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    4月19日から開催の「坂茂:プロジェクツ・イン・プログレス」のプレス内覧会に行ってきました。
    ギャラ間での坂さんの展覧会は1999年以来、18年振り2回目だ。今回の展示ではタイトル通り全て「現在進行中」のプロジェクト10作品をプロセスや、構造・ディテールのモックアップを使って紹介する。
    Exhibition [Shigeru Ban: Projects in Progress] Tokyo.


    展覧会概要:「本展では、現在世界各地で進行中の最新プロジェクトのプロセスを通して、坂氏の設計思想と取り組みを紹介します。これまで「紙管」という安価で解体・組み立て・再利用が容易な素材を建材として利用し、建築作品だけでなく世界各地の災害支援にも尽力してきた坂氏が、今改めて『木』という素材の特長や可能性に注目し、これらを多様なかたちで用いた大規模なプロジェクトに挑戦しています。」


    3階展示室は4月22日にオープンを迎える〈ラ・セーヌ・ミュジカル〉のプロセスを紹介。パリ近郊、セーヌ川セガン島に建設されている音楽ホール・コンプレックスだ。
    La Seine Musicale (Paris vicinity, France/ 2017)



    展示室の中央には全長4mの断面模型が鎮座する。台の脚はもちろん紙管。周囲にはディテールのモックアップや、映像が展示され図面は一切ない。


    セガン島は長い間ルノーの工場があったが、撤退後ピノー財団が取得し安藤忠雄の設計で美術館を計画していたものの中止となり、プンタ・デラ・ドガーナの名称でベネチアに計画変更され完成した。その後ジャン・ヌーベルが島全体のマスタープランをつくり、ピノー財団の敷地はPFI方式の音楽ホール・コンプレックスとしてコンペが行われ、2013年坂事務所が勝利した。
    「フランスは凄い国。音楽ホールを設計しこともない私たちにチャンスをくれた。」と坂さん。


    手前に音楽学校、中央に4000人収容、奥の球形ボリュームに1150人収容の音楽ホールからなる。
    ちなみに、ボブ・ディランがようやくノーベル平和賞を受け取りにストックホルムへ赴き、その足で4月21日オープン前夜祭に受賞記念コンサートが行うとか。


    設計要件で「パリの西の玄関となり得るようなモニュメンタルなデザイン。」を求められたという。円形ホールの外壁はモザイクタイルで仕上げられ、アトリウムは木造架構にガラス張りの外殻で包まれる。その外側にヨットのセイルをイメージしたデザインのソーラーパネル。パネルは発電効率を上げるよう太陽を追いかけて可動し、ガラス張りのアトリウムに日陰もつくれるようにした。

    壁面には、建設のプロセスを定点カメラが記録した動画。音楽ホールで使われる座席のモックアップに座って鑑賞できるが、その座面と背もたれは紙管でできている。
    通常工事はまず杭を打つ作業からはじめるが、ここでは安藤忠雄の美術館建設前に打たれた杭を抜く作業からはじまった。その様子が動画でも確認出来る。


    天井に張り巡らす吸音装置としても紙管を利用。壁面に張る波板は同じピッチ・曲率の波でできており、組み方を変えることで音の反響具合を調整できるようにした。


    ソーラーパネルと円形ホール外壁のモザイクタイル。


    タイルは光の当たり具合(見る位置の変化)で赤から緑に色が変わる。今回イタリアで開発した特殊タイル。




    竣工したホール。オープンの4月22日はフランスの大統領選挙直前のため「報道陣があまり集まりそうもないので日本のメディアの方是非来てください。」と坂さん。


    中庭は頭上一面を紙管の架構で覆った。
    大分の〈竹田市クアハウス〉(2018年7月就航予定)。レシプロカル構造屋根のモックアップ、滋賀県立大の学生や慶応大のインターン20人掛かりで組み上げた。実際の建築では木材だが、展示での施工性を考慮し紙管を採用した。 



    〈熊本木造仮設住宅〉昨年の熊本を襲った大地震の被災者用に設計た仮設住宅のモックアップ。大工がいなくても特別な技術を必要とせず組み立てられるL字型ユニットを開発。仮設住宅の悩みである隣との音の問題を、界壁に収納を設えることで、収納不足の問題と共に解消した。
    現状、最低限の住環境である仮設住宅の基準は低すぎるという。コストを上げずにもっと快適な仮設が可能だということも訴えている。


    〈ネパール復興プロジェクト〉 2015年のネパール大地震後の復興住宅。煉瓦造りの家が多く地震で多くが倒壊した。瓦礫となった煉瓦を地元で手に入る木パネルの構造板に非構造として積み上げ、誰でも施工できる仕組みにした。地震に強い構造と瓦礫の再利用を同時に実現。


    4階展示室は建築模型とモックアップが並ぶ。


    〈台南市美術館〉 2018年秋竣工予定。
    既存の地下駐車場を補強しその上に美術館や劇場を建設する計画。周辺には市民の憩いの場となる公園がないため、箱型の空間の内外を自由に出入りできる公園としての機能も有する。
    Tainan Museum of Fine Arts (Tainan, Taiwan/ Projects in Progress)

    日射の強い台南。五角形のフレームにフラクタル造形の日よけを開発し採用する。


    〈スイス時計会社本社〉 2018年7月竣工予定。
    スイスを代表するカジュアルウォッチと高級時計メーカー本社キャンパス増築計画。敷地のあるビール/ビエンヌ市はスイスを代表する木構造専門の大学があり、CNC旋盤による木加工で世界をリードするスイス。この地で大規模な木造建築を作ることは自然な選択肢。このプロジェクトのために加工用の工場を隣接して造った。
    Watch Company Headquarters in Switzerland (Biel/ Bienne, Switzerland/ Projects in Progress)


    木材三次曲面の自動加工技術はスイス、ドイツはずば抜けている。日本は戦後、耐火の問題から大規模な木造技術の開発が行われず、ガラパゴス化が進んで完全に遅れている。このような建築を作りたくても加工技術も設備も人材もないそうだ。


    躯体構造モックアップ(1/3)。針葉樹の材の中に、部分的に強度が必要な箇所は堅い広葉樹の材(色の濃い部分)を混構造としている。


    〈湯布院ツーリストインフォメーションセンター〉 2018年3月竣工予定


    柱のモックアップ(1/3)。日本でも曲面の木材加工ができるのは、と思うかもしれないが、国内では二次曲面の加工しかできないそうだ。


    〈富士山世界遺産センター〉 2017年7月竣工予定。
    逆さ富士形の建物が周囲の水盤に映ることで正富士の形が現れる。内部の螺旋スロープを上がりながら富士山の魅力を紹介し、屋上まで上がったとところでピクチャーウィンドウの先に富士山が見える。


    外壁の木格子のモックアップ。これら大型のモックアップはそのままでは搬入できないので、部材を運んで何日も掛け、この場で組み上げた。

    坂茂さん。「一般の方が図面を見ても理解するのは難しい。展覧会ならではの建築の展示コンテンツは何か?と考え、施工プロセスやモックアップを中心に展示しました。」

    【坂茂:プロジェクツ・イン・プログレス】
    会期:2017年4月19日~7月16日
    会場:TOTOギャラリー・間
    詳細:www.toto.co.jp/gallerma/ex170419/index.htm


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    成瀬・猪熊建築設計事務所が外装デザインを手掛けた世田谷区の商業施設「キュープラザ二子玉川」の内覧会に行ってきました。(4月28日開業)

    東急不動産の都市型商業施設ブランド「キュープラザ」の原宿、恵比寿、心斎橋に次ぐ4店舗目。基本設計は東急設計コンサルタント、実施設計・施工は奥村組が担当した。


    敷地面積1,158m2、延床面積2,521m2。S造+一部RC造、地下1階、地上3階建。
    駅周辺には大型施設が林立する一方で、自然に囲まれた街並みが愛されている二子玉川に於いて、既存の環境との調和を図り、なじみ愛される施設を目指した。一店舗当たりの面積を広く、テラスやドライエリアを設け、自然を取り入れながら賑わいや開放感を演出。


    外装デザインは3社の指名コンペだったそうで、成瀬・猪熊からは「かつてこの場所にあった玉川電気鉄道の風景をモチーフに、枕木・線路・駅をイメージした外装で懐かしさや親しみを味わえる外観。」を提案した。


    レールと枕木をモチーフに使ったデザイン。この東面は田園都市線や大井町線からも望め、商業地と住宅地の境に位置している。レール型の鋼材でフレームを組んだうえで、所々枕木(ケンパス材)をはめ込み、建物の表情を強く見せながらも全て覆うことはせず、店舗の賑わいを街に対して開いた。
    “レール型の鋼材”とあるのは、実物のレールでは強度的に建材として使えないので、レール型断面の鋼材を製作して使用しているのだ。


    外構は公開空地を取りながら、植栽による緑の還元とベンチによって居場所をつくった。
    枕木の壁は落下防止の手立てを何重にも施し、万が一外れてもワイヤーによって保持される。また開口部には照明が仕込んであり、日が沈むとその表情を変える。照明デザインはシリウスライティングオフィスが担当した。


    プロジェクトの途中から参画した外装デザインであるが、建築家として何が出来るかを考え、街と店舗の結節点として注力したという共用部。


    回遊しながら建築的な体験をしてもらえるようデザインした。
    2階の共用部は、しっかりと目地を通した天井パネル、ヘアライン仕上げのエレベーター扉、白木調のデッキ、ジョリパット仕上げの柱、、、


    そして桧無垢材のベンチ等、素材感のある仕上げで、ゆったりとした広さをもつテラスが間延びしないようにした。


    ベンチの傍らには大きなプランターを設えた。直射日光があまり当たらないので森の下草をイメージした植栽。


    3階への階段に回り込むとダイナミックな架構が現れた。単なるファサードデザインに留まらない、まさに建築的な表現が見られる。


    枕木パネルの位置は多くのスタディを重ねた。店の賑わいを見せながらファサードとして主張をしつつ、店内からは向かいの集合住宅を隠し、外からはエレベーターの機械部を覆うなどの機能を持つ。


    続いて地下へ。
    セットバックさせた建物の足元には広いドライエリア。


    ドライエリアはテナントと折り合いをつけながらデザインした。1階に渡り廊下が二つあり、光の入る箇所、入らない箇所により空間が縦方向に分節されるイメージであるため、枕木を用いて水平のラインを強調し、大きなプール状の空間に演出。


    壁に沿って枕木のベンチシートが連続する居場所。このベンチ側では壁面を少しふかすことで、ドライエリアの平坦な輪郭に凹凸を持たせ地形のようにデザインした。


    多機能トイレ。意外にないのが荷物を架けるフック。オリジナルデザインのものを設えた。


    サインも。

    テナントを紹介

    地下1階アジアンリゾートレストラン〈Asian Bistro Dai(アジアンビストロ ダイ)〉。


    地下1階 〈Climbing Gym Fish and Bird(クライミングジム フィッシュアンドバード)〉


    高さ4m、全長20m近いもの含め3種類のクライミングウォールが楽しめる。


    1・2階には〈mont-bell(モンベル)〉。1000m2以上、都内屈指の大型店舗。
    正面外構には枕木と川石で線路や多摩川をイメージ。


    3階にはレストラン〈CHICAMA(チカマ)〉。ナポリから取り寄せた日本最大級のピザ釜がある。


    本場のピザ、パスタ、魚介を使ったチリの郷土料理セビーチェ、スペインのタパスやパエリヤなど。


    右から成瀬友梨さん、猪熊純さん、担当の大川周平さん。
    「私たちの提案は、『外装材を提案する』というコンペ要項を意図的にはずし、フレームを飛び出させ、外階段をファサードの内部に取り込みました。それにより単なる装飾としてのファサードではなく、そこを取り巻きながら登っていく街路の続きとしてのファサード空間を実現し、かつ歩きながら街とその歴史に触れることができることとしました。」

    【キュープラザ二子玉川】
    事業主:東急不動産、東急不動産マネージメント
    基本設計・監修:東急設計コンサルタント
    実施設計・施工:奥村組
    商環境デザイン:成瀬・猪熊建設設計事務所

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    経堂のカフェ併用住宅
    柏の葉オープンイノベーションラボ=KOIL東京の住宅「スプリットハウス」

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    5月22日、2017年プリツカー賞受賞者であるラファエル・アランダ、カルメ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタ(RCRアーキテクツの3人が、東京大学安田講堂にて受賞記念講演を行った。


    定員1000名の講演会は大変な人気で、開始10分前にもかかわらず入場待ちはご覧の行列。早くに定員に達し多くの方が入場を断念せざるを得なかった。


    シンディ・プリツカーの声明。「審査団は、30年近くにわたって共同制作により作品を生み出してきた3人の建築家を選びました。アランダ、ピジェム、ヴィラルタの3氏は、共に活動することでそれぞれの領域をはるかに超えた作品を世に 送り出してきました。3氏の作品は、公的な空間や私的な空間から文化施設や教育機関まで幅広く、それぞれの施設特有の環境条件とその土地の固有性を強く関連付ける彼らの作品は、3氏の手法が真に溶け合った証しと言えます。」


    会場最前列にはプリツカー賞歴代受賞者である西沢立衛、妹島和世、グレン・マーカット(審査員長)、リチャード・ロジャース、ワン・シュウが並ぶ。伊東豊雄の席も用意されていたが講演に間に合わなかった。


    紹介されるリチャード・ロジャース。


    ラモン・ヴィラルタ、カルメ・ピジェム、ラファエル・アランダ。[Ramon Villa, Carme Pigem, Rafael Aranda]
    スペイン・カタルーニャ地方オロット出身の3人組の建築家。1988年故郷に建築設計事務所「RCRアーキテクツ」を設立して以来、共同制作によって作品を生み出してきた。


    進行は東京大学教授でもある千葉学。自身も改修に携わったこの安田講堂で記念すべき講演会の開催となった。
    「RCRアーキテクツは地域性を大切にしながら、世界中の共感を得られる建築を生み出す。そういった姿勢こそが今世界が求めていることではないだろうか。」


    ハイアット財団エグゼクティブ・ディレクター、マーサ・ソーン[Martha Thorne]
    「かれらは、繋がり、共存、その場の光、風、素材、風土を大切にし、加えて個人の経験を活かしながら素晴らしいものを作り上げる。」


