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    前田紀貞(前田紀貞アトリエ)+白石隆治(RS STUDIO)による横浜の住宅「NOSTALGHIA」を見学してきました。


    敷地面積135m2、延床面積101m2。鉄骨造2階建て。


    引いていくとこのように傾斜地の畑が広がる。横浜の、それも東横線の駅から10分程でありながら奇跡的な環境だ。



    エントランス側へ。当日は外構の工事がまだ行われていてたが、ピロティの下は駐車スペースになる。


    エントランスからすぐに広いワンルームのLDK空間。1階には他に小さな書斎がある。


    室内には何段かのステップよって高低差が付けられている。


    そして大開口の向こうには “ご近所” がない景色が広がる。




    ステップはそのまま外のテラスに連続し、、、


    それは周囲のランドスケープに呼応するように設えられているのだと理解できる。テラスから眺める、季節毎に移ろう景色はライブ感抜群だろう。
    畑は複数の地権者が所有しており、生産緑地に指定され、広い道路に接していないなど、簡単には開発されるこはないと推測される。


    2階へ上がる階段は突如黒くなる。その前に天井から垂れ下がるものは何か?と思われるだろうが、その「何これ?」が正解だそうだ。
    ここに住まう子どものが「何これ?」と疑問に思い、触れ、考え、様々に想像するのだ。


    黒い壁と黒いチェッカープレートの階段室を上がっていく。




    2階はそのまま黒の別世界だった。開口からの明かりが差し込んではいるが、明るい1階からここへ来ると、脳がリセットされるような不思議な感覚になる。
    左の隙間は「籠もり部屋」。通常であればこの分を個室に含めたいところだが、これも単調にならない住空間をつくるためだ。


    廊下の奥から。壁は黒板塗料なので、子どもの自由な創作スペースでもある。
    左に水回り、奥が主寝室、右が子供室。


    水回りは真っ白に。


    全面FRP防水で、至るところに手の込んだRが付けられている。


    洗面周りもRを多用して全てFRPだ。


    子供室。借景の緑が望めるいい環境。


    主寝室からはバルコニーに出られる。回遊型のバルコニーで浴室や廊下からも通じている。当然子どもが走り回れるようにだ。


    バルコニーからは敢えて背の高い金網を張り、1階とは異なる風景の見え方を演出した。


    前田紀貞さんと、協働の白石隆治さん(RS STUDIO)は長年前田アトリエのチーフを務めていた。
    「お施主さんは時間を掛けこの敷地を見つけ、我々に唯一無二のもを期待されました。ここから広がる記号化されていない景色を見て、周囲と一体化しながら建築自体も記号化されていないものを作るべきだと思いました。溶けた階段をはじめ、ステップは並行でなければ、壁は直角でなければ、廊下は真っ直ぐでなければ、などといった既成の当たり前を排除し、お子さんの記憶が熟成されてゆくに最も敏感な時期に、濃密な匂いが建築自体から滲み出てくることを期待して計画しました。」

    【NOSTALGHIA】
    建築設計:前田紀貞アトリエ+RS STUDIO(白石隆治)
    構造設計:梅沢建築構造研究所
    施工:和田建築

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    竹尾見本帖本店で10月6日から開催の「紙のかたち展2 ふわふわ、ごろごろ、じわじわ」に行ってきました。
    萬代基介、中山英之 + 砂山太一、猪熊純の3組の建築家が「紙のかたち」をテーマに作品を制作。企画・ディレクションは中﨑隆司、グラフィック・会場構成は田久保彬。



    2015年の「紙のかたち まるめる、かさねる、ひっぱる」に続く「紙のかたち」展シリーズの第2弾。


    「ふわふわ」「ごろごろ」「じわじわ」という言葉が浮かぶそれぞれの表現を通して、新しい紙の可能性を探る。


    〈ねり紙 - ふわふわ〉 萬代基介
    紙を手で "ねる"ことで形を自由に作れる粘土のような紙。


    和紙に細い針金が漉き込んである。(会場限定で1枚1,500円で販売もしている)




    捻ったり、つまんだり、曲げたり、何かに押し当てて型を取ることもできる。


    萬代基介さん「何でもできるので沢山作ってしまいました。会場にはサンプルもあるので実際にねってみてください。」


    〈かみのいし - ごろごろ〉中山英之 + 砂山太一
    紙の主な用途は印刷物とパッケージ。印刷と立体。それならば、と伝えるべき情報や、包むべき商品がない、ありふれた石をスキャンして印刷し、展開図を工夫して立体にしてみた。


    6種類の石は高精細に撮影し、25面体に分解。それを組み立て可能なように展開図に落とし込んだ。


    実際にスキャンした石はこんなにも小さい。
    右は組み立てキットで、会場限定販売18,000円。


    日常の中に石を置いてみた写真も。


    中山英之さん(右)、  砂山太一さん(左)
    「はじめイチゴなどフルーツも考えましたが、拡大すると単に大きなイチゴにしかなりません。でも石は拡大しても石のままなのが発見でした。」


    〈光の残像 - じわじわ〉 猪熊純
    紙を、光や時間といった物質ではないのもを表現するメディアとして捉えた。


    感熱すると色がなくなる特殊塗料が塗られた紙でできた箱型の筒に蛍光灯が光る。


    時間が経ち蛍光灯は消えるが、感熱した部分は光の残像のように残る。


    それもやがて時間の経過と共に消えてゆき、元通り青くなる。


    猪熊純さん(右)と、スタッフの長谷川駿さん。
    「この照明に完成はなく、光の残像と、ゆっくりと変わる呼吸のような変化を楽しんでもらえればと思います。」

    (※紹介した全ての作品は、出品者がその知的財産権を保有しており無断で模倣することはできません)
    [Each designer retain the intellectual property rights in all the works introduced here. Reproduction or imitation of these works without written permission is strictly prohibited.]

    【紙のかたち展2 ふわふわ、ごろごろ、じわじわ】
    会期:2017年10月6日〜12月1日
    会場:株式会社竹尾 見本帖本店2F(千代田区神田錦町3-18-3

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    伊藤暁(伊藤暁建築設計事務所)による「横浜の住宅2」を見学してきました。
    2014年に完成した伊藤さんの自邸から至近で、工務店からの紹介だったという。


    敷地面積166m2、建築面積68m2、延床面積106m2。木造2階建て。
    傾斜地の住宅街で、北側には比較的人通りの多い生活道路と神社の森に面している。


    正面から見ると反対側まで見通せる開口がある。


    敷地は接道より1mほど下がっている。


    玄関は土間になっており、そのまま南側の庭まで通じ、遠くまで見渡せる風景と、後ろは神社の森だ。吹き抜けと天井までの大開口で、建物の断面をつくっているようだ。


    玄関扉と、庭側の扉は1階天井まである高さ2.9m。南アフリカ人の施主はこの扉を見て「Big is good!」と言ったとか。


    南北に門型フレームを構築し、東西に広い(長い)空間を持たせた。それをこの土間・吹き抜けで分節し、空間を緩くゾーニングした。


    土間はL字に展開し、奥はキッチンに直通。箱型の収納は上着などを掛けるクローゼットで、靴は縁の下にしまう。


    振り返るとAVルーム。後ほど施主の自主施工により正面の壁はプロジェクター投影用に白く塗装される。


    門型のフレームが奥へ連続する。


    土間を渡りフリースペースと奥にDK。


    フリースペースで左を見ると寒冷紗を使ったのオリジナルの簾戸が。


    太鼓貼りされているのでモアレ越しに神社の緑と通りを行く人がうっすら見える。


    右を向くと庭に面して全面ガラスなので、ここも南北が開口で抜けていることとなる。


    キッチンは広い作業台とたっぷりの収納。DKの中心には柱が立つが、ダイニングテーブルが置かれるので気にならなくなる。


    DKから振り返ると南北だけでなく、東西にも抜けているのが分かる。


    キッチンの奥から。仕上げる必要のないところは仕上げない(コストを抑える)、伊藤さんの流儀。


    森と街、家の境界を土間がバッファーとして調停する。密度のある魅力的な風景は、細かな操作がなされた結果だろう。


    DKから庭に出ると雁行する小気味よいテラスやバルコニーが現れる。左に植わるミカンは、土地の売り主さんから美味しい実が生ると教えられ残した。もう少しで収穫だ。


    2階へ。グローゼットは完全に階段の一部と化している。

    潔い手摺のディテール。



    吹き抜けの土間は、2階では渡り廊下で子供室へ接続されている。門型フレームの様子が分かりやすい。
    左右の、大壁なのか真壁なのかよく分からない不思議な納まりを見せる壁を伊藤さんは「三六判の石膏ボードがここまでくるならここでいい。この後塗装されるので、パネルを貼ったみたいで面白い。」と話す。


    子供室の壁も施主やお子さんが自身で塗装するそうだ。
    右手奥に見える白い箱はトイレ、さらに奥に水回りと主寝室の扉が2枚。


    主寝室。バルコニーからは谷側なので隣家の屋根の上を見渡すことができる。


    ウォークインクローゼットには水道管と排水管が。


    回り込むと洗面台だった。


    伊藤暁さん(右)と、大阪から見学に立ち寄った前田茂樹さん(左)。
    「南アフリカ出身のご主人はとても豪快で、大きな空間を中も外も全部開け放つような住宅を望まれました。奥さまのご意見も調整しながら大きな気積でありながらも、空間を程よく分節し、おおらかで変化のある住宅を提案できたと思います。」

    【関連記事】
    伊藤暁自邸「横浜の住宅」

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    今年から新しく始まったデザイン&アートフェスティバル「DESIGNART(デザイナート)2017」。"Emotional Life~感動のある暮らし~"をコンセプトに掲げ、表参道、原宿、渋谷、代官山、六本木をメイン会場として72箇所で開催された。
    発起人は青木昭夫/MIRU DESIGN) 、川上シュン/artless Inc. 、小池博史/NON-GRID/IMG SRC 、永田宙郷/EXS 、マーク・ダイサム&アストリッド・クライン/Klein Dytham architecture



    インフォメーションセンターはこちらのワールド北青山ビルとスパイラルの2箇所。会場の目印となるフラッグは山縣良和、スタンドは芦沢啓治がデザインを手がけた。


    オフィシャルカー「DESIGNART×MINI」。
    宣伝も兼ねて街中を走る(3台ほど用意されていたらしい)。

    本イベントの楽しみ方は実に自由だ。例えばiPhone専用オーディオガイド「ON THE TRIP」をインストールすれば、展示作品の概要のみならず、開催エリア内に点在する建築散策ができる。また点在する会場はファッションブランドの旗艦店なども多く、新作チェックにも好都合だ。また展示されているほとんどのものは値段付きで購入することができるため、最新のデザインアイテムを狙いに本気でショッピングをすることもできる。

    出展する側も、選択趣旨が増えたことで、新しいコラボレーターと共同したり取り組んでいることを発表する場として、よりオリジナリティを出しやすい状況が生まれていた。トータルでデザインを様々な角度から考察する機会となっていたことは間違いない。

    ほんの一部ではあるがプレスツアーなどで訪れた展示を紹介する。

    ワールド北青山ビル

    ピエール・シャルパン個展「From the studio」
    フランス人デザイナー、ピエール・シャルパンによる東京初個展として開催。タイトルの通り、シャルパン氏のスタジオの壁や棚に置かれているアイテムの数々を展示。ガラスファサードには、シャルパン氏がカラー監修を行なった塗料「BELAY」を使用した新作アートワークも。


    デザインやドローイング、スケッチ、プロトタイプなど彼が手がけたものから、収集したものまで。


    ピエール・シャルパン氏とTAIYOU&C.からリリースの新作シェルフ。

    【ORANGE BRAINERY】

    「プロトタイプ展 〜未来のデザイン〜
    オレンジ・アンド・パートナーズ、ジョージクリエイティブカンパニー、キャンプファイヤーの3社共同プロジェクトとして開催。様々なジャンルのクリエイターの試作品や、クラウドファンディングで実現を目指すアイディアなどの「プロトタイプ」にフォーカスした展示。

    参加クリエイターは谷尻誠、吉田愛、須賀洋介、室井淳司、noiz、寺田尚樹、ドリルデザイン、角田陽太、minna、長谷川依与、EVERY DENIM、OTON GLASS、法政大学。

    〈OTON GLASS〉島影 圭佑
    文字を読むことが困難なディスクレシア、弱視者、海外渡航者を対象とした「読む行為」をサポートするスマートグラス。視覚的な文字情報を変換することでユーザーはその内容を理解することができる。


