らかな光になる。


    2階。フランスでの生活経験がある施主はコルビュジエの、しかもサヴォア邸の大ファンだそうだ。「水平連続窓」、「スロープ」がここで現れた。


    主寝室。「白い壁とパステルカラー」をここから3カット紹介。


    子供室は間にウォークスルークローゼット。両引戸にパステルカラー。


    トイレも。


    一度外へ出てガレージから外部空間を巡ってみる。


    中庭と屋上へアクセスする階段。
    畳スペースの箇所で説明した1階スラブが片持ちされているのが右手に見える。


    階段はもう一つあり、屋上と庭を回遊できるようだ。


    サヴォア邸最後の要素は「屋上庭園」だ。上下の庭を思い切り駆け回ることが出来る「立体回遊性」示唆するように、「シルバーのリボン」が建物をくるんでいるのがお分かりになるだろうか。


    片隅にある水場には家族の記憶を残した。


    廊下にあったスロープは反対側の屋上にも表現されている。




    相坂研介さん(左から二人目)とスタッフ。
    「お施主さんからは、サヴォア邸の要素や、眺望、娘さん二人が『年頃』になってからも住みやすくする、など明確なテーマをいただきました。それらを踏まえ、3方が崖という厳しい条件をクリアしながら、空間を立体的に体感できるような住宅を提案しました。」

    【本牧の住宅】
    建築設計:相坂研介設計アトリエ
    構造設計:馬場構造設計事務所
    施  工:大同工業株式会社

    【関連記事】
    あまねの杜保育園


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    岸本和彦(acaa)による世田谷区の二世帯住宅「House-K」を見学してきました。
    二子玉川駅からバス、或いは徒歩で25分程の住宅地。


    敷地面積315m2、延床面積240m2。地下:RC造、1F:S造、2F:木造。
    地下は車2台分の駐車場と、エントランス、駐輪場が納まり、くびれた1階の上にキャンティレバーでせり出した2階が乗るような構成だ。


    敷地は多摩川沿いに連なる国分寺崖線の一角。この崖線に建つ住宅を幾つか訪問したことがあるが、何れも西に富士山を望むことができた。おそらくこの住宅もだろうということが想像できる2階のデザイン。


    施主からは、シンボル的な造形を求められたという。仕事から帰って我が家を見上げたとき『いいなあ』と誇らしく思えるような建ち姿が一番の依頼だったそうだ。
    二つのボリュームはかなり趣を異にしており、内部ではどのようになっているか楽しみだ。


    格子扉を開けると玄関へ伸びる階段が現れる。


    玄関。天井はレッドシダーの羽目板張りが外部から連続する。


    玄関から左には「玄関の間」と呼ぶ、3面開口のこぢんまりとした部屋。2階のボリューム下のピロティーのようにも感じられる。
    傍らにはフランク・ロイド・ライト名作 "タリアセン2"。


    部屋には書棚が設えられる。腰壁は高めなので、造り付けのベンチに座ると囲われたような空間になり、落ち着いて読書もできそうだ。


    玄関から右は吹き抜け空間を中心に、右手に寝室、水回りが続き、左手に「茶の間」と、奥に子供室。


    同居するのは奥さまのご両親で、寝室は二部屋が中央のクローゼットで仕切られる。


    二世帯住宅といっても子世帯とほぼ空間を共有する完全な同居だ。「茶の間」は畳と箪笥で懐かしい雰囲気。上部に鴨居が見えるが太鼓張りの障子で、吹き抜け空間と仕切ることもできる。

    西側(右)の開口は縁側から濡れ縁と連続する。


    濡れ縁からそのまま敷地の傾斜に合わせて、ほぼ全面に階段状のテラスが広がる(デッキはセランガンバツ)。
    2階に上がらないと見えないと思ったが、1階から既に富士山が望める。


    テラスの一部は月見台のように平らにし、椅子やテーブルを持ち出して楽しむこともできる。
    また2階は、1階の鉄骨によって持ち上げられている様子がよく分かる。左奥に見える白い箱は子供室。

    「ディテールにはこだわった」という岸本さん。


    子供室はスリット窓に造り付けの机が設えてある。

    1階の一番奥には洗面室と浴室、ほかに洗濯室もある。


    2階へ。中央の吹き抜けを挟んで木質の空間と、白の空間に分かれている。右の木質空間はご主人、左の白い空間は奥さまの趣味を反映している。


    外観から見えた白いチューブはキッチンとダイニングだった。壁から天井は漆喰で、床と両側のカウンターはモールテックス。
    東側(左)は隣家からの視線があるため積極的に開口は設けず、この空間は柔らかく包まれるような雰囲気にした。




    DKの反対側は書斎と主寝室。


    DKからリビングへは、色も空間の質も変わるシーンの切り替えとしてスキップで上がる。


    西側の眺望に対して全面開口のリビング。天井はレッドシダー、床はチーク。ライトのタリアセン2、ハンス J. ウェグナーのソファやネストテーブルがよく似合う空間だ。


    リビングは1階と同様太鼓張りの障子で両面を閉じることができる。


    障子を閉めた状態。鴨居の上には隙間があり、緊張感を持たせながら、天井が軒へと軽やかに連続するよう演出されている。


    リビングの奥には "空中和室"が現れた。周囲は障子で閉めることができる。
    夜、部屋の明かりを消して畳に座ると、夜景の中に自分が浮いているように感じることができるのだろうか。




    岸本和彦さん。「外観をまず重視した設計を依頼されたのは初めてでした。そのことを意識しながら各要素を細分化し、積み上げながらデザインしていきました。西側は大開口によって開放的で伸びやか、東側は白いシェルターで守られた空間が並存する構成とすることで、空間に多様性が生まれ日々の暮らしが豊かになるよう目指しました。」

    【House-K】
    設計・監理:acaa
    構造設計:諏訪部建築事務所
    施  工:石和建設

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    1月24日よりTOTOギャラリー・間ではじまる「en[縁]:アート・オブ・ネクサス―第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館帰国展」のプレス内覧会に行ってきました。
    本展は2016年5月28日~11月27日までヴェネチアで開催された展覧会の帰国展で、1975年以降生まれの建築家12組に光を当て、困難な時代の中で建築に取り組む彼らの実践を「人の縁」「モノの縁」「地域の縁」という3つのテーマで提示。日本国内のみならず世界中の人びとの共感を獲得し、「特別表彰」を受賞。


    展覧会概要:「進歩と信じ、西洋社会の後を追いかけるように近代化の道を突き進んできた日本社会は、高度経済の終焉や3.11を経たいま大きな転換期を迎え、現代社会において建築が何を実現すべきなのか、改めて建築家ひとりひとりに問われています。本展で着目した建築家たちは、人びとのつながりや地域との連関といった小さな物語を丁寧に形に起こすことで、建築の新たな価値を創出してきました。その背景には、モダニズムが生まれたヨーロッパ社会がもつリジットな石造文化とは異なる、アジア特有の柔軟な木造文化が強く関与しており、そこからは建築のもつ可能性をさらに押し広げ、独自の立ち居地を確立しようとする現代の建築家たちのしなやかな強さが感じられます。
    本帰国展ではヴェネチアでの展示をベースに、映像や模型等のオリジナル要素を追加、再構成を行い、出展作家たちのみずみずしい感性から生み出される建築と、ビエンナーレ以降の取り組みについて紹介。記念シンポジウムや出展作家によるギャラリートークでの議論と合わせて、これからの時代に建築と建築家が果たす役割について展望します。」