    3人で同時に講演を行うのは初めてだという。
    「今回の来日で自分たちにぴったりの日本語を学んだ。それは
    『阿吽の呼吸』と『三人寄れば文殊の知恵』です。これはわたしたちは『Shared Creativity』という言葉で表現しています。一人の力と経験では作れないものも三人で知恵をと力を出し合って30年活動してきた。」と話すように3氏の作品は、それぞれが持つ背景と語り合うような空間を創造するべく、建物 の場所および場所の持つ物語に対して徹底的なこだわりを見せている。


    活動の拠点にしているスペインの田舎町オロット [Olot] の紹介。
    「火山性の大地と豊かな自然に恵まれている。自然といっても農場や植栽なども多く、それは人の手が加えられた自然といえる。」


    「農場の小屋。古びた金属や木材と植物が見せる表情。」


    「荒々しい岩肌と植物など、これらはオロットの典型的な風景で、とてもコントラストが強い風景。こういったところで育ち、事務所を構え仕事をしている。」


    「1990年初めて日本を訪れ各地を回ったが、それは今までの人生で全く異なる体験ができた機会だった。特に高野山で過ごした数日はとても大きな意味をもち、この3人で建築をやっていくのだという強い信念をもつきっかけとなった。」


    「こういった砂庭は日本の方には日常的かもしれませんが、そこには小さな宇宙があり、『一体どうやって作っているのだろう!』と我々の驚きと興味が尽きることはなかった。」


    「間が仕切られながら繋がる日本の建築を学んだ。」

    その後も展覧会なども含め5回来日。


    2010年にはTOTOギャラリー・間 25周年記念展「GLOBAL ENDS」に〈人間回帰〉という作品を出品している。なお、2018年1月には同じくギャラリー・間で個展が開催される予定。


    今回の来日では奈良の吉野杉をリサーチした。


    「日本建築の重要な素材である杉や桧がどのように育てられ、製材されるのか “素材のルーツ” をリサーチした。」
    「ルーツを知るとそのエッセンス(本質)を理解することがでる。エッセンスを理解することで異なる文化を理解することができる。それが新たな創造の源となる。」


    「奈良の寺や京都の竜安寺にも行きました。外と内の融合、間と間の連続性、これら日本の建築は我々に常にインスピレーションを与えてくれます。」

    多くのスライドを使って自作の紹介がはじまる。

    〈トソル-バジル競技場/Tossols-Basil Athletics Track〉
    オロットの街にある競技場。ほとんど木を切らずに森を活かしながらトラックを計画した。
    (photo: R.Prat)


    単に競技場を作ったのではなく、走りながら森の奥行きを感じることができる場所を作った。この場でなければできない競技場。
    (photo: H.Suzuki)


    〈ベルロック・ワイナリー/Bell–Lloc Winery〉
    ワイン畑の風景に溶け込むように計画された貯蔵施設。
    (photo: H.Suzuki)


    ワインのテイスティングのために光や風などその土地の空気を感じられる。日常的な水平垂直の空間を避け、特別なワインの世界に入ることができる。
    (photo: E.Pons)


    〈ラ・リラ劇場の公開空地/La Lira theatre public domain〉
    川の畔に建つ、使われなくなった劇場を広場へとコンバージョンした。
    (photo: H.Suzuki)


    片側には森と川、反対側には街。それらを繋ぐ力強い空間を作った。多目的ホールを地下に設けた。
    (photo: H.Suzuki)


    〈レス・コルズ・レストランのマーキー/Marquee for Les Cols Restaurant〉
    マーキーとはテント小屋。フランスでは古来より人が集まり宴を催す際、仮設のテントを設けた。それはとてもはかないものだがその下では人々の賑わいがある。そんなレストランを求められた。
    (photo: H.Suzuki)


    敷地を掘り下げ両側に石を積み上げる。その間に幾本ものチューブがしなりながら屋根を形作る。周囲は透明なシート材が覆い(ガラスでは強すぎる)、テーブルや椅子も透明で、外なのか内なのか非常に曖昧な空間を作った。外にも内にも今後植物が育っていくことでその曖昧さはさらに増していくことになる。
    (photo: H.Suzuki)


    〈ヴァールゼクローク・メディアテーク/Waalse Krook Mediacheque〉
    ベルギーで竣工した最新プロジェクト。都市のなかで大きなボリュームが重くならないように調和を意識した。場の雰囲気、ここを使う人々がどのような感情になるかを深く考えた。
    (photo: Courtesy of the authors)


    「建築をつくるにはその根本がどこにあるのかを常に考えています。その場所の文化やルーツを理解することで設計のロジックとなります。それを表現できれば建築には共有できる要素が必ず生まれるはずです。」「建築は生きていくための仕事であると同時に、我々の生き方でもあります。」と締めくくった。


    講演会の2日前、東京の迎賓館赤坂離宮で行われたプリツカー賞授賞式。左から西沢立衛、安藤忠雄、妹島和世、ラファエル・アランダ、グレン・マーカット、カルメ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタ、伊東豊雄、坂茂ら日本の歴代受賞者と共に。 



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    5月26日にオープンするコクヨ直営の複合施設「THINK OF THINGS(シンク オブ シングス)」の内覧会に行ってきました。場所は千駄ヶ谷、JR原宿駅竹下口より徒歩3分。



    地上3階建で、1階には賑わいを生み出すショップとカフェ、2階はワークショップやイベントで新たな試みを検証する場所、3階には企画開発を行うオフィス及びプロジェクトルームを配置。社会のニーズを感じながらスピード感のある商品、業態開発を実践する。


    コクヨが建築企画・店舗デザインをした新築ビル。オーナーは別なのでテナントとして入ったかたちだ。
    接道からセットバックした建物。閉じすぎず外部と緩やかにつながるファサード。シンボルツリーのカリンをはじめ、グリーンを取り入れながら街に溶け込むような佇まいを考えた。


    前庭は街に広場を提供するようなちょっとした溜まりだ。


    1階〈CASE〉
    手前からカフェ、ライフスタイルショップ、くつろぎスペース、そして裏庭へと続く。カフェは三軒茶屋のロースター、OBSCURA COFFEE ROASTERSによるプロデュース。


    ライフスタイルショップでは、生活と仕事の双方に「刺激や発見をもたらす道具」という視点でオリジナル商品とセレクト商品を展開。


    帽子箱を思わせる紙筒にアルミのトレイを載せたサイドテーブル「HAT BOX TABLE」。


    コクヨのロングセラー商品キャンパスノートや、筆箱や小物入れになる丸筒などを、生活シーンでも使えるようにアップサイクルしたアイテム。


    「カドケシ」などコクヨアワードから商品化されたアイテムを集めたコーナー。


    ノートや測量野帳への名入れサービス(有料)もある。


    奥のくつろぎスペース。クリエイターの事務所が多いエリアであるため、飲食の場としてだけでなく、プロダクトを見たり、考える場所、打合せ場所などとしての利用を促す構成とした。


    プライベート感のあるテーブル席も。


    裏庭。近隣に住宅が密集しているため塀で囲われているが、小さな都会のオアシスのようだ。


    庇の付いたベンチスペースが設えてある。


    樹齢200年のオリーブを主役とした植栽はソウアトリエが担当。


    エレベーターもあるが前庭から螺旋階段で2階へ。


    2階〈TOT STUDIO〉
    多目的に使われるスペースで、トークショーやワークショップなどを開催していくそうだ。レンタルも可能。


    2階からファサードの裏側から見る。


    3階〈コクヨオフィス〉
    商品開発チームを含む30ほどの固定席に加え、フリーアドレス席も用意されている。ワークスペースから仕切られたスペースには、ロッカー、作業台、コピー機など。


    3階にはバルコニーもあるので、外での打合せも気持ちが良さそう。


    さらに屋上にはキッチンも設えてあり、イベント、撮影、バーなどとして活用される予定。

    創業以来112年、文房具とオフィスファニチャーを中心に、人々の「働く」「学ぶ」フィールドをサポートしてきたコクヨ。THINK OF THINGSでは「ライフとワークの境界を越える」をテーマに「働く」「学ぶ」に留まらず、「暮らす」という視点を加えた新しい価値の提供と、ショップ名が表す通り、道具を手に取りながら”モノ/コト”について考えられる場所を目指す。

    【THINK OF THINGS】
    http://think-of-things.com

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    小嶋一浩+赤松佳珠子/CAt(シーラカンス アンド アソシエイツ)による渋谷区の複合ビル「恵比寿SAビル」と入居するCAtのオフィスを見学してきました。恵比寿駅から徒歩数分の駒沢通りに面した場所。


    敷地面積296m2、建築面積257m2、延床面積1,951m2。鉄骨造地上10階建。1階~4階が教会、4階一部住宅、5階~10階がオフィスの複合ビルだ。


    教会とはキリスト教「救世軍渋谷小隊」。救世軍は建て替え前からビルのオーナーで、CAtは20年以上テナントとしてオフィスに入居していた。
    3年ほど前にオーナーより耐震化のため建て替えるので、一時移転を考え始めて欲しいと通達があったという。オーナーはCAtが設計事務所だとはあまり知らなかったようで、通達後、小嶋一浩さんが「模型作って挨拶に行こう。」となって、意気投合し設計の依頼へと繋がったそうだ。


    ファサードにはプランターを使って一面に植栽を施した。殺風景な駒沢通り恵比寿界隈に忽然とグリーンのビルが現れた。


    5月現在、南に面した植栽はぐんぐん成長し、殆ど緑のファサードになっている。


    北側にはビルに囲まれた恵比寿公園。恵比寿によく来てもこの公園の存在にはあまり気付かないかも知れない。


    2階から4階が斜めに削られている。このビルは商業地域に建っているが、公園側は第2種中高層住居専用地域となる。日影規制による影のラインを商業地域内でクリアするために生まれた形状だ。5階以上は影の先端になるので規制外への影となり、床面積を最大限取れるボリュームとなる。
    しかしこの日影規制、当該敷地では両隣にビルが密接しているので、果たして意味をもつのかは疑問だ。


    駒沢通り側に戻り、左が教会のホール、中央が上層部へのエントランスホール。


    ホール。礼拝後の食事やミーティング、勉強会、イベント、バザーなど行う多目的スペース。駒沢通りから公園までがトンネル状に抜けており、街やスペースの賑わい、公園の賑わいを南北に繋ぐ。また敷地は南北で1.2mほど高低差があるため、それを利用し階段状のアッセンブリースペースを設けた。




    エントランスホール。左の階段は2階の礼拝堂へ通じ、礼拝のないときは格子扉を閉めることが出来る。右側はエレベーターで、一面が溶融亜鉛メッキ板で仕上げられている。


    2階礼拝堂は2層吹き抜け空間。正面の壁は南で、左と上にスリットが入っており、午前中に行われる礼拝時、東(左)から徐々に光の纏が変化する仕掛けだ。




    この空間は、外観で説明した斜めにカットされた部分の半分。そのため平面が台形になっていることや、公園に面しているため様々な方向を正面として椅子をレイアウトできる。カーテンは淡く透過するものが設えてあり、昼間はご覧のように十字のシルエットが浮かび上がり、夜は逆に外から見たときに十字が現れる。
    椅子などの家具デザインは藤本泰司アトリエ、カーテンは安東陽子デザイン、照明は岡安泉照明設計事務所が担当した。


    カーテンを開け、外に出ると公園と連続するようなテラスになっている。規制によって生まれた天高12.5mのエクストラな空間だ。
    4階は住居。


    10階テナントオフィス。南北にバルコニーを持ち非常に開放的だ。


    北側のバルコニー。


    恵比寿公園を見下ろす。正面奥が渋谷駅方面。


    階段を使って下の階へ降りると、駒沢通りを挟んだ向かいにこちらのビルが映っているのが見えた。こちらのグリーンが借景として帰ってくるという偶然。


    5階〜9階は同じレイアウト。ここは5階でこの内覧会のあと、CAt自身が入居するフロアだ。


    そして入居後の様子。
    エレベーターを降りるとギャラリースペースのような設えのレセプションホール。


    ロゴが入った可動式の亜鉛メッキ板は、以前から使っていたものを流用。右には日本建築学会賞(日本建築学会)やBCS賞(日本建設業連合会)を受賞した「おおたかの森小・中学校、おおたかの森センター、こども図書館」の盾などが鎮座する。

    一角には2016年10月に亡くなった小嶋一浩さんの書籍などが並ぶ。新しいオフィスが入るこのビルの完成を見ることはできなかった。


    レセプションホールは小嶋さんが特にこだわっていたそうで、来客の出迎えはもちろん、簡単な打合せや、歓談しながら仕事終わりに飲めるような空間も思い描いていたという。


    質実剛健な印象のオフィス。大きく模型制作スペースとワークスペースに分かれている。


    ワークデスクの頭上には吊り棚を設えスペース効率を図る。


    恵比寿公園側のミーティングスペースとバルコニー。遠景に見える建設中のビルはCAtがデザインアーキテクトを務める、渋谷駅南街区プロジェクト「渋谷ストリーム」に建つ180mの高層ビル。


    ミーティングスペースはラーチ材でできた折れ戸で仕切ることもできる。
    右手裏側は赤松さんのスペース。


    スタッフはバルコニーにノートパソコンを持ち出したり、スケッチを描くこともあるという。内覧会時には落葉していた木々が初夏を迎えうっそうとしている。


    赤松佳珠子さん。「オーナーさんよりビルを建て替えると聞き、恵比寿公園の緑越しに景色が広がるこの場所に留まりたいと思いました。この場所の魅力を出来るだけ引き出しながら、ビルの価値を高め、恵比寿の新しい風景となることを目指して計画しました。」
    (photo: CAt)

    【恵比寿SAビル】
    設計:小嶋一浩+ 赤松佳珠子/CAt
    構造設計:オーク構造設計
    電気設備:EOS plus
    機械設備:知久設備
    照明(1-2F, 外部):岡安泉照明設計事務所
    テキスタイル:安東陽子デザイン
    家具:藤森泰司アトリエ
    施工:藤木工務店