    〈Magic Loop〉法政大学デザイン工学部システムデザイン学科の学生・卒業生
    ロープに内臓された60個のLEDの光が、跳ぶ速さや跳び方によってインタラクティブに変化する。光の軌跡は残像となって様々な模様を描き出し、点滅のパターンによっては空中に絵を描くような光り方にすることもできる。

    そのほかにも抗火石を使用した電気コンロや、投げ方によって光り方の変わるフライングディスク、線香花火をモチーフにしたベッドライトなども出展。


    〈Underwater Stool〉noiz
    待合室用のスツール。noizが今年BAO BAO ISSEY MIYAKEポップアップストアの一部としてつくった波打つビニール構造の什器と同じ構造にステンレスのロッドで補強したもの。


    〈社食堂のおかんカレー〉谷尻誠、吉田愛
    多忙なスタッフの栄養管理を考えたSUPPOSE DESIGN OFFICE社食堂の新メニュー。

    マッキントッシュ

    フィリップ・ニグロ×AKITA-NDA 
    漆職人の佐藤公、曲げわっぱ職人の柴田昌正、フランス人デザイナー、フィリップ・ニグロが立ち上げた伝統工芸をモダンに昇華させた「NDA」シリーズ。スツールや花器。サイドテーブルのお値段は160万円。

    kolor】
    長坂常/スキーマ建築計画
    会津塗りを用いた新作のテーブル。素材感が強く感じられるよう綺麗すぎない漆の表現を追求。「手掛けるプロジェクトに欲しいと思えるものをつくっています。このシリーズも今後展開していきます」

    【KASSETTE OMOTESANDO

    松山祥樹 「Small World Project」
    三菱電機株式会社デザイン研究所のプロダクトデザイナー松山祥樹による、インドネシア東部の港町から離れた村々をバイクで巡り魚を売る人々との出会いからスタートしたプロジェクト。魚を新鮮なまま販売するため、バイクの電源で動く小さな冷蔵庫と、その形状をアレンジしたリビングやベッドルームのための冷蔵庫のプロトタイプを展示。

    【GALLERY 360°】

    クラーソン・コイヴィスト・ルーネ 「Facem」
    ストックホルムの建築事務所クラーソン・コイヴィスト・ルーネによる12枚のプリントシリーズ。12の超高層ビルを選び、分析及び再解釈。「比率を大事にしました。超高層ビルは現代的だけどクラシック要素もあり魅了されます」 




    建物の”顔”をフィーチャー。
    左:Commonwealth Promenade Apartments / Mies van der Rohe 右:Bibliotheque nationale de France / Perrault

    【アシックス

    アンリアレイジ 「KALEIDOSCOPE COLLECTION」
    アシックスと、ANREALAGE(アンリアレイジ)のコラボーレーション。都会の夜のランニングや街歩きに映えるデザインとして、幾何学調のグラフィックを施した特別仕様の再帰反射プリントをアパレルの襟元や背中、シューズのアッパーなどに採用。日中はベージュを背景に繊細な模様が表現され、暗くなると光が当たるたびにさまざまな色や形が浮かび上がり、カレイドスコープのようなデザイン変化が楽しめる。
     

    ライゾマティクスリサーチが手掛けた映像と特設インスタレーションも(写真は完成前の様子)

    【フレッドペリーショップ東京

    清水久和 「テニスの家具」 
    英国の伝説的テニスプレイヤー、Frederick John Perryが展開するファッションブランドFRED PERRYショップにて、清水久和(S&O DESIGN) が「Tennis」をテーマに制作した作品を展示。ラケットと同じ製造技術でつくられる「ラケット・チェア」に加え、テニスボールやロッカーをモチーフにした作品など。


    テニスロッカーと木の色を生かしたシックなポンスツール

    【TOMORROWLAND渋谷本店

    Katsuki Connection 「呼応の間/あなたのクリエイションが開花する旅」
    テキスタイルデザイナーの香月裕子が展開するKatsuki Connectionの新作コレクション展示、販売、インスタレーション。


    〈分身」bunshin〉 
    越前和紙でできたクッション。折紙のアイデアを応用し、守り神や魔除けとも言われる"やっこさん”をモチーフにしたもの。

    【100BANCH

    FUTURE LIFE FACTORY
    オリジナルレシピのフルーツバーをつくることができるパナソニックが開発中の調理家電「HARVEST」。海外では定番のフルーツバーを国内でも広めていきたいという。


    会場の「100BANCH」は渋谷駅新南口からすぐの3階建てのビルで、パナソニック、ロフトワーク、カフェ・カンパニが共同で開設した空間だ。未来をつくる実験区として若い世代とともに取り組むプロトタイプやアート作品も展示しておりアイディアの種がそこかしこに感じられる。空間デザインはスキーマ建築計画が担当した。


    〈拍手をあびるシャワー〉
    蛇口をひねると大群衆による拍手サウンドが鳴り響く。

    【B&B ITALIA TOKYO

    沖津雄司 「lightflakes」
    ミラノサローネ2017サテリテに出展した作品。フレネルレンズ(PET板)を用いて空間、用途に合わせて自由な造形をつくり出せるプロダクト。 





    【CIBONE Aoyama

    What is normalをテーマに、オランダ人デザイナー、ベルトイアン・ポットのパーソナルコレクション「Masks」シリーズを中心に構成される個展「Rope Works」の開催や、パリのセレクトショップ「Merci」のアートディレクターを務めるダニエル・ローゼンストロックが収集したさまざまなスプーンの展示とその出版本のローンチのほか、国内外の新進気鋭のデザイナーたちの新作を発表。

    ベルトイアン ポット 「Rope Works」


    ノーマル 「日々/HIBI」
    ロス・ミクブライド/normalより約2年ぶりの新作。

    【ifs未来研究所 未来研サロン WORK WORK SHOP

    POP UP STORE 「HAY KITCHEN MARKET」
    今年6月にコペンハーゲンでの開催を皮切りにスタートした「HAY KITCHEN MARKET」の巡回展。

    【マテリアルコネクション東京

    「MATERIAL DESIGN EXHIBITION 2017」
    企業とデザイナーが組んで素材の可能性をデザイナー視点で引き出し、新しい用途につなぐ道筋を紹介する企画展。3回目となる今回はテーマを「BYPASS」。企業とデザイナーが見出した用途につなぐ新たな道=BYPASSを、プロセスの途中で生まれたサンプルとともに体感する。8組の企業とデザイナーが参加。会期は12月22日まで。


    三和化工株式会社 × トラフ建築設計事務所〈ポリモックスツール〉
    ビート板や梱包材として使われているポリエチレン発泡体「サンペルカ」の端材を圧縮成形し、様々な色の組み合わせでできたカラフルな迷彩模様のスツールを制作。


    AGC旭硝子 × 伊藤聡一〈Dragon Scales〉
    ガラスと天然木材を薄くスライスした突板を特殊な工法で貼合の上鱗状にした掛け軸のデザイン。

    【artless appointment gallery

    「FIL」
    熊本県阿蘇郡・南小国町を拠点に自然の景観を守るため間伐された杉材などを活用した製品づくりを行うインテリア・ライフスタイルブランド「FIL」。artless Inc. が運営およびキュレーションを行うアートギャラリーを会場に、ブランドの活動を紹介。コッパーをアクセントにしたMASS Seriesのダイニングチェア、ラウンジチェア、ラウンドテーブルなどすべてCANUCH Inc.(カヌチ)が手掛けた。
    展示期間終了後も予約制で見にいくことができる。 

    【サンワカンパニーショールーム

    「doradora」クライン ダイサム アーキテクツ×カリモク


    気分や雰囲気に合わせて空間自体をカスタマイズしたくなる新しいソファユニットの提案。テーブルやスタンドライトなどさまざまなアクセサリーで、オフィスロビーのような空間から住宅まで多様なシーンに対応。


    表参道ヒルズでAmazon Fashion Week TOKYOと合同で開催したオープニングイベント「PechaKucha Night」の様子。津村耕佑、吉泉聡(TAKT PROJECT)、Claesson Koivisto Rune (CKR) 、Moritz Waldemeyer等が登壇した。


    イベント初日の朝、集まったメディアを前に挨拶をするMIRU DESIGNの青木昭夫さん。DESIGNTIDE、AnyTokyoなどこれまで開催されてきた秋のデザインイベントDNAを受け継いでいる本イベントのキーパーソンだ。

    DESIGNARTは新しいイベントであるわけだが、マップ片手に街中に溢れるデザインを楽しむスタイル、一期一会のデザイン体験など、10数年前の東京デザイナーズ・ブロックのような親しみやすさがある。近年の秋のデザインイベントの流れを一度リセットしたかのような清々しさとともに、デザイン業界の未来へ注ぐ愛情を感じる。

    【DESIGNART 2017】
    会期:2017年10月16日〜10月22日
    会場:表参道・外苑前/原宿・明治神宮前/渋谷・恵比寿/代官山・中目黒/六本木・広尾
    詳細:http://designart.jp/designart2017/

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    11月2日から21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3で始まる展覧会「吉岡徳仁 光とガラス/Tokujin Yoshioka Glass Project」の内覧会に行って来ました。


    吉岡徳仁氏はプロダクトや商業空間など、詩的で実験的な独自の表現で国際的に活動するデザイナー。本展では光の表現に最も近い素材としてガラスに着目し、創作の本質に迫るというもの。代表作であるウォーターブロックシリーズから最新作のガラスの腕時計、プリズムを用いた建築物の構想まで、挑戦しつづける吉岡氏のデザイン観と光の世界を感じることができる(期間中、本展の作品はすべて撮影可能)。


    ここで「おや?」と思った人は21_21 DESIGN SIGHT通かもしれない。本ギャラリーの展示では通常屋外に作品は展示しない。しかし吉岡氏が"どうしても"と自ら交渉し、このスペースでの設置が叶ったそうだ。


    〈Waterfall / ウォーターフォール〉
    世界最大のオプティカルグラスのテーブルである。スペースシャトルにも使用されるこの特殊なガラスは、4.5メートルにも及ぶ巨大なオプティカルガラスの塊によって作られている。美しい光の透過を全方向から眺めることができる。


    ギャラリー内部。スペースには余白があり、ひとつひとつをじっくり観ることができるようにレイアウトされている。


    〈Water Block/ウォーターブロック〉
    透明でありながら光の屈折によって強いオーラを放つガラスのベンチ。 2002年の作品。


    ギャラリー奥では新作などをメインに展示。


    〈Water BlockーKATANA/ウォーターブロック ーカタナ〉
    プラチナのモールドから生み出されたこの作品は、まるで水面のような造形をつくり出す。光の刀のような三角形の無垢のガラスにより、自然が生み出す美しさを水の塊の彫刻のように表現している。

    〈Glass Watch/ガラスの時計〉
    ISSEY MIYAKEプロデュースのウオッチ・プロジェクト。ガラスの存在感を感じさせる塊のような厚みが特徴。


    セイコーウオッチによる緻密な形状加工と研削技術に加え、特殊な内部構造をつくることで実現された。 

    〈Rainbow Architecture Project/虹の建築プロジェクト〉
    建物上部の巨大なプリズムにより虹の光を体感するというあたらしい建築の提案。吉岡氏はこのように実現したいというプロジェクトをいくつかもっており、これは「Rainbow Churchー光の教会」につづく一連の虹シリーズ。

    写真上がプリズムの模型(実際のものは10倍ほどの大きさを想定)


    〈Dom Perignon×Tokujin YoshiokaーPrism/プリズム〉
    ドン・ペリニヨンのアートプロジェクト。これまでビョーク、デヴィット・リンチ、ジェフ・クーンズなど国際的に活躍するクリエイターを招きコラボしてきた。日本人としては初となる。

    光が透明なプリズムの表面を透過し屈折することで、無数の色のスペクトルが現れる。


    話題を集めた「ガラスの茶室―光庵」や「虹の教会―Rainbow Church」などの様子を収めた映像も。


    吉岡徳仁氏。
    「いつもはインスタレーションですが、今回はオブジェの展示です。ガラスの取り組みは長く、20年位になります。これからも時代を越える常に新鮮なデザインを生み出していきたいです。現在2020年に向けたプロジェクトの関係で国内をメインに活動しています」

    【吉岡徳仁 光とガラス】
    会期:2017年11月2日~11月13
    会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー3
    詳細:https://www.tokujin-glass.jp/