    展覧会キュレーターの山名善之さん。
    「それぞれの建築を丁寧に読み込んでいくと、各々の建築家によって見いだされた社会的課題の「建築」的解法を理解することができます。ひとつひとつの建築には多くのセンシティブでナイーブなアイディアがあり、日本の今日的状況から未来を切り拓こうという意思を確認することができると思います。」
    「見るだけでなく、是非クリティカルな議論の機会としていただきたい。」
    「選ばれた12組は、建築家からでなく作品から選びました。それらを理解していく中で "縁"というキーワードが生まれました。」


    3階はヴェネチアでの展示を再現、4階は出展者達の最新作品を紹介。


    3階の壁面では先ずヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の概要をビジュアルで紹介。"一般的ではない"展覧会を、これを見れば一般の来場者も理解してから観覧できる。


    右端には特別賞の賞状と、下に日本館とその展示構成模型。


    ヴェネチア展と本展でも会場構成を担当したのはteco/金野千恵、アリソン理恵。ヴェネチアでは構成のほかピロティーに縁側を設え、来場者へ憩いの場を提供していたが、今回も縁側が登場。



    屋内に7作品。


    中庭に5作品。前夜の大雪に関わらず展示作品は無事だった。
    耐震補強等のリニューアルがなされたギャラ間。塀が低くなり、長年鎮座していた石や植え込みがなくなったことにお気付きだろうか。


    4階は出展者のヴェネチア後の最新作を紹介。どのような進化や変化を遂げているかを見つけることができるだろうか。また奥のスクリーンでは出展者のインタビュー動画が40分にわたって上映されている。


    左から西田司(オンデザイン)、中川エリカ、成瀬・猪熊建築設計事務所、仲俊治+宇野悠里(仲建築設計スタジオ)。


    今村水紀+篠原勲(miCo.)、中川純(レビ設計室)、増田信吾+大坪克亘。


    金野千恵+アリソン理恵(teco)、家成俊勝+赤代武志+土井亘(ドットアーキテクツ)、須磨一清、坂東幸輔、伊藤暁。


    青木弘司、彌田徹+辻琢磨+橋本健史(403architecture [dajiba])、能作淳平、能作文徳、常山未央。


    会場構成担当のteco/金野千恵(左)+アリソン理恵。
    ヴェネチアの依頼があってから、日本各地に散在する完成していた全作品を実際見学に行ったという。「ピロティーに設置した縁側はここギャラ間でも再現し、外と内を繋いでいます。」


    LT 城西(愛知、2013年)猪熊純(左)、成瀬友梨/成瀬・猪熊建築設計事務所

    ヴェネチアから持って帰った模型はこの会場に搬入できず、躯体部分を会場内で作り直したそうだ。


    食堂付きアパート(東京、2014年)仲俊治(右)+宇野悠里/仲建築設計スタジオ


    ヨコハマアパートメント(神奈川、2009年)西田司(右)+中川エリカ

    できるだけ大きく表現しなければこの建築の魅力は伝わらないと考え1/5で制作。こちらは分割できるので搬入に差し支えはなかった。


    15Aの家(東京、進行中)中川純/レビ設計室


    調布の家(東京、2014年)青木弘司


    神山町プロジェクト えんがわオフィス(徳島、2013年)伊藤暁(左)+坂東幸輔(右)、須磨一清/BUS
    ヴェネチアでの表現は本展で難しかったため、神山の地形模型と建築模型を展示。


    駒沢公園の家(東京、2011年)今村水紀+篠原勲/miCo.


    高岡のゲストハウス(富山、2016年)能作文徳(左)+能作淳平/能作アーキテクツ


    渥美の床(静岡県、2011年)辻琢磨(左から)+彌田徹+橋本健史/403architecture [dajiba] 


    馬木キャンプ(香川、2013年)家成俊勝(左)+土井亘(右)+赤代武志/ドットアーキテクツ

    ヴェネチアでは現地の資材で現地制作されたが、今回も新たにここで制作された。


    躯体の窓(千葉、2014年)増田信吾+大坪克亘


    不動前ハウス(東京、2013年)常山未央/mnm



    「en[縁]:アート・オブ・ネクサス」2016年ヴェネチア・ビエンナーレに合わせてTOTO出版から刊行されている。

    【en[縁]:アート・オブ・ネクサス―第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館帰国展】
    会期:2018年1月24日〜3月18日
    会場:TOTOギャラリー・間
    詳細:https://jp.toto.com/gallerma/ex180124/index.htm


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    1月27日より開催の中川エリカ初の個展「竣工直前展」に行ってきました。会場は南青山のプリズミックギャラリー。


    展覧会概要:「2018年3月に竣工予定の2つのプロジェクトA・Bについて、設計のプロセスを'並置’して展示します。プレゼンテーション時の模型やより大きな検討用模型などを通じて、スタディの軌跡を紹介する。」


    入場は通常のピロティ側ではなく、正面の通り側から。
    まずここで、今回展示されるプロジェクトA「新宿パークタワー8F リフレッシュスペース」と、プロジェクトB「建築倉庫ミュージアム改装計画」の、1/30プレゼン模型と、プロジェクト概要を見る。


    次に実施設計スタディをA、Bそれぞれの1/10検討模型と、ドローイングを壁面で見て、、、

    そして構造を踏まえた設計プロセスとしてAを担当した小西泰孝と、Bを担当した佐藤淳の構造検討のプロセスを見ることができる。
    これらをまずざっくり見た後に、


    またはじめに戻り、じっくり見ていくのが良いだろう。


    〈新宿パークタワー8F リフレッシュスペース〉西新宿高層ビル群の一画にある新宿パークタワーに入居するテナントで働く人のためのフリースペース。1万人以上が働く同ビルにはランチタイムに過ごす場所が不足しており、ランチのほか、ミーティング、フリーアドレスのワークスペースのように使うことができるスペースとして機能する。大人数でも一人での利用でも許容できるよう、「大きなテーブル」を「水平のパーティション」に見立て、集まる人を緩やかに分節、或いは繋げるよう建築的なアプローチで検討した。
    丹下健三による設計の同ビル初の大規模な改修プロジェクトだそうだ。


    スタディが進むうちに「大きなテーブル」と「水平のパーティション」の違いについて考えるようになった。

    多様な過ごし方や異なる滞在時間を少し積極的に誘導できないかと考え、水平面を支える脚に着目した。(どういうことなのかは会場で)