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    浜田晶則建築設計事務所が手がけた、神奈川県綾瀬市にある電子基板製造企業のオフィス+マルチスペース「綾瀬の基板工場」を内覧してきました。
    浜田さんはteamLab Architectsのパートナーでもある。普段から様々なプロジェクトでこちらの企業から基板を供給してもらっており、その関係で声がかかったという。平行して運営する自身の設計事務所として、今回初の建築が完成したかたちだ。


    敷地面積:278m2、建築面積:182m2、総床面積:291m2、木造2階建て。
    既存工場の駐車場を利用して増築棟を建てるプロジェクト。「ここから基板工場のイメージを変えていきたい」という次期社長の熱い想いに応えるべく、住宅が並存している準工業地域に建つ工場がどうあるべきかを一緒に考えた結果、工場と住宅の間をとりもつ「開かれた木造の工場」というイメージに辿り着いたという。


    工場の外観と言えば概ね鉄骨造に工業的な外壁で閉鎖的になりがちだが、ここでは木造で親しみやすく、東面と南面の日射抑制も兼ねた可動式のルーバー引戸を設え開放的にできるようにした。
    ルーバーの幅は3種類使用し、それぞれが少しずつ角度を変えながら取り付けられることで、豊かな表情を生み出す。




    内側から見たルーバー。


    西側の外構には植栽や井戸水を利用した水盤を設け、周辺との親和性を高めた。


    案内板。プリント基板でできている。


    1階〈& VILLAGE〉。ショールームのほか、地域に開かれたコミュニティースペースとして商工会の会議や、子供のワークショップ、イベントなどを行うマルチスペース。


    1階は当初作業場として計画していたが、マルチスペースへと変更になったため、多用途に使える柔軟性と開放性が求められた。


    グリッド状に配置された長押と、立体トラスの架構で構築されたワンルーム空間。トラスやブレース、ルーバーがつくり出す陰影が爽やかだ。


    引戸で様々なグリッドに仕切ることができる。全て開け放した際に大きな空間と気積を得られるよう欄間部分が全て連続している。大スパンで鴨居を飛ばし、小さな部材で構成するために立体トラスの梁組みとした。日常的には、社員の昼食や休憩スペースとして利用されている。


    一角にはワインサーバーや、本格的なキッチンまで設えた。
    各区画の床はフレキシブルボードとし、基準線となるグリッドラインを加工しやすい木とし、敷居やコンセント、空調の吹出口を設けている。


    天井を這う設備配管はあえて露出させた。「基板も電気の流れが合理的に設計され、それが可視化されています。それと同様にここでも通常隠される配管があらわされ、その流れや空気の流れを可視化する設計にしています」浜田さん。


    スピーカーも空間に馴染むよう木製のものをクライアントが選択。


    2階オフィスへは外部階段でアクセスする。
    外周にはデッキ張りの回廊型の縁側を計画し、内と外の中間領域を設けることで周辺環境や自然環境とのバッファーを取った。




    2階の架構も1階と同様の構造だ。社長室・経理室、打合せスペースやワークスペースなど引戸によって仕切られている。


    1階との大きな違いはこの天蓋。ワーロンシートで覆われており、長押の上に仕込まれた照明によって行灯のように淡く光る仕掛け。また365日の直射日光をシュミレーションして、机上面に入る直達光を遮断する最小限の枚数で配置されている。


    架構の接続は銅管とフラットバーで特注した金物が使われている。

    浜田晶則さん。「将来的に建て替える際にも、増築する際の汎用性が高く、空間やプログラムが使い手の能動的な関わりによって可変する建築を設計しようと考えました。住宅、工場など、様々なプログラムが混在してお互いに相利的な関係を築くことができる街づくりに貢献したいと考えています」

    【関連記事】※本プロジェクトは様々な機会で発表されてきました

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    渋谷の新たな複合施設「渋谷キャスト(SHIBUYA CAST.)」の内覧会に行ってきました(シブヤの日4月28日に開業)。
    場所は渋谷駅から明治通りを原宿方面にいったキャットストリートの入口、宮下町アパートの跡地。

    「遊ぶ、働く、住む」をテーマに、都心における多様な居住スタイルを促進するとともに、渋谷、青山、原宿の合流地点という立地を活かし多くのクリエイターが行き交い創造する活動拠点となることを目指す。


    数年前の敷地の様子。小さな路面店と古いアパートが建ち、独特の雰囲気を醸し出していたのを記憶している方も多いのでは。(Googleストリートビューより)


    敷地面積5,020m2、建築面積2,550m2、延床面積35,000m2。S造+一部RC造。地上16階、地下2階、高さ71m。
    「渋谷キャスト」という名称は、「配役、役を割り当てる」を意味する英語 ”Cast” と、 ”Cat street” に由来する。
    施設のデザインコンセプトは不揃いの調和。設計は日本設計・大成建設JVだが、様々なパートに多彩なメンバーが春蒔プロジェクトの田中陽明によってキャスティングされた。

    ■ デザインディレクション:春蒔プロジェクト/田中陽明、トーン&マター/広瀬郁/、デザインコード・CMF Feel Good Creation/玉井美由紀)
    ■ ファサード・ランドスケープ:noiz architects/豊田啓介・大野友資
    ■ 貫通通路一部、広場地面:トラフ建築設計事務所/禿真哉
    ■ co-lab:POINT/長岡勉・加藤直樹、施工:TANK/柴田祐希
    ■ コレクティブハウス:成瀬・猪熊建築設計事務所/成瀬友梨・猪熊純・本多美里
    ■ 1F広場空間演出:ライゾマティクス/有國恵介
    ■ Åre(カフェ)デザイン監修:宮澤一彦建築設計事務所
    ■ サインデザイン:日本デザインセンター/色部義昭


    グランドフロアと1階には店舗と多目的スペース、1・2階にはシェアオフィス、2〜12階は賃貸オフィス、13〜16階には賃貸住宅という構成だ。


    ファサードはアルミルーバーや、コンクリートリブによって従来のオフィスビルとは異なった質感を演出している。

    街との接点としてつくられた、東側の明治通りに面するグランドフロアは「ガーデン」と呼ぶ緑あふれる広場が最大の特徴。渋谷では数少ないオープンスペースであり、集う人がそれぞれの居場所を見つけることができる。

    オープニングイベント時には、広場にカラフルな体験型のアート作品や、、、


    人気店のキッチンカーなどが登場し賑わいを見せた。


    ガーデンのあるグランドフロアは地下1階。そこから2層吹き抜けのピロティーがあり、東側の青山方面へ抜ける貫通通路が設けられている。
    ライゾマティクスによる柱のデジタルサイネージがそこを通る人と地域を繋ぐ空間の関わりを生み出す。

    敷地の東西でこれだけの高低差がある。象徴的な大階段は、季節やイベントに応じてライトアップされ、にぎわいのある空間を演出しながら、安心安全な地域を支えていくという。
    階段の上1階にシェアオフィス、賃貸オフィス、賃貸住宅それぞれのエントランスがある。

    〈co-lab渋谷キャスト〉1階クリエイティブラウンジ。
    クリエイター専用シェアオフィス。フリーランスや企業人のクリエイターが集まり、交流・連携しながら働けるシェアオフィス。「仕事をクリエイションする人が集積する場」をテーマに、マッチング、起業・法務支援などのサポート機能も用意。


    ミーティングルーム

    個性的な壁紙

    先端MR技術の体験ができる専門工房「co-factoy×HoloDive」も。


    1・2階は螺旋階段でアクセスする。

    2階。中央にはコワーキングテーブル。そのまわりを長屋型の専有のワーキングブースが取り囲む。

    さらに外側に個室型の専有ワークスペース。

    13〜16階〈渋谷キャストアパートメント〉
    13階はレセプションやコモンエリアのほか、「コレクティブハウス」と呼ぶ賃貸住宅がある。14階には「サービスアパートメント」、15〜16階にはプレミアムな「レジデンスフロア」となる。


    コモンエリア。居住者同士のコミュニティ活動をサポートする共用スペース。


    共用キッチンやジムもある。

    13階、次世代クリエイター向けの賃貸住宅「コレクティブハウス」 全19室。
    エントランス脇には、入居者が思い思いのものをディスプレイできる棚が付く。

    「コレクティブハウス」のモデルルーム。

    16階 「レジデンスフロア」 のモデルルーム。

    バルコニーからの眺望。眼下に宮下公園の緑や山手線が見える。

    その他テナントを紹介
    カフェ〈Åre(オーレ)〉
    北欧テイストの店内には、WiFiや電源コンセントといった設備も充実しており、店内ではデザイナー作品の展示販売も行う。

    〈THE RIGOLETTO〉スパニッシュイタリアンを提供するカジュアルダイニング。

    セレクトショップ〈PULP 417 EDIFICE〉とデリ&カフェ〈PULP Deli&Cafe〉

    〈東急ストア フードステーション〉
    東急文化会館の地下にあった東急ストアが14年ぶりに渋谷の街に戻ってきた。

    「渋谷を日本一訪れたい街へ」を掲げ東急グループが2027年まで推進する、渋谷駅周辺の再開発事業7プロジェクトのうち1つが今回完成した。
    多彩なデザイナアーキテクトをむかえ着々と進められているその他のプロジェクト、2018年秋開業予定の「渋谷ストリーム(旧渋谷駅南街区)」:小嶋一浩+赤松佳珠子/CAt、2019年度開業予定「道玄坂一丁目駅前地区」:手塚建築研究所、2020年開業予定「渋谷駅桜丘口地区」古谷誠章、2019年東棟・2027年中央棟・西棟開業予定「渋谷駅街区:隈研吾建築都市設計事務所、SANAAなど、今後もしばらく目が離せない。

    【渋谷キャスト】
    http://shibuyacast.jp/


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    虎尾亮太/虎尾+謝建築設計が手掛けた複合施設「NIBUNNO(ニブンノ)」の内覧会に行ってきました。場所は東京・麻布十番。自動車部品倉庫だったビルを、宿泊施設を中心とした複合施設にコンバージョンした。
    企画・運営は日本に拠点を構える台湾のデザイン事務所BXG株式会社。テーマは「泊まれるギャラリー」。全館にわたり、日台をつなぐクリエイティブ拠点としてオリジナルのアート作品を常設する。
    虎尾さんは10年間務めた隈研吾建築都市設計事務所から独立し、7月から日本と台湾の2拠点で本格的に活動を始める。本施設が独立後初のプロジェクトだ。

    地下1階、地上5階建。2〜3階にギャラリーを兼ねる宿泊施設(2部屋)の他に、ショップ、ラウンジ、イベントスペース、オフィスが入る。
    建物は再開発で2020年東京オリンピック後に解体される予定の期間限定施設だ。そのため費用をかけて作り込むのではなく、いずれ解体されるなら、と敢えて解体途中のユニークさや美しさを表現した。

    内装はどのくらい解体すべきか、床から700mmくらいから数パターンの高さの解体ラインを検討した。「人が泊まる場所」であることを前提に、起立時も着席時もある種の快適さを感じられ、且つギャラリーとしての緊張感ある空間を満たす「1300mm」におちついた。そのだいたい床から半分の高さ=二分が施設名のNIBUNNOとなった。


    ファサードは2階の二分(半分)までタイルを剥がした。


    コアぬきで穴を開けた窓が目を引く。


    職人が窓をつくる様子。


    1階 レセプション。


    ショップを併設し、日本と台湾のオリジナルの雑貨やアートを販売する。


    棚は倉庫に残されたものに塗装し再利用した。


    階段室。
    壁のポスターは、虎尾さんが現場で書いた「床から1300mmのところで解体をする」いう指示を本施設のキーワードとしてそのままポスターに起用したもの。


    地下1階〈LAB〉
    日本と台湾をつなぐ交流会やイベントを積極的に展開していく予定。


    建物解体中の様子


    2階〈GALLERY 2〉(客室)
    日本人アーティストの作品をメインに展示。寝具や家具、備品などは白で統一することで作品を引き立たせている。



    部屋の窓からは東京タワー。


    廊下が狭いため、トイレのドアはL型で出幅を抑えた。


    コンパクトなシャワールーム。


    3階 〈GALLERY 3〉
    作品は主に台湾人アーティストによるもの。現れた雑壁のフレームを上手く利用するなどアートの飾り方にも工夫を感じさせる。


    解体によって出てきた職人の手の跡。「スタート時は居住性を確保することは大変でしたが、解体を進めていくうち自然にできたコンクリートと白い壁の陰影や、墨出しの痕跡など面白いと思える要素が増えていきました。建築の学生にとっても良い教材になるのではないかと思います」と虎尾さん。




    4階 オフィスフロア
    虎尾+謝建築設計とBXG株式会社の事務所が入居している。


    5階 〈LOUNGE〉宿泊客専用のラウンジ




    虎尾亮太さん。
    「このプロジェクトと並行して、隈事務所でスカイツリー近くのホテル『ONE@TOKYO』を担当していました。幸運にも2つの "ツリー"の元でホテルをつくることができました。予算も規模など違いはあれど、ホテルの快適性の面でエッセンスを少しでも感じてもらえたら嬉しいです。今後もBXGとコラボしながら世界中に様々なプロジェクトを発信していきたいと思っています。」

    【NIBUNNO
    www.sselectlab.com/nibunno

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    6月16日から開催の「TOKYO ART CITY by NAKED(トーキョーアートシティ バイ ネイキッド)」の内覧会に行ってきました。会場は東京ドームシティGallery AaMo。



    本展を企画したNAKEDは、東京駅、東京タワーなどへの3Dプロジェクションマッピングで知られるクリエイティブカンパニー。広さ730 ㎡の会場全体に、“TOKYO” をテーマにした8スポット(新宿/渋谷/お台場/東京タワー/東京ドーム/秋葉原/東京駅/東京国立博物館)の巨大模型など約250個の模型を展示。それらを約100台のプロジェクター、LEDライト、音楽、特殊効果、パフォーマンスなどで演出する360°で体感するアート空間だ。


    NAKED代表 村松亮太郎さん(左)と EXILE HIROさん(右)。
    HIROさんがプロデュースするLEDダンスパフォーマンスチーム「SAMURIZE from EXILE TRIBE」が、今回 "光る住民"として参加している。