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    芦沢啓治氏が運営するスペースDESIGN小石川で開催中の「gravity展」に行って来ました。7組の建築家、デザイナーが“gravity” = 重力(引力)をテーマにそれぞれデザインしたプロダクトを中心とした展示。参加デザイナーは、藤森泰司、藤城成貴、安積伸、TORAFU ARCHITECTS、二俣公一、DRILL DESIGN、芦沢啓治、tempo x ECAL collaboration。



    本展は、英国人音楽家であるAnthony Moore氏からのメール「DESIGN小石川においてサウンドインスタレーションを行えるか?」からはじまったという。DESIGNARTの展示のひとつとして10月中から開催しており、会期中はムーア氏によるトークやライヴも開催された。


    【スイング スタンド】TORAFU ARCHITECTS
    「音楽×重力」というテーマから考案したメトロノームのようにゆっくりスイングするハンガースタンド。コートやカバンなどを引っ掛けると、少し傾いてバランスを取る。異なる長さで3種あり、それぞれ異なるテンポを刻む様子が面白い。


    【Hapalua/ハパルア】藤森泰司
    小さな置き型のモビール。木製の器と羽のような薄いパーツの間に、球状の真鍮のウェイトを挟んで組み合わせると、重力バランスによってすっと立ち上がる。


    【wood steel lighting/ウッド・スチール・ライティング】芦沢啓治
    同じ厚みの木材と鉄板を挟み込んでつくった照明。素材の重量バランスの関係で浮遊感がうまれ、不思議と軽やかさを感じる。一本の照明でも成立するが、数本を重ねることで建築的なモビールやシンプルなシャンデリアのような使い方もできる。


    【IN THE SKY B.G. /イン・ザ・スカイ B.G.】二俣公一
    E&Yより2010年にリリースしたコレクションラインedition HORIZONTALのひとつ「in the sky」のスケールを拡大したもの。針金を曲げてスタディを重ね、重力のもとにのみ成立する。より大きくなった同作が、重力のもとでどのような空気をつくり、どのように空間を切り取るのか、実際に体感できる。現在限定10台で製作・販売中。


    【Dark Crescent /ダーク・クレセント】安積伸
    三日月に身をもたげ、揺らぎを楽しむスウィング・ベンチ。三日月に人が座る「Paper Moon」という古典的なイメージをアイデアの源泉としている。


    【Libra/リブラ】DRILL DESIGN
    天井から吊られた1本のアームが、先端の光源の重さによって傾き、逆側は天井に接して重さを支える。天秤のようなシンプルな構造でモビールのようにバランスをとるペンダントライト。


    【sticks/スティックス】藤城成貴
    マグネットの力で、太さ、長さの違う2種類の棒を自由に形を作り上げて楽しむモビール。


    【gravity waves/重力の波】Anthony Moore(アンソニー・ムーア)
    サウンド・インスタレーション。上部に等間隔に設置された5つのスピーカーのあるエリア中央に置かれたスツールに座ると、音の振り子が大きな弧を描きながら自分の回りを揺れているようなサウンドに包まれる。


    スツールはKarimokuのキャストールスツールプラス。5つの異なる樹種を無塗装で仕上げた本展示限定バージョンだ。

    【Useless Machine/使い道のない器具】tempo x ECAL
    栃木県足利市を拠点とするモビールブランドtempo(mother tool)との協働により、ローザンヌ美術大学(ECAL)、工業デザイン学科2年に在籍する学生たちが、日本滞在期間に得た異なる製造技術や知識を元にモビールを制作した。

    展示は好評で、会期が12日まで延長された。

    【gravity】
    会期:2017年10月17日~11月12日
    会場:DESIGN小石川
    詳細:http://designkoishikawa.com/gravity2017/

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    中村和基+出原賢一/レベルアーキテクツによる埼玉県志木市の「志木の住宅」を見学してきました。東武東上線 志木駅より15分ほどの住宅地。


    敷地面積373m2、建築面積154m2、延床面積164m2。木造2階建。広さのある恵まれた敷地に芝を貼った大きな庭と、伸びやかな大屋根がよく似合う。


    施主はここに建っていた築100年近い家に暮らしていたが、敷地を親族より分筆され今回建て替えた。南に面した前庭は親族の家と概ね共用スペースであることから、ほぼ全面が開口になっている。
    左はシンボルツリーのシマトネリコだが、庭が広いのではじめから樹高5m以上のものを植えることができた。


    敷地は “コ” 型に三面接道する。大屋根はガレージ部分で角度を変える。


    ピンコロ石を敷き詰めた玄関アプローチ。


    玄関扉を開けると石張りのたたきと引き戸。左へは収納を通ってキッチンへ直通できる。


    引き戸を開けるとダイニング・キッチン。ダイニングは石貼りで、縦横2mの木サッシュの大開口から庭のテラスへとそのまま連続する。
    石張りの床は玄関から連続する土間をイメージしているので、キッチンは数センチの段差を設けゾーニングしている。


    キッチンは中央にコーリアンの天板を設えた大きな作業台が使いやすそうだ。エアコンは天井埋め込みを採用しすっきり。


    ダイニングを抜けると二層吹き抜け空間が現れる。床は無垢のチーク材。


    施主は既存住宅での空間感覚から、コンパクトな動線と包まれるような落ち着いたリビングを望んだ。天井も高く開口も大きいが、床レベルを40cmほど下げ、目線を低くすることで囲われた空間をつくった。


    こちら、オーバースペック気味の柱だが、既存住宅の大黒柱を再利用したもの。足元の踏み板も大梁だったものを流用しこれからも家族を見守る存在だ。


    リビングの片隅には小さなデイベッドを作り付けた。窓には肘掛けが付き、お茶や読書などを楽しむには格好のスペース。


    リビング脇のトイレと手洗い。




    主寝室はリビングから連続する床レベルを下げた空間のため庭が近く見える。開口は出窓になっておりデスクを作り付けた。




    2階にはスタディスペースに面して左に個室が2つ、右奥には和室。
    天井には意匠としても効いている2×10材の垂木が並ぶ。


    反対側から。


    和室は客間としても使用する。天井の傾斜に合わせた4枚もある扉がユニークだ。


    和室側から。向かい子供室と予備室。


    子供室は楽しい “基地” の雰囲気。ベッドはイケアだが、大工さんの職人技が合わさりこんなことに。右下の穴はもちろん隣の部屋に通じている。


    「築100年の家にコンパクトにお住まいだったお施主さんは平屋を望まれましたが、プログラムを満たすためにはどうしても2階建てにする必要がありました。そこで平屋のフォルムに床レベルを操作し2階を挿入。床レベルを下げることで、大開口と多きな気積の開放感がありながら、包まれるような安心感を得られるリビングが実現しました。また上質な素材を使えることができましたので、空間だけでなく素材感のある心地よさを作ることができたと思います。」と中村和基さんと出原賢一さん。

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    西田司率いるオンデザインの新オフィスお披露目会に行ってきました。今年の夏、オンデザインはじめ多くのクリエーションオフィスが入居していた「宇徳ビルヨンカイ」が、組織としてビルとの契約が終了し解散。多くのオフィスが横浜の関内周辺に散り散りに移転した。


    オンデザインは関内駅に400mほど寄った、築51年、泰生ビルの2階に新オフィスを構えた。


    2階に上がると「ondesign」のネオンサインが出迎える。


    エントランスの直ぐ左にはスタッフ全員のポートレートが並ぶ。28名の大所帯だ。


    そのまま進むと、オンデザイン名物の “そこまでやるか模型” がズラリ。
    数年前、オンデザインの模型展を見たときはほとんどが住宅であったが、近年は公共建築を含む大型プロジェクトも多く見られるようになった。


    模型の多くは1年経つと廃棄されることから、これらは概ね1年以内に作られたことになる。
    模型ラックの間にはテーブルがあり、通常はクライアントや業者との打合せをするスペースでもある。


    奥へ進むと、グリーンに囲まれた大きなキッチンテーブルと、長テーブルが現れた。

    足元は防水層を設え、屋外用チェアが並び、沢山のプランターと植物が吊り下がり、アウトドアをイメージしたグリーンゾーンだ。
    植物は100鉢あり、コーディネートはSOLSO(金子結花)、右の散水が掛からないように撥水のレースカーテンを制作したのは安東陽子、屋外チェアのコーディネートはニチエス、照明のコンサルは岡安泉がそれぞれ協力した。


    このグリーンゾーンを確保するために、スタッフのデスクを1人分当たり40cm削ったという。


    各デスクで簡単な打合せや相談ができなくなった分、こちらの長テーブル使う。気分転換しながらの作業をするフリーアドレススペースとして。ランチ、イベントなどにも。


    右のワークスペースが固定アドレスの「ON」、左のフリースアドレスのグリーンゾーンが「OFF」ということだ。




    今回インテリアの主要素は植物と、この単管パイプ。これにより今後もフレキシブルにレイアウトが変えられる。それと水平使いされているの単管パイプと同サイズの丸棒はアラキ+ササキアーキテクツで開発した、その名も「モクタンカン」。


    金属の単管パイプだけでは堅いイメージになるが、モクタンカンにより、木の温もりや柔らかを加えることができる。
    ヒノキの間伐材で作られているそうだ。


    オフィスの一番奥は模型制作スペース+書庫。

    机上にはオンデザインのしごとのメソッドが収められた書籍「オンデザインの実験」(TOTO出版/2018年2月発売)。
    内容は「プレゼンをつくる時の5ヶ条」「伝えるリサーチの5ヶ条」「地域/人の巻き込み方5ヶ条」「コンペに取り組むときの5ヶ条」と4つのテーマを5ヶ条にまとめてある。




    西田司さん。「1日の多くの時間を過ごす場として、ONとOFFを切り替えられる気持ちのいい仕事場。トライアンドエラーを繰り返しながら様々な実験ができ、新しいことが生まれてくるオフィスを目指しました。ちなみに植物に囲まれた環境は、生産性が6%上がり、クリエイティビティは15%も上がる研究結果があります!」

    【オンデザイン】
    横浜市中区相生町3-60 泰生ビル2F
    www.ondesign.co.jp


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    間宮晨一千デザインスタジオがリニューアルを手掛けた「近藤悠三記念館/KONDO MUSEUM」内覧会に行ってきました。場所は京都・清水寺の五重塔が望める茶わん坂。



    清水焼の陶芸家で人間国宝近藤悠三(1902-1985)の生家跡地である。その地に1987年作品を収蔵・展示する「近藤悠三記念館」が建てられた。30年の時を経た今回のリニューアルでは、孫にあたる近藤高弘氏 (現代美術家として国際的に活動中)をクライアントに、新たなミュージアムとしてのあり方を時間をかけながら共に模索していったという。


    間宮晨一千デザインスタジオは、普段から自社オフィス柱の杜にて、なごや朝大学の運営や高蔵寺ニュータウンのまちづくりに関わるなど、街と人をつなげるプロジェクトを手掛けている。今回の依頼に対しても、2階建ての1階と2階一部を展示空間として設計したほかに、KONDO MUSEUMとして次の時代につなげていくためのソフトコンテンツ企画までを担当した。 


    エントランススペース。ガラスケースにはこれまで広く公開されていなかった悠三の最大級の作品である梅染付大皿を展示し、茶わん坂の通りから誰でも見ることができるようにした。

    エントランスまわりの洗い出しは小石の色合いや大きさを細かく指定して仕上げている。建具などは外観の調和を考えて既存の窓格子の割付に近しいプロポーションとした。また道行く人々の流れに添わせるようにR壁を新設している。


    グラフィックはグラフの北川一成が手掛けた。


    中に入ると照度を落とした黒をベースとした空間。クライアント・近藤高弘氏の作品「Monolith」が展示されている通路と、奥に広い空間。
    黒には様々な種類が使われており、例えば左の壁は粒の細かい聚楽仕上げ、右の作品背後の壁には和紙職人ハタノワタルによる黒。それらがさりげなく存在し調和している。


    今回のリニューアルに際して、近藤悠三の作品だけではなく、同じく陶芸家として活躍していた長男の近藤豊(1932-1983)と、次男の近藤濶(1936-2012)の作品、そしてクライアント自身の作品を同時に展示することが求められた。エントランスから少しずつずらしながらそれぞれエリア分けし、厳選した作品をゆったりと展示している。床は鉄平石、天井には艶やかな竹などを用い、素材の質感が作品を引き立てている。


    豊と濶の作品エリア


    悠三の陶磁器エリア


    ミュージアムバー「柳水(りゅうすい)」。
    作品を鑑賞するプラスアルファの体験を提供する新たなコンテンツとして取り入れたもの。「清き水にちなんだ利き酒を楽しみ、鑑賞と体感の両方から清水の歴史を感じとることができるスペースです」と間宮氏。カウンター奥には、間宮氏がクライアントの近藤高弘氏に制作依頼したという、銀滴彩をあしらった横幅7mのレリーフ。


