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    西澤徹夫(西澤徹夫建築事務所)によるマンションリノベーション「907号室の場合」を見学してきました。
    施主は住宅メーカーに籍をおく大島滋さんで、本ブログの読者にはご存じの方も多いだろう。築35年、25階建てマンションの9階、88m2の改修だ。

     既存では玄関を入って直ぐに壁があり、その裏にキッチンがあった。そのため一度左・右とクランクして奥へ続いていたが、改修後はご覧のように真っ直ぐで広めの動線をまず通した。そして左手にはトイレ、洗面・浴室が並ぶ。


     洗面室から廊下を見る。向かいは壁一面に収納が設えられている。


     廊下を進むと右手にウォークインクローゼット、左手にキッチン、奥にリビング、リビングの左に寝室となる。


     リビング。右側は来客が寝泊まり可能なように4枚の引戸で仕切ることが出来る。


     リビング。右の開口部に向かって個室が3つ並んでいたが、独立した二人の娘さんの個室を取り払い、大きなリビングとした。

    たまにしか使わない仕切りの鴨居上部はオープンにして開放感を持たせてある。

     かなり物持ちの大島さん(右)、奥さまも料理が大好きで食器が多い。大分整理したというがまだまだ沢山ある骨董品や小物、土産物、彫刻などは、その時並べておきたいものだけを、鴨居や梁に沿わせた作り付けの棚に陳列できるようにした。


     部屋の中央にある柱はお気に入りの絵画やポスターを掛けられるスペースに。手前はチークでできた200年前のアンティーク家具でバリで買い求めたという。床はそれに合わせチークに。


     鴨居、作り付け棚・家具、建具などはタモで統一。そしてこのカットでも分かるように、統一した素材の中にいくつかひと塊になるように小物の居場所が計画されている。


     現しにした躯体に歪みがあったが、それに合わせて木部を作り付けていった。天井は現しにせず、配線が出来るように幾分ふかしてから天井をはり付けた。



    個室で遮られていた外光は、緑豊かな敷地の景色と共に部屋の中まで届けられることとなった。部屋中全て見せてくれた大島さんは終始にこやかだった。

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    黒崎敏(APOLLO一級建築士事務所)が手掛けた藤沢の住宅「GRID」を見学してきました。50代のご夫婦と子供1人が住まう家。

     敷地面積310m2、建築面積126m2、延床面積126m2。RC造1階建。
    砂利部分は駐車スペース。左奥に花壇があり植物を植えていくそうだ。

     エントランスは北側。南北に緩い傾斜地で、7段上がるアプローチとなる。


     エントランスホール。一気に4m近い天井高の空間が現れ、正面ハイサイドからの光が差し込む。目の前にはマッキントシュのイングラムハイチェア、左にはピカソなどのドローイングが出迎える。


     ホール片側は全面鏡張りの収納。足元には間接照明が設えてある。


     リビングダイニングは南に向かって三面の大開口。強調された柱と梁によって引き締められた空間。左手は全て収納。


     見上げると天井は格子梁で、1,200mm角の「GRID」だ。このサイズをモジュールとして空間が構成されている。


     リビングダイニング奥からの玄関方向を振返る。フランク・ステラの色鮮やかなアートと、吟味して揃えられたモダンデザインの家具がミニマルな空間に映える。


     南を向くと中庭が広がる。両翼に各室がシンメトリーに配されており、右が子供室や主寝室。左に水回りや客間となる。


     敷地の傾斜に合わせて個室への廊下も段差を持つ。


     主寝室。東を向いた全面開口。各部のディテールがシャープな印象。


     水回り。ここも水平垂直のシャープなデザインだ。


     客間。ルイス・バラガンを意識したという開口からはプライベート感のある坪庭が覗く。


     見返すと全面スリットの家具が作り付けられている。オーディオやテレビ、画集などが収まり、普段はラウンジのように使われる部屋だ。


     中庭。土の部分は未施工。集合住宅住まいだった施主は犬を飼うのが夢だそうで、犬のための "遊べる中庭” として計画中という。右側のテラスはリビングと同じタイルで内外を連続させている。


    神殿のようでも美術館のようでもある佇まい。

    APOLLOのシグネチャーとも言える庭の階段をあがると、その裏にもう一つ、トップライトが設えられた小さな空間が確認できた。ご主人の趣味であるユリ栽培のための温室で、ユリ栽培に特化した空調や水回りを備えているこだわりの空間だ。



    「ごく自然にアートと暮らし、本当に必要なものを知っているお施主さんでしたので、そのライフスタイルに合うミニマルな建築は何か、素直に答えを導き出すことができました。庭や温室などをつくる時間を含め、ここで過ごす時間を楽しんでもらえたらと思っています」と黒崎敏さん。

    【関連記事】
    港区の住居兼オフィス「TERMINAL」
    杉並の住宅「ARK」
    川口市の住宅「PERGOLA」


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    永山祐子建築設計による港区の「西麻布の住宅」を見学してきました。都心の住宅地、60代夫婦の住まい。

     敷地面積92m2、建築面積51m2、延床面積116m2。RC造+S造、地上3階建て。
    建物の半分以上を「ガラスの箱」空間にし、もう半分がRC造のボリュームで構成されている。

     ファサードは東向き。前面道路は狭く、セットバックを求められている敷地。屋上に手摺が見え、その右下のフレームは外部階段だが、この後グレーチングのパネルが取り付けられる。
    前庭の植栽は荻野寿也による。


     玄関を入り、廊下の奥から見返す。左奥から下足入れ、納戸、エレベーター、トイレが配され、右の壁には正方形の開口が並ぶ。開口により、単なる廊下が表情のある空間に生まれ変わり、そこから覗く景色も生まれる。


     「ガラスの箱」側は3層吹き抜けで、全面ガラスのトップライト。背面西側も全て開口なので、建物と建物の隙間にある屋外構築物のように見える。道路から見るとこの空は住み手だけでなく、道を行く人にも還元されることとなる。
    105mmとかなり薄いスラブの2階・3階フロアがセットバックしながら吹き抜け空間を強調。1階にはキッチン・ダイニング、2階リビング、3階はワークスペースで、右のボリュームには収納や水回り、寝室などのプライベート性の高い空間が納まる。

     当然夏場の日射が心配になるが、サンゴバン(Saint-Gobain)製の日射調整ガラス “Sage” を導入した。調整は0~3の4段階に可能で、3エリアに分けてコントロールできるので濃さを3段階に分けた状態を見せていただいた。
    このガラスはオフィスや美術館、航空機などに導入されているが、住宅に使うのは日本初で、トップライトに使うのは住宅以外でも日本初とのこと。


    振り返ると住宅密集地でありながら、なぜ積極的に全面開口にしようとしたかが理解できた。ちょうど集合住宅の住居外部分の白い壁に面し、その手前と上に植え込みと、さらに上部の抜けから空まで望めるのだ。
    ファサードはLow-Eガラス。


     キッチンはコンパクト。作業台の下にエアコンが備わる。奥右下に見えるスリットは3階とを繋ぐサーキュレーション用のダクト。右手にはパントリー。


     スラブの下のDKに入ると全く空間の質が変わった。

     2階へ。階段は30mmの鉄板を用いて、鉄骨造の壁にキャンティレバーで設えた。計画当初はもう少し緩い傾斜だったが、2・3階のフロアを広げたため、少々急。エレベーターもあるので良しとした。



    パブリックとプライベート、外と内を仕切る壁は、住宅の中に行き交う二つの視点と経験を生み、この家の中で今後長い時間を過ごすであろう住み手の暮らしに変化を与える。


     2階リビング。西側に隣家が迫るが、奇跡的に殆ど開口がないため、三面全面開口でコンセプトを実現できた。


     施主が選んだサンカル(SANCAL)のソファとローテーブル。イエローが差し色として効いている。


     リビングの隣は客間で、四角い窓にはガラスが嵌めてある。奥は水回りへ。


     窓から覗くと1階から3階まで一目で見える。

     3階ワークスペースは空が近い。調光ガラスを作動させると、、、


     筆者の感想では一番暗いときはサングラスより暗く、太陽を直視できるほどだった。
    ちなみに調光は自動・手動切り替えが可能で、10~15分程掛けてゆっくり変化する。

     3階主寝室。右手の扉から屋上に通じている。



     屋上にはコンクリートでベンチや水受けも作り付けた。
    隣に見えるのは田井勝馬が手掛けた「西麻布の家」だ。

    「都会の住宅地らしく路地の脇は住宅の壁面が隙間なく続き、路地空間が少し窮屈に感じた。そんな路地に対して大きく抜けを造り、空に向かって開くことで、街並みを少し明るくするきっかけを作りたいと考えた。開放的な家の佇まいは人を招くのが好きな夫婦の家にふさわしく思えた。」と永山祐子さん。


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    彦根明(彦根建築設計事務所)が手掛けた鎌倉の住宅「SKH」を見学してきました。

     敷地面積239m2、建築面積100m2、延床面積155m2。木造2階建て。
    軒を出した切妻のボリュームと、二層の寄せ棟のボリュームが、庭を囲むように L字型の平面を形成している。

     セットバックを求められた敷地に、緩やかなスロープを持つ大谷石のアプローチと、それに平行して前庭を設けた。鎌倉の雰囲気に合う街路作りを促すような効果もあるだろう。植栽は前回の記事(永山祐子「西麻布の住宅」)同様、荻野寿也が手掛けた。


     玄関を入ると正面に組子の開口。


     半フィックスで引戸ではないのでシェードと言えるだろうか。


     玄関から左は和室。押し入れには唐紙が貼られている。
    廊下はシューズクローゼット、トイレ、書斎と続く。


     LDKは二層吹き抜け。2階の壁に見えるのはキャットウォーク。奥のリビング天井にはこの後プロジェクターが取り付けられる。床はチーク。


     キッチンからの眺め。ダイニング越しに中庭やハイサイドライトから空も眺められる。キャットウォークは鴨居の上にも通してあり、2階の居室間を行き来できる。ペンダントライトはヤマギワの "まゆはな”。



     不整形敷地のため、三角形の余剰スペースが生まれるので裏庭として活用し、様々な開口から緑が覗くようにした。


     水回り。洗面には北西の柔らかな光が手元に導かれる。


     浴室はヒバと十和田石で仕上げた。もう一つできた三角形のスペースにも坪庭を設けた。


     中庭ももちろん荻野さんが手掛けた。縁側と縁側を延長したデッキテラスで思い切り庭を活用していく。手前には蹲(つくばい)と筧(かけひ)も配され庭の表情を豊かにしてくれる。


     テラスを囲むようにアオダモやカエデなどの落葉樹を植え、冬は明るく夏は日陰をつくる。低木には常緑樹や季節毎に花を咲かせる植物が植わる。




     室内に戻り2階へ。開口の向こうは子供室。


     2階へ上がるとスタディスペースが現れる。水回り同様北西の間接光が勉強にはもってこいだ。



    反対側は主寝室へ。右手ハイサイドライトから視線は遠くまで抜ける。


     鎌倉特有の小山は四季を通じて表情が変わる。これを借景にしない手はないだろう。


     主寝室。右手はウォークインクローゼット。左下に猫穴が見える。


     この後引越を終え、猫はキャットウォークを気に入って使っているそうで、彦根さんもほっと一安心したとか。



    彦根明さん。「お施主さんからは鎌倉らしい住宅を求められました。敷地が広めであったことから中庭を持たせることを前提としながら計画していきました。そして軒や縁側によってらしさと、内と外が繋がり鎌倉の空気を存分に取り込むことが出来ます。」

    【SKH】
    建築設計:彦根明、内田航平
    施工:中川工務店
    植栽:荻野寿也

    【関連記事】

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    プリツカー建築賞日本広報事務局よりオフィシャルリリースより。
    (今年の授賞式は2017年5月20日、東京都港区の迎賓館赤坂離宮で執り行なわれます)

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    2017年プリツカー建築賞 受賞者発表
    ラファエル・アランダ、カルメ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタの3氏が受賞

    ~景観と建築の一体化を実現し、場所・時間と密接につながった建物を創造~


    Photo by Javier Lorenzo Domínguez

    建築界において最も栄誉ある賞として世界的に知られる「プリツカー建築賞」を主催するハイアット財団のトム・プリツカー会長は、2017年のプリツカー建築賞を、ラファエル・アランダ、カルメ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタの3氏に授与すると 発表しました。