    〈新宿〉
    エントランスを入るとまず新宿エリア。

    歌舞伎町など賑わいのあるエリアと、都庁舎が立つエリアが混ざり合い、新宿の持つ二面性をひとつの表情として体験できる。

    1/60サイズの都庁舎をはじめとする西新宿の高層ビル群。迫力ある映像と音で迫ってくる。

    ドコモタワー。


    歌舞伎町の繁華街。




    今夏、歌舞伎町にオープンする最新エンターテインメント施設「VR ZONE SHINJUKU」と連動した演出も。

    実は無機質な模型群。プロジェクションマッピングされることで命が吹き込まれる。


    〈渋谷〉
    世界的に有名なスクランブル交差点。床の光線で人や交通インフラを可視化しているインスタレーション。


    東京といえば無数の自動販売機。ここではインタラクティブ自販機とゴミ箱が設置されている。実際にドリンクを買うと、ビルに様々な映像が映し出される仕掛け。近い将来実際の東京の街でも現れるだろうか。


    ダイナミックな曲面でたちあがる渋谷駅周辺の模型。


    裏側では渋谷駅の地下を表現。


    会場全体にわたり頭上をグルグルとまわり続ける白い光は山手線の実際の運行状況に合わせている動きだそう。


    渋谷エリアの路地裏をイメージしたデジタル落書きコーナーも。指で自由に光のグラフティを描くことができる。約1分でリセットされる。


    〈秋葉原〉
    秋葉原はエリアでなく、アニメ、フィギュア、電飾パーツなどが詰まった「ガチャガチャビル」で表現されている。ガチャガチャのハンドルを回すと、ビル全体が変化してオリジナルグッズが出てくる。


    〈東京駅〉
    1/40の模型。2012年にネイキッドが演出を手掛けたプロジェクションマッピング「TOKYO HIKARI VISION」が再現される時間帯もある。


    〈東京タワー〉
    東京タワーの展望台をデフォルメした高さ4mの展望台。


    展望台からは、実際の東京タワーと同様の夜景を眺めることができる。
    模型はところどころペットボトルや菓子箱の廃棄材などでできている。


    〈東京国立博物館〉
    1/25の模型。上野エリアとして東京の歴史や四季を表現。2013年に東京国立博物館・東洋館にて実施されたプロジェクションマッピング「KARAKURI」を観ることができる。


    〈東京ドームシティ〉
    1/775の模型。


    〈東京俯瞰図〉
    人口、交通インフラ、今の天気、電気量など実際の東京の動きを可視化したアート。


    オリジナルグッズも販売。


    NAKED代表の村松亮太郎さん。
    「東京は様々な文化を受け入れ、整理をしないままカオスの状態でたゆたい、変化し続けています。この街で生きる人々が言葉で表現しがたい、しかし無意識に感じているこの街の『らしさ』とは何か、本展の起点はここにあります。TOKYOで生活している人々の過去から現在までの営みの集積を各エリア・スポットごとに表現しました」

    【TOKYO ART CITY by NAKED】
    会期:2017年6月16日~9月3日
    会場:東京ドームシティ Gallery AaMo
    詳細:http://tokyoartcity.tokyo/

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    大久保博夫/CHOP+ARCHI建築設計事務所が手がけた世田谷区「上馬の家」を内覧してきました。


    建築面積54m2、延床面積108m2。木造2階建て。二本の道路が鋭角に交わる三角形状の敷地。
    夫婦と娘、三人家族のための住まい。周辺環境との程良い関係性とプライバシーの確保と、東南角地の三面接道による直射日光など自然環境への対策。特異な敷地形状を最大限活用出来るような平面構成も求められた。


    開放的な立地である反面、多くの周辺住宅の正面がこの敷地に向けられているため、プライバシー確保のためには外壁は閉じ気味にならざるを得ない。そこで建物の三つの角に内と外との中間領域となるヴォイドを介して外部との接続を可能にした。


    ダイアグラム。三つの角にヴォイドが設けられている。
    また実は傾斜敷地で、左奥の最高点から、根切り底(基礎のために掘削した地盤面)まで約1mの高低差がある。建築面積の全面を根切り底まで掘削すると、建物の規模に比べて大げさな基礎になるうえに、残土処理のコストが掛かるため、接地圧を考慮しながら三点で最小限の基礎とした。掘削した土は基礎ではない中央に盛り土し、スラブを支持させるために利用した。

    盛り土はそのまま基礎の型枠としても利用された。風雨にさらされ、徐々に土がもれだしスラブが宙に浮いたようになってくる。


    北側のヴォイドは三角形の開口を介して周囲からも見ることができる。


    後ほど室内からよく分かるが、視線の抜けや採光に重要だ。


    玄関。外壁の仕上げはフレキシブルボード。


    玄関から見返すと外壁に挟まれた隙間を発見。


    ここは2つ目のヴォイドで、駐輪スペースなどとして活用できる。


    玄関から2段あがってLDK。基礎からスラブへと上がる様子が分かる。
    左の木の箱はシューズケース。


    LDK。様々な面が交錯し、シンプルながらも表情豊かだ。


    小さな開口は1つ目の北側のヴォイドへ通じており、光量不足を補うようにダイニングへと採光や風を導いている。


    奥は室内と連続する3つ目のヴォイドで、閉じた外観ながら十分な光量が得られている。


    玄関方向を見る。


    シューズケースに見えた箱は裏側が階段になっていた。重くならないように浮いている。


    階段をあがると左に主寝室、正面にウォークインクローゼット、右に子供室。


    主寝室。左からはヴォイドを通じて上下に繋がりをもたせている。


    1つ目の北側ヴォイドは隣家と視線が交錯しないため、水平方向にも開口し、近隣と程よく繋がっているのが分かる。


    子供室側は駐輪スペースの上にグレーチングを張り、バルコニーを設えた。



     大久保博夫さん。「ヴォイドにより、『つながりの調整』を発生させることを考えました。住人同士の視界でのつながり、太陽、音、風など自然環境とのつながり。つながりを調整する事で互いの程良い関係性を形成し、結果として周囲環境との共存へと導いてくれると思っています。」

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    6月23日から21_21 DESIGN SIGHTではじまる企画展「そこまでやるか 壮大なプロジェクト展」の内覧会に行ってきました。
    展覧会ディレクターは建築やデザイン、アートなど幅広い分野に精通するライターでエディターの青野尚子。会場構成は成瀬・猪熊建築設計事務所。



    本展は、既存の表現方法の垣根を超えた大胆な発想で活動をする世界各国のクリエイター8組によるダイナミックなプロジェクトを紹介し、彼らのクリエイションが持つ特別な力と、そこから広がっていく喜びを伝えるというもの。
    「タイトルの『そこまでやるか』は、そこまでやっていいんだ!という率直な驚きとリスペクトで名付けました。彼らが実現する作品は私たちに新しい体験をうながし、これまで思いもつかなかった楽しさと価値観に気づかせてくれると思います」と青野さん。


    展覧会の出展者・関係者たち。左から西野達、ジョルジュ・ルース、浅井裕介、梶本眞秀、石上純也の各氏。


    〈クリストとジャンヌ=クロード〉
    まずは地図や図版などの資料。プロジェクトが実現するために費やされた時間のスケールなど、多様な "壮大さ"と、クリスト50年の歴史を見る。

    映像作品の部屋。2016年イタリアのイセオ湖で発表した「フローティング・ピアーズ」のドキュメント映像。本展のためにニューヨークのスタジオで撮りおろしたインタビューや、スタジオでの制作風景など。フローティング・ピアーズは「この桟橋が作品ではない、風景や街の歴史、色など全てが含まれる。」と強調している。またこのように「作品を説明することは創作活動の一部。」とも

    作品設置の様子も紹介される。


    〈マスタバ、アラブ首長国連邦のプロジェクト〉
    41万個のドラム缶をつかった彫刻。現在進行中の本プロジェクトをドローイングやコラージュ作品、地図やドキュメント写真で紹介する。
    画家としてのクリストの力量を感じることができるエリア。


    ギャラリー2へ




    〈Church of the Valley〉 石上純也
    建築家の石上純也が現在手掛けている教会のプロジェクト模型を観ることができる。


    中国の山東省にあるなだらかな丘の間にある谷。幅1.35m×高さ45mの細長い建築が数年後に完成する。
    施主の要望により天井はなく、壁の上は素通しになっていて雨や光が建物内部にも入ってくる。自然環境にはないスケールでの建築体験を目指す。


    入口から通路は徐々に1.35mの幅まで狭くなり、奥で広がり礼拝堂になる。壁の(躯体)一番厚いところで2m。コンクリートは30cm程ずつ流し積層していくそうだ。


    石上純也さん。「新しい風景や空間が見たいから、やはりそこまでやってしまいます。」


    〈テープ・トウキョウ 02〉ヌーメン/フォー・ユース
    ヨーロッパで舞台芸術の制作などを手掛けているアーティスト集団。今回会場の建築空間に呼応するような、体験型のインスタレーションを発表。
    このフォルムは、半透明で柔軟性のある素材OPPテープだけを使い、5人ほどが6日間かけて伸ばしながら制作したもの。


    中には同時に3名まで入ることができる。


    内部の様子。きしむが安定感がある。来場者が入ると "彫刻が建築になる"という作品。
    収束していくところに物を落とすと拾えなくなるので注意が必要だ。


    ちなみにギャラリーショップには、実際使用したテープが販売されている。


    〈ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ〉
    2011年の東日本大震災を機に、ミヒャエル・ヘフリガー(ルツェルン・フェスティバル総裁)を発起人として、アニッシュ・カプーア、磯崎新、梶本眞秀等が協働し、長さ36mの巨大な風船状の可動式コンサートホールを制作。東北でコンサートを開催したプロジェクト。


    磯崎新によるスケッチ。


    人間の思いやりは大きく、ときに実際に "かたち"になる。


    〈土の旅〉淺井裕介
    5m×10m、壁一面を植物が育つように6日間(96時間)かけて完成させた絵画。絵の具は使わず各地で採取した土や泥のみを使用した作品。


    近くで見てみよう。


    〈大都市軸〉〈ネゲヴ記念碑〉ダニ・カラヴァン
    作品が設置される場の歴史や風土をふまえたダイナミックな彫刻をつくっているダニ・カラヴァン。本展では2つのプロジェクトの模型やスケッチ、写真などのドキュメントを展示し、綿密なプロセスを見せる。


    〈大都市軸(フランス)〉
    長さ3キロ以上、制作期間37年間という壮大さ。


    〈ネゲヴ記念碑(イスラエル)〉


    〈トウキョウ 2017〉ジョルジュ・ルース
    会場の三角の空間そのものに施した錯視を利用したインスタレーションと、写真を展示。
    あるポイントから見ると作品が正円に見えるので会場で試して下さい。


    〈カプセルホテル 21〉西野達
    カプセルホテルをモチーフとした新作インスタレーション。ギャラリー3を使った初めての展示。


    過去の写真作品や新作彫刻もホテルのデコレーションのように展示されている。


    本展会期中には、閉館後に実際に宿泊体験をすることができる予約制のイベントが開催される。


    簡易シャワーも設えたので安心(キッチンに配管を施した)


    「僕ひとりで安藤忠雄さんの建築を使えるなんて!と力が入りました。」「泊まる場合は外から丸見えですのでかなりの覚悟が必要ですが、是非チャレンジしてください。」と西野さん。


    極小のメモパッドや巨大ノートなど、"そこまでやるか”を表現したオリジナルグッズも販売。

    【そこまでやるか 壮大なプロジェクト展】
    会期:2017年6月23日~10月1日
    会場:21_21 DESIGN SIGHT
    詳細:www.2121designsight.jp


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    河野有悟建築計画室による世田谷区の住宅+集合住宅「Hal Halle」を見学してきました。
    1階がオーナー住居、2〜3階が4住戸の賃貸アパート。


    敷地面積277m2、建築面積166m2、延床面積363m2。
    この規模の敷地になると3つないし4つの小さな敷地に細切れに分譲されてしまうのが東京の常だが、オーナーはそうはせず、親から受け継いだ土地を守ることを選んだ。


    外部階段により2階のアパート部へ。デッキ張りの共用部は開けており、住人同士のコミュニティが生まれそうだ。


    住人を気持ちよく迎えられるようオーナーは細やかに植栽を手入れしている。


    外観で目を引くのが外壁を取り巻くように設えられた4段のリブ。その間に2列の連窓が配され、2階の部屋にとってはハイサイド、3階の部屋にとってはローサイドライトとなる。また日射や周囲からの視線を抑制し、間接光を生むリフレクターの役目もする。


    3階はC住戸の玄関。ここではリブが玄関扉にも回っている。


    いつも構造にひと工夫入れる河野さん。二つの青いブロックは水回りや収納、PSが納まる機能部分で、それらを内包しながら1階から3階までを貫くコアにして、水平力を全て負担する構造壁となっている。そのコアを包むように各住戸が構成されてている。


    〈A住戸〉はメゾネットで、玄関を入ると二層の吹き抜け現れ、早速ハイサイドの連窓が目に入る。


    左はすぐ隣家が迫るのでハイサイドが効果的だ。右の扉は水回りだが、周囲が先に説明した構造コアだ。正面はバルコニーとテラスに通じる。


    南側の敷地より数メートル高いため、テラスからは南に向かって視線が抜ける。テラスは対角のD住戸と共用する。世田谷の賃貸アパートで、こんなに空が開けたテラスはなかなかないのではないだろうか。


    テラス南側から北側を見る。


    3階へ。踏面も含めてトラス構造の階段。


    3階では採光はローサイドに切り替わる。
    奥は道路斜線により天高が抑えられロフト空間に。ロフトの天井面に合わせて階段室に垂れ壁を設えた。


    黒い方立はサッシュも一緒に見えているので太く見えるが、方立自体は60×90と細いもので垂直過重のみを支持している。内側の構造コアを採用したことで可能になった開放性だ。施工中、細い方立を見て大工さんが「こんなに細くて大丈夫?」と驚いていたというが、それだけ強靱なコアが支えているのだ。


    2階の〈B住戸〉と、3階の〈C住戸〉はワンフロア。平面の対角に構造コアが位置しているため、居室は雁行したレイアウト。
    こちらは2階なので採光はハイサイド、、、