    暗がりの中でこの銀の滴りが浮かびあがることで、この地の水に纏わる流れ、滴、潤いや艶などを陶器の世界の中で感じてもらうことを目指したという。


    日本酒の他にも、抹茶や緑茶なども。
    特別な空間でのここでしか味わうことができない体験。

    リニューアルでも唯一残したのは、1924年に悠三がこの地に陶工房を構えた当時の作業場。


    一坪半ほどの空間に資料や道具類、ぐい呑酒器などが展示されている。

    間宮晨一千氏。
    「清水焼の変遷、進化の過程を楽しめる空間です。このミュージアムを起点とし、茶わん坂をクラフト通りとして活性化させる起爆剤になればと考えました。今後も文化発信のできる"茶わん坂ブランディング”を広げる活動を続けていきたいと思っています」


    【近藤悠三記念館/KONDO MUSEUM】
    京都市東山区清水1-287

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    田辺雄之(田辺雄之建築設計事務所)による神奈川県逗子市の住宅「LL House」を見学してきました。JR横須賀線 逗子駅から10分ほど歩いた山間の住宅地。田辺さんの奥さまの妹夫婦のための住宅だ。


    敷地面積176m2、建築面積66m2、延べ床面積115m2。木造2階建て。既存の住宅が建っていた状態で敷地を購入し、木や庭石、駐車場のタイルなどを残しながら建てた。
    正面は南を向いているが、山が迫っているため11月にもなると正午頃でも影に隠れ始めた。


    横から見るとこのように。ファサードを山の斜面に対して逆の角度で傾斜させることで、特に2階で山からの圧迫感を軽減し、窓から空が見やすいようにした。
    もう一つの大きな特徴は断面が同形状のまま、断層のようにずれていることだ。これについては中で説明。


    (©田辺雄之建築設計事務所)


    下にずらした西側のボリュームはゴロッとした台形の塊が表現できるよう一部地面から浮いている。急傾斜地特有の条例により、山の斜線に掛かる部分をRC造にする必要があることから、基礎の施工段階で一緒に浮かせて打設した。


    東側のボリューム下部は大きく口を開け、ポーチ兼ウッドデッキとして内外の接続部分とした。


    玄関扉を開けるとさっそく見せ場が現れた。傾斜した壁(屋根)の開口、段差、面の取り回しが単なる玄関ホールではなくなり楽しい。


    振り返ると益々表情豊かだ。


    1階には水回りと主寝室。主寝室の周囲をL字形に土間(廊下)が計画され、居室とは明らかに違う使い方が生まれそうだ。


    床下には蓄熱式床冷暖房を採用。


    右手に寝室の開口があることから、土間は縁側のようにも見える。


    縁側という言葉を使った途端に、ウッドデッキは濡れ縁と呼びたくなるから不思議だ。
    インドア派だった施主は、仕事でアメリカに赴任している間にすっかりアウトドア派になり、帰国してからは東京への通勤圏内でありながら自然が豊かな土地を探し、家には自転車を置くための土間やバーベキューができるスペースを望んだ。


    主寝室。


    土間を介して外が見える。


    2階へ。玄関ホールを愛でるような階段と踊り場。正面にLDK、左に子供室がある。


    子供室。山の緑が見える環境。


    踊り場から。建物がずれているのが確認できる。


    台形の開口を抜けると台形のLDK空間が広がる。床や造作部分には乱幅のカラマツ材を浮造り加工して使用。


    反対側を見るとズレの部分を利用してハイサイドライトを設け、西側からも採光を得ることができた。
    右に上っていく階段の先から屋上に出られる。


    ボリュームのズレは屋根面で175cmある。ボリューム同士を繋ぐこの開口高さを重視しながら、床レベルには55cmの変化をもたせた。分けられたボリュームは光量や室の性格も変わっている。


    1階から2階、屋上への動線が一目で見えるカット。「シーンの切り替わりを大切にする動線をいつも心掛ける。」と田辺さん。


    正面開口の位置、大きさ、形状も様々に検討した。


    キッチンは、指物職人である「ペッタンコハウス(2015年)」の施主に依頼し、ほぼカラマツで製作してもらった。


    田辺雄之さん。「東西のボリュームは金太郎飴のように同断面のままずらすことで、光の用途に適した豊かな内部空間が生まれました。外構から玄関かまで高低差をコントロールしながらつながり、そのままスキップフロアのような空間を屋上まで一筆書きのように連続していく構成は、アウトドアを好むお施主さんのために計画しました。」

    【LL House】
    建築設計:田辺雄之建築設計事務所
    構造設計:樅建築事務所
    施工:川口建築
    キッチン:atelier m4

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    東京・品川のT-ART HALLで11月23日より開催の「フランク・ロイド・ライトへのオマージュ/HOMMAGE TO FRANK LLOYD WRIGHT」展オープニングに行って来ました。



    近代建築の巨匠フランク・ロイド・ライトの生誕150周年を記念して開催される本展。名作照明「タリアセン2」をモチーフに、各界の第一線で活躍するクリエイターが再解釈したライトへのオマージュ作品を展示販売する。
    第一回目となる今回の参加作家は、建築家坂茂、インテリアデザイナー 橋本夕紀夫、デザインスタジオgroovisions。


    本展主催のYAMAGIWAは1992年フランク・ロイド・ライト財団から直接依頼を受けてライセンス契約し、1994年からライトの照明の製造・販売を始めた。ライトのデザインの素晴らしさを伝えるとともに、今日まで復刻を続けてきたYAMAGIWAのものづくりを知ってもらう機会になればと企画。


    坂茂〈PAPER TALIESIN 紙のタリアセン〉
    坂さんといえば紙管。紙の照明を発表。オリジナルのスケールを尊重しながら紙管で再構築したデザイン。タリアセンの四角に対して丸を用いることでの形体そのものの変化と、そこから生まれる光と影の表情という2つの対比を見せている。サイズは2種類あり、大きい方が ¥500,000(税抜)、小さい方が¥170,000(税抜)。


    「私もライトには影響を受けている一人なので、企画をいただいた時は心躍りました。建築で普段から採用している紙管こそが自分らしさであり、純粋なライトに対するオマージュになると考えました。小さい方の照明を今度設計するホテルに使う予定です」と坂茂さん。


    橋本夕紀夫〈TALIESIN-J〉
    タリアセンを日本的に表現した作品。会津桐と金沢箔という日本ならではの素材を採用している。LEDを用いるなど光のディテールにもこだわり、また参加作家の中では唯一、展示空間の光の演出を手掛けている。


    柔らかみがある独特の光沢。箔によって値段が変わる。
    洋金箔 ¥600,000(税抜)
    金箔¥1,000,000(税抜)


    「ライトは日本が大好きだったという仮説を立て、彼がより和的なものをつくったら?という作品です。作品名のJはジャパンのJです(笑)」と橋本夕紀夫さん。


    groovisions 〈GRV2917〉
    木漏れ日のタリアセン。枝葉を表した遮光板から光と影が広がる。プロダクトそのものの面白さに加え、グラフィックとして影を描くという三次元から二次元へのアプローチ。背後のチャッピーでグルーヴィジョンズ感を出すことも忘れていない。¥380,000(税抜)


    繊細なデザインは職人が糸鋸でつくった。


    グルーヴィジョンズ 代表 伊藤弘さん。本展のグラフィックも手掛けた。
    「遮光板は7種類あります。組み合わせにより多彩な表情を愉しんでいただけます」


    フィンガーフードもライトへのオマージュ(?)

    今回発表された限定モデルは期間限定(2017年11月22日〜2018年12月31日まで)で受注受付にて販売する。本企画はYAMAGIWAの創立100周年に向けて今後2023年まで続けていくという。


    【フランク・ロイド・ライトへのオマージュ】
    会期:2017年11月23日~11月26日
    会場:T-ART HALL
    詳細:http://www.yamagiwa.co.jp/

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    蘆田暢人(蘆田暢人建築設計事務所)による横浜市港北区の住宅「キールハウス」を見学してきました。新横浜駅から15分ほど歩いた住宅地。



    敷地面積131m2、建築面積58m2、延床面積103m2。軒が少し張り出した切り妻ボリュームの棟に、何か四角い箱が乗っている。


    箱はそのまま棟に沿って屋根の上を横断しているようだ。
    また敷地は西向きの崖地で、東側の接道から2mほどの高低差を持っている。一度グランドレベルまで降りて1階からのエントリーも可能だが、1階を半地下状に下げたため、2階からのエントリーとした。


    玄関から鴨居をくぐるとボックス部分が、作品名であるキール梁になっていることがわかった。

    このキール梁が主構造となり建物を支えているため、柱のないワンルーム空間を可能にしている。
    キール内部は南北にハイサイドライトが設けられ、一部が排熱用に開閉する。


    建て方時の様子。存在感たっぷりのキール梁が耐力構造として構成されているのが確認できる。
    (photo: 蘆田暢人建築設計事務所)

    キールは本来船舶用の構造。キールから伸びる垂木が肋材のようで、正に船底を思わせる。
    南北には隣家が迫るため壁面への開口は期待せず、ハイサイドからの採光とした。


    ダイニングとキッチンは一体で、舞台のような位置にある。


    ダイニングからの景色はこのように見える。大きなサッシュにすればもっと遠景が望めるが、この位置からはここまでに留めるようにした。


    自宅で仕事をすることも多いご主人の仕事場を2階の奥に設けた。

    1階リビングに降りたところで、バルコニー越しにようやく緑と空が広がるを眺めることができるよう敢えて2種類の眺望を用意した。雲間に富士山も見える。


    1階はこのようにスキップしている。階段は外を眺めたり居場所になれるよう座面を設けた。仕事場の下は収納に。
    右下の格子の奥に1階が覗いている。


    隣家に比べ崖からセットバックしている。その分広いバルコニーを設けた。


    子どもは左奥の玄関から帰ってきて、DKのお母さん、仕事場のお父さんに「ただいま!」と声を掛け、リビングを抜け、1階の子供室にランドセルを置きに行く。といった家中を巡るような日常が想像できる。


    1階。右にトイレ、水回り、奥に納戸と続く。


    水回りの前から見る。2階リビングを介して外光が差し込んでいる。さらにスキップで降りたフロアは、主寝室を中心に子供室を左右に配置した。


    1階が半地下になっているため、これらのスキップフロアが生まれた。


    主寝室。窓の外はバルコニーの下にあたり、直ぐに地面と借景の緑が見える。


    トイレ横の扉から外へ出ると、接道側に作った納屋へ通じる。


    納屋内部は擁壁がそのまま見える。上を駐車場にするためにできた余白だ。


    蘆田暢人さん。「崖の上で道路より下にある敷地に対して、構造的安定性を得るために建物の半分を深基礎としたことで生まれた床の段差と、梁せい910mmのキール梁によるワンルーム空間によって、それぞれの居場所がつながっていくような一体的な空間をつくりました。みんなで過ごす時間の多いご家族のかたちを空間の構成に実現できたのではないかと思います。」

    【キールハウス】
    建築設計:蘆田暢人建築設計事務所
    構造設計:村田龍馬設計所
    施工:栄港建設

    【関連記事】

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    TOTO出版の「リナ・ボ・バルディ - ブラジルにもっとも愛された建築家」発行を祝う会に行ってきました。


    主催・会場はブラジル大使館。
    2015年から16年に掛けてすぐ近くのワタリウム美術館で「リナ・ボ・バルディ展」が開催された。それがきっかけで今回の出版に繋がるのだが、この出版をブラジル大使館が是非祝いたいと、開催を申し出たという。




    リナ・ボ・バルディは1914年ローマ生まれ、ローマ大学建築学部を卒業後ジオ・ポンティに師事、'46年にブラジルに移住、'51年ブラジル国籍を取得。独創的な作品を幾多手掛け、'92年に78歳で亡くなる。


    アンドレ・アラーニャ・コヘーア・ド・ラーゴ駐日ブラジル大使 [Mr. Andre Aranha Correa do Lago]。大使は建築に大変造詣が深く、リナがなぜ注目されるのが遅かったのか解説してくれた。
    「ブラジルにはリオ学派と、サンパウロ学派と大きく二つの学派がある。'64年に軍事政権が誕生し、リオ学派が主流となった。ニーマイヤーはリオ学派だったため、広く報道され有名になったが、リナやパウロ・メンデス・ダ・ロシャらサンパウロ学派は報道される機会がなかった。ダ・ロシャはその後プリツカー賞を受賞したが、リナも生きているうちにもっと注目されれば間違いなくプリツカー賞を受賞していただろう。」