    テーブルはかなり大きくなるので、単純に脚を4本というわけには行かないため、どの部分が揺れやすいのか、たわむのかなど1/10で "あたり"をつけながら検証し、曲げモーメントを算出しつつ「使用感」という経験値と共にエクセルを駆使して小西泰孝さんと検討した。


    〈建築倉庫ミュージアム改装計画〉建築家が作った検討模型や最終模型などを保管、展示する寺田倉庫主体による倉庫兼ミュージアム。既存ではフロア全体にスチールラックを設置し、模型を保管・陳列していたが(参考記事)、ホワイトキューブの企画展示スペース150m2を新たに設け、その周囲の常設展示や休憩スペースなどの機能とゾーニングするために、壁の設置方法や構造を検討した。
    ホワイトキューブを設け、平面作品の展示や様々な企画展示を可能にすることで、同館のリピート利用を促す。


    実施設計と施工方法を同時に検討するために1/10のスケールで進めた。壁を固定するには床の強度が不足していたため吊り構造と、家具を使って壁を固定するのだが(家具は床と固定)、施工業者が決定するまで、施工手順を複数案用意したほうが良いと考え、ファジーな状態を保つために構造設計と検討を重ねた。


    佐藤淳さんが電卓を叩きながら描いたポンチ絵。
    壁を支持するための吊り材の位置や、家具の大きさも位置もランダムなため、支えられ方にばらつきがあることが想定された。構造が効くところ効かないところをあぶり出しながら、ファジーさをどこで許容するか決めていった。


    両プロジェクトとも4月の初旬にオープン予定。

    中川エリカさん。「ほぼ同じ面積で、双方とも改修、しかもほぼ同時にオープンというプロジェクトです。内装のため『デザインだけ』になりがちですが、建築的アプローチで構造とデザインを掘り下げることで、プロジェクトを論理的に捉えることができ、自身の建築家としての経験値も積み上げることができました。」

    【竣工直前展/中川エリカ建築設計事務所】
    会期:2018年月27日(土)~3月10日(土)
    会場:プリズミックギャラリー
    詳細:www.prismic.co.jp/gallery


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    京都工芸繊維大学デザイン・建築学課程 卒業研究作品展2018
    2月9日(金)〜2月12日(月)
    京都文化博物館 本館5階(京都市中京区東片町623−1)
    www.graduation-works.kit.ac.jp/


    トニカ北九州建築展2018
    2月23日~2月25日
    西日本工業大学小倉キャンパス・大学院地域連携センター(北九州市小倉北区大門1-6-2)
    https://goo.gl/r6RLEh



    新潟建築卒業設計展session!2018
    2月23日 ときめいと(新潟市中央区笹口1-1)
    2月24日〜25日 NSTゆめホール・NSTゆめディア(新潟市中央区八千代2-3-1)
    www.facebook.com/session.n/


    京都建築学生之会 合同卒業設計展
    2月24日(土)〜26日(月)
    京都市勧業館みやこめっせ(京都市左京区岡崎成勝寺町9-1)
    https://diplomaxkyoto.jimdo.com/


    全国合同卒業設計展 「卒、18」
    2月24(土)〜2月26(月)
    東京芸術センター2階 ホワイトスタジオ(足立区千住1-4-1)
    https://sotsuten2018.wixsite.com/sotsuten2018


    トウキョウ建築コレクション全国修士設計展・全国修士論文展・デザイン展
    2月27日(火)〜3月4日(日)
    代官山ヒルサイドテラス(渋谷区猿楽町18-8)
    www.tokyo-kenchiku-collection.com


    広島8大学卒業設計展2018
    3月6日(火)~3月10日(土)
    旧日本銀行広島支店(広島市中区袋町5-21)
    www.shikaku.co.jp/future/exhibition/imgs/2018/hiroshima.pdf


    JIA大学院修士設計展
    3月7日(水)〜3月9日(金)
    芝浦工業大学・豊洲キャンパス・アーキテクチュアプラザ(江東区豊洲3-7-5)
    www.jia-kanto.org/kanto/jia_news/1807.html


    せんだいデザインリーグ2018 卒業設計日本一決定戦
    3月4日(日)〜3月11日(日)
    3月4日(日)公開審査
    せんだいメディアテーク(仙台市青葉区春日町2-1)
    http://gakuseikaigi.com/nihon1/18/


    三大学卒業設計合同講評会2018(東京大学、東京藝術大学、東京工業大学)
    3月10日(土)
    東京大学工学部1号館2F製図室(文京区本郷7-3-1)
    twitter.com/3unidiploma2018


    北海道組卒業設計合同講評会2018
    3月10日(土)〜3月11日(日)
    北海道大学 遠友学舎(札幌市北区北18条西7)
    http://hokkaidogumi.com/?p=1421


    NAGOYA Archi Fes2018 中部卒業設計展
    3月13日(火)~3月15日(木)
    名古屋市中小企業振興会館 吹上ホール(名古屋市千種区吹上 2-6-3)
    http://nagoya-archi-fes.com/


    赤レンガ卒業設計展2018
    3月(詳細未発表)
    https://twitter.com/akarengasotuten


    デザイン女子No.1決定戦
    3月27日(火)・28日(水)
    サーウィンストンホテル 2階 メゾン・ド・オペラ(名古屋市昭和区八事本町100-36)
    http://design-girls-1.com/


    第27回 東京都学生卒業設計コンクール
    5月19日(土)
    早稲田大学 西早稲田キャンパス55号館(新宿区大久保3-4-1)
    www.jia-kanto.org/members/org_news/comit_news/gakusei/gakusei_tokyo_2018.html


    ※そのほか未掲載の卒業・修了設計展がございましたらメールで情報をお寄せ下さい。
    メール>> japan (at) world-architects.com


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    シーラカンス(改組前)による横浜の住宅「HOUSE TM」を見学してきました。東急田園都市線あざみ野駅から徒歩25分程の場所。

    1994年竣工で、故小嶋一浩と共に、入所したての赤松佳珠子が初めて担当した建築だ。施主がこの住宅を手放すこととなり、この度見学の機会が設けられた。


    敷地面積129m2、建築面積52m2、延床面積85m2。RC造(薄肉床壁構造)、地下1階、地上2階+屋上。
    右の階段を上って増築された玄関を現在は使っているが、当初は地下右手の扉が玄関だった。


    当初の玄関から。スタッコ仕上げのブルーの壁が天井まで伸びる。


    玄関の左は地下室で、24年のうち様々に用途が変わってきた。二人のお子さんは既に独立し、現在はあまり使われていない。


    1階LDKに上がると今度はシルバーの壁が現れた。2層の吹き抜けだが、正面上のモルタル仕上げの部分は寝室が木造で増築されている。増築などの改修は建築関係の仕事をしているご主人自ら手掛けた。


    ポリカーボネート中空板のトップライトと、筆者背後の全面開口により非常に明るい空間だ。


    オリジナルでは空間の対角まで見通せる大きな気積。右上(2階は同じくポリカで仕切られた和室。木漏れ日のようにランダムな光がそこかしこから差し込んでいる。
    (photo: CAt)