    スペイン・カタルーニャ地方オロット出身の建築家3氏は1988年、故郷に建築設計事務所「RCRアーキテクツ」を設立して以来、共同制作によって作品を生み出してきました。3氏の作品は、それぞれが持つ背景と語り合うような空間を創造するべく、建物 の場所および場所の持つ物語に対して徹底的なこだわりを見せています。建物外部と内部のつながりを追及するべく、アランダ、ピジェム、ヴィラルタの3氏は実体性と透明性の調和をこころみ、それが3氏の建築を情緒的かつ経験的なものにしています 。
    プリツカー氏は次のように述べています。「審査団は、30年近くにわたって共同制作により作品を生み出してきた3人の建築家を選びました。アランダ、ピジェム、ヴィラルタの3氏は、共に活動することでそれぞれの領域をはるかに超えた作品を世に 送り出してきました。3氏の作品は、公的な空間や私的な空間から文化施設や教育機関まで幅広く、それぞれの施設特有の環境条件とその土地の固有性を強く関連付ける彼らの作品は、3氏の手法が真に溶け合った証しと言えます」
    3人の建築家が同時受賞するのは賞の創設以来、今回のアランダ、ピジェム、ヴィラルタの3氏が初めてです。3人がそれぞれに公平な責任と役割をもって創作活動に貢献したことを称え、賞も各個人に与えられることになりました。プリツカー建築賞 は今年で39回目を数え、スペイン出身の受賞者は1996年のラファエル・モネーオ氏以来、2回目となります。2017年の受賞者に選ばれたことについて、ピジェム氏は次のように述べています。「大変な喜びとともに、大きな責任を感じています。あらゆるプロジ ェクトにおいて共に活動してきた私たちが、このたび3人のプロフェッショナルとして認められ、感激しています」
    地域に根差して活動する3氏は、リサイクルされた鉄やプラスチックなどの現代的な素材を創造的かつ幅広く利用することによって、普遍的な独自性を発揮しています。グレン・マーカット審査団長は次のように述べています。「素材の融合によっ て確かな力強さと明解さを建物に与えられるということを、3氏は証明しました。この3人の建築家による共同制作は、詩的なレベルに達する妥協のない建築を生み出しています。過去に対して大きな敬意を払う一方、現在と未来の明確さを映し出す、時 代を超越した仕事であることを示しています」。3氏のオフィス、Barberí Laboratory(バルベリ・ラボラトリー、2007年)が、20世紀初頭の鋳造所を改造したものであることは象徴的です。この建物の多くの部分は原形の面影を保ったまま、必要な部分にだけ対照的かつ新しい要素がブレンドされています。
    代表的なプロジェクトに、ラ・キュイジーヌ芸術センター(フランス・ネーグルペリス、2014年)、G.トレグエット氏と共作のスーラージュ美術館(フランス・ロデズ、2014年)、J.プイグコルベ氏と共作のラ・リラ劇場の公開空地(スペイン・ジローナ・ リポイ、2011年)、レス・コルズ・レストランのマーキー(ひさし)(スペイン・ジローナ・オロット、2011年)、J.プイグコルベ氏と共作のペティ・コンテ幼稚園(スペイン・ジローナ・パラモス、2010年)、ベルロック・ワイナリー(スペイン・ジローナ・ パラモス、2007年)、サン・アントニ - ジョアン・オリバー図書館、高齢者センターおよびカンディーダ・ペレス庭園(スペイン・バルセロナ、2007年)、トソル-バジル競技場(スペイン・ジローナ・オロット、2000年)があります。
    2017年プリツカー賞審査団の講評の要旨は次の通りです。「我々は、国際的な影響や貿易、議論、取引などに頼らざるを得ないグローバル化された世界に住んでいる。しかし、こうしたグローバリゼーションによって、地域固有の価値観や芸術、ある いは独自の習慣が失われてしまうのではないかと懸念する人々がますます多くなっている。ラファエル・アランダ、カルメ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタの3氏は、それらの両立が可能かもしれないということを我々に気づかせてくれた。この命題の 答えは『二者択一』ではなく、少なくとも建築においては両方を望むことができるということを、最も美しく詩的な方法によって示してくれている。両方とはつまり、場所にしっかりと根差した我々のルーツと、未知の世界に向けて伸ばす我々の腕のこ とである」
    2013年、アランダ、ピジェム、ヴィラルタの3氏は社会を通じて建築、景観、芸術、文化をサポートしようと、RCR BUNKA財団を設立しました。3氏は1989年より、ガローチャ火山地域自然公園の顧問建築家を務めています。多くの作品は、スペイン・カタルーニャ地方とヨーロッパ全域で見られます。3氏は今もオロットを拠点にしています。
    今年のプリツカー建築賞の授賞式は2017年5月20日に、東京都港区の迎賓館赤坂離宮で執り行なわれます。

    【プリツカー建築賞について】
    プリツカー建築賞は1979年、故ジェイ・A・プリツカーとシンディ夫人によって創設されました。建築を通じて、人と建築環境に常に著しく寄与し続ける才能、ビジョン、貢献を称えて活躍中の建築家に毎年贈られます。

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    RCRアーキテクチャー



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    浅利幸男(ラブアーキテクチャー)が手掛けた集合住宅「神楽坂薫木荘(Kagurazaka Kunbokuso)」を内覧してきました。東西線 神楽坂駅から数分の場所。

     建築面積66m2、延床面積 177m2、木造地上3階建て。全6住戸の長屋。
    奥まった旗竿敷地。27mほどある竿部分が魅力的なアプローチとなるよう庭園美術家である長崎剛志(N-tree)とコラボレーションした。

     アプローチはカタログにないようなオリジナルの庭をという要望があった。有機的にデザインした小道には様々な石が使用され、手前は丸みのある自然のままの石、奥に行くにつれて堅い印象の諏訪鉄平石、そして住戸の前では深岩石を整列させアプローチに変化を持たせた。
    両脇に植えられた植物はすべて常緑樹で、南天、ツゲ、サカキ、ヒサカキなど十数種類が選ばれている。


    住戸前に設置された「木」も長崎剛志によるオブジェだ。製材された木をフェイクとしてもう一度生木に戻すというコンセプトで、角材の表面に杉皮を貼っている。施主である木材会社(大和木材)のプロジェクトであるというシンボルであり、そして同じ杉を使っている建築と庭を緩やかにつなぐものであり、このオブジェを通して全体がひとつのストーリーになる。
    また隣地の塀が気にならないよう視線を逸らす効果も狙った。

     住戸は1・2階もしくは、1・3階を利用したメゾゾネットが交互に並んでいる。
    ファサードは薄めの焼杉。施主の製品である木材をふんだんに使った建物で、木の構造も見せたいところだが、準耐火が求められるので構造は現しに出来ない、或いは燃えしろ設計が必要ということである工夫を施した、、、

     2号室と4号室(写真は4号室)のエントランスに見える階段がそれで、かなり太い桁板が構造部も兼ねる燃えしろ設計による無垢材の階段だ。ほか居室に現した無垢材の柱は構造でありながら、構造計算には含まれないようにした。


    木材会社の物件に相応しい力強い階段となった。ちなみに6段目と8段目の踏み板が下足置きとして使えるように奥に延びている。

    「賃貸だからこのくらいでいいでしょう」とはしたくなったという浅利さん。賃貸は住み手が不特定だが、これまで手掛けた集合住宅は「浅利幸男物件」として愛着を持ってとても丁寧に使ってくれている方も少なくないそうだ。そういった意識の高い借り手をリスペクトし、仮想クライアントとしてイメージしながら、たとえ少ない要素であっても、建具、家具、手摺一つ一つに丁寧にデザインの要素を効果的に落とし込んだ。

    例えば、、、
     ツートンに塗り分けた水回り。ミラーキャビネットではなく、円いシンプルな鏡を一枚取り付けた。


    3階へ上がる途中、簾戸のような下足入れや、

    オブジェのような手摺。上から差し込む光の中、階段室を単なる通路としてだけでないように考えた。

     通路を抜け、居室に上がると、光に包まれたモノトーンの空間。下階とは異なり両面への抜ける開放感など空間に強弱をつけた。


     「飽和状態の賃貸物件で面積や設備などのスペック、家賃で差を付けるのは難しい。文章や数字では説明できない部分、つまり住み手が生活シーンをイメージ出きて、印象に残るような効果的なムード作りが重要だと思う。」と浅利さん



     近隣が迫っているが、塀などで隠すのではなく、印象的な庭をつくることでそれらの気配を極力減らすことが出来た。



    右から長崎剛志さん、浅利幸男さん、担当の石毛正弘さん。
    浅利さんと長崎さんは20代の独立したての頃からの知り合いで、今回初めて協働が叶った。現在複数の協働プロジェクトが進行中だという。

    神楽坂薫木荘公式サイト(Webデザイナーとチームを組んで相応しいイメージを作った)
    http://kagurazakakunbokusou.com

    【神楽坂薫木荘】
    設計監理:浅利幸男、石毛正弘(ラブアーキテクチャー一級建築士事務所
    造園:長崎剛志(N-tree)
    施工:株式会社八幡
    プロデュース:座光寺商店株式会社

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    3月17日~19日まで横浜のBankART Studio NYKで開催の「初出展01」、横浜国立大学「卒業設計展」、「都市イノベーション学府展 – 横浜大改造計画」に行ってきました。
    学部、大学院、プロの3ステージの建築模型を同時に見られる機会だ。

     「初出展01」とは、円錐会(横浜国大建築学教室およびY-GSAに関わる設計・意匠系出身者を中心としたOB会)30組による初めて発表されるプロジェクトのみによる建築模型展。


     未発表作品の模型を見ながら皆で批評や議論することで、そのプロジェクトのみならず建築や、都市を考えるきっかけとする。或いは進行中のプロジェクトを第三者から客観的な意見や感想をもらい、新しい思考を誘発する場でもある。

     会場構成を担当したのは松井さやか(松井さやか建築設計事務所/Y-GSA設計助手)による。
    広く天井も高い空間に力強い柱、そして一方向から差し込む自然光といったこの空間に逆らわず、空間に溶け込むように浮遊する模型が現れるようにした。透明な素材で一方から入る光によって会場に影が出ないような配慮。

     展示台はポリカの波板をうねらせながら、ワイヤーで固定しただけの簡易なものだが。時間によって異なる光の色を映し込みながらオーロラのように反射している。


     展示作品は入口近くが1番で、卒業・修了年順に並んでおり、建築家の年代によって表現がどのように異なるか見て取ることができるだろうか。会場ではハンドアウトを見ながら閲覧できる。


     一角にプロジェクターがスタンバイしており、最終日3月19日17:30から出展者によるプレゼンとシンポジウムが開催。特別コメンテーターに野沢正光と宮晶子が招かれ、熱い議論が繰り広げられる予定だ。出展者:IVolli architecture(永田賢一郎・原﨑寛明・北林さなえ)
        芦沢啓治
        石川卓磨
        伊藤暁
        乾彰宏
        垣内崇佳
        Studio YY(田中裕一・中本剛志)
        Soi(大和田栄一郎・井上湖奈美)
        髙橋一平
        ツバメアーキテクツ(山道拓人・千葉元生・西川日満里・石榑督和)
        tomito architecture(伊藤孝仁・冨永美保)
        TORAFU ARCHITECTS(鈴野浩一、禿真哉)
        遠山之寛
        中永勇司
        中川エリカ
        中原潤平(積水ハウス)
        野口直人
        西田司
        PERSIMMON HILLS architects(柿木佑介・廣岡周平)
        藤原徹平
        久山幸成(クライン ダイサム アーキテクツ)
        ビルディングランドスケープ(山代悟・西澤高男)
        KEIKO+MANABU(内山敬子・沢瀬学)
        保坂猛
        堀直樹+安田朋子建築設計事務所
        矢野建築設計事務所(矢野雄司・矢野泰司)
        山縣武史
        山路哲生
        吉村寿博
        403architecture [dajiba](彌田徹・辻琢磨・橋本健史)



    フロアのもう半分は横浜国立大学建築EP卒業設計展「nomadic exhibition」が同時開催だ。


    「ノマディック」と銘打たれているが、横浜の街にある5会場を19作品が遊牧民のように、ローテーションで会場を移動しながら展示するからだそうだ。写真が作品を “遊牧” させる為の箱で街ゆく人に展覧会をアピールしながら、建築模型と街を繋ぎながら横浜の魅力を再発見してもらう試み。



     上階で開催の「横浜国立大学 都市イノベーション学府展 – 横浜大改造計画」

    都市イノベーション学府とはY-GSAなど6コースを含む横国大学院研究科目のひとつ。文理を横断したコース全体が同じテーマで参加する展示ということだ。

     そのうちの「Y-GSA展」
    4スタジオ毎に展示されており、雰囲気のみお伝えする。



     ご存じY-GSA教員ラインナップ。


     Y-GSAスタジオ発表会。


     片隅に "KOJIMA WORDS” なるボードが。「小嶋一浩 小さな矢印の群れ 小嶋さんから頂いた最も印象的な一言を書いて下さい」とある。昨年10月に急逝した小嶋一浩氏の印象的な言葉が貼られている。


     「あなたの好きなようにやっていいよ:安原幹」、「これ建つの?:藤本壮介」や、、、


     「人の発表聞かないやつ、単位没収!:田井幹夫」、「まあ、大学でできる事も割とあるよ:平田晃久」、、、



    【初出展01】
    http://unicorn-support.info/news/2017/03/01.html

    【都市イノベーション学府展 – 横浜大改造計画】
    http://www.ynu.ac.jp/hus/urban/17724/detail.html

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    石井秀樹(石井秀樹建築設計事務所)による鎌倉の自邸「雪ノ下の家」を見学してきました。鶴岡八幡宮を囲む小山に通る路地を少し登った場所。

     敷地面積:154m2、建築面積:56m2、延床面積:95m2。S造、2階建て。
    敷地境界から1m、道路境界から1.5mそれぞれセットバックを求められる風致地区で、そこに納まる一辺6.9mの正方形平面となっている。

     焼杉が張られた閉じ気味な1階のボリュームと、その上に4面をガラスで囲われた開放的な2階。そして基礎から立ち上がる8本の鉄製丸パイプが方形屋根を支持している。


     南面の玄関前から坂道を回り込むと西面を望むことができた。2階は軒がかなり低く設定されているのが分かるだろうか。また手前にせり出しているのはデッキではなく、竹簾を掛けた日除けだ。


     玄関へ。丸パイプは躯体へも接合されていることが確認できる。


     玄関を入ると1階は黒い箱型のコアを配した回遊型の平面。敷き瓦張りの玄関から二段降りた寝室スペースはかなり光量が抑えられた空間。


     寝室の奥から。石井夫妻お気に入りの本が並ぶ書棚。


     東面の小さな開口から入る光が漆喰の壁を柔らかく照らしている。


     コアの中はウォークインクローゼット兼納戸のほか、、、



    設備やトイレなども納まる。手洗いにはダイソンの水栓一体のハンドドライヤーが。


     トイレの向かいには浴室スペース。掘り下げられ十和田石できた浴槽。


     浴槽からの眺めはこのように。冒頭で見えた竹簾はこのためだ。初夏には眼前の植物が青々としてくるそうだ。


     浴 “室” ではないので “沐浴場” と呼んでいる。



     2階へ。


     「こうなっているのか!」としばし独特の空間に身を委ねた。


     4面全周ガラスと方形屋根に包まれるワンルーム。キッチン一体のカウンターテーブル、ダイニングテーブル、ソファとローテーブルがレイアウトされている。



    隣家も見えるが、1.6mまで下げた低い軒が絶妙に視線を遮っている。

    (たまにしか通らないが)近隣住民も通る路地は敷地を囲むように勾配になっているため、こちらも視線が気にならない。
    なお開口にはFIGLAの発熱ガラスを採用している。