    こちらは3階なのでローサイドから。


    キッチンを挟んだ反対側の部屋も比較。こちらが2階。


    3階。


    〈D住戸〉もメゾネット。ここだけコアにキッチンが納まる。


    二重の連窓がつくる独特の空間。


    1階オーナー住居へ。引越の真っ最中のため全ては紹介できないが、接道側ガレージに挟まれた趣味室へのアプローチがある。


    エントランスから奥にはホワイエが現れ、ホワイエを介して趣味室へ。右側には南の庭へ通じる外部通路がある。
    中央の扉がある四角い趣味室のボリュームは実は防音室で、全周囲が居室へ接しないように独立した空間になっている。上は2階のテラスだ。


    通路で挟んで隔離した趣味室(防音室)は上部にも隙間があり、風や光を導くことができる。


    趣味室はちょっした演奏会なども開ける本格的な防音室だ。


    居室でのワンカット。東京松屋(上野の本社ビルを河野さんが設計)の雲母引き "江戸から紙” を貼った引戸。
    「お施主さんは自然エネルギーを利用し蓄電させ、住民同士でシェアできるような、エネルギーの自給自足を近い将来目指しています。と同時に空間もシェアしながら、住み手のコミュニティも生まれる言わば “エネルギーと生活の場の共有” を実現できるような建物を望まれました。」と河野有悟さん。

    【Hal Halle】
    建築設計:河野有悟建築計画室
    構造設計:長坂設計工舎
    設備設計:Comodo設備計画
    施工:ウルテック

    【関連記事】
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    6月30日(金)まで開催の、東京建築士会主催「住宅建築賞 2017 入賞作品展」と、初日に行われた入賞レセプションを見学してきました。
    会場は東京京橋のAGC studio。入賞作品5点中3作品を当ブログで取材したことがあるので、レセプションではどのようなやり取りが見られるか非常に楽しみだった。


    4年間審査委員長を務めた西沢立衛さんに代わり、今年の審査委員長は乾久美子で、応募のテーマは「希望のある住宅」。
    その主旨について乾さんは「住宅は、住まい手が環境を選びとり、建て、住まうといった一連の行為の総体として現れるものだと思います。それは生きることと同義となるぐらい迫力のあるものだと思います。また、建てることとは 希望をつかみとるような行為なのかと思います。」と明記している。


    賞の応募総数は昨年の1.5倍の97点。1次審査の後、現地審査作品5点が選ばれ、それを審査員全員が1日で回るのだが、その際チャーターしたバスの運転手の拘束時間に関わる法律があり、法定時間内に全て回らなければならないという前提がある。


    〈住宅建築賞 金賞〉桃山ハウス/中川エリカ(中川エリカ建築設計事務所)
    5年ぶりに選出された金賞だ。
    「衝撃的な問題作であると言って良いのではないか。同時に全体をつらぬくポジティブなメッセージに満ちている。そのことが放つ『希望』のようなものに金賞の軍配が上がった。」(平田晃久)
    「若い建築家の破天荒な設計に老後のより所を託すあたり、世代特有の熱い意思と批判精神を持つ施主だと思われる。精神の解放を求める意思のようなものが、施主と建築家との間で強く共鳴したのではないだろうか。ここに一種の『希望』を感じないわけにはいかなかった。」(乾久美子)


    >> 取材記事


    〈住宅建築賞〉 TRANS/駒田剛司+駒田由香(駒田建築設計事務所
    「小さなスペースが、隙間を介して分かたれつつ繋がり、変化のある流れや場所の豊かさをつくりだしている。建物の間口いっぱい、前遠くに細長い吹き抜けを設けたのが肝である。」(平田晃久)


    >> 取材記事


    〈住宅建築賞〉辰己アパートメントハウス/伊藤博之(伊藤博之建築設計事務所
    「建築躯体のもつ物質的な強度を通して都市に棲まう可能性を問う作品。断面寸法の変化する柱・梁によってまちの風景や日光との関係性が強調され、積層された室が変化する。」(金野千恵)


    >> 取材記事

    〈住宅建築賞〉 Around the Corner Grain/佐野哲史(Eureka)・高野洋平+森田祥子(MARU。architecture)
    「丘陵地の集落のような新鮮な経験をつくりだしている。多様性を獲得するための手段が多数投じられ、それにより多様な種類のユニットを生み出し、賃貸不動産としての価値を上げることに成功している。」(乾久美子)


    〈住宅建築賞〉 いえ と そと の いえ/萩野智香(萩野智香建築設計事務所)
    「家の内にもうひとつ家が入れ子状に入っていて、その内の家の周りに室内化された庭ができる。全体におおらかな構成が良いが、3階にこどもが飛び降りる1mの段差がある。このようなギャップが『家』と『庭』の間で生まれていたらどんなに『希望』が感じられただろうか。」(青木淳)


    AGCスタジオ2階で、入賞作品展オープニングレセプション。恒例、レセプションという名の事実上の講評会。


    前列左から中川エリカ、佐野哲史、伊藤博之、萩野智香。後列左から森田祥子、高野洋平、駒田剛司、駒田由香の各氏。
    審査員の感想や疑問点など聞き入る受賞者。ここで審査結果が変わるわけではないが、受賞者の熱い思いから議論になる場面もある。


    前列審査委員長の乾久美子と青木淳。後列平田晃久と金野千恵の各氏。
    乾さん「希望というものが、荒々しさと共に見えることに驚いた。思わぬところに転がっているのだと。頭で考えることではなく、自らが突入する事で見えてくるのだろうか。」
    青木さん「今ある状況が当然のことではない、ということを教えてもらえたら嬉しい。」
    平田さん「中川さんの作品はクリティカルに振れている。歴史的に秩序だった時代の後、バラバラにする時代があるがそれは歴史的を変えるチャレンジ。今回は過渡期のチャレンジと勇気に感動した。」
    金野さん「住宅に不変性を求めがちだが、このような構築の方法もあるのだと見せてもらうことができた。私自身大変勉強になった。」

    ※来年も同じメンバーで審査に挑むとのこと。

    【住宅建築賞 2017 入賞作品展】
    会期:2017年6月21日〜6月30日
    会場:AGC studio(東京都中央区京橋2-5-18 京橋創生館)
    詳細:www.agcstudio.jp/project


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    「建築家・山田守の住宅」展の機会に山田守の自邸を見学してきました。山田守は20世紀に活躍した日本近代を代表する建築家のひとり。東京南青山にある自邸が住宅遺産トラストにより、家族協力のもと、没後50年を記念して展覧会開催と建物の一般公開となった。
    (※内観の撮影は特別な許可を得て撮影しました)


    1959年竣工。敷地面積382m2、建築面積m2、延床面積256m2(何れも建設当時)。RC造地上3階建て。1階には「蔦珈琲店」という喫茶店があると聞けば知っている方も多いのではないだろうか。
    65歳で初めて建てた自邸について「都内に木造平屋住宅を建てることは都市計画上保安の点に就いて自他の迷惑になり、都市の立体化にも反する。都内に住宅を持つことは必ずしも良くないが、ここは住宅専用地域であって都心に関係の多い仕事を多く持った人が住むところではある。不燃化立体化と美しい環境をつくることに協力するような家を造って置けば、将来も何かに利用されるであろう。」と書いている。


    山田は1920年逓信省(現在の総務省)に入省、営繕課で逓信建築と呼ばれる電信電話局の設計や、逓信病院の設計を多く手掛ける。'45年に退官し独立、'49年に山田守建築事務所設立。東海大学の設立に携わり、建設工学科の教授にも着任。その後日本武道館(写真)や京都タワービルなどを手掛けたことが有名だ。


    建設当初の平面図。赤い部分はプライベートな自身と家族の空間、青い部分はパブリック空間で自社オフィス、緑の部分が外部空間になる。
    (作図:大宮司勝弘)


    竣工模型。ここで上に書いた「将来も何かに利用されるであろう」という部分。1階はピロティになっているが、山田の死後テナントスペースとして増築し、現在の蔦珈琲店が入居している。RCのしっかりした躯体と美しい庭のおかげで、今でも人々に利用されているのだ。
    また3階のテラスも居室が増築された。


    青山学院大の横、アイビー通りから。1階部分は殆ど見えず、2階のコーナー窓や奥の大開口、軽やかな庇は角にRが取られて、繊細な手摺がバルコニーを囲っている。


    裏庭からエントランスへ。階段を中心としたY字型プランは、代表作の一つ東京厚生年金病院で採用した手法だ。


    櫛引された外壁が柔らかな表情を生んでいる。


    階段室には螺旋階段が納まる。ここはオフィスがあったときのエントランスで、住居用の玄関は庭の奥にある。
    現在オフィスは千代田区に)


    2階。階段室に合わせた円弧状の玄関鉄扉。住居用の玄関は別にあると書いたが、普段は閉じられていたそうだ。
    たたきはトラバーチンと思われる。


    2階住居部は現在ギャラリー「蔦サロン」として一般利用される。オフィスがあった3階は増築され、住居として利用されているため立ち入りはできない。


    玄関の “欄間” と呼ぶべきか、サンゴパンのプリズムガラスはコンクリート打設時に埋め込んで施工した。


    玄関から右に折れ曲がって廊下を見る。奥に子供室、左に座敷。


    地窓とハイサイドから北側の光が薄暗い廊下を照らす。


    子供室。この日は山田の作品がパネルやスライド、模型で紹介される。


    青学アイビーホールに向いたコーナー窓。開口端部はアクリルの曲げ板。
    竣工時アイビーホールはまだなく、テニスコートがあった。


    背後はシンメトリーで絶妙に分割された構成。


    座敷(居間・客間)。入ると見学者は必ずこの眺めに一度動きを止めてしまう。庭は大きく盛り土し2階からの眺めをメインにされているため、大開口から季節毎に彩りを変える庭木が一面に美しく切り取られている。
    中央の仕切りによって、左に八畳間、右に十畳間になる。


    モダンなアレンジがなされた床の間と書院。垂れ壁の落掛(おとしがけ)や、床板の床框(とこかまち)、床柱を廃したシンプルな構成で、付書院までが水平に連続する。


    床脇(とこわき)は反対側に。違い棚は廃されているものの、天袋と地袋は設え、床柱もあり、向かい合わせながら和室の伝統的な基本構成がなされている。床脇のパースラインが水平の欄間や大開口に伸びていく様が美しい。
    直線的な空間に雲を思わせる有機的な欄間がアクセントとして効いている。


    大開口のサッシュは改修されているが、オリジナルでは太い水平の鉄サッシュ(縦には細いサッシュ)が上下に2本、欄間と、地袋及び付書院の高さに入っていたことから、より水平ラインが強調されていたと推測される。
    (photo: 国際建築1959年12月号)


    座敷を仕切る右上の細い鴨居はスチールロッド+パイプで吊られ、欄間にはアクリル板が嵌められている。縁側(山田は図面でバルコニーと呼んでいる)には上の写真のように藤製のイスとローテーブルが置かれた、アーバンリゾートの趣だ。
    右奥の白い扉は山田の位牌が安置されている仏壇が納まる。


    仕上げに砂壁や木材が多用されているため、ついRC造だということを忘れてしまう。これだけのロングスパンの天井スラブを支えるために、中央の柱は実は鉄骨で、木の柱に見えるように杉板で被覆されている。梁は逆梁だ。


    120°の角度で開く大開口。赤いノムラモミジとサクラの花びらがつくり出すコントラスト。


    公開時間前のひととき。展覧会でもあるため、貴重な図面や模型も展示されている。奥の左は展示を担当した岩岡竜夫 東京理科大学教授、右は山田守の研究者でギャラリートークの講師を務めた大宮司勝弘 東京家政学院大学助教。
    知る人ぞ知る、山田こだわりの畳は、畳縁(たたみべり=畳の長辺につく帯)が片側にだけしかなく、軽やかに見えるよう演出されているというが、通常はご覧のようにカーペットが敷かれているため見ることはできなかった。


    玄関、キッチン方向を見る。電話台がニッチに納まる。ニッチとキッチンの開口の角にもRが取られている。


    キッチン。山田によるデザインで収納がびっしり。ガスコンロ以外ほとんどオリジナルのまま。家政学部で教鞭を執る大宮司氏によると、「システムキッチンの歴史的資料」とのことだ。


    奥の茶室方向。開口の角はアクリルの曲げ板で200R。曇っているのは経年劣化によるもの。


    角の室内側を見てもRがついている。階段は3階の現居住エリアで立入禁止。


    茶室は縁側にせり出している。


    ござが敷いてあり確認出来ないが、下には四畳半のため卍型の回し敷きされ、さらに天井のヨシ張りも鏡像のように回し敷きで中央に照明が設えてある。
    引き戸の向こうは3畳の小さな部屋がある。


    開放的な茶室。


    1階に蔦珈琲店が覗く。庭には以前池もあった。


    壁面のパネルには山田守建築事務所で保管されているオリジナルの手描き図面。これは座敷建具の納まりや柱の実寸図面で初公開だそうだ。


    複写されたものは綴じられ、手にとって閲覧できた。


    大型建築を数多く手掛け、住宅は自邸も含め4作のみ確認されている。


    山田守。「一度本当の家に住みたいという老妻の希望もあり、65才にして初めて止むを得ず本当の家を建てることになった。」と言ったように、あまり乗り気でなかったようだがこのこだわりだ。
    藤岡洋保氏のコメント。「山田の特長は、なによりもその造形能力の高さにある。その伸びやかな造形は他の追随を許さない。」「彼は、ディテールを緻密に整えるタイプの建築家ではなく、建物全体を一望する視線に耐え得る造形を目指した。広い敷地に自由に造形できる機会を与えられたときに力を発揮するという、日本では珍しいタイプの建築家と言える。」



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    進藤強(BE-FUN DESIGN)よる練馬区の集合住宅「SMI:RE SHAKUJII」を見学してきました。
    西武新宿線 上石神井駅から7分程、新青梅街道に面する場所。


    敷地面積85m2、建築面積48m2、延床面積95m2。木造2階建て。5住戸の長屋。
    横長の比率なので、ファサードは単色だと壁のようになってしまうことから、グラデーションを採用し圧迫感を軽減した。