    振り返って、大開口の先は住宅街の通りに直角に面しており、視界が遠くまで抜ける。


    過去に掲載された誌面を広げながら説明して下さった赤松さん。平面はジグザグになっている。また大きな壁面が象徴的に感じられるよう3面を塗り分けた。

    薄肉床壁構造。構造部である薄い壁・床(天井)と、その間をさらに半分程の厚みの薄い壁で塞ぐようなかたちだ。薄い部分は要所要所で開口とし、建物の隅々に外光が行き届くよう工夫されている。


    縦スリットの足元は地下にとってトップライトとなるよう、1階の床7ヶ所に開口が設けられている。


    当日ダイニングテーブルには、この住宅の掲載誌が多数並んでいた。


    キッチンもRC。シンクやガステーブルを入れ替えた際に天板に大理石を張ったそうだ。左上のレンジフードはオリジナルのまま。
    キッチンの背後は水回りになる。


    上部の棚は後ほど取り付けられた。


    水回りはギザギザ平面から矩形が飛び出すような形で、キッチンと合わせて2階の居室の下になる。打ち放しの浴室が四半世紀でどのような経年変化をするのか、設計者にとっては興味深いのではないだろうか。(かなりきれいだ)


    ダイニングと階段室は一枚の構造壁で隔てられる。階段室は全面トップライト。階段を上がると洗面台とその隣がトイレ。


    扉の向こうはオリジナルの居室(キッチンと水回りの上)でご主人のお母さまの部屋。その右手に増築したご主人の寝室と、ちらりと見える階段は屋上へ通じる。


    寝室。大きな三角形のトップライトはかつてダイニングを照らしていた。


    屋上へはハッチを開け出入りする。当初はハッチもトップライトとして機能するよう透明だった。


    キッチンの脇から見上げるとこのように光が導かれる。グレーチングの階段で十分な光を落とそうとする場合、この位目の粗いグレーチングが必要なようだ。


    屋上は緑化仕様で、数年前まで芝が生えていた。竣工から2年間、東工大の屋上緑化による実験のモニターとして、緑化による室内温度のデータ取りに協力していた。その効果はてきめんだという。


    竣工当時の同じカット。造成されたばかりの敷地が牧場のように広がる。
    トップライト部の上に突き出す円筒は、屋外から照らす室内照明だ。
    (photo: CAt)


    ダイニングの片隅から地下へ。ハシゴのような急な階段。


    地下は子供部屋。子どもが小さいうちは親子4人の寝室として使っていたが、子どもが大きくなってから2室の子供部屋をつくった。
    扉がポリカだ。


    部屋を抜け見上げると3層の吹き抜けで、熱循環用のパイプが通っている。
    ポリカの扉はこの光を部屋に取り込むためだと分かった。


    納戸を回り込んでもう一つの子供部屋。


    1階で説明した床に開いたトップライトから光が差し込む様子と、構造がよく分かる。


    そして最初の表に面した部屋に通じる。


    一度外へ出て現在の玄関へ。階段状に植え込みが4段連続する。


    玄関。正面の扉部分は庭に面した大きなガラス窓だった。


    当時の施工の様子を探るCAtの皆さん。


    赤松佳珠子さんと、施主の戸松俊さん。
    「新人の赤松さんは初めての担当プロジェクトで張り切っていたのか、毎日のように現場を訪れ、真っ黒に日焼けしていました。」と戸松さん。
    「建蔽40%の敷地で延床が85m2くらいしか取れませんでした。そこに家族5人がのびのびと過ごせるためには敷地に対してどのように置くかが重要でした。ジグザグの平面は外部に坪庭のような空間を生み、そこを内部の延長に感じられるようにし、かつ部屋の中に死角をつくり、同じ空間で別々に過ごすことが窮屈にならないよう目指しました。」と赤松さん。

    なおこの住宅は仲介業者を介して、建物ごと売りに出される予定。「シーラカンス作」ということで解体せずにどなたかに住み続けて欲しいものだ。

    【HOUSE TM】
    設計:シーラカンス
    構造:TIS&PARTNERS
    施工:親松工務店

    【関連記事】
    恵比寿の複合ビル「恵比寿SAビル」と「CAt 新オフィス」


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    西久保毅人(ニコ設計室)による江東区の住宅「廣石さんの家」を見学してきました。


    敷地面積62m2、建築面積37m2、延床面積98m2。1階RC造、2・3階木造。
    敷地は江戸時代に造られた運河のほとり。昭和になってから護岸と堤防が造られ、さらにその後運河は埋め立てられ、長細い土地だけが取り残されたような格好だ。


    前面道路に17m接するも、奥行きは3.6mの敷地に、間口16m×奥行き3mの建物。通りに対して圧迫感のある「壁」にならないような佇まいを検討した。


    埋め立てられた運河の上は現在区の土木事務所となっており、今回住宅を建てる際、測量したところ堤防が50〜60cmほど越境していた。この堤防を削るために調査、予算計上、承認、工事手配などなど役所側で時間が掛かり、計画開始から4年を経ての竣工となったそうだ。


    1階部分はRC。通りに広く面しているので「守る」ための強さや、上階との差を付け圧迫感を軽減させる。


    敷地ぎりぎりに建てることもできたが、同じく圧迫感を軽減させるために50cmほどセットバックさせた。その分室内は狭くなるので出窓を効果的に利用。


    玄関は片側に寄せると洞窟のようになってしまうため、建物の中心に据えた。
    コンクリートの型枠はラーチの荒っぽい木目を出し、それに合わせるように壁の内側もラーチで仕上げた。


    反対側からも上り降りできる立体回遊型。


    片側は階段というより3段のスキップフロア。上面には畳が張ってあり、子どものプレイスペースであり、読書スペースになる。


    中2階にはパントリーとトイレ。ニコ設計室では色を積極的に使う。


    2階へ。


    2階中心にDK一体の居間。壁は内-内で2.5mしかないため、キッチン部分の両側に出窓を設け幅を確保した。


    これだけ細長いと耐力壁による空間遮断の問題が出てくるが、大学で構造の教員である施主は、自ら構造設計を行った。


    上棟時のカット。右は120角ながら左(接道側)の柱を240×120とし、さらに梁成600の強力な合板重複梁を3本掛けた。
    これにより梁方向に耐力壁がなく、すっきりした空間をつくることができる。


    キッチンからそのまま繋がる居間ダイニング。大きな梁が見えているが空間を遮断することはない。


    居間を抜けるとスロープで畳間へ。


    畳間を抜けるとバルコニーへ。1階から伸びたシマトネリコがいずれここに大きな傘をつくることになる。


    バルコニーから。畳間は吹き抜けで3階に開口が見える。
    ちなみに上部のルーバーは、建設中、大工さんが資材置き場として使っていたものを「吹き抜けが少し抜けすぎるのでこれいいな」と現場で決めたアイデアだとか。