    記念トークも開催され、ワタリウム美術館館長の和多利恵津子さん(左)の進行で、実際ブラジルでリナの作品を訪れている妹島和世さん(中)、塚本由晴さん(右)が解説。


    〈リナ・ボ・バルディ - ブラジルにもっとも愛された建築家〉
    内容を少し紹介。


    〈ガラスの家〉1951
    ブラジルに移住して数年後に建てられた自邸。竣工時は周囲に木々のない新興住宅地だったが、60年経ちうっそうとした木々に囲まれている。
    手前の斜面に白い池があるが、妹島さんはこの池のインスパイアされてMARUMARUチェアーをデザインしたそうだ。


    現在は記念館として見学可能で、展覧会などのイベントにも利用されている。


    〈サンパウロ美術館〉1968
    宙に浮くことでピロティを人々が利用し、展示室からは外を行き交う人々と空間が重なり、街と建築が一体となる。


    美術館でありなから壁のない展示室。妹島さんは大好きだと言うが、自作にも影響があることを感じさせる。


    〈テアトロ・オフィシナ〉1989
    軍事政権への抵抗を示していた劇団テアトロ・オフィシナのための劇場。


    9m×50mの細長い建物をリノベーション。鉄骨足場を組んだ垂直の観客席と路地のような舞台を持つ。塚本さんは「建物はこの地と一体となり、劇団員はこの建物と一体となりここに住むように活動している。ものすごいエネルギーを感じる建築。」と絶賛。

    【リナ・ボ・バルディ - ブラジルにもっとも愛された建築家】
    監修:和多利恵津子(ワタリウム美術館)
    協力:リナ・ボ・バルディ財団
    定価:本体4,300円+税
    発行日:2017年11月22日
    発行:TOTO出版(TOTO株式会社)
    詳細:http://www.toto.co.jp/publishing/detail/A0369.htm


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    エイベックスの新社屋が東京・南青山に完成し12月1日にグランドオープンした。
    構成は1階エントランスホール、2階コワーキングスペース、3階会議室、4階〜5階各種スタジオ、6階〜16階オフィス、17階社員食堂。



    建築設計・施工は大林組、1階〜5階と17階のプロデュースはトランジットジェネラルオフィス、6階〜16階オフィスフロアの内装を岡村製作所が手掛けた。その他にも、乃村工藝社、Jamo Associates、CEKAIなど、インテリア、アート、グラフィックの各界で活躍するクリエイターを起用し、外観からは想像がつかないデザインコンシャス・オフィスに仕上がっている。


    青山通り沿い、元々この場所に建っていたエイベックス本社ビルの建替えである。周辺のビルと比べても高層なのがわかるが、それもそのはず、港区で建築物の高さ規制が始まる直前、最後のチャンスだからと100m超えのビルを目指したという。

    それでも圧迫感がないのはセットバックしているから。ゆったりとした公開空地を設けている。※新情報によると、ここに高さ12m、総電飾4万5千個のイルミネーションを点灯するクリスマスツリーが間もなく設営されるとか。

    エスカレーターで2階へ上がると、エイベックスの新ブランドロゴ "a"型のレセプションカウンターが迎えてくれる。

    高さ3.5mのステンレス製だ。


    レセプションカウンターからエントランス方向の見返し。右側がオフィスへの入口。左側はコワーキングスペース「avex EYE」への入口。


    2階〈avex EYE〉
    スタートアップ企業が入居したり、イベントスペースとしても利用される。設計はDAIKEI MILLS(1階エントランスエリアや2階レセプションエリアも担当)。
    絨毯の柄を含むグラフィック、アートは若手クリエイティブ集団CECAIが手掛けている。


    連続する窓にはクヴァドラのカーテン。HAYの椅子と色合いを重ねたような淡い色彩で、やわらかく採光とビューを取り入れる。

    オフィスフロアへ。


    3階 〈THE SESSIONS〉
    乃村工藝社がインテリアデザインを手掛けた会議室フロア。グラフィックとアートはCECAIが担当。ハイカウンターの後ろのアートは、"人が集まりつながる場所"という新社屋のコンセプトから創作されたもの(青い線をなぞるように目で追うと人のかたちになっているのが分かる)


    会議室は計11室。静と動を表す青と赤のグラフィックで構成。入口から赤の暖色系、奥に行くにつれて、青の寒色系となる。


    社内外の人がセッションするためのプラットフォームとして議論も気分も盛り上がるようなデザインを意識したという。


    11階 執務フロア。
    フリーアドレス制。リボン状の長いメインデスクが、ベンチ、ハイ、さらにトンネルになり、高さを変えながらオフィス内を横断している。このデスクを中心に、ミーティングスペースや集中して作業ができるスペース等がフロア内の各所に散りばめられている。
    各階ごとにデザインテーマがあり、11階は「Mad&Pure」。


    中央には大人数でのミーティングや説明会等を開催できる広々としたエリアが用意されている。


    13階 執務フロア。
    一筆書きデスクはこちらにも。6階から15階すべての階に共通で設置されており、両端がそれぞれ上階・下階へと伸びるデザインになっている。1本のリボンで10フロアが途切れることなくつながり、約1500人の社員を結びつける様子を表現しているという。


    ミーティングエリア。
    13階のテーマは「fun」。 


    休憩エリア。隣接された黒いボックスの楽しげな絵が目を引く。


    黒板コートされているボックスだ。各フロアに2つほど設置されており、それぞれ個性的な絵や文字が描かれている。"何か書ける場所が欲しい"というエイベックスの要望により、クロークやコピー機エリアなどに取り入れられた。


    17階 社員食堂〈THE CANTEEN〉
    インテリアデザインはTRUNK(HOTEL)を手がけたJamo Associates。
    アメリカの西海岸のイメージした空間は、さまざまな用途を想定し、ホテルラウンジ、広場、アジアンダイニングなど6つの異なるテーマでエリア分けされている。植栽のコーディネイトはSOW atelierが手掛けた。


    全体的にウッド素材を多く用い、屋外で使っているような家具を配置することで開放感のある空間に。 「ここは僕らの得意分野ということもあり、特に振り切りました」とトランジットジェネラルオフィス代表の中村貞裕氏。


    トンネル風の半個室も。

    商談利用など外部の人も一緒に気軽に利用することができる雰囲気を目指したという。

    avex新オフィスビルの設計が始まったのは4年前。当初は島型の執務フロアで構成される一般的なオフィスの予定であった。社内の構造改革に取り組むなか「会社が生まれ変わろうとしている今、新社屋は本当にこれでいいのか?」という社長の投げかけから、急遽1年前にインテリア設計プランが変更されたという。これからの働き方やエンタテインメント業界を取り巻く環境の変化を反映したエイベックスの新社屋プロジェクト。建設中のレコーディングスタジオ・レッスンスタジオや、「HALL OF FAME」と名付けられた廊下を利用したトロフィーの巨大ショーケースなど更なる見所の完成が待たれる。


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    13回目を迎えた年末恒例の「モダンリビング大賞」授賞式に行ってきました。


    年6刊発行されるモダンリビングにはトータル150作品ほど掲載される。各号の読者アンケートで最も支持を得た6作品をベスト6とし、その中からWeb投票によって、さらに年間最も支持を得た作品が「モダンリビング大賞」となる。賞は設計者と施主に贈られる。


    今年の会場は南青山みゆき通り沿いにあるMinotti(ミノッティ)Aoyamaショールーム。


    1〜2階のフロア全てを借り切って会場となる。




    2階にステージ。はじめに志水りえ編集長からベスト6の紹介があり、そのほかの各賞の発表などが続き、会の終盤に「大賞」と「準大賞」が発表された。


    【モダンリビング大賞】
    照葉の家/NAP建築設計事務所/中村拓志+谷口幸平+山口貴司


    借景によって、都心の住宅地に建つとは思えない緑あふれる住まいを実現した家。マンションが建つ建物南側はあえて閉じ、公園側にあたる北と東を大きく開いた。屋根に傾斜とカーブがあるのは、隣接する大きなクスノキに光が当たるようにするため。これによって、木々は南からの光を受け、北向きの窓からより瑞々しく目に映る。大きな開口から緑の香りまで入ってくる、深呼吸したくなるような都会のオアシスが誕生した。
    (photo:傍島利浩)


    中村拓志さんと、施主ご家族。


    【モダンリビング準大賞】
    熱海の別荘/坂倉建築研究所/坂倉竹之助+藏田好博+北山修


    床から天井まで伸びる大きなガラス開口の先に広がるのは、美しい海と空の境界線。都心に暮らす建て主のリフレッシュのためのセカンドハウスは、日常を忘れるような雄大な景色を堪能することにすべてがフォー カスされている。海に向いた東側だけに用いた開口、海の色が映える白を基調としたインテリア、太平洋と一体化するようなインフィニティプール――美しい自然と静かに対峙するための白くニュートラルな空間だ。
    (photo:川辺明伸)


    坂倉建築研究所 北山修さん。


    【ベスト6】
    VILLA on the park/Mアーキテクツ/前田康憲+髙山建人


    公園と道路に面した立地で、「プライバシーが守られた開放的な住空間」を望んだご夫妻。完成したのは、 広いテラスとLDKがボーダレスにつながるアウトドアリビング。24畳のLDKに対し、テラスもほぼ同等の22.5畳を確保し、これらをつなぐ間口9.1mの大窓を開けると、50畳近い大空間が生まれる。米杉の天井、水平ラインが際立つ開口部など、細部は和の雰囲気も感じる端正なデザイン。のびやかで美しい住宅だ。
    (photo:川辺明伸)


    前田康憲さん。


    【ベスト6】
    URO house/建築設計事務所バケラッタ/森山善之+竹内典子


    敷地全体を高い壁で囲い、その中心に置いたL字型の中庭に向けて各部屋を開いたプラン。中庭の周囲はほぼガラス張りで、3階からは住まい全体を見渡すことができる。さらに、ほとんどの部屋が外部空間と開口でひと続きになっているため、敷地面積以上の開放感がある。中庭にはグリーンと合わせてラグジュアリー な外家具を多数配置した。視界に入る景観すべてを美しくコントロールできるのも、壁で囲う利点の一つだ。
    (photo:下村康典)


    森山善之さん。


    【ベスト6】
    YU Residence/松山建築設計室/松山将勝+野崎泰一


    中庭をぐるりと囲む「ロの字」型の平屋の住宅。外からは無機質にも見えるが、和風の中庭には、赤石を中心にアオダモやシラカシなど落葉樹が植えられ、日本の 四季の移ろいを楽しめる情緒ある空間が広がっている。中庭を挟んで北側は子供世帯、南側は親世帯の二世帯住宅。中庭の長手と短手にリビングとダイニングを振り分けて配置したり、アウトドアキッチンを設けたりと、さまざまな角度から庭を楽しめるよう配慮されている。
    (photo:傍島利浩)


    松山将勝さん。


    【ベスト6】
    villa OJU/エムズ・アーキテクツ 高橋昌宏


    世界最高峰の水まわりブランド、ボッフィのキッチンを中心にプランニングされたヴィラ。天井まである大開口から浅間山の景色が目に飛び込む絶好の場所に、コの字型のキッチンを配置。そこを起点に、ダイニング、リビングを配した。オーク材の床や窓枠、外装のレッドシダー材など、キッチンの木の面材に合わせて全体をデザイン。周囲の悠然とたたずむ大自然に呼応するような、ナチュラルかつ端正なヴィラが誕生した。
    (photo:山本育憲


    高橋昌宏さん


    モダンリビング編集部。左は編集長・志水りえさん、右は発行人・下田結花さん。
    創刊66年、7年連続の増収増益、かつ史上最高の発行部数だったそうだ。


    中村拓志さんと志水りえさん。

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    トラフ建築設計事務所による港区北青山の「増永眼鏡 – MASUNAGA1905 AOYAMA」リニューアルオープンお披露目会に行ってきました。外苑前駅から3〜4分程歩いたキラー通り(外苑西通り)沿い。
    増永眼鏡は1905年、増永五左衞門によって福井に初めて眼鏡産業を持ち込み創業した、高級眼鏡フレーム製造販売の老舗。