    横に回ると驚きのプロポーションと立地と共に、接道から約2mの高低差で本当の1階部分が現れ、2.5層の2階建てだと分かった。
    そもそもこの敷地はどういうことなのか。40年ほど前にこの辺りの地主が左にある厚生労働省関係の施設に大きな土地を売却したが、どういう訳か半端に売却しきれずに経過。地主はそのことに最近気付き、数十年ぶりに日の目を見たこの土地が売りに出されたというわけだ。


    平面図。新青梅街道に対して右下の赤い斜めのラインが計画道路で、それを避けるため側面が斜めになったそうだ。
    どうにも使い勝手の悪い立地と形状な上に、計画道路にも掛かってしまう敷地だが、進藤さんは素材を活かした料理に仕上げた。


    3m×30mの敷地。角度によってはこのように見える。


    背後(南側)からみると厚労省の施設はきれいに植栽され、建物は引きも有り、人通りも殆どないことからこの南側を活用し快適性のある住居として成り立たせようとした。


    少々危険だが、玄関から直ぐに歩道だ。


    境界には30cm程の隙間。歩道からほぼ敷地の余剰を得ずに出入りすることを強調するように、エキスパンドメタルで隙間を緩く塞いだ。(筆者はカギを開けさせてもらったが、落としてしまわないかとひやひやした)


    向かって一番左の住戸。手前にロープが張ってあるのは、まだ一部施工中だったため。


    室内の奥行きは2.2mほど。窮屈そうに折れ曲がる階段が3層を接続する。


    目線の高さに中2階のロフトがあり、広さは2帖。


    1階は5.3帖。鋭角な居室だが、開口からは借景の緑が取り込まれ、視線も抜ける。


    階段の下にはコンパクトなキッチンが備わる。
    3.1mの天高、開口と、、、


    先端部は4.5mの吹き抜けで、思ったほど狭く感じない。
    さらに上層のハイサイドからたっぷり採光され、隅の薄暗さは皆無だ。




    ロフトから。街道と植栽のコントラスト。異なる風景が切り取られる。


    2階は水回り。ここからもたっぷり緑が望める。


    鋭角部にシャワー室。


    現在5室中1室はショールームで、ほか4室が入居済み、。端には1台分の駐車場が鉄骨で造られており雰囲気はまた変わってる。(phpto: ビーブンデザイン)
    「忘れられた土地でした。誰もが使えないと考える土地を建築の力、アイデアで快適に建築化しました。変形地、崖、不利な地域、でありながら良いところを伸ばして、建築家の力で生まれ変わることができるという事例ではないでしょうか。」と進藤強さん。



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    建築家・岸和郎(ケイ・アソシエイツ)と、食空間プロデューサー・木村ふみによる「New Japan Standard」展の内覧会に行ってきました。会場は東京 丸の内にあるASJの新しいギャラリー、「ASJ Tokyo Cell」。


    開催概要:「畳にこだわらなくてもいい、いまどきのライフスタイルに合わせて、ちょうどよく和のエッセンスを取り入れる。それが『New Japan Standard』という考え方。画一的で自由なつくりが出来ないと諦めていた空間や、古いマンションでも、適切にリノベーションを施すことで、美しく心地良い空間を実現できます。目指すのは、都市に豊に住むということ。日本の住まいの新しいスタンダードを会場でご体感下さい。」


    会場には「New Japan Standardって例えばこういう設えですよね」という提案やヒントが随所に散りばめられている。岸さんは全体的な構成と、実作によるイメージ写真やスライド、模型などと共に自らがデザインした空間を形作る家具。そして木村さんがそれらに実際の生活シーンが見えるしつらえを、食器や茶道具、花(植物)などをつかって提案。


    〈Rock Garden Carpet〉京都 竜安寺石庭の一部をトリミングしたカーペット。
    奥には石と京都から持ち込まれた苔で市松模様を "しつらえ"た。


    石庭からトリミングされた箇所。


    このカーペットの砂紋、パイルを織り込んで作られたのかと思ったが、職人のによるハンドカットだった。毛足の長いカーペットをハサミや刃物で切り揃えて砂紋が造形されている。残念ながら日本にはこの仕事をできる職人はおらず、香港の職人に作ってもらった完全な一品ものだそうだ。


    新作の〈Dubble Happiness Table〉〈可動式亭主席〉。奥には〈立礼卓〉。和室や茶室がなくても、新しい日本の空間を演出できる家具やしつらえ。


    〈Dubble Happiness Table〉 中国で縁起が良いとされる「囍」双喜紋=ダブルハピネスの一部をトリミングした丸テーブル。




    天板は木目の向きを変えて表現しているが、脚が分かりやすい。


    〈可動式亭主席〉(高嶋貴子と協働)
    通常時は小さな机や花の飾り棚などに使用でき、展開すればお茶の亭主席や鍋の席となる。


    ギャラリー・間での岸さんの個展京都に還る」展でも登場された、裏千家 茶道芳心会を主宰する木村宗慎(きむら・そうしん)さんが点前の所作を少し見せて下さった。


    〈立礼卓〉立礼式(椅子座り)のお茶会ができるテーブル。普段は長方形のテーブルとして使用でき、点前の際にはテーブルの一部を移動させ亭主席ができる。
    背景は岸さん設計による実在の空間。


    「京都に還る」展でも展示された森山茜による〈Textile Wall〉のブラックバージョン。


    こちらも「京都に還る」展で展示された、岸さんが設計による建築の模型で、手前から〈KIT House〉〈KIT House〉 構造〈京都大学北部グラウンド運動部部室棟〉


    〈苦楽園の家 Ⅰ〉〈苦楽園の家 Ⅱ〉
    今回の展示は、全体が実物を想像する模型のようなもの。その空間を包む建築模型も置いてさらに外側をイメージ出来るようにした。幅広く展示することで多くの方に来てもらえるよう考慮されている。


    食空間プロデューサー、木村ふみさん。「普段ハイアットホテルでメインに仕事をしていますが、西洋は分類・分析から論ずる『知の文化』ではとないかと思います。一方日本は心・感覚で論ずる『感の文化』ではないでしょうか。西洋は『情報』、日本は『情緒』と言い換えることが出来るかもしれません。ここでしつらえには西洋東洋色々なものを使っていますが、『情緒』を感じてもらえるのと思います。」


    岸和郎さん。「建築家は建物を作って、空間を作って、場合によっては家具も提案しますが、その先まではなかなか出来ない。そこで木村さんに声を掛け、新しい日本のしつらえをお願いしました。マンションなどで畳がなくてもテーブルと椅子で日本の伝統的な心地よさを実現できるという提案です。」

    【New Japan Standard 展】
    会期:2017年7月1日〜20日
    会場:ASJ Tokyo Cell(東京都千代田区丸の内3-4-2 新日石ビル1F)
    主催:アーキテクツ・スタジオ・ジャパン(ASJ)
    詳細:https://concept.asj-net.com/new-japan-standard

    セミナー:
     7月8日(土)岸和郎「これからの都市の住まい」
     7月15日(土)木村ふみ「響き合う記憶」 –しつらえについて考える–


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    8年の歳月を掛け、東京大学総合図書館新館+ライブリープラザが完成。内覧会に行ってきました。設計は川添善行(東京大学川添研究室)+東京大学施設部+清水建設。
    2016年に躯体完成時に見学レポートを掲載しましたが、その後ライブラリープラザ、地下自動化書庫、外構ができあがった。


    東大では各地に35ある付属図書館合計で約950万冊の蔵書を有するが、今後も毎年10万冊のペースで蔵書が増えていくという。早急にの蔵書スペースの拡充を迫られているため、本郷キャンパスの総合図書館の全面改修、及び噴水広場の地下に300万冊の収蔵能力を持つ自動化書庫 "知のアーカイブ” と、ライブラリープラザ “知の円形劇場” をつくる計画だ。

    断面図。右の地上部分が本館。左の地下部分が300万冊分の収蔵庫。地下46mに3層に渡っての自動化書庫を備える。
    施工や構造、防水などは前回記事に詳しいので是非ご覧下さい。


    リニューアルした噴水広場と、この下に総合図書館別館がある。背後の本館は改装中で2019年の完成を目指している。


    1923年の関東大震災で焼失してしまった旧図書館は、その後ロックフェラーの寄付により1928年に再建され、同時に消失時の教訓から防火用水池として噴水が作られた。


    噴水に近付くと底が透けているように見えるが、これは後ほど。


    エントランスは地下1階のサンクンガーデンに。エントランス横に見える鋼板は、地下に埋められた書庫を地下水から守る最外殻の止水鋼板の一部だ。


    ゲートの向こうにライブリープラザがすぐ見える。


    円形のライブリープラザ。面積800m2、天井の放射状ルーバーが美しい。


    中心を見上げると、先ほどの水盤と噴水が見えた。


    日が差すとご覧のように煌めく水紋が映し出される。

    工事中の様子。


    ライブリープラザは議論の場。本や講義による受動的な学習の時代が長く続いたが、本を参考にしながらも、能動的に議論をしながら答えを導く、新しい知のかたちが求められている。食堂や講義室、会議室などもあるが、発表や議論の場として特化した空間は東大に初めて作られた。
    円形の外周は大型のモニターや、ホワイトボード、書棚がぐるりと囲う。


    輻射冷暖房パネルや柱が緩く空間を仕切り、そこはかとなく居場所の切っ掛けを作っている。
    「円形のため見通しがよく、目に入る様々な活動から刺激を得られる。また静寂過ぎる空間は話しにくい、心地良いざわめきをつくり出すよう工夫しました。」と川添善行さん。


    天井のルーバーはカテナリー曲線による自然なカーブを描く。木材は構造部にリン酸処理による不燃化が施されている。


    ルーバーを支持するフレーム。天面には吸音材が張られている。音を吸収しながらもルーバーで音を散らすのだ。


    地下の自動化書庫。天高11mの空間に高さ約10mの書架が100万冊の本を収める。雑菌の侵入を防ぐため、メンテナンス時以外に人が入ることはなくなるという。


    書架が入る前の様子。ここは地下2階なので同じ空間が下にさらに2層ある。


    蔵書の検索や、発注、受取は改装中の本館に造られる閲覧室で行われる。上記の書架にはこのようにコンテナに収められた本が並んでいくため、コンテナごと手元に運ばれてくることになる。
    ちなみに蔵書には、徳川家から寄贈された国宝級も含む「南葵文庫」96,000冊や、遺族から寄贈された森鴎外の蔵書「鴎外文庫」18,000冊などもあるそうだ。


    地下から運ばれるコンテナは、実は屋外から見ることができる。本館正面向かって右側にあるガラスの箱がそれだ。


    右側から垂直に運ばれ、奥の本館へ水平に延びるレールが見える。注文から手元に届くまで3〜5分。


    地下のライブラリープラザに戻り、ガラス扉を開けると神殿のような空間に出る。階段を上がると本館の地下1階にアクセスできる。


    斜めの天井は外観で見える外階段の下だ。別館と本館は異なる建築基準法で作られているため、空間的にも構造的にも完全には接続されていない。
    そのためこの空間は半屋外のドライエリアとなる。


    ドライエリアのため一部外気と接続する吹き抜けがある。


    工事中の様子。ミニショベルがいる辺りが2つ上の写真を撮った位置。(階段が一時撤去された状態)


    本館入り口へ通じるピロティ。中に自動化書庫からの書籍の閲覧室ができる。


    屋外から見えるドライエリアの吹き抜け。


    本館外階段。下段は既存の再利用で別館側の構造に設えてあるが、最上段(色が異なる)は本館側の構造。踏面と蹴込みの境に隙間がある。


    今回の工事で旧図書館の基礎や、さらに前の加賀藩前田家の上屋敷の遺構が出土した。先人たちが遺した痕跡を丁寧に取り除き、一部を元の位置にモニュメントとして再現した。


    旧図書館の基礎はサンクンガーデンで見ることができる。


    プロジェクトリーダーの川添善行さん。「気付けばこのプロジェクトに8年も携わっていました。山あり谷ありで本当に大変でしたが、とてもいい経験ができました。出来たばかりで本格運用もまだですが、計画通りの使われ方ができるのか、使われてから分かることもまだまだあります。」
    なお川添さんは私設事務所、空間構想 一級建築士事務所を立ち上げ、7月からカフェ併設でオープンする予定。大学の研究室と同時進行で活動していくこととなる。

    【関連記事】

    躯体完成時の記事



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    川辺直哉(川辺直哉建築設計事務所)が手掛けた横浜の自邸「泉区中田の住宅」を見学してきました。竣工・引越から1年が経過しており、外構の植栽や室内も落ち着き、満を持しての公開となった。



    敷地面積129m2、延床面積104m2。RC造2階建て。
    元々この近所に賃貸住宅に住んでいた川辺さんは、お子さんの学校環境や今までの生活環境が変わらぬように地元で土地を探し、気に入ったのがこの3面接道の変形角地だ。


    建物は大きく二つのボリュームに分かれており、その間に玄関アプローチがある。(引きが取れず全体が撮影できなかったのが残念)


    アプローチの周り含め外構には様々な草木が植えられ、週末にはご夫婦で良く手入れをするそうだ。


    玄関扉の横には網戸入りのガラリ。ここまで木造に見えなくもなかったが、内部にRCの躯体が見えてきた。左には下足入れや、ロフト付きの納戸。


    玄関を入ると目の前に、約6mの吹き抜けのホールと、スチール製の階段が3つ出迎える。


    吹き抜けは外観で見えた二つのボリュームの交点。右側に二つの子供室と奥に主寝室が並ぶ。


    子供室の前から見ると、交点にもう一つ小さなボリュームが嵌合しているが分かる。扉はトイレで、その左は小さなサンルーム。

    サンルームからは坪庭を愛でながら自分の空間をつくることが出来る。


    サンルームから見るとこのように。子供室の引戸が2枚並び、地窓から光と植栽が覗く。


    子供室の前から。正面奥は洗面コーナー。その左に水回り。
    お気付きだろうか、ホールを中心に見る向きを変えると、全く表情が変わっていることを。


    洗面コーナー


    ホールの見上げ。ボリューム同士が合わさった部分が三角形の吹き抜けをつくり、RC躯体と、2階の床は木造なのが分かる。また高さの異なる天井が5面も見える。

    躯体と、床・階段の納まりには気を使い、右に見えるように、全て壁の木口はモルタルで滑らかに仕上げられている。
    「躯体の状態のときにかなり手を掛けた。」と川辺さん。