    中3階には水回り。


    3階へ。


    3階は手前に書斎兼クローゼット、奥に寝室。高い梁成を利用しスキップさせ、空間の仕切りに利用した。


    外部に対して刻んだギザギザ屋根は、内部では表情豊かな空間を生みだしている。




    施主の廣石さん一家(前列)と西久保毅人さん(右)、後列にニコ設計室のスタッフの皆さん。
    「17mも道路と接しているので無防備な環境であるともいえます。そこで、その薄くて長い状況を、奥行きのある立体的な体験に変換し、街に接している状況を楽しみながらも、守られた暮らしを実現できのではと考えました。3階建てですが、半階毎に暮らしが展開しながら、立体的に回遊できる住まいです。」と西久保さん。


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    「芸術家の棲む家 – 建築家と芸術家のコラボレーション」文化庁新進芸術家海外研修制度50周年記念展覧会のオープニングに行ってきました。

    出展・参加するのは建築家17名、美術家8名、音楽家3名、舞踏家2名。開場には建築家と芸術家がコラボレーションしたインスタレーションが展開される。会期中は様々なゲストを迎え、トーク、シンポジウム、コンサート、パフォーマンス等のイベントが多数開催される。
    開場はこの3月一杯で閉鎖される横浜のBankART 3階。


    概要:「文化庁新進芸術家海外研修制度が始まってから50年。新進芸術家として海外で研修を行った建築家と芸術家のコラボレーションによる展覧会「芸術家の棲む家」を開催致します。建築家、画家、彫刻家たちによる作品の展示があり、バレエの部屋があり、ピアノによる演奏や様々なパフォーマンスが繰り広げられる展覧会場は、建築家と芸術家のコラボレーションによる祝祭空間となり、展覧会場全体が芸術家の棲む家となります。」


    開場は大きく3つに分かれ、はじめのギャラリー1は建築家による近作の建築模型の展示。


    左奥にはイベントスペース。

    黒川智之さんは2008年スイスに派遣。ヘルツォーグ&ド・ムーロンの元で研修した。



    細海拓也さん。2010年、スペインのアンサンブル・スタジオで研修した。




    原田真宏/マウントフジアーキテクツ


    長田直之/ICU一級建築士事務所


    霜田亮祐/HUMUS landscape architecture


    田辺雄之/田辺雄之建築設計事務所


    平瀬有人/yHa architects


    古谷誠章/NASCA


    西森陸雄/西森事務所


    堀川秀夫/堀川秀夫造形建築研究所


    戸室太一/戸室太一建築設計


    ギャラリー2からはアート作品が並ぶ。

    堀川秀夫さんは、本展実行委員のひとり。



    田辺雄之、山岡嘉彌、林寛治らの作品も。



    田辺雄之さん。


    ギャラリー3。


    古谷誠章は安東陽子とのコラボ作品。


    今永和利は、磯崎新の妻で彫刻家の宮脇愛子(2014年没)とコラボ。




    【芸術家の棲む家 – 建築家と芸術家のコラボレーション】
    会期:3月8日〜3月31日
    開場:BankART Studio NYK 3F


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    小山光/キー・オペレーション(KEY OPERATION INC. / ARCHITECTS)による千代田区の「神田テラスビル」を見学してきました。場所は千代田区神田錦町、新御茶ノ水や小川町駅から数分の場所。


    敷地面積155m2、建築面積117m2、延床面積986m2。S造+一部RC造、地下1階、地上9階建て。
    靖国通り、本郷通りから1本入った、周囲は大小のオフィスビルと路面に店舗が点在するエリア。


    施主からは飲食店が多く入居するレストランビルを依頼された。各階にテラス(バルコニー)を設け、ガラス張りの外周と合わせ、店の賑わいが街にも現れる仕掛だ。


    日が暮れるとテラスの天井が暖かく照らされる。


    夜空に浮かぶテラスはかなり目を引く。側面には店舗のサインが入れられるよう行灯が用意されている。


    1階以外は裏手のエントランスよりアプローチする。地下1階にはスポーツ用品店が既に入居している。


    地下1階「ロンドンスポーツ」もキー・オペレーションがデザインを担当した。


    細長い建物だがエントランスは裏手に寄せ、人通りのある前面道路側を積極的に街に関わりを持たせるようにした。


    9階。2面(先端部は3面)の全面開口から東京の街並みと同化するような雰囲気だ。隣はガソリンスタンドなので上階では視線が抜ける。
    グリッド状のサッシュはテナントが大面積のPOPを出しにくくし、ある程度のデザインコードとする効果を持たせた。


    7階。外観から見えた屋内・屋外二つのテラスを持つフロア。


    贅沢な屋外個室を楽しめる。


    テラスの間からは下階の様子も伺える。ほかの店も見えることで「次回はあちらの店に行ってみよう。」といったリピート効果を狙った。


    一つ下の6階からはキャンティレバーで3.6m突き出すテラスがこのように見える。広いテラスではプランターで植栽も設え、ガーデンテラスの雰囲気だ。


    天井は燻製ホワイトアッシュ張り。


    フロア毎で完結しない、立体的な関係性。
    今まで幾つものテラス(バルコニー)を持つ建物を手掛けた小山さんは、広すぎず、狭すぎずの絶妙な広さに設定した。広すぎるのは裏を返せば室内が狭い、狭すぎると活用してもらえないという。


    4階、3階ではでは隣のガソリンスタンドの看板が "借景"となり、都市のアウトドア空間として敢えて楽しむことができる。
    なお、スタンドは日曜は休業で、平日も20時には閉店し消灯されるそうだ。


    大通りから見ると「何かあるぞ」と人を吸い寄せいるようなキャッチーなファサードがよく分かる。
    「飲食テナントビルの設計では、それぞれ全く異なる個性のテナントをどのように集合させて、どのように街並みに関わらせていくべきか考える必要があると思います。レストランが集合した建物のイメージをビルとして作り、このビルに来れば、いつも異なる食事ができるというアピールができるようにしました。」と小山光さん。


    【神田テラスビル/Kanda Terrace】
    東京都千代田区神田錦町1-14-13


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    石井秀樹(石井秀樹建築設計事務所)による世田谷区の住宅「尾山台の家」を見学してきました。


    敷地面積618m2、建築面積277m2、延床面積459m2。RC造+一部S造、2階建て。
    重厚な外壁に雲のような模様が見えるのは、還元タイルを張った後グラインダーで削って表情を出したものだ。
    なお、門扉の幅は7mあるのでスケールを想像していただきたい。


    人の出入りは側面の玄関から。
    植栽はSOLSOが担当。世田谷区の風致地区の「緑化地域制度」適用建築であるため植栽に細かな規定がある。この敷地規模では例えば中木(1m〜2.5m)7本を植えなければならない、など。