     

    もちろんロールカーテンも備わっている。

     キッチン側は、冷蔵庫や換気扇など、飛び出す要素を徹底的に排除。
    軒の高さに合わせダイニングテーブルと椅子は低めにセッティング。

     ソファに腰を沈めると借景である鎌倉の緑と、モミジが季節毎に味わいを変えてくれ、鎌倉の空気にすっぽりと包まれる感じなのだが、写真や文章ではこの感覚が伝えられないのが非常にもどかしい。
    観光バスや観光客のざわめきがぴたっとおさまり、時間も止まったような環境だ。

     1辺が6.9m(壁芯)とコンパクトな平面なのだが、方形の天井が曖昧な高さ感を生み出し、広がりを感じさせるのだ。照明は小さなLEDがいくつか埋め込まれ、夜には星座のように見えるだろう。


     石井秀樹さん。「設計において空間は、発明するのではなく発見したいといつも考えています。この自邸では敷地の空気感を自分の身体でじっくりと感じながら、丘陵地であるこの地の特徴を読み取り、ここにあるべき空間を発見できたのではないかと思っています。」


    【雪ノ下の家】
    ・建築設計:石井秀樹/石井秀樹建築設計事務所
    ・構造設計:大賀建築構造設計事務所
    ・施工:恒栄ホーム

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    佐藤オオキ率いるnendoが会場デザインを手がけた、草月創流90周年を記念した第四代家元 勅使河原茜の個展「HANA SO」のプレスプレビューに行って来ました。

     会場は丹下健三の設計による草月会館1階の草月プラザ。イサム・ノグチが手がけた壇状の石庭「天国」全体を花器に見立てた展示だ。


     石庭を覆うのはnendoがデザインした "鏡のツタ"。周りの風景を写し込み、生けられた花の色や輪郭を乱反射させ、万華鏡のような視覚効果を生み出しながら現実と虚像をつくりあげる。


     テーマのひとつは丹下建築、イサム・ノグチ作品との融合。


     鏡のツタと花の間を散策するように歩くことができる。


     石庭最上部からの眺めは圧巻。


     "鏡のツタ”。平行四辺形が連なった形状に切り抜かれた0.5mm厚の鏡面仕上げのステンレス板42パターン(大29、小13)約2,150個をひとつひとつに折り目をつけながらツタのうねりを表現した。




     会場の模型を特別に見せていただいた。最も苦心したのはパターンを決めることだったという。シャープ感を残しつつも有機的な植物が生えているようにするため何度も検討を重ね、最終的に角を丸めた平行四辺形にたどり着いた。


     もうひとつの模型。ツタに番号が振られており、実際の配置を予め詳細に決めていったことが分かる。9日間かけて会場に設置した。


     "鏡のツタ” は、石庭を完全に覆い隠すのではなく見え隠れするようにあしらった。花はツタの隙間に生けられ、照明で浮き上がって見えるように演出されている。

     展覧会のタイトル「HANA SO」には、”放そう”、”話そう”、”花成そう”など、あらゆる規制から自由になり、コミュニケーションを育み、植物を用いて自由に創造するという思いが込められている。

    今回プレスプレビューでお披露目されたのは、プロローグとして生けられた桜やレンギョウなどほんの一部。本格的ないけばなの空間が完成するのは展示が始まる4月5日からとなる。

     草月会館2階、nendoが手がけたconnel coffee(コーネル コーヒー)は、この幻想的な世界をゆっくり観賞することが出来る特等席だ。


     勅使河原茜さんと佐藤オオキさん

    「草月会館はnendoのオフィスがあるため日々いるわけですが、ここは周辺の緑や車が映り込み不思議と外にいるような感覚になります。今回それをミラーで積極的に取り入れて、プロダクトをつくるように空間を作っていきました。また、通常会場デザインはあらかじめ決まっている展示作品を活かすための空間を考えることがほとんどですが、本展示では空間からインスピレーションを得て花をいける、という家元の提案のもと真逆のプロセスから生まれました」と佐藤さん。

    「佐藤さんとのコラボレーションによって、かつてないいけばな空間が誕生するのではないかと感じています」と 勅使河原さん。

    この他にも、2階談話室、5階・日本間では、小山登美夫ギャラリー所属の6名のアーティストとの作品と花の共演「勅使河原茜と現代アートのコラボレーション」展が開催される。(招待作家:大野智史、大宮エリー、菅 木志雄、日高理恵子、廣瀬智央、山本桂輔)

    草月創流90周年記念 勅使河原茜個展「HANA SO」
    会期:2017年4月5日~ 10日
    会場:草月会館
    会場構成:nendo  協力:onndo
    詳細:www.sogetsu.or.jp/event/2016/2017451090_hana_so.html



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    長崎辰哉(アトリエハレトケ)による我孫子の住宅「眺望の段床」を見学してきました。JR常磐線 我孫子駅から15分程の住宅地。

     敷地面積319m2、建築面積66m2、延床面積100m2。木造2階建て。
    接道から20m以上ある細いアプローチ、そこから1m程の段差があり、右に大きく湾曲しながらさらに1m以上の段差。かつ左手前と右奥が崖という難易度の高い敷地。

     敷地の奥から見ると敷地の湾曲に合わせ建物も折れ曲がっているのが分かる。しかし敷地奥は南面から緑地が望め、傾斜地で高くなっている分隣家の屋根上に視線が抜けるなどのメリットを施主は気に入った。


     崖(擁壁)に負荷がかからないよう基礎を出来るだけ小さくしながら、建物のボリュームをせり出して容積を確保。


     玄関床はモルタル。右に納戸、左に水回り、正面にキッチン、ダイニングと続く。


     キッチンとダイニング。ダイニングがちょうど折れ曲がる場所。


     ダイニングから先は1.3m程スキップしてリビングへ。
    蓄熱式床暖房を採用してあり、ワンルーム空間ながら柔らかな暖かさが全体を包み込む。「断熱性能には自信があります。」と長崎さん。

     ダイニングはひとつの部屋のように囲われており、ちょっと贅沢で落ち着く雰囲気だ。敷地の特徴を利用した工夫。


     リビング側は吹き抜け。


     と、階段に脚を載せたところで慣れない感覚が、、、見ると踏面のすべり止めに細かい仕事がしてあり、滑りにくくなっていた。大工さんが提案してくれたそうで、角材を単に接着しただけでなく掘った溝にはめ込んであるとのこと。


     リビングは1.5層の吹き抜け。折れ曲がりながら続く現しの架構と各室が空間に変化をもたらしている。


     南に面したリビングはハイサイドライトも設け、緑地の木々を借景として最大限に利用できるようにしている。


     2階へ。各室の納め方を苦心した様子が伺えるが、結果単調にならない個性的なエリアが幾つも生まれている。



     コーナー窓の部屋は、グラフィックデザイナーであるご主人のアトリエ。


     階段を上がるとちょっとしたフリーペースで、洗面台、トイレ、ロフト、廊下、寝室、アトリエの “溜まり” になっている。



     アトリエは管制塔かコクピットのような雰囲気。緑地が見え、目を休めることができるので仕事がしやすそうだ。引越の前だが、仕事場だけ先に移したご主人。


     ロフトから。当初はストレートなボリュームも検討したが十分な容積が得られないことや、せっかくの緑地に面する南側に庭が取りにくい事などで断念。もう一度敷地に素直に向き合うことで環境を自然なかたちで受け入れられる建物になった。
    また二人のお子さんにとってこのように構造が見える家は、建築というものを理解する原体験となるだろう。



     長崎辰哉さん。「困難な敷地形状を活かし、地形をトレースした段床が折り畳まれて、住まい自体が新たな地形となるような、スキップ状のワンルームとして建築全体を計画しました。コンパクトな空間に凝縮された、屋外や室内を結ぶ様々な眺望や段床の連なりが、魅力的なシークエンスを生み出し、日々の暮らしを豊かに彩ることを目指した建築です。」

    眺望の段床
    設計監理:アトリエハレトケ(長崎辰哉、池田俊)
    構造設計:坪井宏嗣構造設計事務所
    設備協力:ビーイー・リンク
    施工監理:かしの木建設

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    高野洋平+森田祥子/MARU。architectureによる大田区の「二重窓の集合住宅」を見学してきました。東急大井町線 北千束駅から5分程の場所。


    敷地面積108m2、建築面積75m2、延床面積420m2。RC造、地上6階。13住戸の共同住宅。


    敷地は大型車の交通量も非常に多い環状七号線(環七)に面しているため、住空間として騒音に対する配慮が求められる。


    そこで、躯体を壁式ラーメンで構築し、一層バッファーを設けてから内側に居住スペースを入れ、外殻に守られたような格好にした。その他の工夫は進めながら紹介。


    ファサードは左官仕上げ。


    エントランス。左に駐輪スペース。


    駐輪場の洗い出し仕上げがエントランスに連続し、外を内に誘導している。


    洗い出し部分は外構から流れ込んできたような砕石に置き換わり、こちらでも外と内の連続性を表現。この砕石部分にはプランターで植栽が置かれる予定。


    1階住戸。5階以外、20m2程のワンルーム。


    開口部はこのように。外側の開口は腰壁が立ち上がり、室内の開口より狭くなっている。


    腰壁、二重サッシュという騒音に対する物理的なものと、さらに隙間や内壁の白とは差を付けたシルバーの壁といった感覚的なものによる複数のバッファーで、道路からの距離をとっているのだ。腰壁はもちろん外部からの視線を遮る役目もある。


    隙間を見上げると各階グレーチングが嵌められていた。また三角ということからも分かるように、敷地境界にあわせた斜めのファサードに、矩形の住戸が3列に雁行しながら並んでいる。


    2階。隣家から「完全に塞がなくてもいいので少し目隠しが欲しい」との要請で有孔折板で軽く視線を遮った。


    2階住戸。先ほどの1階より腰壁が低くなっている。


    キッチンや水回りは単身向けのシンプルなもの。


    3階住戸。腰壁はさらに低く、幅も少しずつ広くなり、それにつれ外光も多く入ってくる。


    3階になると道路との距離が随分と離れてきた。構造壁の厚さは315mm、内側に向かってテーパーがつけられている。


    4階住戸。腰壁は殆どない。壁式ラーメンなので高い梁成が現れている。


    5階へ。(もちろんエレベーターも備わっている)


    5階は二住戸で、北側斜線に掛かりセットバックしたので、引きが取れることから2面の開口を設けた。


    床面積にも算入される広めの出窓が縁側のように気持ちいい。


    5階のもう一つはメゾネットで、写真は6階の様子。こちらも北側がセットバックするので出窓を設えた。


    2人以上の住まいを想定してキッチンも広め。


    腰壁と呼べるものは無くなり、サッシュとほぼ同サイズの開口になった。道路も随分離れている。


    高野洋平さんと、森田祥子さん。「お施主さんからは、この環七からの圧力をうまく逃がせるよう求められました。当然位置的には環七から下げられませんので、バッファーを取ったり、色彩や質などで環境を受け止めつつ、少しずつ居室への距離を取りました。ここに建つ住宅としてどのようなことができるか丁寧に考えて設計しました。」

    【二重窓の集合住宅】
    設計監理:高野洋平+森田祥子/MARU。architecture
    構造設計:坂田涼太郎構造設計事務所
    設備設計:EOS plus
    施工:神興建設

    【関連記事】
    「MARU。architectureの宇宙展」レポート
    「新しい建築の楽しさ2016:後期展」レポート


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    東京オペラシティアートギャラリーで4月8日から開催の「片山正通的百科全書 Life is hard... Let's go shopping.」に行ってきました。本展は、インテリアデザイナーの片山正通さんが収集してきたコレクションを、美術館という場にいかにディスプレイするかを通して、その関心の所在やクリエイションの本質を探ろうとするもの。

    タイトルの"Life is hard... Let's go shopping."は、"人生ままならないのでちょっと買い物でも行きましょうかね"という、衝動買いを肯定するような意。片山さんは25年前からキャリアをスタート。7年ほど前に武蔵野美術大学の教授に就任し、アートにかぎらずモノが持つ意味合いに深いものを感じ始めたという。


    展示されているのは、さまざまなジャンルや時代の現代アート、骨董、家具、剥製、多肉植物、書籍、CDなど総点数500以上。会場は主に、テーマに沿って分けられた17のROOM(展示部屋)と、作家にフォーカスしたエリア4つとPOP UP STOREで構成されている。現代アートギャラリーTARO NASU代表の那須太郎さんをスーパーバイザーに迎え、分類・編集していった。


    片山正通さん(ワンダーウォール代表)
    「自分がコレクターだと思ったことはありません。人に出会うように、多くのモノに出会ってインスピレーションを受けてきました。僕のからだを通して誠実に向き合って収集されたもの、と言えると思います。展示空間については"お店だったらどうするか?"という視点で見やすいように整理するなど、そこはプロとして構成しました。楽しんで頂ける自信があります」


    〈Wonderwall Office Tour〉
    まず展示室に入る前に、アートやオブジェが実際Wonderwallにて、どのように展示され機能しているかを映像と模型で紹介するコーナーがある。


    Wonderwall Office(模型)。
    自社ビルは自ら設計し、2009年に完成。トップライトを持つ6層の吹き抜けに縦導線として階段があり、その階段室の壁面に、収集してきたアートや彫刻などを展示するスペースが設けてある。


    展示期間中はオフィスの中が空っぽらしい。

    ここからは、テーマ別に紹介する。
    まずは片山さんを魅了したブックデザインや音楽などが見て取れる長いコリドーを進み、そこから先は大小様々な部屋がつづら折りに続く。

    〈Publications/出版物〉




    〈Music/音楽〉


    〈Succulent Plants/多肉植物〉


    〈Human & Animals/人と動物〉








    コーナーを曲がる度に、なにかが待っている。


    剥製。そして高さ2メートルを超える大竹利絵子による少女の木彫。


    〈Black & White/白と黒〉


    ブルックリンに拠点を置くアーティストKAWSのコレクション。


    〈Abstract Art/アブストラクト・アート〉


    〈Landscape/ランドスケープ〉


    松江泰治の作品や、サカナクションの山口一郎が同展のために制作した音に関する作品。


    〈Antiques & Objects/骨董、オブジェ、その他〉
    旅先などで手に入れた世界中のオブジェクト(古道具)は、片山さん自身が辿った軌跡であり歴史そのもの。






    〈Mid-century Furniture/ミッドセンチュリー家具〉
    ミッドセンチュリー期のモダンデザイン。ジャン・プルーヴェやシャルロット・ぺリアンの家具などが展示されている。




    〈Conceptual Art/コンセプチュアル・アート〉
    コンセプチュアルな作品。ライアン・ガンダー、サイモン・フジワラなど。


    バッファロー(剥製)の首からテキストをぶら下げた作品は、Wonderwallオフィスのシンボルのひとつだ。


    出口手前、最後に待っているのは"おじぎ福助"。


    〈POP-UP STORE〉
    ギャラリーショップにはディスプレイ「片山正通的百科全書 The Encyclopedia of Masamichi Katayama」が設置されており、本展のアートディレクター平林奈緒美デザインによるグッズを購入することができる。


    「片山さんより100ほどの英単語が届き、厳選した5つをデザインに起用しました」と平林さん。その中の3つを並べたら、偶然面白いつながりを持ってしまったという(!)