    このカットだけを見せられたら、これだけ見せ場あるような住宅には見えない、不思議な建築だ。
    設計や、監理など全て川辺さん自身が手掛け、スタッフはほとんど関わらなかったそうだ。

    2階へ上がる途中、踊り場は植物に囲まれた居場所。1階のサンルームでは南側開口、ここでは北側開口で性格の異なる光を楽しむことができる。


    踊り場から振り返る。左にダイニング、キッチン、スタディーコーナー。右にリビング、バルコニー。

    ダイニング。オリジナルの丸テーブルを4種類の椅子が囲む。窓際には大小様々な植物。

    ダイニングを中心に向きを変えると周囲の見え方ががらりと変化する。

    リビングから。この住宅はある1箇所からの代表的なアングルが存在しない。撮影をしていて、20〜30cm位置を変えるとファインダーに見える画が全く変わるのだ。それは上下2枚の写真で見える4枚の壁によるものだと気付いた。そして1階での天高の違い、2階では床レベルの違いとが複雑で高度に構成されバランスを取っている。


    キッチン。上が開いており、隣のスタディコーナーと通じている。右上はスタディコーナーから出し入れするロフト収納。




    スタディーコーナー。長机が一枚のシンプルな空間が、開口によって単調にならないように工夫されている。


    明確な仕切りはないが、構造壁で絶妙に仕切られている。


    次に左上のリビングへ。


    リビングはテレビを見る場所として他と切り離されている。天井は2.2mと低め。奥の右手にバルコニー。


    バルコニーも屋外の居場所として存在している。


    自邸を建てたことについて川辺さんは「子どももう高校生と中学生。あと何年か、10年も経てば家を出てしまうでしょうから、今のうちに “実家” をつくってあげたかった。」と話す。




    川辺直哉さん。「内と外をひっくり返したような住宅です。外壁を(外断熱で)きれいに仕上げ、内壁はPコンの跡もそのままにラフに仕上げました。そして内には外と同じくらい植栽を置いてさらに外のように感じさせています。」
    「三面接道の敷地を選んだので、色々な方向を向こうと思い、二つのボリュームに角度を付け性格の異なる開口と居場所をいくつも作りました。」


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    野中あつみ+三谷裕樹/ナノメートルアーキテクチャーによる渋谷区の美容院「So.」を見学してきました。場所は宮益坂を登り切る少し手前の左側、雑居ビルの6階。
    野中さんは吉村靖孝建築設計事務所出身、三谷さんはサポーズデザインオフィス出身。二人で事務所を立ち上げ数ヶ月、ナノメートルアーキテクチャーのデビュー作だ。


    面積は約100m2。既存も美容院だったスペースを居抜きで改修した。
    店名の「So.」とは、単独では意味をなさないが、so beautiful、so cool、so cuteなど、顧客をより強調、引き立たせるようなメッセージを込めている。


    居抜きの改修だったため、出来るだけ既存を活かし、コストを抑えながらも新しいイメージになるよう計画した。


    鏡が付く壁はふかされた雑壁だったため、内側にフレームが現れた。そのフレームを残し奥行きを与えた。天井や梁は黒く塗装し空間を広く感じさせた。


    美容院で6階は不利かと思ったが、宮益坂のケヤキ並木の上に位置し、緑を眺めながらの遠くまで視線が抜けるという、渋谷ではとても良い立地ではないだろうか。
    また新しく設えたグリッド状のシェルフには、植栽やオブジェクトを飾る。


    傍らに一面だけある “ティファニーブルー” の壁は、カット後にお客さんを撮影させてもらい、インスタグラムにアップするための背景で、こういったリアルタイムの情報アップは重要なPRだという。壁の色は今回店長が一番こだわった箇所の一つ。


    そのほか差し色で、腰高にカーキを添え、水平ラインを強調し広がり感を増した。


    レセプションとウェイティング。


    レセプションカウンターは既存を利用し、モルタルと白木の天板で仕上げた。
    奥はシャンプースペースや個室、スタッフルームに。


    シャンプースペースは少しダークな付き板を選び、落ち着いた雰囲気でシーンの切り替えを演出。


    奥行きのある店舗に腰高の差し色が効いている。




    左から三谷裕樹さん、店長(ディレクター)の高木大輔さん、野中あつみさん。
    高木さんも独立して初めて持つ店、ナノの二人にとってもデビュー作。若い三人の協働ともいえる作品だ。

    【So.】
    設計:ナノメートルアーキテクチャー
    施工:ROOVICE
    店舗住所:東京都渋谷区渋谷1-8-5小山ビル6階
    インスタ:www.instagram.com/so_daisuke_tkg_5


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    比護結子/一級建築士事務所ikumoによる千葉県流山市の住宅「ナガレノイエ」を見学してきました。つくばエクスプレス 流山セントラルパーク駅から10分程の住宅地。


    敷地面積230m2、建築面積69m2、延床面積89m2。木造2階建。
    敷地は40年ほど前に造成された住宅地で、施主は売りに出されていた更地を購入した。230m2もあれば大概分筆して販売されるが、この辺りの街づくり条例で建築物の最低敷地面積が135m2と定められているため、ゆったりとした敷地にゆったりと建っているのだ。


    大きな寄棟屋根の建物が、接道から10m程セットバックした広々とした前庭とバランスよく配置されている。右にある盛り土は、基礎を根切りした際の残土で、草山になるそうだ。またこの部分は将来的に親を呼び寄せ、二世帯にもできるよう想定している。
    アプローチの大谷石は敷地前面にあった擁壁のものを流用し、代わりに蛇籠に砕石を詰め擁壁とした。


    アプローチを進むと大きな屋根の大きな軒下が迎えてくれる。広い土間が室内の奥まで連続している。
    屋根はアスファルト葺き。

    引戸を境に内土間と、外土間。軒下の奥は浴室で、ガラス引戸と、網付きの目隠しガラリが備わる。その上はバルコニー。

    軒の高さは5.2m、大きな気積がとても贅沢で「自分ならどう使おうか」と考えてしまう。実際軒桁にはいくつものアイボルトが埋め込まれ、様々に活用出来る準備がされている。
    5連の引き戸を閉めると一番奥のみ網戸がつき、玄関となる。

    土間のまま連続するLDKは中央に巨大な正方形のテーブルが陣取る。テーブルには階段が乗っているが、、、


    このようなシーンが日常になるようだ。テーブルの大きさは3m×3mで、キッチンであり、ダイニングであり、リビングであり、勉強机でもあり、家族が常にこのテーブルを中心に集まるのだ。下は収納に。


    一度軒を振り返る。前面道路までが遠い。土が緑になった姿を見るのが楽しみだ。
    ちなみに近隣の住人からは「何かのお店が出来るのか?」とよく聞かれるそうだ。


    テーブルの奥は小上がりで板の間と、奥に畳の間で、カーテンを設え客間にもできる。板の間の下は一部収納になっている。


    近隣と視線が正対しないよう開口は隅や下に設け、かつ借景で緑が取り込まれる位置を計算した。


    キッチン周りは構造コアになっており、右に冷蔵庫や調理家電も納まるパントリー、背後はトイレになる。左の洗面から浴室に通じる。


    階段の踏面は2枚延長され棚になっている。


    浴室から。犬を飼う予定であることから、散歩から帰って直ぐに洗うことができる位置。


    2階へ。


    100×300のトラス大梁が東西方向に二つ、右の壁に隠れている台形の大梁が南北方向にひとつ、計3つの大梁で屋根を支えている。
    大屋根の開口が、採光と視線の抜けのために開けてあるのがよく分かる。




    2階主寝室。外観で見える屋根から飛び出した箱が右の白い部分。正面はバルコニー。


    バルコニー。ここから見る軒下空間もなかなかだ。


    子供室。主寝室との接続部に納戸。2階は “小屋裏に棲む” イメージを強調した。


    比護結子さん。「お施主さんからは、大きな屋根に大きな犬と暮らす、ということが一番のご要望でした。数十年前に開発された住宅地で人も家も更新が進んでいる街ですが、基本的に寄せ棟屋根が継承され秩序だっているように感じます。神社のある小山を中心におおらかな土地の起伏に倣いながら、それらと暮らしの新たな関係性を提案しました。」

    【ナガレノイエ】
    設計監理:一級建築士事務所ikumo
    構造設計:オーノJAPAN
    施工:須賀工務店


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    7月18日より東京国立近代美術館で開催の展覧会「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」内覧会に行ってきました。会場デザインはアトリエ・ワン。



    本展は、日本の住宅建築を成立させる条件が大きく変わった戦後に焦点をあて、56組の日本の建築家が設計した住宅75件の家を、《日本的なるもの》《遊戯性》《脱市場主義》など13のテーマ(系譜)に分け、模型、図面、写真、映像など400点を超す資料で紹介する。ローマ(2016年)、ロンドン(2017年3月)での巡回展として開催される東京での展示では、新たに体験型の模型や施主のインタビュー映像などが追加されている。

    《1. 日本的なるもの》

    戦後間もない頃に、日本の家の起源などないという境地に立った上で「日本的なるもの」を相対化するために様々な知恵を持ち込んだ傑作を紹介。


    生田勉〈栗の木のある家 1956〉


    白井晟一〈芦屋山本邸のためのスケッチ〉


    丹下健三 〈自邸 1953〉


    清家清〈斎藤助教授の家 1952〉原寸大模型。
    東京都大田区(現存せず)/木造/延床面積71㎡/敷地面積795㎡
    家の一部がキャンティレバーになっている(宙に浮いている)のは、傾斜敷地にローコストで建てるという必要性から、既存の基礎を用いた結果。基礎の一部はテラスとしも使われていて、その結果、部屋→縁側→簀の子→テラス→庭という空間のグラデーションが生まれている。


    来場者は靴を脱いで中に入ることができる。



    《2. プロトタイプと大量生産》

    難波和彦〈箱の家〉シリーズや、池辺陽〈住宅No.3〉前川國男〈PREMOS〉の映像など。


    黒川紀章〈中銀カプセルタワービル 1972〉

    《3. 土のようなコンクリート》

    吉阪隆正〈吉阪自邸 1955〉


    東孝光〈塔の家(自邸)1966〉

    《4. 住宅は芸術である》

    「住宅は芸術である」とは篠原一男の言葉。生活空間に斜めの柱が突き出している〈上原通りの家〉のエリアでは、実際に住まい手がどう受け止めているかが分かるインタビュー映像も。


    1970年初頭から1980年代半ばにかけて、伊東豊雄と坂本一成が家の表現をスピーディーかつ大胆に展開させた様相を紹介。


    坂本一成〈水無瀬の町家 1970〉

    《6. 遊戯性》



    柄沢祐輔〈s-house 2013〉


    毛綱毅曠〈反住器 1972〉

    《7. 新しい土着:暮らしのエコロジー》

    暮らしと周囲の環境とが調和している"生き生きとした空間”。人々の暮らしの中で培われてきた様々な知恵と家とが調和的な関係にあるときに家=エコロジカルとなる。


    五十嵐淳〈光の短形 2007〉


    アトリエ・ワン〈ポニー・ガーデン 2008〉

    《8 家族を批評する》 

    家のデザインを通じて新しい家族のあり方を世に問う建築家たち。


    菊竹清訓〈スカイハウス 1958〉


    石山修武〈世田谷村(自邸)1997-〉


    西田司+中川エリカ〈ヨコハマアパートメント 2009〉


    生物建築舎〈天神山のアトリエ 2011〉

    《9 脱市場経済》
    「家とは何か?」を真摯に考えれば出てくる「本来自分で建てるもの」という回答の実践の一形態。

    岡啓輔〈蟻鱒鳶ル 2005-〉
    地下1階地上4階(予定)の住宅。設計、資材の手配、足場づくり、配筋、型枠、コンクリート打設まですべての作業を、岡がほぼひとりで行い自邸を建てている。


    宮本佳明〈「ゼンカイ」ハウス 1997〉


    石山修武〈開拓者の家 1986〉


    津村耕祐〈FINAL HOME 1994-〉
    ファッションデザインという別ジャンルから「家」に対して投げかけられた重要な提言も展示されている。新聞紙をポケットに入れれば防寒着になり、非常食や医療キットを入れれば非常着になる「究極の家」。

    《10 さまざまな軽さ》
    日本の現代建築が建築の歴史に対してなした最大の貢献は「軽さ」を積極的な価値として認めさせたこと。計測可能な重さとしての軽さだけでなく、意味としての軽さも然り。

    島田陽〈六甲の住居 2011〉隈研吾+篠原聡子〈伊豆の風呂小屋 1988〉など

    《11. 感覚的な空間》
    1970年代、「感覚的」という曖昧な表現であえて呼びたくなる空間を持つ家が登場。その特徴は空気や流動性を感じ取れること。2000年代以降の「感覚的な空間」では、都市との積極的なつながりが考慮されるように。

    伊東豊雄〈中野本町の家 1976〉妹島和世〈梅林の家 2003〉大西麻貴+百田有希〈二重螺旋の家 2011〉など

    《12 町家:まちをつくる家》
    町家が立ち並ぶと、統一感のある見事な街並みが生まれる。町家を再解釈することで、都市に住むというライフスタイルが持つ意味を考え直すことができる。

    安藤忠雄〈住吉の長屋〉岸和郎〈日本橋の家〉など。

    《13 すきまの再構築》
    郊外から都心へ。小さな敷地に建てると生まれる「すき間」を肯定的に捉え直した住宅の例。

    藤本壮介〈House NA 2011〉


    〈プチプチ・ガーデン〉津村耕佑
    エントランスロビーでは、衝撃を吸収する「プチプチ」を使ったパズルパーツ、プチプチタングルを繋げて様々なものを工作するワークコーナー「プチプチ・ガーデン」が設置されている。ワークショップなども開催される予定。

    開会式の挨拶をする伊東豊雄氏。「これからどのような家がありえるのかという問いがこの展覧会の大きなテーマではないかと思います。それから個人的な感想を言わせていただくと、東工大の結びつきを感じますね。」