    2002年、美術家サイトウマコトの設計による、初の直営店として建てられた店舗の内装のみをリニューアルした。


    正確には外の看板も行灯型に付け替えた。建物の大きな特徴はスチール製の太めのルーバーだ。


    間口3m、奥行き12mの細長い店舗に入ると、片側一面に整然と並ぶ軽やかなラックが目に入る。


    バーチ材の素地色と、コーポレートカラーの濃紺を基準に、徐々に淡くなるブルーのパネルをディスプレーウォールに配した。パネルの目地を利用しスチール製のラックが取り付けられ、150の商品を並べることができる。


    1階の奥には加工室。高度な加工技術をもつ増永眼鏡の作業風景もディスプレーのようにつぶさに見ることができるようにし、製品のクオリティや信頼性をアピールする。


    既存ではスチールの折板階段だったが、店内の見通しを良くするために蹴込みのない木製の踏み板のみに。また中央に3階までを貫く壁を立て、販促ビジュアルを掲示できるようにした。


    ナチュラル色の多い1階からクールな印象の2階。


    2階では木の素地色をなくし、ブルーのみのグラデーション。


    パネルは木目が出るようにバーチを選んだ。さらに顔料ではなく、染料を使うことで着色しても目はじきし木目が見える。
    ラックは固定式にした。付け替えができると無限の組合せが生まれ、店頭で過度の負担が発生してしまう恐れがあるからだそうだ。


    実は所々隠し引き出し。


    当日はインテリアに合わせたカクテルが振る舞われた。


    商品の眼鏡を掛けて撮影に応じてくれた鈴野浩一さん(右)、禿真哉さん(左)。
    「丁寧なものづくりを貫く増永眼鏡の製品を、1点1点大切に見せることを心掛けました。また限られた空間を広く見せるために各所に効果的に鏡を配置し、階段も軽やかな構造で空間に広がりを与えました。錆色のファサードの隙間から青味のあるデスプレーウォールが外装としても現れ、両者の間に曖昧な境界を生みだしています。」

    【MASUNAGA1905 AOYAMA】
    内装設計:トラフ建築設計事務所
    オープン:2017年12月8日
    場所:東京都港区北青山2-12-34


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     小堀哲夫(小堀哲夫建築設計事務所)による福井市の「NICCAイノベーションセンター=NIC」を見学してきました。福井駅から北西へ2.5kmほどの場所。
    NICCA(日華化学株式会社)は繊維加工用界面活性剤の製造・販売を中心とした、業務用洗剤、化粧品、バイオ事業などの化学製品メーカーで、1941年からこの地に本社を置く企業。


    敷地面積12,400m2、建築面積2,600m2、延床面積7,500m2。S造4階建て。
    敷地の中には幾つかの棟があり、表通りに面した研究施設を建て替え・増築した。


    以前の研究施設。敷地一杯に高い塀を立て、工場然とした雰囲気で、周囲に広がる住宅や店舗との距離感を感じる。(phpto: google map)


    塀を取り払い、盛り土をして多くの緑を街へ還元。ランドスケープはスタジオテラが担当。


    1階は地域にも開くパブリックペースのため、賑わいが外へも感じられるようにした。2階以上は研究施設としての機密性も求められる、相反する条件をルーバーや深い庇でクリアした。透けるようなファサードで圧迫感も軽減している。


    エントランス。


    NICはこれまでの研究施設としての概念を覆し、智恵と技術をグローバルに交換できる「バザール」をテーマとする。特に1階はパブリックスペースとして社員はもちろん、クリエイター、学生、地域住民などが集い、賑わいの中で刺激的なことが起きることが期待される。

    エントランスを入って直ぐは自社製品の展示など。什器は地元福井の杉で製作したものだが、地下水が多い土地柄から鉄分を含みやすく、赤茶の筋が入ることがあるという。通常廃棄される材をうまく意匠として利用し、高級なチーク材のように見せた。

    もう少し奥へ進み「コラボレーションスクエア」。バザールの中で多様な人が意見交換をできるエリア。ガラスで囲われた "個室"もある。


    カフェスタンドも。右奥には半パブリックな実験室や分析室がある。

    さらに奥は「ガーデンスクエア」と呼ぶ多目的スペースが広がり、左の開口から庭のテラスに連続する。普段は社員食堂として機能する。

    ホールは2層吹き抜け空間。講演会や学会、シンポジウムなども対応可能で、今後様々な企画が計画される。この日は小堀さんなどのプレゼンテーションが行われた。
    このキューブ空間のサイズは7m×8m×9m。この「広場」に見たてたコモンズが建物内に3つ立体的に配され、人や情報が活発に交錯するよう計画されている。

    2階へ。ここからは研究施設としてのプライベートエリアで、セキュリティゲートが見える。

    階段を上がって左に回り込むとフリーアドレスのオフィススペースで、2つ目のキューブ空間(コモンズ)になる。右手に巨大なホワイトボードが見えるが、研究者がいつでも自分のアイデアなどをプレゼンしながら議論できるようになっている。
    左手にガラス張りの実験室がファサードに沿ってレイアウトされており、様々な実験設備なが並び撮影はNGだ。

    オフィスの奥から。1階から階段が延び、中央で3階、4階へと上がり渡り廊下で社長室へと通じる。来客者は社員の仕事ぶりを眺めながらコモンズを巡るように上階へ上がり、社長室へ。逆に社員はどのようなお客さんがいつ訪れたのか把握でき、会社がどのような仕事をしているか知ることが出来る。


    1階ホールは一部4層の吹き抜けで自然光が入るようになっている。

    設備用配管はバルコニーに出した。ファサードのルーバーはアルミ押し出しの長尺材を使うことで、支持フレームを省き意匠的にすっきり見える。またルーバーは交差させることで懐が深くなり、斜めからは見えにくく、東からの角度の低い太陽光を和らげることができる。

    3階へ。そろそろ天井のルーバーに触れなければならない。この建物は長手(このカットの左右)が南北で、ファサード面が東になる。光・熱・空気が大きな環境要素であるが、先ず大きくはトップライトから光を柔らかく均質にするためのルーバーだ。


    RC製ルーバーの断面は菱形になっており、バウンドした光が間接光のように注がれる。直射日光は夏至の前後2ヶ月だけ細く差し込むようにしたが、それは年間の晴天率が低い福井で、日光によって季節の移ろいも感じてもらうため。さらに福井の豊富な地下水をこのルーバー内に循環させ太陽熱を取り除き、有効な光のみを獲得できる。


    さらに地下水は構造用の巨大壁柱や、周囲の壁や床にも通され、易しい輻射冷房となる。もちろん冬は蓄熱式の温水によって輻射暖房とし、送風による冷暖房の不快さをなくす。


    「自然環境を取り込むことで生産性が上がることは、今までの研究施設を手掛けた中で実証されている。」と小堀さん。

    3階の3つ目のキューブ(コモンズ)もフリーアドレスオフィスで、トップライトに近いため光量が多くなる。
    デスクはオリジナルでオカムラが製作し、自由にレイアウトを変化させることができる。デスクの間に立っているものや、左に見えるものなど、照明計画・デザインは岡安泉が担当した。左の照明は夜天井を照らし柔らかな間接照明空間を作ることができる。

    概ね社員は空間の内側であるコモンズを行き来するが、研究や考え事に集中できるよう周囲にも通路や小さな籠もりスペースを設けている。

    階段の周囲にはカフェスペースや、、

    ライブラリースペースなど、寛げる空間も至るところに散りばめてある。

    4階へ。渡り廊下を渡った左に社長室。右に会議室。

    キューブを中心に様々な吹き抜けやバルコニー状の空間が、立つ場所により無限に変化する。どこからでも撮影できるため立ち位置を絞り込むのは苦労した。

    4階にはほかに幾つかの大きさの会議室や、オフィススペースが並ぶ。

    一番上まで来ると、トップライトはキールトラスで構成されていることが確認出来る。このキールにより4階が吊られている。
    そして空間に柔らかさを与えているテキスタイルは安東陽子が担当。

    安東陽子さん。「淡い光が易しく拡散するように求められました。重ねた2枚の布がよく見ると複雑なモアレを生みだし、ドットで軽やかな意匠にしました。」

    スタジオテラの石井秀幸さんと、野田亜木子さん。「中の賑わいを外に見せられる場所と食堂は見えないようにと、抑揚のある盛り土と、植栽の粗密によって変化を持たせました。高木も植えたので時間が経てばかなり雰囲気が変わるはずです。また敷地の傾斜を利用して小川を作り、地下水を流して夏期には涼しい風が屋内届にけます。落葉の清掃が必要になりますが、社員さん達は積極的に街の美化に取り組んでいると伺ったので、庭も手入れをしていただけるだろうと確信してこのようにデザインしました。」


    小堀哲夫さん。「新しい働き方の模索、働き方の意識を変えるために3年もの間、様々なワークショップを重ねてきました。ここで働く全てのひとの視線や動きが、立体的に連続するキューブ空間を交錯します。がやがやと賑かで人や情報が行き交うプレゼンテーションや議論の場であり、研究の場でもある、働き方がそのままミュージアムとなるオープンイノベーションセンターです。環境としては光・熱・空気をアラップと徹底的にシミュレーションし、究極のエコロジーを目指しました。」

    【NICCAイノベーションセンター】
    設計・管理:小堀哲夫建築設計事務所
    構造:ARUP
    設備:ARUP
    ランドスケープ:スタジオテラ
    テキスタイル:安東陽子デザイン
    照明デザイン:岡安泉照明設計事務所
    施工:清水建設

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    原田将史+谷口真依子(Niji Architects)による目黒区の「扉の家」を見学してきました。


    敷地面積74m2、建築面積34m2、延床面積64m2。木造+一部RC造。
    ご覧のように都市部でありがちな旗竿敷地のため全貌はよく見えないが、扉を開けたように迎えてくれるメッセージは瞬間的に伝わる。

    ヒンジは付いているのかとかなり期待してしまうが、さすがにそこまでは難しいようだ。しかし旗竿の奥で「いらっしゃい!」と家が言っているようなアイデアは秀逸だ。


    (photo: Niji Architects)


    反対側から見るとこのように。北側斜線に合わせた鋭角な切妻ボリュームだ。しかしこの光景も手前にもうすぐ住宅が建つので見えなくなってしまう。


    玄関ポーチ。半地下があるようで、1階玄関へは半階上がる。


    この「扉」は人を呼び込むメッセージと共に、プライバシーの保護、風や光の引き込み、そして物理的に構造壁でもあり、防火壁でもある。
    左の開口からはオリーブの木が覗くようにする予定。


    玄関から。左に主寝室、奥に水回り。北側の隅に階段室を通じて光が差し込むようになっている。


    玄関の見返し。玄関外のデッキから面一で寝室まで連続する。


    主寝室。梁を現しにして意匠とした。
    「外壁の開口をもっと小さく “窓” のようにしなかったのは?」と質問すると、「居室の採光面積をクリアするため」だそうだ。つまり右の連窓は外壁に閉ざされ採光面積に算入できず、玄館ホールに延びるフローリングも居室扱いとして、全面ガラスの玄関引戸越しに外壁の開口を算入しているのだ。


    洗面、トイレ、浴室はワンルームに。各部は仕切られるようにカーテンレールが備わる。


    子供室は半地下といっても180cmほど掘り下げた。将来二部屋に分割できるようにもなっている。
    螺旋階段の手摺と、ささらに当たるフレームは一筆書きで繋がっているこだわり。


    2階LDK。南側に横連のトップライト。曇天だがかなりの光量だ。
    "扉"で開いた部分はデッキ貼りのバルコニー。


    防火壁でもある "扉"により開口部の殆どは防火設備でないフロントサッシュの使用が可能になり、開口サイズに合うサッシュで開放出来るようになった。


    かなりコンパクトな平面のため、上へ広がる気積は重要だ。晴天時の採光は竣工写真を楽しみにしたい。


    バウンドした光が上からも横かも入ってくる様子がよく分かる。
    バルコニーの上は収納などにも使えるエクストラスペース。黄色く見えるのはカーペットが反射しているため。


    開いた扉は迎えるだけでなく、住み手の意識を外に向ける効果もある。掃き出しで連続するバルコニーはアウターリビングとして活用されるだろう。


    原田将史さん、谷口真依子さん。「ここは分筆された分譲地の奥の奥、周囲への開口はあまり期待できないため色々考えました。とてもオープンなお施主さんで、人だけでなくコトも招き入れたいという思いが強く、敷地の性格も相まってこの形が生まれました。」