    【片山正通的百科全書 Life is hard… Let’s go shopping.】
    会期:2017年4月8日〜6月25日
    会場:東京オペラシティ アートギャラリー
    詳細:https://www.operacity.jp/ag/exh196/


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    汐留ミュージアムで開催が始まった展覧会「日本、家の列島 ―フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン―」に行って来ました。会場構成はみかんぐみ。


    日本の近現代の住宅建築にスポットをあて、フランス、スイス、ベルギー、オランダの各都市で注目を集めた展覧会の巡回帰国展。歴史的な名作住宅から近年の秀作まで約70作品を紹介する。


    企画したのは、(左から)写真家のジェレミ・ステラ氏、建築家のヴェロニック・ウルス氏とファビアン・モデュイ氏、そして日本在住30年で建築設計事務所みかんぐみの共同代表マニュエル・タルディッツ氏の4人のフランス人。日本通の彼らの複眼的な視点でとらえた日本の住宅建築の評価とキュレーションが見どころだ。


    会場は"昨日の家”、"東京の家”、"今の家"の3部で構成されている。


    〈昨日の家〉
    20世紀日本の住宅建築14作品。日本の住宅建築がいかにして西洋の建築を取り入れつつ、伝統を継承してきたかという点に注目し、作品を選定したという。


    菊竹清訓のスカイハウス、吉田五十八の旧吉屋信子邸、篠原一男の白の家など。


    〈今の家〉
    21世紀に入ってから竣工した住宅20選と、そこに住む人々の生活に注目した展示。写真、映像、ドローイング、スケッチ、インタビュー、模型などで構成。


    "今の家”を撮った映像。3箇所ほどに分けられて設置されている。


    パネルにはワンポイント解説「フランス人建築家のここが驚いた!」があり、作品のどこに着目したかが分かる。因みに同じ映像は、家型をした"映像の家”内でも観ることができる。

    ここからは、その20の住宅の中から数点を、ワンポイント解説付きで紹介する。


    〈鉄の家〉
    隈研吾
    「外から見るとまるで貨車のようなこの家は、文字通り『鉄男さんのための家』です。ところが金属製の壁の内部には、なんと茶室が隠されているのです」


    〈羽根木公園の家 - 景色の道〉
    坂 茂
    「この家のリビングルームは、日本の伝統的な概念であるハレとケが行きかう通り道のようです。また隣接する公園と街をつなぐ外部と内部を兼ねているかのような空間性にも、日本らしさがうかがわれます」


    〈千葉の家〉
    谷尻誠+吉田愛 (SUPPOSE DESIGN OFFICE)
    「古い家が大屋根と枯山水でみごとに生まれ変わりました。このリノベーションで家族のライフスタイルもがらりと変化したようです」


    〈ハウス&アトリエ・ワン〉
    塚本由晴+貝島桃代(アトリエ・ワン)
    「アトリエ兼住居のこの建物では、階段を巧みに使って半階ずつ空間に変化をつけています。この自由度の高い縦軸の空間構成のなかで、様々な活動が同時多発的に行われています」


    〈大きなすきまのある生活〉
    西田司+萬玉直子 (オンデザインパートナーズ)
    「『住居棟』と『階段棟』という2棟のなかに予想以上に複雑な構成が隠され、様々な機能を持った小部屋が連続していきます。見どころは何と言っても『すきま』で、ここからの眺めは絶妙ですね」


    前田圭介(UID一級建築士事務所)
    「交差する大きな直法体。まるでカメラのような形で、長いほうの直方体はズームレンズのように竹林に向かって伸びて景色をとらえます」


    裏の各展示作品のサイン。


    〈東京の家〉
    本展企画メンバーのひとりである写真家のジェレミ・ステラが、2010年より撮影している東京の家シリーズから36点を紹介する。建築だけでなく、人々の生活と共に東京の街をドキュメンタリーのようにとらえる写真。




    〈映像の家〉
    "今の家"に展示されている住宅の映像2分ずつほどを家型のブースで観賞するエリア。




    〈ゲストアーティストの家〉
    もうひとつの家型の展示だ。


    〈Dig-Ital City〉坂口恭平
    全長5メートルの塔のドローイング。ペンで緻密に描きこまれている。4月16日には、"日本、家の列島"に着想を得た壁画をライヴで描くイベントも予定されている。


    展覧会を記念し開催された講演会「ここがすごい!ニッポンの住宅建築」では、モデレーターに五十嵐太郎、ゲストに伊東豊雄、本展の企画メンバー4名ヴェロニック・ウルス、ジェレミ・ステラ、 マニュエル・タルディッツ、ファビアン・モデュイの各氏が参加した。

    「昨日の家、今の家など、フランス向きに3つのセクションに分かれていますが、ひとつの世界と思って観ていただきたい」とタルディッツ氏。

    シルバーハットが"昨日の家"に分類されていることについて伊東氏は「"昨日の家"で良かった」とコメントし、さらに「当時はクライアントとやりあわないと住宅はできないという気持ちがあった。今はクライアントと一緒に楽しくつくっているんですね。僕からしたら、"今日の家"のなかには、これ家なんだろうか?と思うものある。家族や都市の生活が変化したということが如実に建築に現れている」と話した。


    展示会場で参加建築家が作品について語るギャラリートークも開催される。
    1回目の4月14日(金)は堀部安嗣。

    【日本、家の列島展 ―フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン―】
    会場:パナソニック 汐留ミュージアム
    期間:2017年4月8日〜6月25日
    詳細:www.panasonic.co.jp/es/museum/exhibition/17/170408/


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    銀座の複合商業施設「GINZA SIX|ギンザ シックス」の内覧会に行って来ました。グランドオープンは4月20日。


    地上13階、地下6階。地下2階から地上6階と13階の一部が商業施設で、241のブランドが出店。7階から13階の一部は賃貸オフィスもある。施設名は銀座6丁目の立地にちなんだ。


    松坂屋銀座店跡地を含む街区と隣接する街区の2街区を一体的に整備する大規模な再開発プロジェクトにより誕生。新しく大きな街区を創出したことで、敷地面積9,080m2、延床面積148,700m2、銀座エリア最大の多用途複合施設だ。


    街区と街区の間にはあづま通りという一方通行の路地が通っていたが、建物で完全に覆われたトンネル状の路地に変わった。


    トンネル化された部分のあづま通りは少し掘り下げ、2階床レベルを上げずに大型車が通行できるようにしてある。トンネル両側のみゆき通りと交詢社通りからはエスカレーターで建物2階へと自然と上がることができる新しい”道”となり、銀座の賑わいを内部に引き込むような計画だ。


    三原通り側に銀座の街の観光拠点ともなる「ツーリストサービスセンター」や、銀座初の観光バス乗降所を整備した。近年、外国人観光客の乗るバスが増加しているが停車スペース不足という、銀座の課題を一部解消できることとなり、中央通りの渋滞緩和に貢献する。


    基本設計と外装デザインは谷口吉生(谷口建築設計研究所)。ファサードは「ひさし」と「のれん」をイメージしたデザイン。建物上半分のステンレスのひさしと、下半分は世界を代表するラグジュアリーブランドの旗艦店が6店、それぞれ2~5層の店舗を構え、各ブランドがデザインしたファサードとなる。ブランドがデザインを変更したり、店舗が入れ替わった場合、容易にファサード工事ができるようモジュール化されたパネルになっており、「のれんを掛け替える」ように新しいイメージを演出することができる。

    間口は115mあり、正面からはとてもワンカットでは収まらないファサード。路面店として軒を連ねる各ブランドは「のれん」のお題をそれぞれに解釈し表現しているのが見物だ

    5丁目側から順に〈FENDI〉。ローマの歴史的建造物で、ブランドの本拠がある"イタリア文明宮” からインスピレーションを得たデザイン。
    〈VALENTINO〉はデイヴィッド・チッパーフィールドが携わった。全面にメタルメッシュを使用し、日中の日差しをやわらかに、夜は店内の光を通りに落とすコントラストを生み出し、店内は “宮殿” がテーマ。


    〈VAN CLEEF & ARPELS〉。やわらかな漆黒からゴールドのグラデーションデザイン。内装にはアールデコ様式のデザイン。
    〈SAINT LAURENT〉。最新ストアコンセプトである白と黒のマーブルやアールデコとミニマリズムを基調とした店内。


    〈CÉLINE〉は“地域性”と“時間”というキーワードのもと、日本の土を使った陶の造形でファサードを表現。
    最後に〈Dior〉。谷口吉生がファサードも担当。衣擦れの音を呼び起こすような独特のデザイン。内装はピーター・マリノ。


    ロゴデザインは原研哉が手掛けた。


    裏側(三原通りとみゆき通りの角)にオフィス(7~12階/13階一部)入口。


    7階スカイロビー


    オフィスフロア模型。1フロア貸室面積(基準階)は都内最大級の約6,000㎡。

    次に商業空間へ。

    商業空間共用部インテリアデザインは、グエナエル・ニコラ(キュリオシティ)が担当。


    2階から5階まで4層吹き抜けのアトリウムの天井には、3Dの和紙を透過した優しい光が降り注ぐ。
    アートやクリエイターとのコラボを積極的に展開することから、草間彌生のカボチャが14個浮いている。


    開口には竹をイメージした格子をあしらい、レイヤーの隙間から、向こうには何があるのだろうと期待感を喚起させる。


    壮大なスケールのフロアが単調にならないように、銀座の通りと通りの間に残るジグザグした小さな路地をイメージした共用廊下。


    そのジグザグによってすべての店舗に角が生まれ、通常の商業施設のように直線的に見渡せないことで、路地を歩きながら出会う店に高揚感を味わうことができる。




    グエナエルさんが “ケーブ” と呼ぶ洞窟のような廊下は、ワインケーブの如くワインショップの〈エノテカ〉が洞窟内とその奥に店舗を構える。(B2F)


    細い光のグリッドが見えたらそこがエレベーターだ。広い店内で目印となる。
    ジグザグからくる斜めのラインがモチーフのデザインがそこかしこに散りばめられてある。


    エスカレーターホールには3重の折上げ天井。


    トイレ前の空間。タイルもジグザグだ。


    所々通路に置かれているオリジナルのソファ。「ほっと一息付ける空間としてデザインしたものです。コクーンのようなプロポーションのソファに、背後に木の屏風を置いて、インティメートな空間を作り出しています。」とグエナエルさん。


    グエナエル・ニコラさん
    「重要な要素は『光』で、照明の中にいるようなあたたかい空間を目指しました。日本の建築では障子や行灯でふんわりとした光を行き渡らせる工夫がなされています。日本に来て25年、素材から光まで勉強してきた今だからこそ出来た空間だと思います。キュリオシティ史上最大のプロジェクトです。そして谷口さんの建築の箱に対して、斜めのラインを強調したデザインで動きを出していきました。この吹抜け空間を見て、日本人は日本の伝統的、と感じるが、外国人は未来的、と感じるのではと思います。」


    〈LOUNGE SIX〉。新素材研究所の杉本博司と榊田倫之が手掛けた、One to One のおもてなしを体感できるプレミアムサービスを提供する上顧客のためのラウンジ。(4F)


    日本ならではの伝統的素材に現代的なディティールをほどこした独自のデザインで、新しい日本の美意識を感じられる空間になっている。
    多言語対応のコンシェルジュが常駐し、GINZA SIX 内の飲食店とコラボした特別メニューの提供や、パーソナルスタイリング、メイクアップサービスのほか、文化イベントの開催なども予定。


    詳細記事を別途アップします。


    〈クレ・ド・ポー ボーテ〉 田根剛によるデザイン。独立後初めて完成したプロジェクトだ。(B1F)


    デザインコンセプトは、クレ・ド・ポー ボーテが叶える「Brilliant Cell(ブリリアントセル=輝き細胞)」。内側から輝きを放つ肌や輝く細胞をイメージした。


    センターテーブルの上部は取り外し可能な”セル”。積み上げてディスプレイに変化を持たせることが出来る。


    田根剛さん。「ブランド独自の価値を表現しました。変化を持たせることができる什器や照明ですので、シーズンごとのニュースを発信する情報拠点として活用してもらえればと思います」


    〈Aesop〉 はトラフ建築設計事務所によるデザイン。(B1F)