    塀の内側に一枚鉄扉が付き、開けるとポーチが現れる。


    ポーチから玄関ホールへ連続するブリティッシュストーン張りの床。右にガレージ、正面にピロティが伸びる。


    玄関ホールの見返し。右にシューズクローゼット。


    ピロティーの突き当たりに半透明の壁が見える。


    ガラスアート作家に作ってもらった雪花ガラスのオブジェだ。


    玄関ホールから右に抜けてガレージへ。3台分のスペースと広場を挟んでもう3台駐車できる。
    左の開口はホビールーム。


    ガレージにはスーパーカーが何台か納まる。ホビールームからはそれらを愛でられるピクチャーウィンドウを設えた。


    両翼のガレージには手動と電動のガラス引戸が付く。ヨーロッパのスーパーカーが映えるよう、床は全面ピンコロ石仕上げだ。


    ピロティを挟んで中庭には植栽と水盤。その左にはプールへと連続する。


    中庭には低木と舎利木。この舎利木は山火事に遭った森から運んできたそうだ。


    玄関横の階段室から室内へ。ステップの隙間から水盤が覗き、夜にはライトに照らされる。


    プール。長さ20m、幅2m、水深は1.2mある本格的なサイズ。


    片側は全面開口で中庭に面する。ガラスは全てフィックスで出入りはできない。




    2階へ。


    階段室の大開口はルイス・バラガンを彷彿させる。中庭や渡り廊下のダイナミックな構成を眺められる。


    階段を上がるとギャラリーが現れる。奥へ進むと主寝室や子供室に通じる。
    天井はウォルナット、床はイペ。


    ギャラリーからプライベートゾーンである寝室や水回りへ。


    プライベートとパブリックを分ける、結界の役目でもある吹き抜けの中庭を渡り廊下が繋ぐ。


    主寝室。全面開口だが、ギャラリーの壁が水平方向のプライバシーを守り、上下に異なる眺めを享受できる。
    出入りの引戸の板は、躯体のコンクリート型枠の杉板と幅を合わせてある。右はウォークインクローゼット。


    クローゼットはリンクスヒンジドア。壁をフラットにするためのこだわりで、いくつかのドアに採用している。


    一度ギャラリーへ出て子供室へ。渡り廊下の先で二部屋に分かれる。


    一室は主寝室とバルコニーを共用する。


    リビングダイニング。左に造り付けの薪ストーブ。右手から正面に回り込む壁は外壁と同じ、還元タイル・グラインダー仕上げ。その上にハイサイドライトを設け、大屋根が軽やかに乗っている。
    タイルの仕上げは、陶器二三雄が手掛けた森鴎外記念館を参考にしたもので、石井さんはいつかやってみたいと思っていたそうだ。


    ダイニングとリビングはレベルを変え、緩やかにゾーニングした。



    美術館かと見紛うカット。


    キッチンはシンクと作業台をアイランドにしてレンジフードが空間に出ないようにした。


    天板は美しいグリーンが特徴のイギリス産バーリントンストーン。


    キッチンの裏へ廊下が伸び、パントリー、物干し、家事室、水回りが続く。


    家事室を抜けるとサウナ、洗面、浴室へ。浴槽の周囲は十和田石で仕上げた。ここを抜けると主寝室へ通じる廊下に繋がるという、プライベートエリアは回遊性のある動線だ。


    最後に広場を囲むバルコニーへ。リビング側は大きくせり出した庇を持つ。


    向かい側はテラス状に広がる空中ガーデン。


    オリーブや柑橘などの果樹やハーブを植えた。正面の部屋はコンパクトな客間。


    石井秀樹さん。「スーパーカー6台の駐車スペース、20mの屋内プールというのが基本要件でした。プールの位置はあまり選択肢がなかったのでそこに決めました。スーパーカーは生活の中心ではなく、時折存在が感じられるようにとのことだったので左右に振り分け、中心に広場を設けました。通常の個人住宅のスケールよりはるかに大きな住宅なので、間延びしないようオブジェ的な要素を散りばめながら、繊細なディテールを積み上げ密度をあげていきました。そしてプライベートエリアとパブリックエリアのゾーニングと回遊性など、ドラマチックな生活が演出できるよう動線も工夫しました。」

    【尾山台の家】
    設計:石井秀樹建築設計事務所
    構造:大賀建築構造設計事務所
    施工:アーキッシュギャラリー
    植栽:SOLSO



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    番場俊宏+番場絵里香+仲田裕貴/abanba(エイバンバ)による世田谷区「桜新町の集合住宅–SAKRAS」を見学してきました。
    東急田園都市線 桜新町駅から徒歩8分程の場所。


    敷地面積241m2、延床面積500m2。WRC造4階建、12住戸からなる共同住宅。


    敷地の中央に小径を通して棟を分け、大きなコンクリートの塊が住宅地に立ちはだからないようにした。敷地がちょうど扇型に開いた形状をしていることから生まれたアイデアで、文字通り街に対して開いた印象を持たせながら、内外を繋ぐ接続機能を併せ持つ。


    側面から見ると、奥の北側にもう一つ2層の棟がある。斜線制限をクリアしながら計画した様子が伺える。


    エントランスにはエキスパンドメタルを張った鉄扉が付く。開けると迷い込みたくなるような小径が現れた。


    小径の奥から見返す。ほの暗い廊下の先に道路沿いの植栽が鮮やかに見える。
    左に階段、右にエレベーターも備わる。


    抜けると一度中庭へ出た。


    ここでは3つの棟が合わさる様子がよく分かる。


    奥の2層の棟、2階住戸へは専用階段でアクセスする。


    3層の棟の階段室。限られたスペースで踊り場が設けられないため、複雑な型枠設計が求められたようだ。


    102号室。1階住戸では通り(外)とは接触を遮断するのではなく、植栽越しに見え隠れしながらの連続的な接し方だ。


    204号室。タイル、フローリング、乾式壁の塗り分けなど、仕上げを変えながらゾーニングされている。




    302号室。通りに面する外壁の開口は掃き出し窓と、開閉は縦すべり出しを基本とする
    門型の開口に門型の袖壁・垂れ壁でゾーニング。


    この住戸は奥行きのあるプランで、門型をくぐりながら奥へ続く。
    照明はスライドレールにスポットを備えた。


    廊下状の空間に水回りと、


    ハイデスクが作り付けられたユーティリティースペース、


    そして寝室へと連続する1LDK。右には小さいながらもウォークインクローゼットも。
    半分天井が低いのは北側斜線をかわしたためだが、結果変化のあるおもしろい空間になっている。


    303号室。大きなT字型の壁は、住まい方を刺激しそうだ。


    404号室。最上階には1住戸のみのペントハウスのようだ。


    室内は門型仕切り壁の現れ方がかなり大胆。クローゼットは容量のある大きなものだが、足元を浮かせ圧迫感を軽減している。


    奥に水回りとルーフバルコニーへのアクセスができる。




    屋上の一部がプライベートルーフバルコニー。建設中の渋谷の高層ビル群も見通せる。


    番場俊宏さん(右)と、担当の仲田裕貴さん(左)。
    「アパートの収益性も考慮しながらもボリューム一杯に建てるのではなく、街に対する建ち姿も考慮しました。住み手には住まい方の幅が広がるようなきっかけ作りと、外部が内部に取り込まれてくるような、建築を楽しんでもらえるデザインを心掛けました。」