    【扉の家】
    設計・管理:原田将史+谷口真依子/Niji Architects
    構造設計:オーノJAPAN
    施工:山菱工務店


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    手塚貴晴+手塚由比(手塚建築研究所)による東京 駒込の「勝林寺 客殿・庫裏」を見学してきました。
    1年前(2016年)、本堂・納骨堂が完成し本ブログでも紹介したが、今回はその隣に客殿・庫裏が完成した。


    敷地面積3,034m2、建築面積140m2、延床面積464m2。木造 + 一部RC造、地下1階、地上3階建て。
    左が客殿・庫裏、右が本堂・納骨堂。客殿とは来客や、檀家が法事などで集まる場所のことで、庫裏(くり)とは住職とその家族の住まいのこと。

    既存状態(Google Map)


    墓地側から。防火地域と準防火地域にまたがる敷地であるため、通常は庫裏も本堂もRCや鉄骨で造りがちだが、手塚さんと住職は木造にこだわった。


    お墓の中に格子状の外観が良く馴染む。


    漆喰の壁が汚れないよう、庇と裳階(もこし)を複数掛け、伽藍としての佇まいを大切にした。


    1階・2階が客殿、3階が庫裏。前庭はほぼ完成したが、植栽や灯籠が未完だ。


    玄関は三和土(たたき)、壁は漆喰、柱・梁は渋墨色の塗装仕上げ。
    梁は本堂でも採用した二重梁だが、サイズが少し小さい。


    玄関の左は寺務所。板戸が多用されている。


    反対側の多目的室へ。


    奥の多目的室から見返す。2部屋を仕切ることも、開放することもでき、フレキシブルに使えるようになっている。


    片隅には井戸が。この建物が建つ前からあった井戸で、そのまま建物内で活用するという。
    木造準耐火建築物であるため、燃え代設計の太い柱が確認できる。


    2階へ。


    2階は総和室だ。主に法事や、お坊さんの集まりなどに使われる。奥から6、8、6、6畳間があり、4部屋は襖・障子を開放し大広間にすることもできる。


    書院は二部屋ある。炉畳が見えるが、臨済宗では茶事を大切にするためだそうだ。


    障子を閉めた状態の畳廊下。


    厨房。大勢集まることもあるのでかなりの規模だ。


    3階の庫裏は非公開だったが、1階と同様の板の間と板戸で構成されたシンプルな空間だった。
    屋上の塔屋も手を抜かず建物に完全に調和したデザインだ。


    屋上から本堂を見る。


    2階の簾越しに本堂を見る。


    1階へ降り、客殿と本堂の間に接続されたスロープの渡り廊下で本堂へ。


    本堂。(前回の記事に詳しい


    昨年訪れたときと異なるのは、この須弥壇(しゅみだん)と香台が出来上がっていることだ。どちらも手塚事務所でデザインした。装飾を極力排した本来(平安時代)の須弥壇に近い形だそうで、カリン材でできている。因みに本尊は現在も修復中で仮の本尊が鎮座している。


    本堂地下の納骨堂へは、客殿のエレベーターからユニバーサルアクセスできる。


    改めて納骨堂へ。


    前回訪れたときはまだ制作中であった合葬壺が完成し、中央に置かれていた。

    手塚さんは「このプロジェクトでこだわったのは準防火地域での木造です。RCにすれば何の苦労もありませんが、ここで木造3階建てにすることは大きなチャレンジでした。木造であれば手入れをきちんとすれば数百年もちます。そして木造の客殿・庫裏の佇まいは今は少なくなってしまった寺町の雰囲気を取り戻すためにも重要なのです。」

    また住職は「この本堂、客殿・庫裏を建て替えるにあたって、檀家さんの寄付も募りましたが、コンクリート造りですと何十年か後に建て替えの可能性がでて、また寄付を募るのは檀家さんの負担になります。もちろん木造のお寺を後世に残したいという強い思いからです。」と話す。


    【勝林寺 客殿・庫裏】
    建築設計:手塚建築研究所/手塚貴晴+手塚由比/担当:杉中俊介、斧田裕太
    構造設計:TiS & PARTNERS
    照明設計:ぼんぼり光環境計画

    勝林寺:www.mannen-syourinji.com

    【関連記事】
    勝林寺 本堂・納骨堂
    山を捕まえる家
    高床の家

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    篠原聡子+金子太亮/空間研究所による鎌倉の長屋「SASU・KE」を見学してきました。(2017年3月)
    敷地は鎌倉駅から10分程の住宅地。鎌倉ではよくある山に囲まれた谷筋の坂を上っていく。「SASU・KE」は土地の名前であると同時に「KE」は「家」の意味を持つ。


    敷地面積499m2、建築面積189m2、延床面積446m2。RC造+一部木造、地下1階、地上2階建て。オーナーの住戸と、賃貸が8住戸からなる。
    敷地は4mほどの高低差があり、大階段で一度上がったところに住戸の玄関があるようだ。


    崖地が迫る敷地ではRC造でなくてはならない特有の条例があるが、ここでもその条例が適用される。法定建蔽率40%、且つ風致地区ということから余白が多く植栽を存分に施した。


    RCの塊が前面に出ないよう、ファサードの木製ルーバーで緑豊かな周辺環境に配慮した。30度、45度、90度の3パターンで角度が付けられ、RC壁への熱負荷を軽減し、開口部では採光や眺望に配慮しながら設置されている。


    ベイマツ集成材のルーバーは動かすことができそうに見えたが、ボルトでしっかり固定されている。


    階段を上ると中庭が現れた。この中庭を「C型」に囲むように住戸の入口が配されている。
    中庭はコモンスペースとして、居住者同士の交流や憩いの場、さらには街と連続することをオーナーは望んでいる。右がオーナー住戸部。
    敷地には様々な木が植わり、中央にはソヨゴ、周囲にイロハモミジ、トクサ、ハイノキ、ツツジ、ナンテンなどだ。


    RC造の躯体の上に木造の屋根が軽やかに乗る。折れ屋根は背後の山並みに合わせた格好だ。


    庭の中央には迷子石のような石がひとつ。この敷地は随分前に寺院があったそうで、工事の際地中から出てきたものを土地の記憶としてアクセントにした。


    北側の105号室へ。変形の敷地からくる変形の平面を持つ。折れ屋根の複雑な表情と相まって、住み手に住まい方のアイデアを喚起させそうだ。左奥は水回り。


    RCの躯体には軒桁がなく壁の展開図が凹凸形状だ。これにより開口が大きく周辺の景色をたっぷりと取り込むことができる。


    軒桁と棟木で枠をつくり、その間に垂木を渡して屋根を支持。棟木は120×360あるので、軒先で必要以上に厚くならないように角度を付けながら細くなり、かつ3方から組み合わさるという手の込んだ大工仕事が見られる。
    この写真のように、棟木をRC躯体に乗せることができない箇所では鉄柱で棟木を支持している。


    中庭の切れ目が大階段で、街と繋がる。
    ちなみに抜けた先に見えるグレー(退色したウリン材)の建物は、当ブログでも以前紹介した手塚建築研究所の「山を捕まえる家」。


    一度大階段を降り101号室へ。この住戸は地下と1階からエントリー可能で、前庭に駐車場もある。


    地下階はがらんとしており、ガレージや店舗として使うことができるようにもした。


    1階は寝室を想定。水回りもこちらに。


    2階はLDK、或いはDKとして。高さの異なる開口から中庭を望むことができる。




    オーナー住戸。ガラス引戸でコモンスペースに開いている。


    1階。階段の下は駐車場に通じており、そこから上がってきて、右の土間が玄関となる。
    天井にカーテンレールが見えるが、手前を仕切って寝室として利用できる。筆者の背後に水回りがある。


    ルーバー越しに見え隠れする鎌倉の景色。


    見上げると三角形の吹き抜けになっていた。


    2階はLDK。向かいと手前の折り屋根がクロスしながら豊かな表情をつくりだしている。


    2階からは大きさや形状の異なる開口が7箇所もあり、そのどれからも同じ景色がない。




    102号室。南側の庭に面したワンルーム。


    103号室。天井に高低差があなりあるL字平面のワンルーム。


    「敷地が周辺よりかなり高いので、ここでコンクリートの大きなボリュームが立ちはだかるようにならないよう配慮しました。そしてこの高低差によって敷地と街が分断されかねないので、大階段や店舗利用もできる住戸を配し、街と建築、住み手が繋がるような計画としました。」と金子太亮さん。

    【SASU・KE】
    建築設計:篠原聡子+金子太亮/空間研究所
    構造設計:中田捷夫研究室
    設備設計:冨張設備
    施工:リンク・パワー

    【関連記事】
    「日本の家 1945年以降の建築と暮らし」展
    N.A.S.A設計共同体による「道の駅 保田小学校」


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    浅利幸男(ラブアーキテクチャー)による川口市の寺「持宝院 礼拝堂・墓地」、長崎剛志(N-tree)による石庭「三業の石据」を見学してきました。埼玉高速鉄道 戸塚安行駅から10数分の場所。
    建築家が墓地関連の施設を手掛ける事は良く聞くが、 “墓地” 自体を手掛けたものを初めて見る機会だ。


    敷地面積1,373m2、建築面積110m2。木造平屋建て。
    今回の主役は右の礼拝堂。前庭を拡張するかたちで礼拝堂を新築した。

    改修前の様子。山門の右側に塀と垣根、そして庫裏への通路と車庫があり、閉ざされたイメージだったが、それらを取り払い開放的にしたことがよく分かる。(by Google Map)


    礼拝堂を脇に見ながら、浅利さんにはまず墓地を案内された。本堂の左奥へ。


    今回整備した参道を進んで、浅利さんが手掛けた区画が見えてきた。


    水屋はスチール(溶融亜鉛メッキにリン酸鉛処理)でシンプルなデザイン。


    こちらは「樹木葬」の区画。参道の両脇に納骨棚が22基並び、間に菩提樹が植わる。


    中はこのように。家ごとの納骨棚ではなく48の筒状の骨壺が納まり、脇の御影石に故人の名前が刻まれる。


    背面は御影石が貼られており、墓石のようなデザイン。


    一番奥には骨壺もなしで散骨する合祀タイプ。


    墓地でよく見掛ける碁盤目状だった区画を、大通りと少し入り組んだ路地を組合せ再構成。苑内を巡りながら参拝できるようにした。墓石は苑に合うように基本デザインと黒御影で統一、などリニューアルを掛けたことで、10年で10数区画のみであった永代契約が、半年で一気に100以上になったというから驚きだ。
    将来的には本堂背面から反対側まで、ぐるりと巡る霊園を整備していき、、


    この礼拝堂に回ってくる、という仕掛だ。


    霊園のどちら側からも入れるようピロティーを設けた。


    墨入りのモルタルで仕上げられた濡れ縁が周囲を囲んでおり、、


    表情の異なる庭を眺めることができる。




    礼拝堂。宗教や宗派、国籍に関わらず利用できるようシンプルだ。




    祭壇も浅利さんのデザイン。祭壇背面の壁は和紙。


    夜、外から見たときに行灯になるように、開口を巡るように照明を設えた。


    引戸を全開にするとランドスケープと一体となった礼拝堂へ雰囲気を変える。


    63tの石を持ち込んだ「三業の石据」と名付けられた石庭。「浅利さんからは自由にやらせていただいた。これだけ大きな石を扱えるプロジェクトはなかなかないのでかなり力を入れました。」と長崎さん。


    礼拝堂の凜としたした佇まいと対照的にダイナミックな表情を出した。青、白、赤の石が並ぶ、「トリコロールの庭」が密かに裏コンセプトにあるという。


    この日は夕景まで待ってみた。狙い通り美しい行灯が現れた。


    ちょうどスーパームーンとのツーショットを撮影できた。

    浅利幸男さんは「お寺も時代に合わせた変化が必要になってきています。人口が減少していくなかで、どのように改修すれば良いか困っているお寺が沢山あり、そのお寺の問題点を見つけ出しアイデアを出していきますが、基本的にはそのお寺の本来の姿(小さな改修を重ねるうちに境内に歪みがでてくる)にできるだけ戻します。そしてお寺は地域に開いた存在であることも本来の姿です。」と話す。

    【持宝院 礼拝堂・墓地】
    設計監理:ラブアーキテクチャー一級建築士事務所
    作庭:長崎剛志/N-tree 
    施工:前澤工務店

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    japan-architectsブログ 2017年最も注目された記事ベスト20です。
    当ブログは基本的に事務局が直接取材に伺い、写真や記事はほぼ全てオリジナルで構成されています。あまり専門的に寄らず、どなたが読んでも分かりやすく、あたかも「行った気になれる」ような記事が特徴です。