    〈刷毛じょうゆ 海苔弁 山登り〉 バナナオフィスによるデザイン。(B2F)
    スープストックトーキョーで有名なスマイルズの新業態の海苔弁当やさん。ファサード上部に海苔を模した仕上げに注目。


    有明海で採れる僅か1%の一番摘み海苔の、さらに青海苔が付着した “青まぜ” という希少海苔を使用した究極の海苔弁。好きなおかずをトッピングもできる。


    〈CIBONE CASE〉 は二俣公一(ケース・リアル)のデザイン。(4F)
    「日本に通じる精神や物理的な奥行きとその曖昧さが生む空間の連続性に着目しています。CIBONEの感性や寛容さからなる多種多様な発信を空間のそれらとシンクロさせることで更に多様で魅力的な場所が生まれると考えます。」


    「幅広い間口とそれに対照的な浅い奥行きの空間を我々は敢えて横に長く薄く切り、CIBONEの発信に乗じるように空間的な厚みと濃度を持たせました。訪れる人に一層深く親密に関わってゆくCIBONEの在り方をもイメージしています。」と二俣さん

    館内2箇所にある、高さ約12mの壁面(リビングウォール)には、JTQ谷川じゅんじプロデュースによる、対となるアート作品を展示。

    〈Universe of Water Particles on the Living Wall〉 チームラボ
    日々の日没とともに様子を変える滝を描いた映像作品。(3F~5F)


    〈Living Canyon〉 パトリック・ブラン
    日本に生息する固有種も含めた様々な植物を織り交ぜ、太陽の光に照らされた崖の頂上から、影に覆われた深い谷底を表している。(3F~5F)


    4階からはこのように見える。


    〈銀座 蔦屋書店〉 はトネリコがデザインを手掛けた。(6F)


    代官山店のアート・デザインコーナーを代官山店とほぼ同面積の店舗全面に展開した、アート・デザインに特化した店舗。
    “通常” の書籍や雑誌も置かれているが、奥へ進むほどディープな趣向の本になるという。


    中央トップライトを持つ吹き抜け空間で様々なイベントや貸しスペースとしても活用していく。オープニングは名和晃平、蜷川実花、杉本博司によるアートギャラリーを展開。
    蔦屋書店は別途記事で詳細をレポートします。


    〈観世能楽堂〉(B3F)
    渋谷区松涛から銀座に移転し檜舞台を移築した。1,600m2、480席。日本の伝統文化の発信拠点として、国際的な観光地である銀座を盛り上げていく。


    観世能楽堂開場記念公演と銘打ち、4月20日~23日に祝賀能、4月27日~30日に日賀寿能を開催。


    〈GINZA SIX ガーデン〉 宮城俊作によるランドスケープデザイン。
    銀座エリア最大級となる、地域に開かれた4,000m2の屋上庭園。


    植栽はサクラやカエデ類など四季の移ろいを感じることができる樹種を選んだ。近代の東京において、東洋と西洋が重なり合った街であった「銀座」。この地に誕生する屋上庭園として、「自然に親しむ近世江戸の庭園文化」と、「街の賑わいを楽しむ西欧の広場文化」 の融合をコンセプトにした。水盆は水を抜くことで平面利用も可能。

    【GINZA SIX|ギンザ シックス】
    所在地:東京都中央区銀座6-10-1
    詳細:https://ginza6.tokyo

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    谷尻誠 + 吉田愛/サポーズデザインオフィスの新東京事務所「社食堂」のオープニングレセプションに行ってきました。「社食堂」とはスペース名で、社員食堂であり、一般の客が利用できるレストラン&カフェでもある。さらにサポーズの新規事業「絶景不動産」、写真家 若木信吾の事務所兼ギャラリー「YoungtreePress」も同居する。
    場所は渋谷区大山町。小田急 代々木上原駅から徒歩7分ほど。


    築29年の集合住宅の地下テナント部分に入居。床面積は211m2。


    エントランスから半地下に降りる階段。正面に若木信吾の作品と、壁一面に設えた書棚が迎える。


    書棚には幅允孝がセレクトした建築関連の書籍や、サポーズで開発したスチールプロダクト「KT」が並ぶ。書籍は好きなものを選んで席に持って行っていくことができる。


    H鋼をグリッド状に渡した照明は桜丘の旧オフィスから踏襲したデザイン。上面に間接光と、ポイントで下向きのスポットライトが備わる。
    半地下とはいえ、で2面接道でドライエリアを持つ大きな開口の建物なので外光が十分に入り明るい店内。


    フロアの中心にある柱を囲うように、黒皮ままの天板でできたアイランド型のキッチンを配した。谷尻さんの知人の料理人が料理長を引き受け、ほか公募でスタッフを揃えた。


    オープニングを待つ料理は野菜中心のヘルシーなもの。開発中の料理を試しにゲストに食してもらう。


    4月10日にオープンを迎え、決定したメニューがこちら。「日替わり定食」¥1,100、「セットドリンク」がプラス¥300。そのほかカレーや親子丼、海鮮丼が¥950~¥1,000。コーヒー、お茶、ソフトドリンクやアルコール類の提供もある。


    「多忙なスタッフがコンビニ弁当やインスタント食品ばかりで、体調を崩さないように体にいいものを食べてもらいたい。」という思いがきっかけだという谷尻さん。
    そして以前の富ヶ谷の事務所でも提唱していた「仕事以外でも気軽に事務所に来てもらいたい。建築の仕事ってこんな感じでしている、というのを誰もが見ることができる。」というテーマをより推進したかたちで実現させた。


    食堂のテーブルは様々なサイズがあり、事務所のミーティングスペースとしても活用していく。奥が事務所エリア。


    事務所エリアは一応引戸で仕切ることが出来る。


    20人ほどキャパシティ。桜丘の旧事務所では常駐2人でスタートし、広島から出向してくるスタッフ4~5人作業ができ、ミーティングと模型製作スペースがあればいい、といった70m2ほどの空間だったが、わずか2年半でオーバーキャパを迎えてしまうほど仕事が増えたということだ。


    奥から。


    デスクのアップ。基本的に食堂のテーブルも同様の作りで、黒皮ままの鉄板で製作されている。


    ホテルのバスルームかと見紛う仕上げのスタッフ用シャワー室。隣には広島からのスタッフが寝泊まりできるスペースも用意した。




    食堂の一角にはサポーズで扱うプロダクトやコーヒーも。


    そして新規事業「絶景不動産」で扱う一棟貸しのゲストハウス。鎌倉にある民家をリノベしたもので秋に営業を開始する予定。10人位のグループでも泊まれるそうだ。
    「絶景不動産」は、素晴らしい景色を持ちながらも建築には向かないと思われている土地や、建築と合わせて初めて価値が顕在化する土地などを「設計」という視点からポテンシャルを引き出し、新しい価値の創出を目指す。


    右から谷尻誠さん、吉田愛さん、絶景不動産プロジェクトマネージャー高木正浩さん。
    「通常では混ざり合わないはずのものが同居していて、食事をすれば食堂、お茶をのみながら打合せをすればカフェのような会議室、写真を目的とすればギャラリー、買い物すれば物販店と、空間は目的によって変わっていきます。新しい働き方と、設計事務所という活動を社会に伝えて行くために、この場所をつくりました。少しづつ建築の魅力を、様々なカルチャーを通して伝えて参りますので、ぜひ皆さん遊びに来て下さい。」


    【社食堂・絶景不動産】
    所在地:東京都渋谷区大山町18-23-B1F
    Facebook:www.facebook.com/shashokudo/
    Instagram:@shashokudo

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    4月19日から開催の「坂茂:プロジェクツ・イン・プログレス」のプレス内覧会に行ってきました。
    ギャラ間での坂さんの展覧会は1999年以来、18年振り2回目だ。今回の展示ではタイトル通り全て「現在進行中」のプロジェクト10作品をプロセスや、構造・ディテールのモックアップを使って紹介する。
    Exhibition [Shigeru Ban: Projects in Progress] Tokyo.


    展覧会概要:「本展では、現在世界各地で進行中の最新プロジェクトのプロセスを通して、坂氏の設計思想と取り組みを紹介します。これまで「紙管」という安価で解体・組み立て・再利用が容易な素材を建材として利用し、建築作品だけでなく世界各地の災害支援にも尽力してきた坂氏が、今改めて『木』という素材の特長や可能性に注目し、これらを多様なかたちで用いた大規模なプロジェクトに挑戦しています。」


    3階展示室は4月22日にオープンを迎える〈ラ・セーヌ・ミュジカル〉のプロセスを紹介。パリ近郊、セーヌ川セガン島に建設されている音楽ホール・コンプレックスだ。
    La Seine Musicale (Paris vicinity, France/ 2017)



    展示室の中央には全長4mの断面模型が鎮座する。台の脚はもちろん紙管。周囲にはディテールのモックアップや、映像が展示され図面は一切ない。


    セガン島は長い間ルノーの工場があったが、撤退後ピノー財団が取得し安藤忠雄の設計で美術館を計画していたものの中止となり、プンタ・デラ・ドガーナの名称でベネチアに計画変更され完成した。その後ジャン・ヌーベルが島全体のマスタープランをつくり、ピノー財団の敷地はPFI方式の音楽ホール・コンプレックスとしてコンペが行われ、2013年坂事務所が勝利した。
    「フランスは凄い国。音楽ホールを設計しこともない私たちにチャンスをくれた。」と坂さん。


    手前に音楽学校、中央に4000人収容、奥の球形ボリュームに1150人収容の音楽ホールからなる。
    ちなみに、ボブ・ディランがようやくノーベル平和賞を受け取りにストックホルムへ赴き、その足で4月21日オープン前夜祭に受賞記念コンサートが行うとか。


    設計要件で「パリの西の玄関となり得るようなモニュメンタルなデザイン。」を求められたという。円形ホールの外壁はモザイクタイルで仕上げられ、アトリウムは木造架構にガラス張りの外殻で包まれる。その外側にヨットのセイルをイメージしたデザインのソーラーパネル。パネルは発電効率を上げるよう太陽を追いかけて可動し、ガラス張りのアトリウムに日陰もつくれるようにした。

    壁面には、建設のプロセスを定点カメラが記録した動画。音楽ホールで使われる座席のモックアップに座って鑑賞できるが、その座面と背もたれは紙管でできている。
    通常工事はまず杭を打つ作業からはじめるが、ここでは安藤忠雄の美術館建設前に打たれた杭を抜く作業からはじまった。その様子が動画でも確認出来る。


    天井に張り巡らす吸音装置としても紙管を利用。壁面に張る波板は同じピッチ・曲率の波でできており、組み方を変えることで音の反響具合を調整できるようにした。


    ソーラーパネルと円形ホール外壁のモザイクタイル。


    タイルは光の当たり具合(見る位置の変化)で赤から緑に色が変わる。今回イタリアで開発した特殊タイル。




    竣工したホール。オープンの4月22日はフランスの大統領選挙直前のため「報道陣があまり集まりそうもないので日本のメディアの方是非来てください。」と坂さん。


    中庭は頭上一面を紙管の架構で覆った。
    大分の〈竹田市クアハウス〉(2018年7月就航予定)。レシプロカル構造屋根のモックアップ、滋賀県立大の学生や慶応大のインターン20人掛かりで組み上げた。実際の建築では木材だが、展示での施工性を考慮し紙管を採用した。 



    〈熊本木造仮設住宅〉昨年の熊本を襲った大地震の被災者用に設計た仮設住宅のモックアップ。大工がいなくても特別な技術を必要とせず組み立てられるL字型ユニットを開発。仮設住宅の悩みである隣との音の問題を、界壁に収納を設えることで、収納不足の問題と共に解消した。
    現状、最低限の住環境である仮設住宅の基準は低すぎるという。コストを上げずにもっと快適な仮設が可能だということも訴えている。


    〈ネパール復興プロジェクト〉 2015年のネパール大地震後の復興住宅。煉瓦造りの家が多く地震で多くが倒壊した。瓦礫となった煉瓦を地元で手に入る木パネルの構造板に非構造として積み上げ、誰でも施工できる仕組みにした。地震に強い構造と瓦礫の再利用を同時に実現。


    4階展示室は建築模型とモックアップが並ぶ。


    〈台南市美術館〉 2018年秋竣工予定。
    既存の地下駐車場を補強しその上に美術館や劇場を建設する計画。周辺には市民の憩いの場となる公園がないため、箱型の空間の内外を自由に出入りできる公園としての機能も有する。
    Tainan Museum of Fine Arts (Tainan, Taiwan/ Projects in Progress)

    日射の強い台南。五角形のフレームにフラクタル造形の日よけを開発し採用する。


    〈スイス時計会社本社〉 2018年7月竣工予定。
    スイスを代表するカジュアルウォッチと高級時計メーカー本社キャンパス増築計画。敷地のあるビール/ビエンヌ市はスイスを代表する木構造専門の大学があり、CNC旋盤による木加工で世界をリードするスイス。この地で大規模な木造建築を作ることは自然な選択肢。このプロジェクトのために加工用の工場を隣接して造った。
    Watch Company Headquarters in Switzerland (Biel/ Bienne, Switzerland/ Projects in Progress)


    木材三次曲面の自動加工技術はスイス、ドイツはずば抜けている。日本は戦後、耐火の問題から大規模な木造技術の開発が行われず、ガラパゴス化が進んで完全に遅れている。このような建築を作りたくても加工技術も設備も人材もないそうだ。


    躯体構造モックアップ(1/3)。針葉樹の材の中に、部分的に強度が必要な箇所は堅い広葉樹の材(色の濃い部分)を混構造としている。


    〈湯布院ツーリストインフォメーションセンター〉 2018年3月竣工予定


    柱のモックアップ(1/3)。日本でも曲面の木材加工ができるのは、と思うかもしれないが、国内では二次曲面の加工しかできないそうだ。


    〈富士山世界遺産センター〉 2017年7月竣工予定。
    逆さ富士形の建物が周囲の水盤に映ることで正富士の形が現れる。内部の螺旋スロープを上がりながら富士山の魅力を紹介し、屋上まで上がったとところでピクチャーウィンドウの先に富士山が見える。