    【桜新町の集合住宅 – SAKRAS】
    建築設計:エイバンバ(番場俊宏+番場絵里香+仲田裕貴)
    構造設計:ハシゴダカ建築設計事務所
    施工:栄港建設


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    国立新美術館で4月11日より開催が始まった「こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション」展の内覧会に行ってきました。


    NUNO率いるテキスタイルデザイナーの須藤玲子と、フランスの展示デザイナーのアドリアン・ガルデールのコラボレーションは2008年のジョン・F・ケネディ舞台芸術センター(ワシントン)、2014年のギメ東洋美術館(パリ)についで3回目。


    今回の東京でのインスタレーションでは新たにライゾマティクスの齋藤精一が加わった。


    国立新美術館の最も大きい展示室(2000m2、天井高8m)のほぼ全体を使って設置されているのは約300匹のテキスタイルこいのぼり。デザインにはNUNOのメンバーが参加し、色柄は一つ一つ異なる。日本各地を巡って職人の手によって仕上げられた布ばかりだ。


    会場に入ると一瞬どのように見ていけばよいか迷うが、エントランスの白い鯉のぼりの群れに沿って歩けば、その姿は少しずつ色味と鮮やかさを増し、中心で8の字を描くように一回りして、最後黒い一群が出口へと導いてくれる。



    群れの流れが交差する部分。


    輪の中へ


    輪の中心部には大きめのクッションが用意されており、鯉のぼりが泳ぐ姿を座りながらゆったり眺めることができる。


    見上げると、齋藤精一(ライゾマティクス)による軽やかな布、照明、ファン、を用いた水の中にいるような演出。
    「布の雰囲気を大事にしたかったので、敢えてプロジェクションはしませんでした。展示室に入っても最初は気づかれないくらいの存在感を目指しました」と齋藤氏。




    鯉のぼりは頭上を泳いでいるものもあれば目線の高さにくる鯉のぼりも。しっかり布のドレープや質感までも感じることができる。


    静止しているインスタレーションだが、300以上の音源を用いたというsoftpadによるサウンドが会場を包み、水面の揺らぎと呼応しながら、あたかも水中にいるような幻想的な世界を生み出している。


    会場奥の部屋では、布を製造する工程を撮影した映像や、鯉のぼりに使われている319種類の布を手に取ったり、ミニこいのぼり作りを体験するコーナーも用意されている。

    卓上サイズのこいのぼりなう!も購入できる。

    【こいのぼりなう! 須藤玲子×アドリアン・ガルデール×齋藤精一によるインスタレーション】
    会場:国立新美術館 企画展示室2E(東京都港区六本木7-22-2)
    会期:2018年4月11日(水)〜5月28日(月)

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    土田拓也(no.555一級建築士事務所)による茨城県牛久市の保育園「こばと夢ナーサリー」を見学してきました。JR常磐線牛久駅から、水戸街道を北へ2kmほど行った場所。


    敷地面積1,782m2、延床面積463m2。木造、一部2階建て。
    郊外型の広大な幼稚園の敷地の一画に保育園を新築した。


    既存のこばと幼稚園。1971年の開園以来4回ほど増築を重ねながら、園庭を囲むように軒下のある、幼稚園の原風景とも言える佇まいを継承しているものの、所々に無理が見られる。幼稚園や保育園は、園児の増加はもちろん、その時々のニーズやカリキュラム、或いは法律の変更によりそれぞれに適応した増改築がしばしば必要となるためだ。


    そして現在は「幼保一体」という時代のニーズに応えるため保育園を新築した。


    園へのヒアリングや検討の結果、今後も様々にニーズが変わっていくことが避けられないことから、大きなボリュームの建物を建てず、いくつかのボリュームに分節し、“予測不能な将来” に対してフレキシブルな対応をできるようにした。外観は既存園舎の切妻を継承しながら “家” をイメージし、園児にとって違和感のない親しみの湧く存在を目指した。


    今回の計画では保育園として3棟、幼稚園付属の屋内遊戯場と、調理室の2棟の計5棟を建てた。しかし計画中も少しずつニーズが変わり、竣工段階で早くも次なる計画が上がっているという。そのため外構ももう少し計画が固まってから仕上げるそうだ。


    保育園エントランス。土間は真砂土で、植栽や水飲み場まであり小さな公園のようだ。19名と少人数の保育園にとって大きなエントランスだが、保護者にとって送り迎え時のストレスフリー化に多いに役立つ。


    “公園” の周囲には縁側の雰囲気。内と外を繋ぐ緩衝地帯として働きながら、幼稚園で見られる軒下でのコミュニケーションの場としても機能するのだ。
    左には下足入れや、主に保育士が使う多目的室やトイレがあり、上に施設唯一の2階となる事務室となる。


    植栽はちょうどトップライトの下になるように。


    2階事務室。保育中はほとんど人がいないので、必要最低限のシンプルな作りに。
    天井の垂木梁はLVLを用いた。


    エントランスから右に進むと2歳児保育室のある棟へ。棟同士は短い渡り廊下で接続される。


    2歳児保育室。左のロッカーの反対側から保護者が着替えやオムツを入れ替え、保育室側から取り出すことができる。


    テーブルはオリジナルデザインで制作。組合せにより様々に変形できる。


    エントランスから左側は0・1歳児の保育室、さらに奥は一枚ドアを介して幼稚園付属となり、調理室と屋内遊戯場へ接続する。
    この渡り廊下も幼稚園での軒下・渡り廊下という一つのアイデンティティーとして継承した。


    渡り廊下はt=10mmのポリカ板段で外の気配を感じることができる。
    一見簡易的ともいえる仕上げだが、前述の “予測不能な将来” に対する備えといえる。


    外からはこのように。


    0・1歳児の保育室。構成は2歳児保育室と同じ。
    保育園の建築では大開口を設けることが多いが、昼寝時にはカーテンで閉める必要があることや、窓に近寄ったときに外が見える、といった視界に緩急をつけるため、また "家っぽさ"を演出するためにもこのようにした。


    掃き出しの開口からはテラスを介してそのまま外に出られる。


    幼稚園付属の屋内遊戯場。この場所には以前屋外プールがあった。夏期にはこの空間にプールが展開できるよう、排水可能なデッキ張りとなっている。
    子どもたちが大好きなプール「夏、雨天や気温が低い時にプール遊びをさせてあげられないのが心苦しい。」という理事長の強い思いで、どんなときでもたっぷりと水遊びができるようにと屋内型にした。


    そのため片隅には大口径の水栓が備わり、温水も供給できる。


    スパン9.1m、高さ7.6mの切妻ボリュームを無柱で実現するために、厚さ50×梁成400を2枚抱き合わせ、金物を挟み込んだ垂木梁とした。(KES構法/株式会社シェルター)
    壁は仕上げ用ラーチ合板、天井は構造用ラーチ合板。床は樹脂製デッキ材を選んだ。滑らない・ささくれない・腐らないといった幼児にとっては重要な要素を優先した。