    1、「GINZA SIX|ギンザ シックス」詳細レポート


    2、サポーズデザインオフィスの新東京事務所+飲食店「社食堂」


    3、永山祐子による「西麻布の住宅」




    5、「そこまでやるか」展 レポート/21_21 DESIGN SIGHT


    6、nendoによる会場構成「草月創流90周年記念 勅使河原茜 個展 – HANA SO」
















    本年もjapan-architectsをよろしくお願い申し上げます。


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    石井秀樹(石井秀樹建築設計事務所)による鎌倉の「仲ノ坂の家」見学してきました。
    鎌倉駅から徒歩25分程、鎌倉駅近くでは比較的珍しい区画整理された住宅団地。


    敷地面積280m2、建築面積112m2、延床面積140m2。木造2階建て。
    黒っぽい "謎の"外壁材と、焼き杉の塀が印象的だ。


    この日はかなり冷え込んだ。担当工務店がコーヒースタンドを出して来訪者に温かい飲み物を提供していた。


    黒い外壁は、リン酸処理亜鉛メッキ板かスレートのようにも見えたが、近づくと見たことのない素材だった。
    ケイミューのセメント板を基材にしたサイディング材で、開発中の製品をモニターとして提供されたそうだが、厚さは5mm程度で非常に味わい深い表情。来訪者がまず最初に「これはなんだ?」と質問していた。


    コンクリート洗い出しのアプローチはポーチ状になっており、屋根はルーバーで間接光が落ちている。
    右側は自転車置き場。


    アプローチは階段を上りクランクしながらまだ続く。


    アプローチの先は吹き抜けの中庭。ここで玄関に到着。


    吹き抜けから引戸をくぐり、さらに吹き抜けの玄関。洗い出しの床はここまで連続する。


    玄関から右に回り込むと廊下が延び、スタディスペース。左側には2つの子供室と間に書棚。床はここで床暖が備わるコンクリートに変わる。


    造り付けのデスクからは先の中庭が望め、勉強するにはちょうど良い優しい自然光が差し込む。


    玄関の方へ戻り左へ回り込むとリビングと、その先にダイニングキッチン。


    土間から小上がりになったリビングは東西に大きく開口する。


    ここで平面図見ていただこう。左側が南で整理された住宅街では、その南面をほぼ全戸が庭として開けているが、この家ではその部分にリビングを配置した。そのリビングの両脇は大開口で、両隣の庭を真っ直ぐ借景、或いは開放的な抜けとして利用することができる。
    さらにプランを十字型にすることで四つ角に庭ができるため全ての室が庭に接続する。このプランを隣近所が全て採用したらどうなるだろうか、、、全ての四つ角に2倍ないし4倍の庭が生まれるのだ。


    東西に抜けたリビング越しに、隣、さらにその隣と長大な庭が連続する。


    180cmと低めの開口は、近隣の2階からの視線を緩く遮り、ソファに掛けたときに空が見える。


    特殊な外壁はそのまま室内に連続し、内外の境を曖昧にする。


    ダイニングキッチンは十字の一翼に位置し、リビングとは同じ庭を共有する。




    中央の黒いコアの(外だが)内部は中庭。そのコアから十字の各翼に棟木が井桁状に組まれているのが分かる。


    中庭が外であるにもかかわらず、黒いサイディングが室内側にあるため内外が反転したような不思議な光景。


    DKの奥から水回りへ。


    石井さんが多用する床埋め込みの浴槽は、日常とは異なる景色を演出する。


    スタディスペースの奥から。


    子供室は鏡像プランで隣り合い、それぞれ別の庭に面して開口する。


    ベッドはハシゴで上がって一つになる。こどもにとってはたまらない演出だ。


    2階はご主人の書斎兼趣味室で、トップライトひとつのみの開口。


    石井英樹さん。「この敷地のように、比較的区画の大きい整理された住宅団地では同じようなサイトプランになりがちです。開発され数十年経ち、建て替えが増えてくる地域でしょうから、この家のようなレイアウトをもし皆さんが取れば、庭を共有するような、より豊かな住宅街にできるプロトタイプとして計画しました。」

    【仲ノ坂の家】
    設計監理:石井秀樹建築設計事務所
    構造設計:野村基建築構造設計
    植栽設計:SOLSO
    施工:中川工務店

    【関連記事】
    石井秀樹 自邸「雪ノ下の家」

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    相坂研介(相坂研介設計アトリエ)による横浜の「本牧の住宅」を見学してきました。
    JR根岸線 山手駅から徒歩10数分の住宅地での建て替えプロジェクト。


    敷地面積267m2、建築面積158m2、延床面積206m2。木造2階建て。白とシルバーの外観が精悍な印象だ。
    敷地は丘陵地で、右側(東)と奥(北)に落ち込んでいる。


    玄関ポーチ。西側は隣家の崖が迫り玄関前が暗くなりがちなので吹き抜けを設けた。また西側崖からの安息角で壁をセットバックしたため、長大な軒下空間が現れた。


    玄関から右はガレージに通じる。その奥にはシューズインクローゼット。階段の1段目と上がり框を同化させ、下足の脱ぎ履きの際腰掛けとなる。
    廊下右にはトイレと、階段下に収納とワインセラー、左奥に水回り、右奥にLDKと続く。
    壁が気持ち厚く見えるのは、不燃化推進地域によりプラスターボードが二重に張ってあるため。


    LDK。南北2面の大開口と、何よりも中央に四角形の吹き抜けが目を引く。


    吹き抜けにはハイサイドライトが設けられ西側からの光を取り込み、ラウンドした内壁を伝ってリビングに導かれる。日が傾いた時刻に訪問したが、西日がちょうど差し込む時間には少し間に合わなかった。


    照明を点けるとこのように。間接照明を多用し光に包まれるような空間だ。


    奥にある小上がりの畳スペースから。リビング、中庭、ガレージ、接道へ一直線と、南に向いたハイサイドへ視線が抜けていく。


    敷地の北と東は崖下になっている。そのためこちら側は安息角に掛かる部分に基礎を打てないので、規定まで基礎をセットバック。そのままでは床面積が十分に取れないので、1階スラブの一部を片持ちで突き出してる。それに合わせこの畳、ダイニング、キッチンが小上がりになっているというわけだ。


    崖の突端にはダイニングを配置し谷を見下ろすポジション。床が上がった分、天井が低くなり、結果景色を切り取るような低目の開口となった。
    施主はこのロケーションを最大限活用出来る建物を望んだ。(既存ではそうはなっていなかった)


    奥さまの好みに合わせたステンレスを多用したキッチン。


    洗面に鏡が多いのは娘さんが2人いるため。脱衣所側と仕切ることもでき、将来に配慮してある。角丸の鏡の周囲にはこの後ワーロンを巻き、より柔らかな光になる。


    2階。フランスでの生活経験がある施主はコルビュジエの、しかもサヴォア邸の大ファンだそうだ。「水平連続窓」、「スロープ」がここで現れた。


    主寝室。「白い壁とパステルカラー」をここから3カット紹介。


    子供室は間にウォークスルークローゼット。両引戸にパステルカラー。


    トイレも。


    一度外へ出てガレージから外部空間を巡ってみる。


    中庭と屋上へアクセスする階段。
    畳スペースの箇所で説明した1階スラブが片持ちされているのが右手に見える。


    階段はもう一つあり、屋上と庭を回遊できるようだ。


    サヴォア邸最後の要素は「屋上庭園」だ。上下の庭を思い切り駆け回ることが出来る「立体回遊性」示唆するように、「シルバーのリボン」が建物をくるんでいるのがお分かりになるだろうか。


    片隅にある水場には家族の記憶を残した。


    廊下にあったスロープは反対側の屋上にも表現されている。




    相坂研介さん(左から二人目)とスタッフ。
    「お施主さんからは、サヴォア邸の要素や、眺望、娘さん二人が『年頃』になってからも住みやすくする、など明確なテーマをいただきました。それらを踏まえ、3方が崖という厳しい条件をクリアしながら、空間を立体的に体感できるような住宅を提案しました。」

    【本牧の住宅】
    建築設計:相坂研介設計アトリエ
    構造設計:馬場構造設計事務所
    施  工:大同工業株式会社

    【関連記事】
    あまねの杜保育園


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    岸本和彦(acaa)による世田谷区の二世帯住宅「House-K」を見学してきました。
    二子玉川駅からバス、或いは徒歩で25分程の住宅地。


    敷地面積315m2、延床面積240m2。地下:RC造、1F:S造、2F:木造。
    地下は車2台分の駐車場と、エントランス、駐輪場が納まり、くびれた1階の上にキャンティレバーでせり出した2階が乗るような構成だ。


    敷地は多摩川沿いに連なる国分寺崖線の一角。この崖線に建つ住宅を幾つか訪問したことがあるが、何れも西に富士山を望むことができた。おそらくこの住宅もだろうということが想像できる2階のデザイン。


    施主からは、シンボル的な造形を求められたという。仕事から帰って我が家を見上げたとき『いいなあ』と誇らしく思えるような建ち姿が一番の依頼だったそうだ。
    二つのボリュームはかなり趣を異にしており、内部ではどのようになっているか楽しみだ。


    格子扉を開けると玄関へ伸びる階段が現れる。


    玄関。天井はレッドシダーの羽目板張りが外部から連続する。


    玄関から左には「玄関の間」と呼ぶ、3面開口のこぢんまりとした部屋。2階のボリューム下のピロティーのようにも感じられる。
    傍らにはフランク・ロイド・ライト名作 "タリアセン2"。


    部屋には書棚が設えられる。腰壁は高めなので、造り付けのベンチに座ると囲われたような空間になり、落ち着いて読書もできそうだ。


    玄関から右は吹き抜け空間を中心に、右手に寝室、水回りが続き、左手に「茶の間」と、奥に子供室。


    同居するのは奥さまのご両親で、寝室は二部屋が中央のクローゼットで仕切られる。


    二世帯住宅といっても子世帯とほぼ空間を共有する完全な同居だ。「茶の間」は畳と箪笥で懐かしい雰囲気。上部に鴨居が見えるが太鼓張りの障子で、吹き抜け空間と仕切ることもできる。

    西側(右)の開口は縁側から濡れ縁と連続する。


    濡れ縁からそのまま敷地の傾斜に合わせて、ほぼ全面に階段状のテラスが広がる(デッキはセランガンバツ)。
    2階に上がらないと見えないと思ったが、1階から既に富士山が望める。


    テラスの一部は月見台のように平らにし、椅子やテーブルを持ち出して楽しむこともできる。
    また2階は、1階の鉄骨によって持ち上げられている様子がよく分かる。左奥に見える白い箱は子供室。

    「ディテールにはこだわった」という岸本さん。


    子供室はスリット窓に造り付けの机が設えてある。

    1階の一番奥には洗面室と浴室、ほかに洗濯室もある。


    2階へ。中央の吹き抜けを挟んで木質の空間と、白の空間に分かれている。右の木質空間はご主人、左の白い空間は奥さまの趣味を反映している。


    外観から見えた白いチューブはキッチンとダイニングだった。壁から天井は漆喰で、床と両側のカウンターはモールテックス。
    東側(左)は隣家からの視線があるため積極的に開口は設けず、この空間は柔らかく包まれるような雰囲気にした。




    DKの反対側は書斎と主寝室。


    DKからリビングへは、色も空間の質も変わるシーンの切り替えとしてスキップで上がる。


    西側の眺望に対して全面開口のリビング。天井はレッドシダー、床はチーク。ライトのタリアセン2、ハンス J. ウェグナーのソファやネストテーブルがよく似合う空間だ。


    リビングは1階と同様太鼓張りの障子で両面を閉じることができる。


    障子を閉めた状態。鴨居の上には隙間があり、緊張感を持たせながら、天井が軒へと軽やかに連続するよう演出されている。


    リビングの奥には "空中和室"が現れた。周囲は障子で閉めることができる。
    夜、部屋の明かりを消して畳に座ると、夜景の中に自分が浮いているように感じることができるのだろうか。




    岸本和彦さん。「外観をまず重視した設計を依頼されたのは初めてでした。そのことを意識しながら各要素を細分化し、積み上げながらデザインしていきました。西側は大開口によって開放的で伸びやか、東側は白いシェルターで守られた空間が並存する構成とすることで、空間に多様性が生まれ日々の暮らしが豊かになるよう目指しました。」

    【House-K】
    設計・監理:acaa
    構造設計:諏訪部建築事務所
    施  工:石和建設

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