    外壁の木格子のモックアップ。これら大型のモックアップはそのままでは搬入できないので、部材を運んで何日も掛け、この場で組み上げた。

    坂茂さん。「一般の方が図面を見ても理解するのは難しい。展覧会ならではの建築の展示コンテンツは何か?と考え、施工プロセスやモックアップを中心に展示しました。」

    【坂茂:プロジェクツ・イン・プログレス】
    会期:2017年4月19日~7月16日
    会場:TOTOギャラリー・間
    詳細:www.toto.co.jp/gallerma/ex170419/index.htm


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    成瀬・猪熊建築設計事務所が外装デザインを手掛けた世田谷区の商業施設「キュープラザ二子玉川」の内覧会に行ってきました。(4月28日開業)

    東急不動産の都市型商業施設ブランド「キュープラザ」の原宿、恵比寿、心斎橋に次ぐ4店舗目。基本設計は東急設計コンサルタント、実施設計・施工は奥村組が担当した。


    敷地面積1,158m2、延床面積2,521m2。S造+一部RC造、地下1階、地上3階建。
    駅周辺には大型施設が林立する一方で、自然に囲まれた街並みが愛されている二子玉川に於いて、既存の環境との調和を図り、なじみ愛される施設を目指した。一店舗当たりの面積を広く、テラスやドライエリアを設け、自然を取り入れながら賑わいや開放感を演出。


    外装デザインは3社の指名コンペだったそうで、成瀬・猪熊からは「かつてこの場所にあった玉川電気鉄道の風景をモチーフに、枕木・線路・駅をイメージした外装で懐かしさや親しみを味わえる外観。」を提案した。


    レールと枕木をモチーフに使ったデザイン。この東面は田園都市線や大井町線からも望め、商業地と住宅地の境に位置している。レール型の鋼材でフレームを組んだうえで、所々枕木(ケンパス材)をはめ込み、建物の表情を強く見せながらも全て覆うことはせず、店舗の賑わいを街に対して開いた。
    “レール型の鋼材”とあるのは、実物のレールでは強度的に建材として使えないので、レール型断面の鋼材を製作して使用しているのだ。


    外構は公開空地を取りながら、植栽による緑の還元とベンチによって居場所をつくった。
    枕木の壁は落下防止の手立てを何重にも施し、万が一外れてもワイヤーによって保持される。また開口部には照明が仕込んであり、日が沈むとその表情を変える。照明デザインはシリウスライティングオフィスが担当した。


    プロジェクトの途中から参画した外装デザインであるが、建築家として何が出来るかを考え、街と店舗の結節点として注力したという共用部。


    回遊しながら建築的な体験をしてもらえるようデザインした。
    2階の共用部は、しっかりと目地を通した天井パネル、ヘアライン仕上げのエレベーター扉、白木調のデッキ、ジョリパット仕上げの柱、、、


    そして桧無垢材のベンチ等、素材感のある仕上げで、ゆったりとした広さをもつテラスが間延びしないようにした。


    ベンチの傍らには大きなプランターを設えた。直射日光があまり当たらないので森の下草をイメージした植栽。


    3階への階段に回り込むとダイナミックな架構が現れた。単なるファサードデザインに留まらない、まさに建築的な表現が見られる。


    枕木パネルの位置は多くのスタディを重ねた。店の賑わいを見せながらファサードとして主張をしつつ、店内からは向かいの集合住宅を隠し、外からはエレベーターの機械部を覆うなどの機能を持つ。


    続いて地下へ。
    セットバックさせた建物の足元には広いドライエリア。


    ドライエリアはテナントと折り合いをつけながらデザインした。1階に渡り廊下が二つあり、光の入る箇所、入らない箇所により空間が縦方向に分節されるイメージであるため、枕木を用いて水平のラインを強調し、大きなプール状の空間に演出。


    壁に沿って枕木のベンチシートが連続する居場所。このベンチ側では壁面を少しふかすことで、ドライエリアの平坦な輪郭に凹凸を持たせ地形のようにデザインした。


    多機能トイレ。意外にないのが荷物を架けるフック。オリジナルデザインのものを設えた。


    サインも。

    テナントを紹介

    地下1階アジアンリゾートレストラン〈Asian Bistro Dai(アジアンビストロ ダイ)〉。


    地下1階 〈Climbing Gym Fish and Bird(クライミングジム フィッシュアンドバード)〉


    高さ4m、全長20m近いもの含め3種類のクライミングウォールが楽しめる。


    1・2階には〈mont-bell(モンベル)〉。1000m2以上、都内屈指の大型店舗。
    正面外構には枕木と川石で線路や多摩川をイメージ。


    3階にはレストラン〈CHICAMA(チカマ)〉。ナポリから取り寄せた日本最大級のピザ釜がある。


    本場のピザ、パスタ、魚介を使ったチリの郷土料理セビーチェ、スペインのタパスやパエリヤなど。


    右から成瀬友梨さん、猪熊純さん、担当の大川周平さん。
    「私たちの提案は、『外装材を提案する』というコンペ要項を意図的にはずし、フレームを飛び出させ、外階段をファサードの内部に取り込みました。それにより単なる装飾としてのファサードではなく、そこを取り巻きながら登っていく街路の続きとしてのファサード空間を実現し、かつ歩きながら街とその歴史に触れることができることとしました。」

    【キュープラザ二子玉川】
    事業主:東急不動産、東急不動産マネージメント
    基本設計・監修:東急設計コンサルタント
    実施設計・施工:奥村組
    商環境デザイン:成瀬・猪熊建設設計事務所

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    5月22日、2017年プリツカー賞受賞者であるラファエル・アランダ、カルメ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタ(RCRアーキテクツの3人が、東京大学安田講堂にて受賞記念講演を行った。


    定員1000名の講演会は大変な人気で、開始10分前にもかかわらず入場待ちはご覧の行列。早くに定員に達し多くの方が入場を断念せざるを得なかった。


    シンディ・プリツカーの声明。「審査団は、30年近くにわたって共同制作により作品を生み出してきた3人の建築家を選びました。アランダ、ピジェム、ヴィラルタの3氏は、共に活動することでそれぞれの領域をはるかに超えた作品を世に 送り出してきました。3氏の作品は、公的な空間や私的な空間から文化施設や教育機関まで幅広く、それぞれの施設特有の環境条件とその土地の固有性を強く関連付ける彼らの作品は、3氏の手法が真に溶け合った証しと言えます。」


    会場最前列にはプリツカー賞歴代受賞者である西沢立衛、妹島和世、グレン・マーカット(審査員長)、リチャード・ロジャース、ワン・シュウが並ぶ。伊東豊雄の席も用意されていたが講演に間に合わなかった。


    紹介されるリチャード・ロジャース。


    ラモン・ヴィラルタ、カルメ・ピジェム、ラファエル・アランダ。[Ramon Villa, Carme Pigem, Rafael Aranda]
    スペイン・カタルーニャ地方オロット出身の3人組の建築家。1988年故郷に建築設計事務所「RCRアーキテクツ」を設立して以来、共同制作によって作品を生み出してきた。


    進行は東京大学教授でもある千葉学。自身も改修に携わったこの安田講堂で記念すべき講演会の開催となった。
    「RCRアーキテクツは地域性を大切にしながら、世界中の共感を得られる建築を生み出す。そういった姿勢こそが今世界が求めていることではないだろうか。」


    ハイアット財団エグゼクティブ・ディレクター、マーサ・ソーン[Martha Thorne]
    「かれらは、繋がり、共存、その場の光、風、素材、風土を大切にし、加えて個人の経験を活かしながら素晴らしいものを作り上げる。」


    3人で同時に講演を行うのは初めてだという。
    「今回の来日で自分たちにぴったりの日本語を学んだ。それは
    『阿吽の呼吸』と『三人寄れば文殊の知恵』です。これはわたしたちは『Shared Creativity』という言葉で表現しています。一人の力と経験では作れないものも三人で知恵をと力を出し合って30年活動してきた。」と話すように3氏の作品は、それぞれが持つ背景と語り合うような空間を創造するべく、建物 の場所および場所の持つ物語に対して徹底的なこだわりを見せている。


    活動の拠点にしているスペインの田舎町オロット [Olot] の紹介。
    「火山性の大地と豊かな自然に恵まれている。自然といっても農場や植栽なども多く、それは人の手が加えられた自然といえる。」


    「農場の小屋。古びた金属や木材と植物が見せる表情。」


    「荒々しい岩肌と植物など、これらはオロットの典型的な風景で、とてもコントラストが強い風景。こういったところで育ち、事務所を構え仕事をしている。」


    「1990年初めて日本を訪れ各地を回ったが、それは今までの人生で全く異なる体験ができた機会だった。特に高野山で過ごした数日はとても大きな意味をもち、この3人で建築をやっていくのだという強い信念をもつきっかけとなった。」


    「こういった砂庭は日本の方には日常的かもしれませんが、そこには小さな宇宙があり、『一体どうやって作っているのだろう!』と我々の驚きと興味が尽きることはなかった。」


    「間が仕切られながら繋がる日本の建築を学んだ。」

    その後も展覧会なども含め5回来日。


    2010年にはTOTOギャラリー・間 25周年記念展「GLOBAL ENDS」に〈人間回帰〉という作品を出品している。なお、2018年1月には同じくギャラリー・間で個展が開催される予定。


    今回の来日では奈良の吉野杉をリサーチした。


    「日本建築の重要な素材である杉や桧がどのように育てられ、製材されるのか “素材のルーツ” をリサーチした。」
    「ルーツを知るとそのエッセンス(本質)を理解することがでる。エッセンスを理解することで異なる文化を理解することができる。それが新たな創造の源となる。」


    「奈良の寺や京都の竜安寺にも行きました。外と内の融合、間と間の連続性、これら日本の建築は我々に常にインスピレーションを与えてくれます。」

    多くのスライドを使って自作の紹介がはじまる。

    〈トソル-バジル競技場/Tossols-Basil Athletics Track〉
    オロットの街にある競技場。ほとんど木を切らずに森を活かしながらトラックを計画した。
    (photo: R.Prat)


    単に競技場を作ったのではなく、走りながら森の奥行きを感じることができる場所を作った。この場でなければできない競技場。
    (photo: H.Suzuki)


    〈ベルロック・ワイナリー/Bell–Lloc Winery〉
    ワイン畑の風景に溶け込むように計画された貯蔵施設。
    (photo: H.Suzuki)


    ワインのテイスティングのために光や風などその土地の空気を感じられる。日常的な水平垂直の空間を避け、特別なワインの世界に入ることができる。
    (photo: E.Pons)


    〈ラ・リラ劇場の公開空地/La Lira theatre public domain〉
    川の畔に建つ、使われなくなった劇場を広場へとコンバージョンした。
    (photo: H.Suzuki)


    片側には森と川、反対側には街。それらを繋ぐ力強い空間を作った。多目的ホールを地下に設けた。
    (photo: H.Suzuki)


    〈レス・コルズ・レストランのマーキー/Marquee for Les Cols Restaurant〉
    マーキーとはテント小屋。フランスでは古来より人が集まり宴を催す際、仮設のテントを設けた。それはとてもはかないものだがその下では人々の賑わいがある。そんなレストランを求められた。
    (photo: H.Suzuki)


    敷地を掘り下げ両側に石を積み上げる。その間に幾本ものチューブがしなりながら屋根を形作る。周囲は透明なシート材が覆い(ガラスでは強すぎる)、テーブルや椅子も透明で、外なのか内なのか非常に曖昧な空間を作った。外にも内にも今後植物が育っていくことでその曖昧さはさらに増していくことになる。
    (photo: H.Suzuki)


    〈ヴァールゼクローク・メディアテーク/Waalse Krook Mediacheque〉
    ベルギーで竣工した最新プロジェクト。都市のなかで大きなボリュームが重くならないように調和を意識した。場の雰囲気、ここを使う人々がどのような感情になるかを深く考えた。
    (photo: Courtesy of the authors)


    「建築をつくるにはその根本がどこにあるのかを常に考えています。その場所の文化やルーツを理解することで設計のロジックとなります。それを表現できれば建築には共有できる要素が必ず生まれるはずです。」「建築は生きていくための仕事であると同時に、我々の生き方でもあります。」と締めくくった。


    講演会の2日前、東京の迎賓館赤坂離宮で行われたプリツカー賞授賞式。左から西沢立衛、安藤忠雄、妹島和世、ラファエル・アランダ、グレン・マーカット、カルメ・ピジェム、ラモン・ヴィラルタ、伊東豊雄、坂茂ら日本の歴代受賞者と共に。 



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    5月26日にオープンするコクヨ直営の複合施設「THINK OF THINGS(シンク オブ シングス)」の内覧会に行ってきました。場所は千駄ヶ谷、JR原宿駅竹下口より徒歩3分。



    地上3階建で、1階には賑わいを生み出すショップとカフェ、2階はワークショップやイベントで新たな試みを検証する場所、3階には企画開発を行うオフィス及びプロジェクトルームを配置。社会のニーズを感じながらスピード感のある商品、業態開発を実践する。


    コクヨが建築企画・店舗デザインをした新築ビル。オーナーは別なのでテナントとして入ったかたちだ。
    接道からセットバックした建物。閉じすぎず外部と緩やかにつながるファサード。シンボルツリーのカリンをはじめ、グリーンを取り入れながら街に溶け込むような佇まいを考えた。


    前庭は街に広場を提供するようなちょっとした溜まりだ。


    1階〈CASE〉
    手前からカフェ、ライフスタイルショップ、くつろぎスペース、そして裏庭へと続く。カフェは三軒茶屋のロースター、OBSCURA COFFEE ROASTERSによるプロデュース。