    それぞれの垂木梁はタイバーで引っ張り、開きを抑制している。これにより軒桁や壁をコンパクトに保つことができた。


    土田拓也さんと、担当の佐久間悠さん。
    「将来的に読み切れない変化に対応すべく、意図的に規則性を排除しました。規則性が、予測できない変化の足かせになると考えた上であり、建物のサイズ、平面的な角度、屋根の角度などをバラつかせることで、将来計画されるものがどのようなものであっても、この『バラツキ』が吸収してくれるという逆転側の発想です。」

    【こばと夢ナーサリー】
    建築設計:no.555一級建築士事務所
    構造設計:シェルター
    施工:高塚建設工業
    こばと夢ナーサリー:https://kobato.ed.jp/nursery/

    【関連記事】
    平塚の住宅「SUKIMA」
    土田拓也の自邸「YAMATE APT.」


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    黒川智之(黒川智之建築設計事務所)による「三ツ池の蔵」を見学してきました。横浜市鶴見区にある大きな敷地を持つ住宅の、ガレージ・物置・ワーキングスペースとして利用する離れの建て替え。


    敷地面積197m2、延床面積89m2。木造2階建て。
    四方を異なる、しかも恵まれた環境が囲んでいることから、4つの正面を持つ蔵として計画されている。


    広い敷地に、よく手入れされた庭。母屋には施主と奥さまが住んでおり、時折訪ねてくる娘さんが仕事をしながら滞在もできる場所が今回の離れだ。(左手の見事な桜は分筆して譲渡した敷地側)


    「外壁と屋根の区別をつけず、できるだけシームレスで、蔵のような塊感を出したかった。」と黒川さん。方形屋根と切妻屋根が合わさったような特徴的な屋根だ。


    接道側。1階にはシャッターの付くガレージ。接道との境界にはこの後門扉などがつき、外構も整えられる。


    シンボルツリーである右手の椎の木を包むように「く」の字に折れた外壁。


    庭いじりなどの際、休憩に使える東屋の雰囲気にした玄関ポーチ。


    ガラス張りの玄関扉を開けると、南北に抜ける二層吹き抜けの玄関ホール。視線の先には前出の桜が借景で現れる。


    2階。階段を上がって奥まで進み見返すと東西方向に抜けるトンネル状の空間と、南北(右左)に抜ける開口。それを強調するようにパネル梁が力強く存在し、井桁状の空間の方向性を演出している。


    南を向くと、引戸の先に桜。


    北側は左から収納、ミニキッチン、そしてバルコニー越しに母屋。


    東は庭と崖地の上から遠くまで街並みが望める。


    天井はLVL積層面(木口面)を現しにした材で仕上げた。
    中央にはパネル梁の溝に照明が埋め込まれているのが見える。


    南北に引戸で連続する開口。


    西側には林の深い緑が見える。
    右のガラスケースには飛行機の模型などが飾られるそうだ。


    バルコニーは袖壁と角度を付けた開口により、母屋との視線の重なりを調整している。


    バルコニーはL字に展開し贅沢な眺めを享受できる。

    「高台に位置していて、どこからも見られる建物なので、家型の蔵としての構えを四方に向けた建築としました。四方への開口はそれぞれ性格を変え、シンプルな平面と断面ながら変化のある環境が生まれるよう計画しました。」と黒川智之さん。

    【三ツ池の蔵】
    建築設計:黒川智之建築設計事務所
    構造設計:木下洋介構造設計室
    施工:新都市建設株式会社

    【関連記事】
    大森の住宅
    北千束の集合住宅


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    森美術館で4月25日から開催される「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」内覧会に行って来ました。



    世界中から注目されている日本の建築。本展は、日本の建築を読み解く鍵と考えられる9つの特質で賞を編成し、機能主義の近代建築では見過ごされながらも、古代から現代までその底流に脈々と潜む遺伝子を考察するというもの。貴重な建築資料や模型から体験型インスタレーションまで100プロジェクト、400点を超える展示物で日本建築の過去、現在だけでなく、未来を考える。

    《1. 可能性としての木造》
    国土の70%が森林である日本。木の文化は近代どうやって活かされたか、木造建築が見直されている今、日本の木造建築の技と思想、その未来の可能性について思考する。

    北川原温《ミラノ国際博覧会2015日本館 木組インフィニティ》2015





    《2. 超越する美学》
    日本の建築にある意匠や構成の簡素さには「シンプル」という言葉を超えた存在感がある。木造にも打放しコンクリートにも通底する超越する美学の系譜は、これからも永遠に更新されていく。





    《3.安らかなる屋根》
    日本建築は屋根である、と言われる。伝統的な日本建築の屋根が近現代の建築家にいかなるインスピレーションを与えてきたかを考察する。


    《4. 建築としての工芸》
    自然を抽象化する意匠のセンスと高度な匠の技を駆使して、「部分」が説得力ある「全体」を織りなす工芸としての建築が構築されていた日本。そのような工芸性は遺伝子として近現代の建築にも脈々と流れている。



    千利休作の作と伝えられ、現存する茶室建築としては日本最古の国宝〈待庵〉を原寸で再現。


    ものつくり大学の50名ほどの強力のもと、実測図や文献を紐解きながら、釘一本から手作りし、土壁や小舞、掛込天井など忠実に再現した。

    《5. 連なる空間》
    日本の伝統は、厳密に空間を分け隔てなくても、建築が私たちの暮らしを豊かにすることを世界に示した。実用性が見た目の美しさにもつながる、開かれた空間の理想像は今も日本建築に生き続けている。



    丹下健三の自宅
    1/3スケールで再現した模型


    〈Power of Scale〉ライゾマティクス・アーキテクチャー 
    3Dで体感する体験型インスタレーション。最新の技術のレーザーファイバーと映像を駆使し、日本建築の空間概念を大小さまざまなスケールで原寸再現している。

    《6. 開かれた折衷》
    明治期に大工棟梁が手掛けた擬洋風建築や、世界的視座で日本建築を模索した伊東忠太の挑戦を紹介。


    《7. 集まって生きる形》
    伝統的集落を実測した調査や雪害に苦しむ農村問題など、建築が社会に向き合った例を紹介。


    《8. 発見された日本 》
    来日したフランク・ロイド・ライトやアントニン・レーモンドから、現在第一線で活躍する建築家まで、国外の建築家が創造的に捉えた日本像を紹介。
    「発見された日本」の遺伝子は、海外に建設された日本人建築家の作品にも見出され、これからも未来の日本像を広げていく。


    《9. 共生する自然》
    外と内との境界を曖昧にすることで自然を取り込むことを特徴としている日本の建築にフォーカス。



    プレス説明会の様子。
    登壇者 左から南條史生(森美術館館長)、藤森照信(本展監修)、倉方俊輔(本展企画)、前田尚武(森美術館建築・デザインプログラムマネジャー)

    六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」
    会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
    会期:2018月4日25日(水)~ 9月17日(月)
    詳細:www.mori.art.museum/jp/exhibitions/japaninarchitecture/index.html

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