    本展チーフ・アドバイザーの塚本由晴氏。「日本の建築家は家という小さな建築を通じて社会課題を解決に導く回答や新たな生活様式を提案してきました。世界的にも注目されている『日本の家』を系譜という観点から分析し紹介することで、未来の家を考える手がかりになればと思います。」

    出品建築家一覧
    相田武文、青木淳、東孝光、アトリエ・ワン(塚本由晴+貝島桃代)、阿部勤、安藤忠雄、五十嵐淳、生物建築舎(藤野高志)、生田勉、池辺陽、石山修武、伊東豊雄、乾久美子、o+h(大西麻貴+百田有希)、大野勝彦+積水化学工業、岡啓輔、柄沢祐輔、菊竹清訓、岸和郎、隈研吾、黒川紀章、黒沢隆、金野千恵、坂倉準三、坂本一成、篠原一男、篠原聡子、島田陽、白井晟一、清家清、妹島和世、丹下健三、手塚建築研究所(手塚貴晴+手塚由比)、dot architects(家成俊勝+赤代武志)、中川エリカ、中山英之、難波和彦、西沢大良、西沢立衛、西田司、長谷川逸子、長谷川豪、広瀬鎌二、藤井博巳、藤本壮介、藤森照信、前川國男、増沢洵、宮本佳明、無印良品、毛綱毅曠、山下和正、山本理顕、吉阪隆正、吉村順三、アントニン・レーモンド

    【日本の家 1945年以降の建築と暮らし
    The Japanese House: Architecture and Life after 1945 
    会期:2017年7月19日~10月29日
    会場:東京国立近代美術館1F 企画展ギャラリー
    詳細:www.momat.go.jp

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    神田篤宏+佐野もも/コンマによる世田谷区の住宅「隙間の家」を見学してきました。小田急 経堂駅から10分程の住宅地。


    敷地面積72m2、建築面積49m2、延床面積90m2。木造2階建て。
    南側の妻面にはウッドデッキと、2階にベランダも見える。


    路地に対してかなり開いているように見えるが、中からはどのように感じられるだろうか。中央のガラリ、2階の手摺付き窓、越屋根、外壁の色など、どこか懐かしさを感じる佇まい。


    昼間では分かりにくいが外から架構が見え隠れする。


    玄関を入ると様々な木の部材が出迎える。右に水回り、トイレが並ぶ。


    玄関から左を向くと2階天井まで吹き抜け空間が現れた。
    廊下を進むと左にキッチン、奥にLD、階段下が収納。


    リビング・ダイニング。デッキと連続する内縁側が使い勝手良さそうだ。街に開き、街が屋内に入り込んでくるが、縁側やデッキによりその中間領域も生まれている。左の開口には障子が備わり、日常的なプライバシーを確保している。

    障子の外側は “隙間” があり、ここも縁側のようになっている。この隙間が街へ開きつつもダイレクトになりすぎないバッファーとなっているのだ。

    壁が厚く見えるのは耐火被覆された架構が中に収まっているため。その内側に現しの架構が見えているという二重の構造だ。


    耐火被覆された架構。(国土交通省告示第861号による耐火構造)


    こちらが現しの架構。


    二つの架構が入れ子状に納まった様子。もし火災に見舞われ現し部分が焼け落ちても、耐火被覆部分は残り、崩壊しないということだ。(3点共コンマ提供)


    改めて見てみるとよく分かる。中央の柱は架構を強調するようにあえて空間の中にせり出し、耐火と現しの架構それぞれが分離しているかのように "隙間"が至るところに表現されている。


    1階は、殆どの壁の上に欄間が設けられ、2階と光や風が通じる “隙間” になっている。


    飛び出した柱はキッチンにも(右)。キッチンは使わないときは閉じておきたいという奥さまの希望で、DK側に開閉式の窓を設えた。


    2階には不思議な空間が現れた。初めて訪れた建築であるに関わらず、懐かしさと共に、古い記憶を蘇らせようと脳が働き始めた。


    そして肘掛け窓に座り外を眺める、、、とくれば「旅館」だ。(旅館のように設計したわけではない)


    この踊り場は床を下げて作ったというより、一階の天井を下げて生まれた空間。1階の欄間(隙間)からウッドデッキ側からの光が差し込み、1・2階が連続した空間になっている。
    正面には主寝室と小さな和室。


    主寝室。ここでは腰壁を設え、外部からの視線をコントロールした。


    左は畳がまだ敷かれていないが和室で、必要な時だけ間仕切り小さいながら客間として使える。


    隙間は吹き抜けになっている。


    子供室はかなりオープンに。


    断面状に見ると4方がそれぞれ独特の表情をみせてくれる。


    越屋根は採光と排熱のために、建築エンジニアリング会社にお勤めのご主人の要望で計画された。


    子供室の奥には納戸兼作業室。


    佐野ももさん、神田篤宏さん。「お施主さんは昭和のテイストがお好きで、架構が見える住まいを望まれました。しかしぶ厚い耐火被覆が必要となる地域であるため、このような二重の構造になりましたが、構造の隙間を利用しながら外に向かって大きな穴を開け、街並みとのいわば『腹を割った関係』をつくる住宅としました。」

    【隙間の家】
    設計監理:コンマ, 一級建築士事務所comma
    構造設計:小山内博樹
    施工  :株式会社広橋工務店

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    7月28日よりTARO NASUで開催が始まった「ユメイエ」展に行ってきました。本展は、ウェブコンテンツ企画のために千葉学が選んだ日本の若手建築家11組による「夢の家」をテーマに制作したドローイングと、新たに制作した模型で紹介するというもの。主催は石川文化振興財団。


    参加建築家
    青木弘司、畝森泰行、大西麻貴+百田有希、海法圭、田根剛、金野千恵+アリソン理恵、中川エリカ、能作淳平、能作文徳、萬代基介、御手洗龍


    建築家の選定は、これまでの実作だけではなく、講評会やシンポジウムなどでの発言も重視され、"日常のなかに新しい価値を見いだせる人たち"が選ばれた。

    もし何の条件も制限もなかったらどんな家を考えるのか?「夢」という概念の自由な解釈もみどころだ。

    会場構成は中川エリカ。
    2列に配した模型群。そのまわりをぐるりと囲むようにドローイングが展示されている。


    〈変なエコハウス〉能作文徳


    〈まちの標本〉能作淳平
    箱を持ち上げて観賞するという体験型模型。 


    そしてそのドローイング〈シェア別荘〉


    〈自然と共に生きる家〉萬代基介


    そしてドローイング。
    洞窟の中の寝室、川沿いの食堂、森の中の書斎、牧場の作業小屋、湖畔の展望台、草原の台所など、道を歩くような軽やかな家。


    〈ゆっくりと変わる家〉畝森泰行


    〈まちを動かしていく家〉御手洗龍


    〈家は夢みる〉田根剛


    そしてドローイング〈夢は家〉


    〈四季の家ームシム・ラム〉teco(金野千恵+アリソン理恵)


    〈雲のみちをなぞる〉海法圭


    〈家は生きる歓びを呼ぶ〉中川エリカ


    そしてドローイング。


    〈伊達の家〉青木弘司
    "自分の想像力だけで考えられ得る家は、決して夢の家などではない"という思いから、唯一実際のプロジェクトを出展。


    〈建築のような、生き物のような〉大西麻貴+百田有希/o + h


    その他紹介しきれない個性的なドローイングはぜひ会場でご覧下さい。


    建築家の作品について理解を深めることができる資料・映像コーナーも用意されている。


    オープニングパーティーには、多くの建築家、関係者が集まった。


    さらに同じビルに入っている現代アートギャラリーtaïmatzでは、「A&A」展が開催中だ。


    「A&A」は、世界的に活躍する現代アーティストとアーキテクトが組み、岡山市内の歴史文化ゾーンおよびその周辺で敷地を選び、空間をつくり、宿泊施設としてオープンさせるという、公益財団法人 石川文化振興財団の事業・プロジェクトである。
    アート作品として体験してもらうために、宿泊施設は一軒家サイズ、1日1組の宿泊を想定。第1弾は2019年の完成を予定している。約20年かけて少しずつ完成させていく計画だ。

    参加アーティストと建築家は5組。本展ではドローイングやコンセプトなど、プロジェクトの構想が展示されている。


    1. フィリップ・パレーノ× 青木淳建築計画事務所


    2. リクリット・ティラヴァーニャ × アトリエ・ワン


    3. リアム・ギリック × MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO


    4. ピエール・ユイグ × New-Territories

    5. ジョナサン・モンク × 長谷川豪


    【ユメイエ展:日本の若手建築家】
    会期:2017年7月28日~8月12日
    会場:TARO NASU
    詳細:www.taronasugallery.com
    ※8月12日には出展建築家が登壇する関連シンポジウムが開催される。

    【A&A展】
    会期:2017年7月28日~8月12日
    会場:taïmatz
    詳細:http://taimatz.main.jp/


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    廣部剛司建築研究所による東京都中野区の住宅「奏楽庵(sogaku-an)」を見学してきました。


    敷地面積116m2、建築面積63m2、延床面積119m2。木造2階建て。


    ダークグレーの外観は、下の四角いボリュームに、半分に割られた上の切妻ボリュームが噛み合わさったようなかたち。


    玄関を抜け戸を開けると音楽ホールが現れた。
    リビングダイニングでもあるこの主室は、バイオリンの練習や、サロンコンサートにも対応できるよう設計されている。「森の中で音楽を奏でるような」という施主の希望に応えられるよう、木々を植えられる中庭を計画した。


    小上がりのダイニングスペースはコンサート時の客席としても使いやすい。左奥がキッチンで、右の引戸から水回りへ、さらに右は階段室。中庭、水回り、階段室は防音のためのバッファーゾーンとしてもはたらく。


    柱や壁のない空間を得るため、大きな梁が掛けられている。梁を避けつつ反響音をコントロールするため凹凸の天井となっている。
    左側で演奏、その前がソファ席、小上がりの上が椅子席になる、サロンコンサートの様子が想像できる。


    スポットや間接照明が設えられ、様々なシーンを演出できる。


    中庭の壁は防音の観点からも高めにした。植栽は今後施主が行っていくそうだ。


    2階へ上がるとすぐにスタディスペースで、5m程もある長机が作り付けられる。その上にはロフトが見る。


    スタディースペースを回り込むと個室が並ぶ。子供室二つと、奥に夫妻それぞれの寝室二つと、ウォークインクロゼットがレイアウトされる。


    2階では現しになっている大梁。そして子供室の間にはロフトへ上がるハシゴ。


    子供室。外に直接面した開口はないが、中庭からの光がポリカーボネートの引戸を介して注ぎ込む。
    ベニヤの半端寸法を中央に寄せ、意匠化している。


    それぞれの個室はコンパクトにしたが、その分個室の接続部にはちょっとした溜まりを設けた。スタディーコーナーと合わせ家族の共用部を充実させたのだ。


    ロフトへのハシゴはもう一つ。


    上がってみると小屋裏全体を見渡せる。2面のロフトは合わせて8帖以上ある。ロフト部以外も水平垂直方向に連続した空間のため、ほぼ3階に見える。子どもにとっては格好の遊び場だろう。


    面積的な大きさだけでは測れない抜けを感じられる。


    「壁と天井は、響きとコストを考慮して基本的にシナベニヤを採用しています。1階2階共にそれを丁寧に割付けしていくことで、空間ボリュームや映し込まれる陰翳がより『素』の状態で感じられるのではないかと考えました。」と廣部剛司さん。

    【奏楽庵(sogaku-an)】
    設計:廣部剛司建築研究所
    構造:構造設計舎
    施工:平野建設(ASJ)

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    遠藤克彦建築研究所 大阪オフィスを訪問してきました。大阪市営地下鉄 四つ橋線 肥後橋駅から徒歩5分程。


    1〜2階が吹き抜けの駐車場の小さな雑居ビル。3階に観葉植物が見えるのがオフィスだ。



    ご存じの方も多いかと思うが遠藤さんは「大阪新美術館」の設計をコンペにより2017年2月に勝ち取った。東京品川にオフィスを構えているが、この仕事のためにスタッフの殆どと共に大阪に移り住み、大阪オフィスを立ち上げた。関東の業務や、他の業務の多くもここ大阪で進行させている。


    大阪新美術館計画地(Googleマップより)。中之島の一番幅が広くなる辺りで、東(左)に関西電力本店ビル、南(上)に国立国際美術館、大阪市立科学館、西(右)は空地で大学の校舎が建つ予定。

    関電ビル公開空地側から。右に見えている植栽の上に途切れたブリッジがあるが、美術館を造る造らないなどと検討している頃から、いつか接続できるようにと待ち構えている。このブリッジはコンペの要項にも記されていたそうだ。

    西側は不測だが、各方向に大阪の異なる風景を切り取ることができる大開口。その大開口が光のトンネル(パサージュ)のように街の新しい風景をつくり出す。光のトンネルを強調するには外壁を白か黒にしたいが、街のなかにあって埋没しないように黒を選択し、新しいアイコンのような存在を目指す。内部はパサージュ空間を中心としながら空間体験を重ねながら巡れるようにする。
    外壁の素材はオフィスで見せてもらったが、様々な素材と様々な黒を検討中だ。
    構造は佐藤淳、照明はシリウス、ランドスケープはスタジオテラが担当している。


    もうじき実施設計を完了させるスケジュールのため検討は大詰め。最新模型の詳細は今は公開できない。


    美術館業務と、通常業務、新しいコンペと「ちょっと忙しすぎるな、、、(笑)。でも徹夜はさせない。早く帰って早く出社してもらっている、はず。」とフロアを見返す遠藤さん。


    各地から手伝いに来てくれるインターン含め10数人が働く。


    軽井沢で計画中の別荘。尾根に建ち三方に傾斜する敷地。


    大阪から軽井沢へは東京周りになるそうだ。


    遠藤克彦さん。「このところ週1〜2が東京、すっかりメインは大阪。一番気をつけているのは体調管理です。」「延床20,000m2以上ある上、美術館は通常のビルの常識が通用せず、当たり前にできるはずのことがNGだったり、設備が異常に多いなど検討事項は無限とも思えるほどありますが、きっと素晴らしい建築にしますので期待していて下さい。」
    竣工は2021年、4年半後の予定。

    【大阪新美術館の公募型設計競技について】


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