    ライフスタイルショップでは、生活と仕事の双方に「刺激や発見をもたらす道具」という視点でオリジナル商品とセレクト商品を展開。


    帽子箱を思わせる紙筒にアルミのトレイを載せたサイドテーブル「HAT BOX TABLE」。


    コクヨのロングセラー商品キャンパスノートや、筆箱や小物入れになる丸筒などを、生活シーンでも使えるようにアップサイクルしたアイテム。


    「カドケシ」などコクヨアワードから商品化されたアイテムを集めたコーナー。


    ノートや測量野帳への名入れサービス(有料)もある。


    奥のくつろぎスペース。クリエイターの事務所が多いエリアであるため、飲食の場としてだけでなく、プロダクトを見たり、考える場所、打合せ場所などとしての利用を促す構成とした。


    プライベート感のあるテーブル席も。


    裏庭。近隣に住宅が密集しているため塀で囲われているが、小さな都会のオアシスのようだ。


    庇の付いたベンチスペースが設えてある。


    樹齢200年のオリーブを主役とした植栽はソウアトリエが担当。


    エレベーターもあるが前庭から螺旋階段で2階へ。


    2階〈TOT STUDIO〉
    多目的に使われるスペースで、トークショーやワークショップなどを開催していくそうだ。レンタルも可能。


    2階からファサードの裏側から見る。


    3階〈コクヨオフィス〉
    商品開発チームを含む30ほどの固定席に加え、フリーアドレス席も用意されている。ワークスペースから仕切られたスペースには、ロッカー、作業台、コピー機など。


    3階にはバルコニーもあるので、外での打合せも気持ちが良さそう。


    さらに屋上にはキッチンも設えてあり、イベント、撮影、バーなどとして活用される予定。

    創業以来112年、文房具とオフィスファニチャーを中心に、人々の「働く」「学ぶ」フィールドをサポートしてきたコクヨ。THINK OF THINGSでは「ライフとワークの境界を越える」をテーマに「働く」「学ぶ」に留まらず、「暮らす」という視点を加えた新しい価値の提供と、ショップ名が表す通り、道具を手に取りながら”モノ/コト”について考えられる場所を目指す。

    【THINK OF THINGS】
    http://think-of-things.com

    【関連記事】

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    小嶋一浩+赤松佳珠子/CAt(シーラカンス アンド アソシエイツ)による渋谷区の複合ビル「恵比寿SAビル」と入居するCAtのオフィスを見学してきました。恵比寿駅から徒歩数分の駒沢通りに面した場所。


    敷地面積296m2、建築面積257m2、延床面積1,951m2。鉄骨造地上10階建。1階~4階が教会、4階一部住宅、5階~10階がオフィスの複合ビルだ。


    教会とはキリスト教「救世軍渋谷小隊」。救世軍は建て替え前からビルのオーナーで、CAtは20年以上テナントとしてオフィスに入居していた。
    3年ほど前にオーナーより耐震化のため建て替えるので、一時移転を考え始めて欲しいと通達があったという。オーナーはCAtが設計事務所だとはあまり知らなかったようで、通達後、小嶋一浩さんが「模型作って挨拶に行こう。」となって、意気投合し設計の依頼へと繋がったそうだ。


    ファサードにはプランターを使って一面に植栽を施した。殺風景な駒沢通り恵比寿界隈に忽然とグリーンのビルが現れた。


    5月現在、南に面した植栽はぐんぐん成長し、殆ど緑のファサードになっている。


    北側にはビルに囲まれた恵比寿公園。恵比寿によく来てもこの公園の存在にはあまり気付かないかも知れない。


    2階から4階が斜めに削られている。このビルは商業地域に建っているが、公園側は第2種中高層住居専用地域となる。日影規制による影のラインを商業地域内でクリアするために生まれた形状だ。5階以上は影の先端になるので規制外への影となり、床面積を最大限取れるボリュームとなる。
    しかしこの日影規制、当該敷地では両隣にビルが密接しているので、果たして意味をもつのかは疑問だ。


    駒沢通り側に戻り、左が教会のホール、中央が上層部へのエントランスホール。


    ホール。礼拝後の食事やミーティング、勉強会、イベント、バザーなど行う多目的スペース。駒沢通りから公園までがトンネル状に抜けており、街やスペースの賑わい、公園の賑わいを南北に繋ぐ。また敷地は南北で1.2mほど高低差があるため、それを利用し階段状のアッセンブリースペースを設けた。




    エントランスホール。左の階段は2階の礼拝堂へ通じ、礼拝のないときは格子扉を閉めることが出来る。右側はエレベーターで、一面が溶融亜鉛メッキ板で仕上げられている。


    2階礼拝堂は2層吹き抜け空間。正面の壁は南で、左と上にスリットが入っており、午前中に行われる礼拝時、東(左)から徐々に光の纏が変化する仕掛けだ。




    この空間は、外観で説明した斜めにカットされた部分の半分。そのため平面が台形になっていることや、公園に面しているため様々な方向を正面として椅子をレイアウトできる。カーテンは淡く透過するものが設えてあり、昼間はご覧のように十字のシルエットが浮かび上がり、夜は逆に外から見たときに十字が現れる。
    椅子などの家具デザインは藤本泰司アトリエ、カーテンは安東陽子デザイン、照明は岡安泉照明設計事務所が担当した。


    カーテンを開け、外に出ると公園と連続するようなテラスになっている。規制によって生まれた天高12.5mのエクストラな空間だ。
    4階は住居。


    10階テナントオフィス。南北にバルコニーを持ち非常に開放的だ。


    北側のバルコニー。


    恵比寿公園を見下ろす。正面奥が渋谷駅方面。


    階段を使って下の階へ降りると、駒沢通りを挟んだ向かいにこちらのビルが映っているのが見えた。こちらのグリーンが借景として帰ってくるという偶然。


    5階〜9階は同じレイアウト。ここは5階でこの内覧会のあと、CAt自身が入居するフロアだ。


    そして入居後の様子。
    エレベーターを降りるとギャラリースペースのような設えのレセプションホール。


    ロゴが入った可動式の亜鉛メッキ板は、以前から使っていたものを流用。右には日本建築学会賞(日本建築学会)やBCS賞(日本建設業連合会)を受賞した「おおたかの森小・中学校、おおたかの森センター、こども図書館」の盾などが鎮座する。

    一角には2016年10月に亡くなった小嶋一浩さんの書籍などが並ぶ。新しいオフィスが入るこのビルの完成を見ることはできなかった。


    レセプションホールは小嶋さんが特にこだわっていたそうで、来客の出迎えはもちろん、簡単な打合せや、歓談しながら仕事終わりに飲めるような空間も思い描いていたという。


    質実剛健な印象のオフィス。大きく模型制作スペースとワークスペースに分かれている。


    ワークデスクの頭上には吊り棚を設えスペース効率を図る。


    恵比寿公園側のミーティングスペースとバルコニー。遠景に見える建設中のビルはCAtがデザインアーキテクトを務める、渋谷駅南街区プロジェクト「渋谷ストリーム」に建つ180mの高層ビル。


    ミーティングスペースはラーチ材でできた折れ戸で仕切ることもできる。
    右手裏側は赤松さんのスペース。


    スタッフはバルコニーにノートパソコンを持ち出したり、スケッチを描くこともあるという。内覧会時には落葉していた木々が初夏を迎えうっそうとしている。


    赤松佳珠子さん。「オーナーさんよりビルを建て替えると聞き、恵比寿公園の緑越しに景色が広がるこの場所に留まりたいと思いました。この場所の魅力を出来るだけ引き出しながら、ビルの価値を高め、恵比寿の新しい風景となることを目指して計画しました。」
    (photo: CAt)

    【恵比寿SAビル】
    設計:小嶋一浩+ 赤松佳珠子/CAt
    構造設計:オーク構造設計
    電気設備:EOS plus
    機械設備:知久設備
    照明(1-2F, 外部):岡安泉照明設計事務所
    テキスタイル:安東陽子デザイン
    家具:藤森泰司アトリエ
    施工:藤木工務店


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    浜田晶則建築設計事務所が手がけた、神奈川県綾瀬市にある電子基板製造企業のオフィス+マルチスペース「綾瀬の基板工場」を内覧してきました。
    浜田さんはteamLab Architectsのパートナーでもある。普段から様々なプロジェクトでこちらの企業から基板を供給してもらっており、その関係で声がかかったという。平行して運営する自身の設計事務所として、今回初の建築が完成したかたちだ。


    敷地面積:278m2、建築面積:182m2、総床面積:291m2、木造2階建て。
    既存工場の駐車場を利用して増築棟を建てるプロジェクト。「ここから基板工場のイメージを変えていきたい」という次期社長の熱い想いに応えるべく、住宅が並存している準工業地域に建つ工場がどうあるべきかを一緒に考えた結果、工場と住宅の間をとりもつ「開かれた木造の工場」というイメージに辿り着いたという。


    工場の外観と言えば概ね鉄骨造に工業的な外壁で閉鎖的になりがちだが、ここでは木造で親しみやすく、東面と南面の日射抑制も兼ねた可動式のルーバー引戸を設え開放的にできるようにした。
    ルーバーの幅は3種類使用し、それぞれが少しずつ角度を変えながら取り付けられることで、豊かな表情を生み出す。




    内側から見たルーバー。


    西側の外構には植栽や井戸水を利用した水盤を設け、周辺との親和性を高めた。


    案内板。プリント基板でできている。


    1階〈& VILLAGE〉。ショールームのほか、地域に開かれたコミュニティースペースとして商工会の会議や、子供のワークショップ、イベントなどを行うマルチスペース。


    1階は当初作業場として計画していたが、マルチスペースへと変更になったため、多用途に使える柔軟性と開放性が求められた。


    グリッド状に配置された長押と、立体トラスの架構で構築されたワンルーム空間。トラスやブレース、ルーバーがつくり出す陰影が爽やかだ。


    引戸で様々なグリッドに仕切ることができる。全て開け放した際に大きな空間と気積を得られるよう欄間部分が全て連続している。大スパンで鴨居を飛ばし、小さな部材で構成するために立体トラスの梁組みとした。日常的には、社員の昼食や休憩スペースとして利用されている。


    一角にはワインサーバーや、本格的なキッチンまで設えた。
    各区画の床はフレキシブルボードとし、基準線となるグリッドラインを加工しやすい木とし、敷居やコンセント、空調の吹出口を設けている。


    天井を這う設備配管はあえて露出させた。「基板も電気の流れが合理的に設計され、それが可視化されています。それと同様にここでも通常隠される配管があらわされ、その流れや空気の流れを可視化する設計にしています」浜田さん。


    スピーカーも空間に馴染むよう木製のものをクライアントが選択。


    2階オフィスへは外部階段でアクセスする。
    外周にはデッキ張りの回廊型の縁側を計画し、内と外の中間領域を設けることで周辺環境や自然環境とのバッファーを取った。




    2階の架構も1階と同様の構造だ。社長室・経理室、打合せスペースやワークスペースなど引戸によって仕切られている。


    1階との大きな違いはこの天蓋。ワーロンシートで覆われており、長押の上に仕込まれた照明によって行灯のように淡く光る仕掛け。また365日の直射日光をシュミレーションして、机上面に入る直達光を遮断する最小限の枚数で配置されている。


    架構の接続は銅管とフラットバーで特注した金物が使われている。

    浜田晶則さん。「将来的に建て替える際にも、増築する際の汎用性が高く、空間やプログラムが使い手の能動的な関わりによって可変する建築を設計しようと考えました。住宅、工場など、様々なプログラムが混在してお互いに相利的な関係を築くことができる街づくりに貢献したいと考えています」

    【関連記事】※本プロジェクトは様々な機会で発表されてきました

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    渋谷の新たな複合施設「渋谷キャスト(SHIBUYA CAST.)」の内覧会に行ってきました(シブヤの日4月28日に開業)。
    場所は渋谷駅から明治通りを原宿方面にいったキャットストリートの入口、宮下町アパートの跡地。

    「遊ぶ、働く、住む」をテーマに、都心における多様な居住スタイルを促進するとともに、渋谷、青山、原宿の合流地点という立地を活かし多くのクリエイターが行き交い創造する活動拠点となることを目指す。


    数年前の敷地の様子。小さな路面店と古いアパートが建ち、独特の雰囲気を醸し出していたのを記憶している方も多いのでは。(Googleストリートビューより)


    敷地面積5,020m2、建築面積2,550m2、延床面積35,000m2。S造+一部RC造。地上16階、地下2階、高さ71m。
    「渋谷キャスト」という名称は、「配役、役を割り当てる」を意味する英語 ”Cast” と、 ”Cat street” に由来する。
    施設のデザインコンセプトは不揃いの調和。設計は日本設計・大成建設JVだが、様々なパートに多彩なメンバーが春蒔プロジェクトの田中陽明によってキャスティングされた。

    ■ デザインディレクション:春蒔プロジェクト/田中陽明、トーン&マター/広瀬郁/、デザインコード・CMF Feel Good Creation/玉井美由紀)
    ■ ファサード・ランドスケープ:noiz architects/豊田啓介・大野友資
    ■ 貫通通路一部、広場地面:トラフ建築設計事務所/禿真哉
    ■ co-lab:POINT/長岡勉・加藤直樹、施工:TANK/柴田祐希
    ■ コレクティブハウス:成瀬・猪熊建築設計事務所/成瀬友梨・猪熊純・本多美里
    ■ 1F広場空間演出:ライゾマティクス/有國恵介
    ■ Åre(カフェ)デザイン監修:宮澤一彦建築設計事務所
    ■ サインデザイン:日本デザインセンター/色部義昭


    グランドフロアと1階には店舗と多目的スペース、1・2階にはシェアオフィス、2〜12階は賃貸オフィス、13〜16階には賃貸住宅という構成だ。


    ファサードはアルミルーバーや、コンクリートリブによって従来のオフィスビルとは異なった質感を演出している。

    街との接点としてつくられた、東側の明治通りに面するグランドフロアは「ガーデン」と呼ぶ緑あふれる広場が最大の特徴。渋谷では数少ないオープンスペースであり、集う人がそれぞれの居場所を見つけることができる。

    オープニングイベント時には、広場にカラフルな体験型のアート作品や、、、


    人気店のキッチンカーなどが登場し賑わいを見せた。


    ガーデンのあるグランドフロアは地下1階。そこから2層吹き抜けのピロティーがあり、東側の青山方面へ抜ける貫通通路が設けられている。
    ライゾマティクスによる柱のデジタルサイネージがそこを通る人と地域を繋ぐ空間の関わりを生み出す。

    敷地の東西でこれだけの高低差がある。象徴的な大階段は、季節やイベントに応じてライトアップされ、にぎわいのある空間を演出しながら、安心安全な地域を支えていくという。
    階段の上1階にシェアオフィス、賃貸オフィス、賃貸住宅それぞれのエントランスがある。

    〈co-lab渋谷キャスト〉1階クリエイティブラウンジ。
    クリエイター専用シェアオフィス。フリーランスや企業人のクリエイターが集まり、交流・連携しながら働けるシェアオフィス。「仕事をクリエイションする人が集積する場」をテーマに、マッチング、起業・法務支援などのサポート機能も用意。


    ミーティングルーム

    個性的な壁紙

    先端MR技術の体験ができる専門工房「co-factoy×HoloDive」も。


    1・2階は螺旋階段でアクセスする。

    2階。中央にはコワーキングテーブル。そのまわりを長屋型の専有のワーキングブースが取り囲む。

    さらに外側に個室型の専有ワークスペース。

    13〜16階〈渋谷キャストアパートメント〉
    13階はレセプションやコモンエリアのほか、「コレクティブハウス」と呼ぶ賃貸住宅がある。14階には「サービスアパートメント」、15〜16階にはプレミアムな「レジデンスフロア」となる。


    コモンエリア。居住者同士のコミュニティ活動をサポートする共用スペース。


    共用キッチンやジムもある。

    13階、次世代クリエイター向けの賃貸住宅「コレクティブハウス」 全19室。
    エントランス脇には、入居者が思い思いのものをディスプレイできる棚が付く。

    「コレクティブハウス」のモデルルーム。

    16階 「レジデンスフロア」 のモデルルーム。

    バルコニーからの眺望。眼下に宮下公園の緑や山手線が見える。

    その他テナントを紹介
    カフェ〈Åre(オーレ)〉
    北欧テイストの店内には、WiFiや電源コンセントといった設備も充実しており、店内ではデザイナー作品の展示販売も行う。

    〈THE RIGOLETTO〉スパニッシュイタリアンを提供するカジュアルダイニング。

    セレクトショップ〈PULP 417 EDIFICE〉とデリ&カフェ〈PULP Deli&Cafe〉

    〈東急ストア フードステーション〉
    東急文化会館の地下にあった東急ストアが14年ぶりに渋谷の街に戻ってきた。

    「渋谷を日本一訪れたい街へ」を掲げ東急グループが2027年まで推進する、渋谷駅周辺の再開発事業7プロジェクトのうち1つが今回完成した。
    多彩なデザイナアーキテクトをむかえ着々と進められているその他のプロジェクト、2018年秋開業予定の「渋谷ストリーム(旧渋谷駅南街区)」:小嶋一浩+赤松佳珠子/CAt、2019年度開業予定「道玄坂一丁目駅前地区」:手塚建築研究所、2020年開業予定「渋谷駅桜丘口地区」古谷誠章、2019年東棟・2027年中央棟・西棟開業予定「渋谷駅街区:隈研吾建築都市設計事務所、SANAAなど、今後もしばらく目が離せない。

    【渋谷キャスト】
    http://shibuyacast.jp/


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    虎尾亮太/虎尾+謝建築設計が手掛けた複合施設「NIBUNNO(ニブンノ)」の内覧会に行ってきました。場所は東京・麻布十番。自動車部品倉庫だったビルを、宿泊施設を中心とした複合施設にコンバージョンした。
    企画・運営は日本に拠点を構える台湾のデザイン事務所BXG株式会社。テーマは「泊まれるギャラリー」。全館にわたり、日台をつなぐクリエイティブ拠点としてオリジナルのアート作品を常設する。
    虎尾さんは10年間務めた隈研吾建築都市設計事務所から独立し、7月から日本と台湾の2拠点で本格的に活動を始める。本施設が独立後初のプロジェクトだ。

    地下1階、地上5階建。2〜3階にギャラリーを兼ねる宿泊施設(2部屋)の他に、ショップ、ラウンジ、イベントスペース、オフィスが入る。
    建物は再開発で2020年東京オリンピック後に解体される予定の期間限定施設だ。そのため費用をかけて作り込むのではなく、いずれ解体されるなら、と敢えて解体途中のユニークさや美しさを表現した。

    内装はどのくらい解体すべきか、床から700mmくらいから数パターンの高さの解体ラインを検討した。「人が泊まる場所」であることを前提に、起立時も着席時もある種の快適さを感じられ、且つギャラリーとしての緊張感ある空間を満たす「1300mm」におちついた。そのだいたい床から半分の高さ=二分が施設名のNIBUNNOとなった。


    ファサードは2階の二分(半分)までタイルを剥がした。


    コアぬきで穴を開けた窓が目を引く。


    職人が窓をつくる様子。


    1階 レセプション。


    ショップを併設し、日本と台湾のオリジナルの雑貨やアートを販売する。


    棚は倉庫に残されたものに塗装し再利用した。


    階段室。
    壁のポスターは、虎尾さんが現場で書いた「床から1300mmのところで解体をする」いう指示を本施設のキーワードとしてそのままポスターに起用したもの。


    地下1階〈LAB〉
    日本と台湾をつなぐ交流会やイベントを積極的に展開していく予定。


    建物解体中の様子


    2階〈GALLERY 2〉(客室)
    日本人アーティストの作品をメインに展示。寝具や家具、備品などは白で統一することで作品を引き立たせている。



    部屋の窓からは東京タワー。


    廊下が狭いため、トイレのドアはL型で出幅を抑えた。


    コンパクトなシャワールーム。


    3階 〈GALLERY 3〉
    作品は主に台湾人アーティストによるもの。現れた雑壁のフレームを上手く利用するなどアートの飾り方にも工夫を感じさせる。


    解体によって出てきた職人の手の跡。「スタート時は居住性を確保することは大変でしたが、解体を進めていくうち自然にできたコンクリートと白い壁の陰影や、墨出しの痕跡など面白いと思える要素が増えていきました。建築の学生にとっても良い教材になるのではないかと思います」と虎尾さん。




    4階 オフィスフロア
    虎尾+謝建築設計とBXG株式会社の事務所が入居している。


    5階 〈LOUNGE〉宿泊客専用のラウンジ




    虎尾亮太さん。
    「このプロジェクトと並行して、隈事務所でスカイツリー近くのホテル『ONE@TOKYO』を担当していました。幸運にも2つの "ツリー"の元でホテルをつくることができました。予算も規模など違いはあれど、ホテルの快適性の面でエッセンスを少しでも感じてもらえたら嬉しいです。今後もBXGとコラボしながら世界中に様々なプロジェクトを発信していきたいと思っています。」

    【NIBUNNO
    www.sselectlab.com/nibunno

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    6月16日から開催の「TOKYO ART CITY by NAKED(トーキョーアートシティ バイ ネイキッド)」の内覧会に行ってきました。会場は東京ドームシティGallery AaMo。



    本展を企画したNAKEDは、東京駅、東京タワーなどへの3Dプロジェクションマッピングで知られるクリエイティブカンパニー。広さ730 ㎡の会場全体に、“TOKYO” をテーマにした8スポット(新宿/渋谷/お台場/東京タワー/東京ドーム/秋葉原/東京駅/東京国立博物館)の巨大模型など約250個の模型を展示。それらを約100台のプロジェクター、LEDライト、音楽、特殊効果、パフォーマンスなどで演出する360°で体感するアート空間だ。


    NAKED代表 村松亮太郎さん(左)と EXILE HIROさん(右)。
    HIROさんがプロデュースするLEDダンスパフォーマンスチーム「SAMURIZE from EXILE TRIBE」が、今回 "光る住民"として参加している。


    〈新宿〉
    エントランスを入るとまず新宿エリア。

    歌舞伎町など賑わいのあるエリアと、都庁舎が立つエリアが混ざり合い、新宿の持つ二面性をひとつの表情として体験できる。

    1/60サイズの都庁舎をはじめとする西新宿の高層ビル群。迫力ある映像と音で迫ってくる。

    ドコモタワー。


    歌舞伎町の繁華街。




    今夏、歌舞伎町にオープンする最新エンターテインメント施設「VR ZONE SHINJUKU」と連動した演出も。

    実は無機質な模型群。プロジェクションマッピングされることで命が吹き込まれる。


    〈渋谷〉
    世界的に有名なスクランブル交差点。床の光線で人や交通インフラを可視化しているインスタレーション。


    東京といえば無数の自動販売機。ここではインタラクティブ自販機とゴミ箱が設置されている。実際にドリンクを買うと、ビルに様々な映像が映し出される仕掛け。近い将来実際の東京の街でも現れるだろうか。


    ダイナミックな曲面でたちあがる渋谷駅周辺の模型。


    裏側では渋谷駅の地下を表現。


    会場全体にわたり頭上をグルグルとまわり続ける白い光は山手線の実際の運行状況に合わせている動きだそう。


    渋谷エリアの路地裏をイメージしたデジタル落書きコーナーも。指で自由に光のグラフティを描くことができる。約1分でリセットされる。


    〈秋葉原〉
    秋葉原はエリアでなく、アニメ、フィギュア、電飾パーツなどが詰まった「ガチャガチャビル」で表現されている。ガチャガチャのハンドルを回すと、ビル全体が変化してオリジナルグッズが出てくる。


    〈東京駅〉
    1/40の模型。2012年にネイキッドが演出を手掛けたプロジェクションマッピング「TOKYO HIKARI VISION」が再現される時間帯もある。


    〈東京タワー〉
    東京タワーの展望台をデフォルメした高さ4mの展望台。


    展望台からは、実際の東京タワーと同様の夜景を眺めることができる。
    模型はところどころペットボトルや菓子箱の廃棄材などでできている。


    〈東京国立博物館〉
    1/25の模型。上野エリアとして東京の歴史や四季を表現。2013年に東京国立博物館・東洋館にて実施されたプロジェクションマッピング「KARAKURI」を観ることができる。


    〈東京ドームシティ〉
    1/775の模型。


    〈東京俯瞰図〉
    人口、交通インフラ、今の天気、電気量など実際の東京の動きを可視化したアート。


    オリジナルグッズも販売。


    NAKED代表の村松亮太郎さん。
    「東京は様々な文化を受け入れ、整理をしないままカオスの状態でたゆたい、変化し続けています。この街で生きる人々が言葉で表現しがたい、しかし無意識に感じているこの街の『らしさ』とは何か、本展の起点はここにあります。TOKYOで生活している人々の過去から現在までの営みの集積を各エリア・スポットごとに表現しました」

    【TOKYO ART CITY by NAKED】
    会期:2017年6月16日~9月3日
    会場:東京ドームシティ Gallery AaMo
    詳細:http://tokyoartcity.tokyo/

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    大久保博夫/CHOP+ARCHI建築設計事務所が手がけた世田谷区「上馬の家」を内覧してきました。


    建築面積54m2、延床面積108m2。木造2階建て。二本の道路が鋭角に交わる三角形状の敷地。
    夫婦と娘、三人家族のための住まい。周辺環境との程良い関係性とプライバシーの確保と、東南角地の三面接道による直射日光など自然環境への対策。特異な敷地形状を最大限活用出来るような平面構成も求められた。


    開放的な立地である反面、多くの周辺住宅の正面がこの敷地に向けられているため、プライバシー確保のためには外壁は閉じ気味にならざるを得ない。そこで建物の三つの角に内と外との中間領域となるヴォイドを介して外部との接続を可能にした。


    ダイアグラム。三つの角にヴォイドが設けられている。
    また実は傾斜敷地で、左奥の最高点から、根切り底(基礎のために掘削した地盤面)まで約1mの高低差がある。建築面積の全面を根切り底まで掘削すると、建物の規模に比べて大げさな基礎になるうえに、残土処理のコストが掛かるため、接地圧を考慮しながら三点で最小限の基礎とした。掘削した土は基礎ではない中央に盛り土し、スラブを支持させるために利用した。

    盛り土はそのまま基礎の型枠としても利用された。風雨にさらされ、徐々に土がもれだしスラブが宙に浮いたようになってくる。


    北側のヴォイドは三角形の開口を介して周囲からも見ることができる。


    後ほど室内からよく分かるが、視線の抜けや採光に重要だ。


    玄関。外壁の仕上げはフレキシブルボード。


    玄関から見返すと外壁に挟まれた隙間を発見。


    ここは2つ目のヴォイドで、駐輪スペースなどとして活用できる。


    玄関から2段あがってLDK。基礎からスラブへと上がる様子が分かる。
    左の木の箱はシューズケース。


    LDK。様々な面が交錯し、シンプルながらも表情豊かだ。


    小さな開口は1つ目の北側のヴォイドへ通じており、光量不足を補うようにダイニングへと採光や風を導いている。


    奥は室内と連続する3つ目のヴォイドで、閉じた外観ながら十分な光量が得られている。


    玄関方向を見る。


    シューズケースに見えた箱は裏側が階段になっていた。重くならないように浮いている。


    階段をあがると左に主寝室、正面にウォークインクローゼット、右に子供室。


    主寝室。左からはヴォイドを通じて上下に繋がりをもたせている。


    1つ目の北側ヴォイドは隣家と視線が交錯しないため、水平方向にも開口し、近隣と程よく繋がっているのが分かる。


    子供室側は駐輪スペースの上にグレーチングを張り、バルコニーを設えた。



     大久保博夫さん。「ヴォイドにより、『つながりの調整』を発生させることを考えました。住人同士の視界でのつながり、太陽、音、風など自然環境とのつながり。つながりを調整する事で互いの程良い関係性を形成し、結果として周囲環境との共存へと導いてくれると思っています。」

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